慰謝料請求で相手の弁護士から連絡がない!その理由と対応方法

相手の弁護士と慰謝料の交渉を続けていたのに、ある日を境にぱたりと連絡が来なくなる。「諦めたのか、訴訟の準備に入ったのか」と相手の出方が読めず、焦りを感じていませんか?

連絡が止まる背景は事案によってさまざまで、こちらだけで判断するのが難しい場面もあります。とはいえ、相手の動きを読み違えて対応を誤ると、突然の訴訟や時効完成といった大きなリスクを抱え込むことになります。

本記事では、不倫慰謝料の解決実績が豊富な弁護士が、次の点を解説します。

  • 相手の弁護士から連絡が途絶える7つの理由
  • 連絡がない間も進む時効・遅延損害金のリスク
  • 連絡がないときにこちらが取るべき対応
  • 受任通知やいつまで待つかなど、よくある疑問

お読みいただくことで、相手の弁護士からの連絡が途絶えた状況を冷静に読み解き、訴訟提起や時効完成までの時間を自分側に有利に使う判断ができるようになります

なお、相手の弁護士からの連絡が途絶えてお悩みの方は、一人で抱え込まず、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へご相談ください

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相手の弁護士から連絡がない7つの理由

相手の弁護士から連絡や返事が途絶える背景は、弁護士側の事情・相手側の事情・事案の性質など複合的です。典型的に考えられる理由は次の7つです。

  • ① 弁護士が依頼者と連絡を取れていない
  • ② 弁護士が忙しく対応が後回しになっている
  • ③ 訴訟の準備を進めている
  • ④ あえて連絡を遅らせて交渉を有利に進めている
  • ⑤ 相手が弁護士を変更・解任した
  • ⑥ 離婚協議や財産分与など他の問題を優先している
  • ⑦ 慰謝料請求自体を断念した可能性

弁護士が依頼者と連絡を取れていない

まず考えられるのは、弁護士が依頼者である相手本人と十分に連絡を取れていないケースです。

弁護士はあくまで依頼者の代理人であり、こちらへの提案内容や交渉方針は依頼者の意向を踏まえて決まります。依頼者の体調不良や出張、多忙が続いて打ち合わせの時間が取れない状態だと、書面の作成や回答送付が数週間止まる事例もよく見られます。

金額提示や条項案の修正など、依頼者の判断を要する場面では、依頼者の返答待ちでそのまま数週間動かない、ということもあります。

弁護士が忙しく対応が後回しになっている

連絡が遅れている理由が、単に弁護士のスケジュールが立て込んでいるだけという場合も少なくありません。

弁護士は一人で複数の案件を並行して進めており、裁判期日が間近に迫っている事件や提出期日が直前に控えている書面があれば、そちらが優先されます。証人尋問や調停期日が連続する週は、それ以外の事件に手をつける時間がほぼ確保できない状態になることもあります。

こうした繁忙期に重なってしまうと、本来であれば2〜3週間で来るはずの回答が、1か月以上ずれ込むことも起こり得ます。

訴訟の準備を進めている

連絡が突然途絶えた場合、水面下で訴訟提起の準備が進んでいる可能性があります。

交渉での合意が見込めないと判断されると、相手の弁護士は訴状の作成、証拠の整理、裁判所に提出する書面の準備に移ります。準備自体に1か月程度かかり、その間こちらへの連絡は止まったままになりがちです。

これまで定期的にあったやり取りが急に途絶え、その後しばらくして裁判所から訴状が届く、という展開は実務上もよく見られます。

あえて連絡を遅らせて交渉を有利に進めている

連絡が遅い背景に、相手の弁護士の交渉戦術が隠れていることもあります。

こちらが「早く決着をつけたい」「いつ訴訟になるか不安だ」と感じている様子が伝われば、相手は時間を引き延ばすほどこちらが折れて譲歩しやすくなる、と判断します。回答を急かすほどこちらの足元を見られ、要求金額を下げざるを得なくなる、という構図です。

催促のメールを送るほど回答が遅くなる、催促後に提示された金額がかえって不利になる、といった反応が出ているなら、戦術的に時間をかけているサインと考えてよいでしょう。

相手が弁護士を変更・解任した

連絡が止まったのは、相手が依頼している弁護士を途中で変更・解任したからかもしれません。

方針が合わない、信頼関係が築けない、費用面で折り合わないなどの理由で、交渉途中に代理人を交代するケースは実務でも一定数あります。後任の弁護士が記録を引き継ぎ、依頼者と方針を再協議し、書面の準備を整えるまでには相応の時間がかかります。

本来、代理人をやめた前任の弁護士からは、その旨の通知が届くのが原則ですが、引き継ぎの混乱で通知が遅れることもあります。

離婚協議や財産分与など他の問題を優先している

不倫の慰謝料は、しばしば離婚の話し合いと並行して進みます。相手が配偶者との離婚協議・財産分与・親権など複数の問題を同時に抱えている場合、慰謝料請求の優先順位が下がることがあります。

たとえば、配偶者との財産分与の合意がまとまるまで、不倫相手への慰謝料額を確定させられない、というケースです。財産分与で配偶者から受け取れる金額の見込みが立たないと、不倫相手にいくら請求するかの判断もできないためです。

離婚側の手続きが一区切りつくまで、慰謝料請求の交渉は事実上中断する、という流れになります。

慰謝料請求自体を断念した可能性

確率は高くありませんが、相手が慰謝料請求自体を取りやめている場合もあります。

離婚協議のなかで配偶者から十分な解決金を得られた、訴訟で得られる金額より弁護士費用のほうが高くつくと判断した、感情的に「もう関わりたくない」という心境に至った、などの事情で請求を見送るケースです。

ただし、連絡がないことを「請求を諦めた」と即断するのは早計です。後述する時効期間が近づくと、突如として訴訟が提起される展開もあるため、油断はできません。

相手の弁護士から連絡がない間も時効は進行する

連絡が途絶えても、慰謝料請求権の時効はこちらの状況とは無関係に進み続けます。これが、連絡がない間に最も注意すべきリスクです。

不倫を理由とする慰謝料請求権は、民法第724条により次のいずれか早い時点で時効により消滅します。

  • 請求する側(不倫の被害を受けた配偶者)が、不倫の事実と不倫相手の存在を知った時点から3年
  • 不倫行為があった時点から20年

相手側が交渉を放置しているように見えても、時効が近づくと突如として訴訟を提起してくる事例は実務でもよく見られます。訴訟が提起されると、その手続が続いている間は時効が完成しなくなる(時効の完成猶予)ため、相手側の弁護士が時効間近のタイミングを狙って提訴してくることがあります。請求を確実に残すための実務的な対応です。

また、こちらが請求を受けている側であれば、連絡がない間も法定利率(年3%)による遅延損害金が発生し続けている点にも注意が必要です。長期化するほど支払総額は膨らみます。

「連絡がない=何も起きていない」ではなく、水面下で時効と遅延損害金は粛々と動いている、という前提で備えることが重要です。

相手の弁護士から連絡がないときにこちらが取るべき対応

大前提として、相手側の代理人弁護士は、こちらに対して回答する法律上の義務を負っていません。あくまで依頼者本人の代理人として動いており、こちらの催促に応じる責任はありません。だからといって放置するのは賢明ではなく、状況に応じた備えを進めることが大切です。代表的な対応は次の3つです。

  • ① 当面は様子を見て焦らない
  • ② 訴訟に備えて証拠を整理する
  • ③ こちらも弁護士に相談して備える

当面は様子を見て焦らない

連絡が途絶えた直後にこちらから動くのは、原則として得策ではありません。早期解決を望む姿勢が伝わると、相手に交渉の主導権を渡し、要求金額の引き下げ余地を狭めてしまうおそれがあるためです。

とくに、戦術的に連絡を遅らせている兆候があるときに催促を重ねると、かえって不利な条件を引き出されることもあります。先方の動きを見極めながら、まずは自分の側の準備を進めるほうが現実的です。

もちろん、時効完成日が近いなど時間的な余裕がない場合は別です。状況によって判断を変える必要があります。

訴訟に備えて証拠を整理する

突然訴状が届いてから動き始めるのでは遅く、連絡が止まっている間こそ証拠の整理に充てるべき時間です。

訴訟になれば、不倫の期間や回数、夫婦関係に与えた影響、当時の婚姻関係の実態(別居の有無など)、不倫の相手とのやり取りの記録など、さまざまな事情が裁判官の判断材料になります。事実と異なる主張を相手側がしてきた場合、こちらの言い分を裏付ける証拠がなければ、相手の主張がそのまま通ってしまうおそれがあります。

メール・SNSのやり取り、日記、関係者の証言、当時の出来事を時系列でまとめたメモなどを、今のうちに整理しておきましょう。

不倫の相手が既婚者だと知らなかったといった事情で減額を主張する場合の証拠の集め方については、既婚者だと知らなかった証拠とは?6つの例と活用法を解説もあわせてご確認ください。

こちらも弁護士に相談して備える

相手の弁護士が動かないからといって、こちらが何もしないでよい時期ではありません。交渉再開時や訴訟提起時に即応できる体制を作るため、こちらも弁護士に相談しておくことが重要です

弁護士に依頼しておけば、相手側からの書面が届いた段階で内容を精査してもらえます。法的な反論の準備、和解条件の検討、訴状到達時の応訴方針の決定まで、本人だけで進めるには負担の大きい作業を任せられます。

とくに、慰謝料の相場、別居の有無や婚姻関係の破綻状況による減額の主張など、専門的な検討が必要な論点は、早めに弁護士と整理しておくほど有利に運びやすくなります。

すでに浮気相手から慰謝料を請求されている方の対応方針については、浮気相手から慰謝料請求された!支払義務と認められる例外で支払義務の有無も含めて解説しています。

相手の弁護士から連絡がないときのよくある質問

相手から「弁護士に依頼する」と言われたのに、連絡が来ないのはなぜ?

「弁護士に依頼する」と告げられた後も連絡が一切ない場合、そもそも正式に依頼していない可能性があります。

弁護士が事件を受任すると、通常は「受任通知」と呼ばれる書面が相手方に送付されます。受任通知とは、相手が弁護士に正式に依頼したことをこちらに知らせる書面です。受任通知が届いていない以上、相手は弁護士にまだ依頼していない、あるいは相談だけで終わっている公算が大きいといえます。

「弁護士に依頼する」と告げることでこちらに心理的なプレッシャーをかけ、要求を呑ませようとするケースもあります。受任通知の有無を冷静に確認した上で、必要に応じてこちら側から弁護士に相談しておくと安心です。

受任通知や内容証明が届いて実際に相手側に弁護士がついた場合の対応については、弁護士からの内容証明・通知書の連絡を無視はNG!対応方法を解説で具体的に解説しています。

相手の弁護士からの連絡は、いつまで待てばよい?

明確な目安は事案によりますが、2〜3週間の遅れは特段珍しくありません。

回答書を整える過程では、依頼者との打ち合わせ、事実関係の確認、法的論点の検討が必要で、通知書への正式回答には平均して2〜3週間程度を要します。1か月を超えても連絡がない場合は、相手側に状況を確認することを検討してよい段階です。

ただし、何度も催促を重ねることは、戦術的に時間をかけている相手にはかえって不利に働きます。こちらから動く前に、時効完成日まで何日残っているか、いつまでに次のアクションが必要かを整理しておくと判断がしやすくなります。

このまま慰謝料請求が立ち消えになる可能性はある?

確率は低いものの、請求がそのまま止まることもゼロではありません。

少額の事件で、弁護士費用と回収見込みのバランスから訴訟まで進めない、と相手側が判断するケースです。とはいえ、半年から1年ほど経った後に突如として訴訟が提起される例も少なくありません。

「連絡が来ない=終わった」と判断するのは早計で、時効期間が経過するまでは請求リスクが残り続ける、と考えておくのが現実的です。早期に区切りをつけたい場合は、こちら側で先に債務不存在確認訴訟(支払義務がないことを裁判所に確認してもらう訴訟)を申し立てる、という選択肢もあります。

相手の弁護士からの連絡が途絶えてお悩みの方は当事務所へ

相手の弁護士から連絡が来ない理由は事案によってさまざまですが、放置している間にも時効は進行し、ある日突然訴状が届く可能性も否定できません。

相手側からの書面が届いた段階で内容を精査し、法的な反論や和解条件の検討、訴状到達時の応訴方針までを整えておくには、早めに弁護士に相談しておくのが現実的です。慰謝料の相場感、別居や婚姻関係の実態を踏まえた減額の主張など、不倫慰謝料特有の論点を踏まえた対応が必要になる場面も少なくありません。

相手の出方が読めないなかで、いつ動くべきか・どう備えるべきかを一人で判断し続けるのは、想像以上に精神的な負担となります。離婚協議や家族関係への波及にも目を配りながら、今後の方針を整理しておくほど、訴訟や交渉再開時の選択肢が広がります。

当事務所では、不倫慰謝料の交渉・訴訟対応の実績を多数積み重ねており、ご相談者のプライバシーやご家族・職場への影響にも配慮した対応を心がけています。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

男女問題・男女トラブルに強い法律事務所の代表弁護士。事務所全体で年間1,500件以上の男女トラブル相談を受けており、不倫慰謝料、妊娠トラブル、婚約破棄、パパ活トラブル、ストーカー被害など、他人に相談しづらい問題を穏便かつ内密に解決することを得意とする。相手の暴力的・脅迫的な言動にも弁護士が毅然と対応し、依頼者の平穏な生活を取り戻すために全力を尽くしている。

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