不倫は犯罪?犯罪になるケースとリスク・刑事と民事の違いを解説

「不倫は犯罪になるのか」「浮気がバレたら逮捕されるのだろうか」。不倫の当事者になった方も、配偶者の不倫を知った方も、まず気になるのは法律上の扱いではないでしょうか。

結論からお伝えすると、不倫や浮気そのものは犯罪にあたりません。現在の刑法に、これを処罰する規定がないからです。ただし民法上は不法行為として違法であり、慰謝料や離婚といった民事の責任は生じます。

さらに、不倫をきっかけにとった行動が、それとは別の犯罪として刑事責任を問われることもあります。

この記事では、男女トラブルの解決実績が豊富な弁護士が、次の点について解説します。

  • 不倫や浮気が犯罪にならない理由
  • 刑事上の犯罪と民事上の違法の違い
  • 例外的に不倫が犯罪になるケース
  • どこからが不貞行為にあたるのか
  • 慰謝料を請求されたときの対処法

お読みいただくことで、ご自身の状況が刑事と民事のどちらの問題なのかを見分け、次に何をすべきかを整理できます。

なお、不倫をめぐるトラブルでお悩みの方は、一人で抱え込まず、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へご相談ください。

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不倫(浮気)は犯罪ではないが、民法上は違法(不法行為)にあたる

「犯罪ではない」と「違法ではない」は同じ意味ではありません。この章では、不倫が刑事上の犯罪にならない理由と、民法上は不法行為として違法になる根拠を、刑事と民事の仕組みの違いから説明します。

不倫や浮気が犯罪にならない理由と姦通罪の廃止

刑法には、どのような行為を犯罪として処罰するのかをあらかじめ法律で定めておかなければならない、という原則があります(罪刑法定主義)。

そして現在の刑法には、配偶者以外の人と男女関係を持つことを処罰する条文がありません。したがって、不倫をしたことを理由に警察が逮捕したり、検察官が起訴したりすることはできません。

かつては、姦通(かんつう)罪という犯罪がありました。夫のある妻が夫以外の男性と肉体関係を持った場合だけが処罰の対象で、告訴(犯人の処罰を求める申告)ができるのも夫に限られていました。

相手が独身であれば、夫がいくら浮気をしても罪に問われない仕組みです。

この男女で扱いが異なる規定は、日本国憲法が定める法の下の平等(14条)との関係が問題となり、昭和22年(1947年)の刑法改正で削除されました。以後、日本には不倫そのものを処罰する刑罰法規は置かれていません。

刑事上の犯罪と民事上の不法行為はどう違うのか

犯罪と不法行為は、どちらも法律に反する行為です。両者の違いは、責任を追及する主体と、行為者に生じる結果にあります。

犯罪は、刑法などの刑罰法規が定めた行為です。警察や検察官が捜査し、裁判で有罪となれば、国が拘禁刑や罰金といった刑罰を科します。

処罰を求めるかどうかを決めるのは、原則として国であり、被害を受けた個人ではありません。

一方、不法行為を定めているのは民法です。権利や利益を侵害された人が、侵害した相手に対して自分で損害賠償を請求します。国は関与せず、支払われるのは刑罰ではなく賠償金(慰謝料)です。

不倫は、この後者にあたります。不倫をした人が刑務所に入ることはありませんが、傷つけられた配偶者から慰謝料を請求される立場に立ちます。これが「犯罪ではないが違法」といわれる意味です。

なお、「不倫は親告罪にあたるのか」と調べる方もいます。親告罪とは、被害者などの告訴がなければ検察官が起訴できない犯罪のことです。

不倫はそもそも犯罪ではないため、親告罪かどうかを論じる前提を欠きます。ただし、不倫の事実を言いふらした場合に問題となる名誉毀損罪は、刑法232条により親告罪とされています。

不倫は民法上の不法行為として違法になる

民法709条は、他人の権利や法律上保護される利益を故意または過失で侵害した人に、それによって生じた損害を賠償する責任を負わせています。

婚姻した夫婦は、同居し、互いに協力し扶助しなければなりません(民法752条)。また、配偶者に不貞な行為があったときは、もう一方の配偶者が離婚の訴えを起こせます(同法770条1項1号)。

民法はこうした形で、夫婦が互いに貞操を守ることを前提に組み立てられています。そのため、配偶者のある人が第三者と肉体関係を持てば、平穏な夫婦生活という法律上保護される利益を侵害したことになります。

したがって、不倫をした配偶者と、相手が既婚者であることを知りながら、または不注意で知らずに関係を持った不倫相手は、侵害された配偶者に対して損害賠償の責任を負います。

不倫が犯罪になる5つのケース

浮気や不倫をきっかけに何罪に問われるのか、相談の多い5つの場面を、罪名ごとに順に見ていきます。不倫それ自体が刑事罰の対象になることはなく、不倫の過程でとった行動が別の犯罪の要件を満たした場合に、その行為について刑事責任を問われます。

不倫相手が未成年の場合

多くの都道府県は、青少年保護育成条例で、18歳未満の青少年とみだらな性交・性交類似行為をすることを禁じています。

東京都の場合、この禁止に違反した人は2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です(東京都青少年の健全な育成に関する条例18条の6・24条の3)。

※2025年6月1日施行の改正刑法により、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。

相手が16歳未満であれば、刑法の不同意性交等罪が問題になります(相手が13歳以上16歳未満のときは、行為者が5歳以上年上の場合に限られます)。相手が同意していたとしても罪は成立し、法定刑は5年以上の有期拘禁刑です(刑法177条3項・1項)。

不倫相手に性行為を強要した場合

暴行や脅迫を用いる、アルコールや睡眠の影響を利用する、職場での立場の優位を利用するなどして、相手が同意しない意思を示すことが難しい状態をつくり、またはその状態に乗じて性交等に及べば、不同意性交等罪が成立します。

法定刑は5年以上の有期拘禁刑です(刑法177条1項)。

性交等に至らなくても、同じ状況でわいせつな行為をすれば不同意わいせつ罪にあたり、法定刑は6月以上10年以下の拘禁刑です(刑法176条1項)。

不同意性交等罪の詳しい成立要件は「不同意性交等罪とは?旧強制性交・強姦罪との違いや構成要件」で解説しています。

不倫相手にストーカー行為をした場合

不倫関係が終わった後も相手への執着を断ち切れず、つきまといや待ち伏せ、拒まれても続く電話やメッセージに及ぶ人もいます。

こうした行為を、好意やそれが満たされなかったことへの恨みの感情から、相手の身体の安全や住居などの平穏が害されると不安を覚えさせるような方法で繰り返せば、ストーカー行為にあたります。承諾を得ずにGPS機器で相手の位置情報を取得する行為も、同じように繰り返せば対象になります。

ストーカー行為等の規制等に関する法律は、「ストーカー行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する」と定めています(同法18条)。

不倫の事実を言いふらした場合

不倫の事実をSNSに投稿したり、相手の職場や知人に言いふらしたりすれば、名誉毀損罪にあたるおそれがあります。法定刑は3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です(刑法230条1項)。

同項は「その事実の有無にかかわらず」と定めており、話した内容が真実であっても成立し得ます。これは、不倫をした人が言いふらした場合も、不倫を知った配偶者が怒りから言いふらした場合も変わりません。

浮気相手の配偶者に事実を伝える行為が名誉毀損などの罪にあたるかどうかは「浮気相手の配偶者にばらすと罪になるケースとリスクを徹底解説」で詳しく解説しています。

不倫関係をばらすと脅した場合

不倫相手やその配偶者に対し、「関係を職場にばらす」と告げて金銭を求める人もいます。

相手の生命・身体・自由・名誉・財産に害を加えると告げて脅した場合には、脅迫罪が成立します。法定刑は2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金です(刑法222条1項)。

脅したうえで、義務のないことを行わせたり、権利の行使を妨げたりすれば強要罪となり、法定刑は3年以下の拘禁刑です(刑法223条1項)。

さらに、脅したり暴行を加えたりして金銭などを交付させた場合は恐喝罪にあたり、法定刑は10年以下の拘禁刑です(刑法249条1項)。

これらの行為は、不倫をした人が相手に向ける場合も、不倫を知った配偶者が不倫相手に向ける場合もありますが、成立する犯罪は変わりません。

どこからが不貞行為にあたるのか

ここからは、刑事の話を離れて民事の話に移ります。民法が離婚原因として挙げ、慰謝料請求の前提にもなる「不貞な行為」(770条1項1号)とは、配偶者以外の人と、自らの意思で肉体関係を持つことをいいます。裁判所は行為の内容と経緯をふまえて個別に判断するため、ここでは判断が分かれやすい5つの場面の枠組みを示します。

キスやハグにとどまる場合

配偶者のある人が第三者に好意を寄せていても、肉体関係がなければ、原則として不貞行為にはあたりません。メッセージのやり取りや二人だけの食事、キスやハグといった段階であれば、裁判所が不貞行為と認めることは通常ありません。

ただし、不貞行為には、性交そのものだけでなく、それに準じる行為も含まれると考えられています。裸で抱き合うなど性的に密接な行為があったときは、その態様によっては不貞行為と評価される余地があります。

性交に至っていない行為が不貞行為と評価されるかどうかで悩む場合は「最後までしてないのに不貞行為?慰謝料請求された場合の対処法」で具体的な判断要素を解説しています。

酔った勢いや1回だけの場合

酒に酔っていたとしても、自分の意思で関係を持ったと判断されることがほとんどです。判断能力を完全に失っていたといえる例外的な場合を除き、酔っていた事情だけで不貞行為の成立を免れるのは困難です。

1回だけの関係も、理屈のうえでは不貞行為にあたります。もっとも、回数や期間、その後の夫婦の状況によっては、婚姻関係を破綻させるほどの行為とはいえないとして、離婚の請求が認められないこともあります(民法770条2項)。

1回だけの場合の扱いは「不倫1回だけで不貞行為の慰謝料請求は可能?判例と相場を解説」で詳しく解説しています。

風俗店を利用した場合

性風俗店でサービスを受けた場合に不貞行為にあたるかどうかは、サービスの内容や経緯によって裁判例の判断が分かれています。

店の従業員は、客が既婚かどうかを知らないまま業務として接するのが通常です。そのため従業員の側には故意や過失が認められにくい一方、店を利用した配偶者の行為は、性交を伴うサービスであれば不貞行為にあたると判断される可能性が高いといえます。

夫が1回だけ性風俗店を利用し、妻が離婚を求めた事案では、不貞行為にあたるかどうかとは別に、離婚原因となるほどのものかが問題になりました。

横浜家庭裁判所平成31年3月27日判決は、「仮にあと数回の利用があったとしても、被告(夫)は発覚当初から原告(妻)に謝罪し、今後(風俗を)利用しない旨を約束していること~からすると、この点のみをもって、離婚事由に当たるまでの不貞行為があったとは評価できない」と判示し、妻からの離婚請求を認めませんでした。

同性と身体の関係を持った場合

相手が同性であっても、不貞行為と判断されることがあります。

東京地方裁判所令和3年2月16日判決は、婚姻生活の平和を害するような性的行為であれば不貞行為に含まれるとしたうえで、同性同士の行為の結果、既存の夫婦生活が離婚の危機にさらされたり形骸化したりする事態も想定されるとして、不貞行為を認定しました。

不倫当時に婚姻関係が破綻していた場合

不倫が不法行為となるのは、その時点で夫婦の関係がまだ壊れていなかった場合です。すでに婚姻関係が破綻していたのであれば、特別な事情がない限り、守られるべき平穏な夫婦生活が残っておらず、不法行為は成立しないと考えられています。

破綻を主張して慰謝料請求に対応する場面については「不倫の慰謝料請求を無視するとどうなる?リスクと正しい対応」をご参照ください。

不倫をした場合に負うリスク

不倫をしたこと自体を理由に刑罰を受けることはありませんが、次のような法的・社会的な不利益を負います。

離婚を請求される

不貞行為は法律が定める離婚原因のひとつであり(民法770条1項1号)、もう一方の配偶者は離婚の訴えを起こせます。

話し合いや調停でまとまらなければ、裁判で離婚が争われます。もっとも裁判所は、不貞行為があった場合でも、一切の事情を考慮して婚姻を続けることが相当だと認めるときは、離婚の請求を退けることができます(同条2項)。

慰謝料を請求される

不倫をされた配偶者は、原則として、不倫をした配偶者と、その不倫相手の双方に慰謝料を請求できます。慰謝料は、不貞行為によって受けた精神的な苦痛に対する賠償金です。

離婚した場合も、離婚せずに夫婦を続ける場合も、請求そのものは可能です。金額は、話し合いや裁判のなかで、個別の事情をもとに決まります。

不倫相手として請求を受けた場合に支払義務があるかどうかは「浮気相手から慰謝料請求された!支払義務と認められる例外」をご確認ください。

不倫相手に対する慰謝料の請求権には期限があります。不倫をされた配偶者が損害と相手を知った時から3年、または不倫の時から20年が経過すると、時効によって請求できなくなります(民法724条)。

請求された金額が妥当かどうかを判断したい方は「不貞行為の慰謝料500万円は高すぎ?相場・減額事例と対処法」をあわせてご確認ください。

社会的な信用を失う

不倫が周囲に知られれば、職場や親族との関係が損なわれることがあります。もっとも、不倫は私生活上の行為であるため、原則として懲戒の対象にはなりません。ただし、会社の運営や職場の秩序、会社の信用に具体的な影響が生じた場合には、懲戒事由にあたるおそれがあります。

不倫が発覚した場合・慰謝料を請求された場合の対処法

不倫が発覚したときや、慰謝料を求める通知書が届いたときに、その場で結論を出す必要はありません。不倫をした配偶者も、不倫相手として請求を受けた人も、まずは次の2点を押さえてください。

事実関係と相手の主張を確認する

相手が何を根拠に、誰に対して、いくらを求めているのかを確認します。通知書には、請求の理由と金額、支払期限が書かれているのが通常です。

不倫相手として請求を受けた人であれば、交際していた相手が既婚だと知っていたか、知り得たかが争点になります。

相手の婚姻を知らず、知らないことに落ち度もなかった場合には、賠償の責任を負いません。

不倫をした配偶者であれば、交際を始めた時点で夫婦関係がどのような状態だったかが問題になります。夫婦の関係がすでに壊れていたのであれば、評価が変わり得ます。

いずれの立場でも、相手の言い分をそのまま受け入れる前に、手元のやり取りや通知書を残しておくことが出発点になります。

感情的な対応を避け、支払や合意を急がない

焦りから、その場で謝罪文や念書に署名してしまうと、後から金額や責任の範囲を争うことが難しくなります。相手と直接会って話すことも、感情的なやり取りを招きやすいため勧められません。

不倫を知った配偶者の側にも、注意すべき点があります。相手の職場に押しかける、SNSに不倫の事実を書き込む、金銭を要求して脅すといった行動は、それ自体がここまで見てきた犯罪の要件を満たし、名誉毀損罪や脅迫罪、恐喝罪にあたるおそれがあります。責任を追及する立場から、責任を問われる立場に変わってしまいます。

浮気相手の親族に事実を伝える場合も、伝え方によっては名誉毀損に問われかねません。「浮気相手の親に浮気をばらす行為は違法?NGな理由を解説」もあわせてご確認ください。

どちらの立場であっても、支払や合意を急がず、届いた書面を持って弁護士に相談することが、結果的にもっとも早い解決につながります。

不倫の問題でお悩みの方は弁護士にご相談ください

不倫それ自体を理由に警察が動くことはありません。しかし民事の世界では違法な行為として扱われ、慰謝料の支払いや離婚という形で責任を負うことになります。不倫に伴う行動が別の犯罪にあたる場面があることも、この記事で見てきたとおりです。

刑事の問題なのか民事の問題なのか、請求された金額が妥当なのか、相手の主張のどこを争えるのか。こうした判断は、法的な知識と経験がなければ見通しを立てにくいものです。弁護士に依頼すれば、相手との交渉窓口を任せることができ、不利な条件で合意してしまう事態も避けられます。

慰謝料を請求されて金額に不安がある方、相手から関係をばらすと脅されて困っている方、家族や職場に知られないよう穏便に収めたい方も、おひとりで抱え込む必要はありません。

当事務所は男女トラブルの解決に注力しており、豊富な実績があります。ご家族や勤務先への影響にも配慮しながら対応いたします。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、まずはお気軽にご連絡ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

男女問題・男女トラブルに強い法律事務所の代表弁護士。事務所全体で年間1,500件以上の男女トラブル相談を受けており、不倫慰謝料、妊娠トラブル、婚約破棄、パパ活トラブル、ストーカー被害など、他人に相談しづらい問題を穏便かつ内密に解決することを得意とする。相手の暴力的・脅迫的な言動にも弁護士が毅然と対応し、依頼者の平穏な生活を取り戻すために全力を尽くしている。

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