
カードの明細や店の名刺で配偶者の風俗通いに気づき、「風俗も不貞行為にあたるの?」「慰謝料や離婚は請求できる?」と悩んでいませんか。
店で性行為や性交類似行為があれば、不貞行為にあたる可能性があります。ただし、慰謝料は一般の不倫より低くなりやすく、1〜2回の利用では請求自体が認められないこともあります。店の種類や通った回数、店の外での関係があったかどうかによって、請求できる相手や金額の見込みも変わります。
この記事では、男女トラブルに強い弁護士が次の点を解説します。
- 風俗通いが不貞とされる分かれ目
- 配偶者に慰謝料・離婚を請求できる場合
- 証明に使える証拠と集め方の注意
- 風俗嬢にも慰謝料を請求できるのか
なお、配偶者の風俗通いでお悩みの方は、一人で抱え込まず、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談をご利用ください。地域を問わずご相談を承っています。
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配偶者の風俗通いは不貞行為にあたる?
配偶者の風俗通いが不貞行為にあたるかは、店で性的な行為があったかどうかと、利用の回数・期間によって分かれます。
そもそも不貞行為とは?性交類似行為も含まれる
不貞行為とは、結婚している人が、自分の意思で配偶者以外の相手と性的な関係を持つことをいいます。民法770条1項1号の「不貞な行為」がこれにあたり、離婚原因の一つでもあります。
ここでいう性的な関係には、性交(いわゆる本番行為)だけでなく、手や口を使った性的サービスのような性交に近い行為(性交類似行為)も含まれると考えられています。相手との間に恋愛感情があるかどうかは問われないため、お金を払ってサービスを受けただけの関係でも、不貞行為と評価される場合があります。
一方、キスやハグだけなら、基本的には不貞行為にあたりません。本番のないサービスのどこまでが性交類似行為にあたるかは、行為の内容ごとに判断されます。
ソープ・デリヘル・キャバクラなど店の種類による違い
風俗店の種類によって、不貞行為と判断される見込みも変わります。
- ソープランド:性行為を伴うサービスが中心で、利用を裏づけられれば不貞行為と判断されやすい
- デリヘル・ファッションヘルス・ピンサロ:手や口による性的サービスが中心で、内容次第で不貞行為にあたりうる
- キャバクラ・ガールズバー:会話や飲食の接客が中心で、店内だけなら原則として不貞行為にあたらない
利用の回数・頻度で判断が分かれる
性的なサービスを受けていても、利用が1〜2回なら、不貞行為として重くは評価されない場合があります。反対に、何度も風俗に通っている、何年も続いている、家計を圧迫するほどお金を使っているといった事情があると、評価は重くなります。回数や期間は慰謝料の額や離婚の可否にも影響するため、後で示せるよう記録を残しておきましょう。
風俗通いの配偶者に慰謝料を請求できる条件は?
風俗通いが不貞行為にあたれば、配偶者に慰謝料を請求できます。夫婦は互いに、配偶者以外と性的な関係を持たない義務(貞操義務)を負っており、これに反する行為は、夫婦として平穏に暮らす利益(婚姻共同生活の平和)を傷つける行為として、損害賠償の対象になりうるからです(民法709条)。
ただし、利用した時点で夫婦関係がすでに破綻していた場合は、慰謝料は認められないのが原則です。
一般の不倫より慰謝料が低くなりやすい理由
風俗店の利用は、お金を払ってサービスを受けるもので、相手との間に恋愛感情や交際があるわけではありません。そのため裁判所は、一般の不倫に比べて夫婦関係を壊した度合いは小さいとみて、慰謝料を低めに算定する傾向があります。ただし、店の外で会うなど交際に近い関係があれば、一般の不倫に近い評価を受け、慰謝料も上がりやすくなります。
慰謝料の相場と増額・減額される事情
一般の不倫・浮気の慰謝料は、離婚しない場合で50万〜100万円、離婚に至った場合で100万〜300万円程度が目安とされます。風俗通いではこれより低くなる傾向があり、1〜2回の利用なら、認められないか少額にとどまることもあります。
- 高くなる事情:長期間・高頻度の利用、多額の出費、「もう行かない」との約束を破った、離婚に至った
- 低くなる事情:利用が1〜2回、発覚後も同居を続けている、婚姻期間が短い
関連記事:不倫1回だけで不貞行為の慰謝料請求は可能?判例と相場を解説
風俗通いが原因で離婚できるのはどんな場合?
裁判で離婚を求めるには、民法770条1項の離婚原因が必要です。風俗利用で問題になるのは、1号「配偶者に不貞な行為があったとき」と、4号「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」です。
1号では、通い続けていれば該当しえますが、1回きりの利用では足りないとされることがあります。
例えば、妻の夫に対する離婚請求事案で、裁判所は夫が1度だけデリヘルを利用したことは認定したものの、「仮にあと数回の利用があったとしても、被告(夫)は発覚当初から原告(妻)に謝罪し、今後(風俗を)利用しない旨を約束していること~からすると、この点のみをもって、離婚事由に当たるまでの不貞行為があったとは評価できない」と判示して妻からの離婚請求を認めませんでした(横浜家庭裁判所平成31年3月27日判決)。
不貞行為とまではいえなくても、風俗通いの発覚をきっかけに夫婦生活がなくなり、長い別居に至った場合は、婚姻関係が修復できないほど破綻したとして、4号にあたる可能性があります。
不貞行為を証明するには?風俗通いの証拠と集めるときの注意点
店のカードや名刺だけでは不貞行為の証拠として弱く、「人からもらった」「1回行っただけ」と反論されると立証が難しくなります。行為の中身と回数を示せるよう、次の証拠を組み合わせます。
- お金の流れ:クレジットカード明細、電子マネーの履歴、領収書
- やり取り:店の予約メール、従業員とのLINE(日付が分かる形で保存)
- 出入り:店やホテルに入る場面の写真・動画、探偵の調査報告書
- 本人の言葉:風俗通いを認めた会話の録音や念書
本人を問い詰める前に、手元の明細やメッセージを保存しておきましょう。先に問いただすと、履歴を消されるおそれがあります。
スマートフォンのロックを無断で解除するなど違法な方法で集めた証拠は、裁判で使えないおそれがあるうえ、集めた側が逆に責任を問われかねません。探偵に頼る前に、手元の証拠で足りるか弁護士に確認する手もあります。
風俗嬢(店の従業員)にも慰謝料を請求できる?
一般の不倫であれば、不貞行為の相手にも慰謝料を請求できます。
判例においても、夫婦の一方配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意または過失がある限りこの配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方配偶者の夫または妻として権利を侵害しその行為は違法性を帯び、他方配偶者の被った精神的損害を慰謝すべき義務があると判示しています(最高裁昭和54年3月30日判決)。
ここでいう故意・過失とは、相手が結婚していると知っていた、または注意すれば知りえたことです。ソープランドやデリヘルなど風俗店の従業員は客の婚姻の有無を確かめる立場になく、故意・過失を立証するのは困難です。
また、裁判例では、クラブのホステスがお客と性交渉を反復・継続していた事案で「それが「枕営業」であると認められる場合には,売春婦の場合と同様に,顧客の性欲処理に商売として応じたに過ぎず,何ら婚姻共同生活の平和を害するものではないから,そのことを知った妻が精神的苦痛を受けたとしても,当該妻に対する関係で,不法行為を構成するものではないと解するのが相当である。」と判示しています(東京地方裁判所平成26年4月14日判決)。
そのため、店内でのサービスにとどまる限り、風俗嬢への請求は基本的に難しいと考えられます。
もっとも、夫がソープ嬢と店内で複数回に渡り肉体関係を持ち、その後、ソープ嬢が店を辞めた後も店での利用料金と同額のお金をソープ嬢に渡して性的関係を継続していた事案で、判例(東京地方裁判所平成27年7月27日判決)は、店内での性交渉につき慰謝料の発生は否定したものの、店外での性交渉につき、「夫は、単に性的欲求の処理にとどまらず被告に好意を持っていたからこそ、被告との本件店舗外での肉体関係の継続を求めたものであり、被告もこれを認識し又は容易に認識できたのに夫の求めに応じていたものと認められるから、被告が自らは専ら対価を得る目的であったとしても、これが夫婦関係に悪影響を及ぼすだけでなく、婚姻共同生活の平和を害し、原告の妻としての権利を侵害することになることを十分認識していた」として、妻からソープ嬢への慰謝料請求を認めています。
このように、店外でも関係を続けていた場合は、風俗嬢に慰謝料を請求できる可能性があります。
風俗通いが不貞行為にあたるか迷ったら弁護士へ相談を
風俗通いが不貞行為になるかは、店での行為と通った回数・期間で分かれ、慰謝料の額は証拠に大きく左右されます。
請求は話し合いから始め、まとまらなければ内容証明郵便や調停・訴訟へ進みます。弁護士に相談すれば、手元の証拠で請求できる範囲を踏まえて進め方を決められます。
当事務所は、風俗通いを含む不貞行為の慰謝料請求や離婚のご相談に力を入れています。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
男女問題・男女トラブルに強い法律事務所の代表弁護士。事務所全体で年間1,500件以上の男女トラブル相談を受けており、不倫慰謝料、妊娠トラブル、婚約破棄、パパ活トラブル、ストーカー被害など、他人に相談しづらい問題を穏便かつ内密に解決することを得意とする。相手の暴力的・脅迫的な言動にも弁護士が毅然と対応し、依頼者の平穏な生活を取り戻すために全力を尽くしている。

