
スピリチュアル詐欺は、霊感商法のように不安をあおるのではなく、「幸せになれる」「豊かになれる」といった希望をちらつかせて依存させ、繰り返しお金を支払わせ続ける手口です。被害者本人に「騙されている」という自覚がないまま、高額セミナーやスピリチュアルグッズに数百万円を費やしてしまうケースも珍しくありません。
「信頼していたヒーラーやセラピストに騙されたかもしれない」「家族がのめり込んで高額な出費を繰り返している」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、被害金の返金請求に強い弁護士が、次の点について解説します。
- よくある3つの被害事例
- スピリチュアル詐欺の5つの手口
- 騙されたお金を取り戻すための対処法
なお、被害について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
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典型的なスピリチュアル詐欺の被害事例
スピリチュアル詐欺と一口にいっても、勧誘の入り口は知人の紹介・ブログ・SNSなどさまざまです。ここでは、当事務所に寄せられる相談でもよくみられる典型的なパターンを、3つの事例で紹介します。
1.スピリチュアルジプシーとなり、300万円を散財
A子さんは30代の専業主婦。念願のマイホームを手に入れ、子供にも恵まれて幸せな生活を送っています。肩こりがひどいことをママ友に相談したところ、腕のいいセラピストさんが自宅でサロンをやっているから行かないかと誘われました。
深く考えずに友人に連れられてセラピストのもとに訪れたA子さん。そこで見たのは、広くて日当たりのいい高級住宅の一室で自宅サロンをしているセラピストの姿でした。聞けば、もともとはA子さんと同じ普通の専業主婦だったそうです。
肩こりのこともそこそこに、「自分もこんな風にキラキラ輝きたい」「自宅で仕事をして稼ぎたい」と思うようになったA子さん。セラピストの女性にそのことを打ち明けると、「じゃあ私が成功するきっかけになったセミナーに招待してあげる」と言われました。
そうして言われるまま、3時間30万円という高額のセミナーに参加したA子さん。しかし結果が出るはずもなく、それからは目ぼしいスピリチュアルセミナーに片っ端から参加し、使ったお金は総額300万円を超えました。
2.波動を上げるためのスピリチュアルグッズを次々購入
20代前半のB美さんは、暇があればスマホでネットサーフィンをしています。たまたま見つけたブログに、波動やチャクラなどスピリチュアルのことがたくさん書かれているものがありました。読み応えがあるので毎日更新を楽しみにしているうち、そのブログは天使が見えるというヒーラーが運営していることがわかりました。
そのブログによると、実は誰でも天使につながることができていて、波動が高ければ体感することができるとのこと。興味を持ったB美さんは、どうにかして天使を見られるようになりたいと思うようになり、そのブログで紹介されている「波動が上がるパワーストーン」「波動が上がるオイル」を次々購入。
今も、新しいグッズが出ないかと毎日ブログの更新を楽しみにしています。
3.もっと豊かになるための高額セミナーに参加、100万円を支払う
Cさんはバツイチ。子供はまだ未成年で、自分でたくさんのお金を稼いで子供を養いたいと思っています。そのため、何かサービスを見つけて起業したいと考えています。
起業するためのセミナーや勉強会に通っていたところ、SNSのタイムラインで「スピリチュアルを活用してもっと豊かになれる」というお茶会の様子が流れてきました。気になって見てみると、お茶会の金額は1,000円で安いよう。
それに、お茶会も素敵なサロン風のカフェや高級ホテルのラウンジで行われていて高級感たっぷり、なによりみんな眩しいくらいの笑顔です。Cさんは「ここに参加すれば人脈が広がって、起業に役立つかも」と思い、早速参加してみました。
お茶会を主催している女性はカリスマブロガーと呼ばれる人で、話を聞いてみると、スピリチュアルなことに目覚めてから年商が一桁上がったそう。
「まずはお金を出さなければ、豊かさは手に入らない」というその人の言葉を信じ、「豊かになれるスピリチュアルセミナー」に100万円を払いました。
「スピリチュアル」という言葉の響きは、どことなくキラキラしていて、特に女性には魅力的に映るもの。霊感商法のようなある種の暗さがないので、あまり危機感なくスピリチュアルに触れる女性が増えています。
中には、スピリチュアルに頼れば人生が改善する、なんとかなると思ってスピリチュアルにどんどんはまってしまう人も少なくありません。このような依存心の強い人を狙って、スピリチュアル詐欺被害が横行しているのです。
スピリチュアル詐欺の手口とは
スピリチュアル詐欺とは、波動やオーラ、前世、カルマといった目に見えない力を口実に、セミナー参加費やグッズの代金として金銭を支払わせる商法の総称です。「スピリチュアル商法」と呼ばれることもあります。
多くの詐欺に手口があるように、スピリチュアル詐欺にも典型的な手口があります。この詐欺の特徴の一つが、被害者が自発的にその商品やサービスを利用していること。その場でうまく言いくるめられたり、長時間どこかに監禁されたりといった手法ではありません。
「なんだか胡散臭い」「この勧誘は怪しい」と感じたら、どんな手口が使われているのかを詳しく見ていきましょう。また、スピリチュアル詐欺によく使われる「言葉」についてもピックアップしていますので、心当たりがある人は注意してみてください。こうした手口が、不安をあおって支払わせる霊感商法とどう違うのかについては「霊感商法詐欺の事例と手口、被害に遭ったときの対処法を解説」で詳しく紹介しています。
①「簡単に豊かさを手に入れる」
この言葉を発信している人が全て詐欺師だというわけではもちろんありません。確かにお金に対する価値観は変わってきており、「努力して耐え抜いてお金は稼ぐもの」という考え方から、「好きなことを仕事にして稼ぐことは難しくない」というふうにシフトしてきていることは否定できません。
しかし、古今東西「簡単に稼げる」「何もしないで稼げる」という文句は詐欺の常套句。スピリチュアル詐欺でも例外ではありません。よく使われるのが、ここにもあげた「簡単に豊かさを手に入れることができる」という文句です。
よくよく掘り下げていくと、「簡単に豊かさを手に入れる方法を知るために、この高額セミナーに出ましょう」とか、「この商品を買って波動を上げましょう」といった隠れたメッセージが続いています。
このような甘い言葉を見たら、その人が何か高額の商品を販売しようとしていないかなどを慎重に判断しましょう。
②「お金は使わないと入ってこない」
こちらもスピリチュアル界隈でよく耳にする常套句になりました。確かに間違ってはいないかもしれません。しかし、スピリチュアル詐欺の場合は「お金は使わないと入ってこないから、まず私たちにお金を払いなさい」ということを正当化するために使われます。
「お金は使わないと入ってこないんですよ、このセミナーを受講した人の多くが、セミナー後に月収が数倍になっています。だからこのセミナーを受講するためにお金を使えば、数倍になって返ってきます」というような、根拠も何もないことを平気で言います。
③前世を癒すことでもっと幸せが手に入る
前世があるかないかについては、誰も証明することができません。前世があると思われるエピソードは世の中にたくさん転がってはいますが、だからと言って、自分にどんな前世があったのかがわかるかどうかとは全く別の話。
しかし、スピリチュアル詐欺はこの前世も利用します。誰も証明できない前世を「見ることができる」と主張しても、それが本当か嘘かこそ、誰にも証明できませんよね。
そこにつけいって、「あなたは前世でたくさん人を殺しました。その罪を少しでも軽くするために、この石をお守りに持つ必要があります」などと言って、高額の商品を買わせようとします。前世の罪を清算するためと称して、除霊や浄化の名目で高額なセッション料を請求されるケースもあります。
④「本当はもっと高次元の人なのに、カルマが邪魔している」
この「カルマ」というのも、スピリチュアル詐欺師がよく使う言葉の一つです。
これに「あなたは本当は天使に近い生まれで〜」「ライトワーカーで〜」などといってその人の自尊心をくすぐり、カルマさえなければもっとレベルの高い暮らしができる、と誘導し、カルマを解消するためにこれを買いなさい、このセミナーに出なさい、このセッションを受けなさいといって高額のお金を払わせようとします。
⑤カリスマがトップにいるピラミッド制になっている
多くの悪質なスピリチュアル詐欺は、個人ではなく団体で動いています。一つの巨大なコミュニティになっていることも珍しくありません。
そのトップには、カリスマとも言えるスピリチュアルな人物が君臨しており、いわばその「信者」たちが、新たなカモを見つけるために日々活動をしています。カリスマを頂点とする組織的な集金の仕組みは占い詐欺にも共通しており、「占い詐欺の手口と特徴|悪質サイトの見分け方・対処法を解説」もあわせてご確認ください。
スピリチュアル詐欺の対処法
スピリチュアル詐欺の被害が疑われる段階でも、まずはそれ以上の支払いをやめて、セミナーの案内やLINE・メールのやり取り、振込明細・領収書といった記録を証拠として残しておきましょう。そのうえで、相談先としては主に以下の3つがあります。
- ①警察に被害届を出す
- ②消費生活センターに相談
- ③返金を強く求めるなら法律事務所に相談
①警察に被害届を出す
警察に詐欺の被害届を提出し、もし受理されれば、詐欺師を逮捕してくれることもあります。
そうなれば相手は起訴を避けるため、あるいは刑期を軽くするために示談交渉(裁判の外で被害弁償の条件などを話し合うこと)をしてくるでしょう。示談金という形で被害金を取り戻せる場合もあります。
ただし、霊感商法などと比べ、スピリチュアル詐欺が詐欺罪などの犯罪として成立しにくいという問題があります。スピリチュアルなヒーラーやセラピスト、占い師・鑑定士などが、被害者を脅したり、無理やり支払わせたりすることはほとんどありません。
被害の実態としては、高額のセミナーやヒーリングを受けたが内容が薄く、効果がなかった・スピリチュアルグッズを購入したが、偽物だった、というような詐欺的な被害が多いのですが、それがスピリチュアル的に本物だったかどうかというのは証明が非常に困難です。
そのため、「信じて買った人にも非がある」というふうになりがちで、なかなか被害が明るみに出てこないうえ、犯罪としても成立しにくい実情があります。その結果、被害届を受理すらしてくれないこともありますので、あくまでも"ダメ元"と割り切って警察に相談に行くほうが良いかもしれません。警察が動いてくれない場合の理由と対処については「詐欺で警察が動かない4つの理由|民事不介入と動いてもらう方法」で詳しく解説しています。
参考:警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ | 政府広報オンライン
②消費生活センターに相談
ただ、目に見えないなんらかの効果を期待して参加したセミナーや、購入した商品に関して、泣き寝入りするしかないかというとそうではありません。こういったトラブルの相談先としてまず真っ先に思い浮かぶのが消費生活センターですが、消費生活センターにもスピリチュアルに関連する被害相談は多く寄せられています。
まずは、詐欺被害に関して消費生活センターに電話をしてみるといいでしょう。窓口の電話番号が分からないときは、消費者ホットライン「188」にかけると身近な消費生活センターなどを案内してもらえます。同じスピリチュアル団体からの被害報告が数多く寄せられていれば、被害者で集まって集団訴訟を起こすなどの手段も考えられますし、たくさんの被害を出している団体に対して消費生活センターが交渉などの働きかけをしてくれることも少なくありません。
③返金を強く求めるなら法律事務所に相談
かなり悪質なスピリチュアル団体から、高額の被害に遭ってしまったり、被害者が多く、集団訴訟も辞さないという流れになったり、ということもあります。
なお、2023年1月施行の改正消費者契約法により、霊感等の特別な能力による知見を用いて不安をあおる勧誘で結ばれた契約については、取消権の行使期間が大幅に延長されました(だまされていたと気づくなど追認できる状態になった時から3年、契約締結から10年)。スピリチュアル詐欺の手口がこの要件に該当する場合、過去の契約でも取り消せる可能性があります。また、訪問販売や電話勧誘販売にあたる契約であれば、法定の書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフを利用できる可能性もあります。
自分が受けた被害について返金を求めることができるのかといったことについては、ケースによって可能性の有無も変わってくるので、具体的な状況を専門家に説明して判断を仰ぐのが近道です。
まずは法律事務所の無料相談を利用して被害の状況について説明し、返金してもらうことは可能かなどを法律家と考えるという方法も、解決に向けて有効な方法です。類似の占い詐欺で返金が認められた事例や具体的な方法については「占い詐欺の返金は可能?6つの返金方法と判例を弁護士が解説」で具体的に紹介しています。
スピリチュアル詐欺の被害に遭われた方へ
スピリチュアル詐欺は、不安をあおる霊感商法とは異なり、希望を見せて依存させる巧妙な手口です。被害に気づいたときには、出費が数百万円に膨らんでいたという相談も少なくありません。
こうしたケースでは、改正消費者契約法に基づく契約の取消しや、返金請求が認められる可能性があります。ただし、どのような法的手段が取れるかはケースごとに異なるため、早い段階で弁護士に相談することが解決への近道です。
「自分から望んで支払ったのだから仕方ない」と諦めてしまう方も多いですが、自発的に支払った場合でも法的に返金を求められるケースはあります。すでに高額な被害に遭っている方や、家族がスピリチュアルにのめり込んで出費を繰り返している方は、一人で抱え込まずご相談ください。
弁護士法人若井綜合法律事務所は、スピリチュアル詐欺を含む各種詐欺被害の返金請求に豊富な実績があります。全国どこからでもご利用いただける無料相談を実施しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
詐欺被害に強い弁護士に無料相談
この記事の監修者
詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

