サクラ詐欺(サクラサイト詐欺とも言います)とは、芸能人・著名人、恋人・友人候補、実業家・投資家・資産家などさまざまな人物になりすました「サクラ」が、被害者を特定のウェブサイトに誘導し、金銭欲・恋愛感情・性欲・同情心といった人の欲望や心理を利用して金銭を騙し取るタイプの詐欺を指します。
今この記事を読まれている方の中には、サクラ詐欺の被害に遭わないよう予防的に知識を得たい方もいれば、既に被害に遭われてどう対処すればいいのかわからない方もいることでしょう。
そこでこの記事では、詐欺被害の返金に強い弁護士が、
- サクラ詐欺の被害事例とその手口
- サクラ詐欺の被害に遭わないための注意点
- サクラ詐欺の被害に遭ってしまった場合の対処法
について解説します。
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目次
サクラ詐欺の手口
サクラ詐欺の手口は多岐に渡るため、ここでは当事務所に寄せられた相談の中でも特に相談件数が多かったサクラ詐欺の被害例とその手口をピックアップして解説していきます。
高収入の在宅ワークの広告で誘う
SNSで在宅ワーク募集をしているアカウントがあり、そこには「未経験者でも簡単!悩みを聞くだけで月〇〇万円」などと書かれています。そのような広告に興味を持ってリンク先のサイトに登録すると、主に会社経営者や医者など高収入の職業に就いている人物とのメールのやり取りがスタートします。もちろんこれらの人物はサクラです。そして、実際に報酬を受け取る段階になると、報酬の振込先口座や連絡先を送信するために手続きにポイントを購入させられます。報酬を受け取りたいがために有料ポイントを購入すると、その後もさまざまな理由(文字化け解除手続、セキュリティ解除手続など)をつけてポイントを購入させられる詐欺の手口です。
高額当選を謳う
懸賞に応募した覚えがないのに「〇億円が当選しました」というショートメッセージ(SMS)やメールがスマホに届き、本文中に掲載されたURLから手続きを進めるように誘導してきます。リンク先に移動すると何故か勝手にサイト登録されており、メッセージBOXには支援者役(当選金を出資している人物)や煽り役(自分も当選して多額の当選金を受け取ったと称する人物)、手続き担当役(当選金を受け取るやり取りを担当する人物)などのサクラからメールが届きます。そして最終的には、当選金を受け取るための手続き費用として有料ポイントを購入させられます。
高額のお金が受け取れると信じて指示通り金銭の支払いを行うと、その後も「当選金を受け取るには〇〇料も支払っていただく必要があります」などさまざまな名目で支払いを要求されてしまい、詐欺と気付くまでに数百万円以上の金銭を脅し取られれるケースもあります。
仮想通貨への投資を誘う
出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った人物(サクラ)から仮想通貨(暗号資産)への投資を勧められ、指定の証券サイトで口座を開設して送金を行うように誘導されます。投資を行い数百万の利益が出た段階で、いざ出金しようと手続きに入ると「出金には〇〇万円の保証金を預ける必要がある」等と言われ、現金を騙し盗られてしまいます。
芸能人やマネージャーになりすましてサイトに誘う
芸能人やその関係者を装って、サクラサイトに誘導するという手口があります。
有名芸能人Aを名乗る人物から、「Bさん(別の芸能人)ですよね?連絡先を聞いてメールしました」とか「相談があります。お返事ください」などといった内容のメールが届きます。
人違いだと指摘した返事をすると、「誰にも相談できない悩みを抱えている」「話を聞いてほしい」などと言われ、やり取りが始まることがあります。
または、有名人のマネージャーであると名乗る人物から突然連絡がきて、「Aはいま精神的に参っているので、極秘で相談相手になってほしい」などと依頼されるケースもあります。
やり取りを続けてしまうと、「あなたは信用できる。しかしこのやり取りが世間にバレるとマズい状況になる。会員制のサイトがあり、そこであればセキュリティーも万全であるので以降はそのサイトでやり取りを続けたい」などといい、相手を有料サイトに登録させようとします。
そして、メッセージの交換のためにはサイト内で利用できるポイントを購入する必要があるため、メッセージの送受信のために、数百万円の課金をしてしまった被害者も存在しています。
さらに、マネージャーを名乗る人物が「かかった費用は全額負担する」とか「謝礼は用意させてもらう」などと被害者をだますケースもあることから、被害が拡大する傾向があります。
人違いを装って接触してくる
突然、知らない人物から「もう大丈夫ですか?心配しているので、連絡ください」などと自分を気遣うメッセージが届きます。
間違って自分の所にメッセージが届いていると思い、親切心から「人違いですよ」と返したところ、「これも何かのご縁なので友達になりませんか?」と言われ、軽い気持ちでやり取りを続けてしまうケースがあります。
その後、「携帯を変えるので、このサイトで引き続き連絡をとりたい」といって、マッチングサイトのようなサイトへの登録を誘導されます。
その後「お互いのメールアドレスを交換すれば、課金せずともやり取りが続けられる。サイトにメールアドレスの開示を申請してほしい」と依頼され、これに応じると、サイト側から申請費用を請求されてしまったというケースがありました。
被害者がクレジットカードで費用を決済しても、サイトはエラー表示でアドレスを交換することはできませんでした。被害者はこの段階で初めて自分が騙されていたことに気づきました。
マッチングアプリで出会った人物から
出会い系サイトやマッチングアプリで出会った人物から、サクラサイトに誘導される手口もあります。
医者や弁護士など、社会的な地位が高い人物を名乗って、美男・美女のふりをして被害者を騙すケースが横行しています。多くはインターネット上にある無関係の人物の写真を悪用しているものが多いです。
多くは、被害者の恋愛感情を利用して、サイト上で多額の課金を行わせる手口です。個人情報の交換を持ちかけられ、そのためのセキュリティやシステムの構築という名目で多額の費用の支払いやポイントの購入を要求されます。
また、サイトの運営元を名乗るアドレスからイベントのメッセージが届くケースもあります。「連絡先交換イベント」として、「今から〇日間で一番課金できた方はペアの相手と無料で連絡先交換ができる」など架空のイベントへの参加を強いることがあります。
サイト側ややり取りをしている人物からイベントへの課金を煽るようなメッセージが次々に届き、応じてしまった結果、数日の間に数十万〜数百万円の課金をしてしまった被害者も存在しています。
ECサイトや電気・水道事業者を装って料金を請求してくる
ECサイトや電気・ガス代、水道代が未払いであるとして、架空の料金を請求してくるタイプのサクラ詐欺も存在しています。
利用した覚えのないサイトや業者から、「未払料金を、〇〇日までに支払わなければ、民事訴訟その他の法的措置を講じます」などと強い語気のメッセージが届き焦って応じてしまう被害者が後を絶ちません。
このような手口の場合には、クレジットカードやポイント支払いが可能である偽って、サクラサイトに誘導したうえで、そこで架空の決済を行わせます。偽の事業者のふりをしている場合には、実在の有名企業のロゴを悪用したり、本物そっくりのフェイクサイトを作っていたりする場合があるため、騙されてしまう人が増えています。
サクラ詐欺の被害に遭わないためには
サクラ詐欺の被害に遭わないようにするためには、以下の点に注意する必要があります。
- 外部のサイトに誘導しようとするリンクをクリックしない
- 心当たりのない魅力的なオファーや当選連絡、脅しメッセージは無視する
- 「誰でも簡単」「〇〇するだけで」などの謳い文句を信用しない
- こちらが先にお金を払わなければならないケースは詐欺だと疑う
- やり取りをしてきた相手でもお金の話が出たら詐欺だと疑う
- 運営元や事業会社がすぐに出てこないサイトは信用しない
- 少しでも不審に思う点がある場合にはすぐにやり取りをやめる
- 短い制限時間内にお金の支払いを要求するのは詐欺の可能性が高い
- お金を振り込んでしまった場合には、すぐに消費者センターや警察に相談する
サクラ詐欺については、日々新手の手口が登場しています。
そのため、「自分はネットやSNSには強いから騙されるはずはない」と考えている方も、上記のような注意点は常に留意しておく必要があるでしょう。
サクラ詐欺の被害に遭ってしまった場合は?
消費者ホットラインに相談する
サクラ詐欺の被害に遭った場合には、消費者ホットラインに相談することができます。
消費者ホットラインは、地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれます。
消費生活センターなどに相談することで、専門の相談員にトラブル解決に向けたアドバイスをしてもらえます。また今後の対応先や専門機関を紹介してもらえる場合もあります。
ただし、消費生活センターは被害者に代行して騙し取られたお金を取り戻すためには行動してくれません。一般的には初歩的なアドバイスや今後の方針・対応先を教えてもらうために利用することができる相談先です。
警察に被害届を出す
サクラ詐欺の被害に遭った場合には、警察に相談してください。
サクラサイトを利用して被害者から金銭などを騙し取った場合には、刑法上の詐欺罪に問われる可能性があります。したがって、警察に刑事告訴状や被害届を提出すると刑事事件として立件されて捜査の結果、犯人が逮捕される可能性もあります。
警察は民事不介入ですので、サクラ詐欺で騙し取られたお金を取り戻してくれるわけではありませんが、逮捕された犯人が代理人弁護士を介して示談交渉の申し入れをしてくることがあり、それにより騙し取られたお金が戻ってくる可能性もあります。
ただし告訴状・被害届を提出したからといって、警察が必ず犯人逮捕に動いてくれるわけではありません。証拠関係から詐欺行為があったと判断できない場合や、民事トラブルとして金銭的に解決すべき事案であると判断された場合には、警察は動いてくれない可能性があります。
その場合、サクラ詐欺でお金を取り戻すには、別途裁判外での請求や、民事訴訟を起こすなどの対応が必要となります。
弁護士に依頼する
サクラ詐欺の被害で騙し取られたお金を返金させたい場合には、弁護士に対応を依頼することをお勧めします。
実際に相手に金銭を支払ってしまった場合には、民事上の請求によって被害回復を図らなければなりません。そのため、相手方を特定して不法行為に基づく賠償請求や不当利得返還請求などを行う必要があります。
弁護士に依頼しておくことで、相手方に対する請求や交渉、民事訴訟になった場合の対応など一連の手続きをすべて任せておくことができます。
ただし、相手方がどこの誰だか全く分からないという場合には被害回復が難しい可能性もあり、被害に遭った場合にはすぐに弁護士に相談するようにしてください。
当事務所では、サクラ詐欺を含む詐欺被害の返金交渉を得意としており多数の実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者の大切なお金を取り戻すために全力を尽くしますので、サクラ詐欺の被害を回復したいとお考えの方は当事務所の弁護士までご相談ください。
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