請求できる遺留分侵害額の計算式

不公平な遺言や生前贈与が行われていて遺留分の侵害額の支払いを求める場合、具体的にどのようにして金額を計算すれば良いのでしょうか?

以下では、遺留分侵害額の計算方法をご説明します。

 

1.遺産の評価額を算出する

まずは、その事案における遺産の評価額を出す必要があります。不動産などの価額が変動する資産については「相続開始時の時価」を基準に計算します。

また相続債務があれば、その分は引き算します。

 

2.遺留分割合をかけ算する

遺産の評価額を計算できたら、次に遺留分の割合をかけ算します。

遺留分の割合は、遺産全体における遺留分割合である「総体的遺留分」と、個別の相続人の「個別的遺留分」による2段階で計算します。

総体的遺留分は、以下の通りです。

  • 親や祖父母などの直系尊属のみが法定相続人のケース…3分の1
  • それ以外のケース…2分の1

これに法定相続分をかけた割合が個別的遺留分です。

 

3.権利者が受けた遺贈や贈与の価額を引く

次に算出された遺留分の金額から、遺留分の権利者が受けとった遺贈や贈与の価額を差し引きます。

 

4.権利者が相続した遺産を引く

遺留分権利者が相続した遺産があれば、その分も差し引きます。

 

5.権利者が引き継ぐ負債を足す

遺留分権利者が相続によって負担する負債があれば、その分は足し算します。

以上のようにして、遺留分が計算されます。

 

6.計算の具体例

遺留分計算の具体例をみてみましょう。

 

6-1.前提条件

父親が亡くなり資産が3000万円、負債が600万円残された。相続人は3人の子どものケース。遺言によって長男が3000万円の資産を相続。

 

6-2.遺産の評価額について

遺産のうち資産が3000万円、負債が600万円なので、遺留分算定の基礎となる遺産の評価額は2400万円となります。

 

6-3.次男と三男の遺留分の割合

遺留分の割合は、総体的遺留分が2分の1、次男と三男の個別的遺留分はそれぞれ2分の1×3分の1=6分の1です。

そこで次男と三男の遺留分の価額は、それぞれ2400万円×6分の1=400万円となります。

 

6-4.遺贈や贈与、債務の清算

次男と三男は、一切の遺贈や贈与を受けていないので、400万円からの引き算はしません。一方、2人は相続債務を200万円ずつ引き継いでいるので、それを400万円に足す必要があります。

400万円+200万円=600万円

以上より、次男と三男にはそれぞれ600万円ずつの遺留分が認められます。そこで、長男に対して600万円ずつの遺留分侵害額請求ができます。

長男は次男と三男から請求を受ければ、それぞれ600万円ずつ金銭によって支払いをする必要があります。

遺留分侵害額の計算方法は非常に複雑で、素人の方は戸惑うケースが多々あります。不安がある場合、弁護士にご相談下さい。

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