
ストーカーから電話やLINE、待ち伏せなどが続いても、「このまま無視し続けるのがいちばんだ」「そのうち諦めてくれるだろう」と考えていませんか?
しかし、いきなり無視する対策はかえって危険です。ストーカーは一般的な人と思考回路が異なり、無視されることで逆上し、行為をエスカレートさせるおそれがあります。安全に無視の姿勢へ移行するには、まず拒否の意思を一度はっきり伝え、そのうえで証拠を残しながら段階的に進める必要があります。
この記事では、こうした案件に詳しい弁護士が、次の点について解説します。
- ストーカーを無視し続けるとどうなるのか
- 無視する前に拒否を伝える正しい手順
- 証拠の残し方、身の守り方と警察・弁護士への相談
- いきなりブロックするなど、やってはいけない3つの行動
お読みいただくことで、いま届いている連絡にどう対応し、次に何をすべきかを整理できます。
なお、つきまといや連絡の被害に早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。地域を問わずご相談を承っています。
| 気軽に弁護士に相談しましょう |
|
ストーカーを無視し続けるとどうなる?いきなり無視が危険な理由
何の意思表示もしないまま、いきなりストーカーを無視し続けると、相手が逆上し、つきまといや連絡をさらに激しくするおそれがあります。とくに危険なのは、拒否を伝えないまま突然無視を始めることです。
一般的な男女であれば、好みの異性に言い寄っても無視されれば、「自分のことを好きじゃないんだな」と諦めるのが普通です。
しかし、ストーカーには次のような特徴がみられることがあり、無視を一般的な人とは違ったかたちで受け止めます。
- 執着心が強く簡単に諦めない
- 思い込み・妄想癖が激しい
- 決めつけた考え方をする
執着心が強く粘着質なタイプのストーカーは、無視されても「そのうち自分に振り向いてくれるだろう」と考えがちです。
「スルーしているのにはきっと理由があるはず」「自分の誘い方が弱いから相手にしてくれないのかも」と、無視を照れや駆け引きだと都合よく解釈することもあります。
そのうえ、「自分がいないと何もできない」「自分の傍にいるべきだ」と一方的に決めつけていると、突然無視されたことに強い不満を募らせ、癇癪(いわゆる逆ギレ)を起こすことがあります。
こうして行為がより激しくなる危険があるため、いきなり「無視」する対策はNGだといわれるのです。こうしたストーカーの特徴や心理については「ストーカーになりやすいのはどんなタイプ?その特徴と心理を徹底解説」でも詳しく解説しています。
一方で、ストーカーの言動に反応し続けるのも逆効果です。返信したり言い返したりすると、ストーカーは「自分に好意があるからリアクションを起こしてくれたんだ」と受け止めてしまうおそれがあります。
そもそも被害者側がストーカーの顔色をうかがいながら行動していては、いつまでたっても解決しないばかりか、余計に事態が悪化していくだけです。
そこで大切なのが、最初から無視するのではなく、拒否を伝えてから無視に移るという段階を踏むことです。ストーカーが諦めるパターンについては「ストーカーが諦めるときと諦めさせるための方法」でも詳しく解説しています。
ストーカーを無視するときの正しい手順
ストーカーを安全に無視するには、次の4つを押さえておくことが大切です。拒否を一度はっきり伝えてから反応をやめること、届いた連絡を証拠として残すこと、身の安全を確保すること、そして警察や弁護士に相談することです。
拒否を一度伝えたら、あとは反応せず無視し続ける
無視を始める前に、たった一度でも構いませんので、次のように伝えましょう。
- 「これ以上、私に関わらないでください」
- 「次に連絡を寄こしたら、電話もメール(LINE・SNSなど)も無視します」
こんな言い方をするとストーカーを立腹させるのではと不安な方もいるかもしれませんが、曖昧な態度をとるとストーカーに過度な期待を持たせてしまいます。
人格を否定するような発言は相手を刺激するため避けるべきですが、「二度と私に関わらないでほしい」という意思表示を明確にしましょう。拒否する際の言葉選びは「ストーカーに効く言葉は?段階別・男女別の効果的な言葉を紹介」をご参照ください。
ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)では、恋愛感情などを満たす目的で、拒まれたにもかかわらず連続して電話をかけたり、文書やメール・SNSのメッセージを送ったりする行為が規制の対象とされています(2条1項5号)。
拒否をはっきり伝えておくことは、後で警察に相談する際にも意味を持ちます。
拒否をストーカーに自分で伝えるのが怖い場合は、無理に伝える必要はありません。先に警察に相談する方法や、弁護士が代理人として相手に通知する方法もあります(「ストーカー被害に強い弁護士に無料相談|費用と相談の流れを解説」)。
拒否した後も連絡が来るようであれば、電話には出ない、メールやLINEには返信しないようにしましょう。
「着信拒否やブロックではだめなの?」と思われるかもしれませんが、留守番電話の音声やメール・LINEで届いた内容は、ストーカー行為の証拠として使えます。連絡手段を急に断つことの危険は、後ほど説明します。
届いた連絡は消さずに証拠として残す
ストーカーを無視している間に届いた連絡は、削除せずに保存しておきましょう。警察に対応を求めるときや、弁護士が相手に通知するときに、被害の内容を示す材料になります。
残しておきたいものの例は次のとおりです。
- 着信履歴・留守番電話の音声
- メール・LINE・SNSのメッセージ(画面のスクリーンショットも)
- 手紙や送り付けられた物
- 待ち伏せやつきまといの日時・場所・様子のメモ
LINEのトーク画面は、届いた時点で撮影しておくと、ストーカーが送信を取り消した場合にも記録が手元に残ります。
拒否を伝えた場面も、日時とやり取りの内容を書き留めておきましょう。電話で伝える場合は、可能であれば録音しておくと、拒否した事実を後から示しやすくなります。
一人で行動せず、身の安全を確保する
ストーカーを無視し始めると、相手が反発して待ち伏せや押しかけに及ぶおそれもあります。しばらくは、次のような点に気を付けて過ごしましょう。
- 夜間や人通りの少ない道を一人で歩かない
- 帰宅の時間や経路を日によって変える
- 家族や職場・学校に事情を伝えておく
- 自宅の戸締まりや来訪者の確認を徹底する
- 外出時は防犯ブザーを持ち、スマートフォンをすぐ使えるようにしておく
家族や職場・学校に事情を伝えるのは、見守ってもらったり、不審な人物に気付いてもらったりするためです。一人で抱え込まず、周囲の目を味方にしておくことが身を守ることにつながります。
差し迫った危険を感じたときは、ためらわずに110番通報してください。外出先では、コンビニや交番など人のいる場所に逃げ込むことも考えましょう。
警察や弁護士に相談する
拒否を伝えても行為がやまない場合や、少しでも身の危険を感じる場合は、被害届の提出も含め、早めに警察や弁護士に相談しましょう。
警察に相談すると、ストーカー規制法に基づき、警察署長などが相手に同じ行為を繰り返さないよう「警告」をしたり(4条)、都道府県公安委員会が行為の禁止を命じる「禁止命令」を出したりすることがあります(5条)。禁止命令は、警告を経ずに出されることもあります。禁止命令に違反してストーカー行為をすると、2年以下の拘禁刑(刑務所に収容する刑罰)か200万円以下の罰金の対象となります(19条1項)。
また、被害を自分で防ぐための方法を教えてもらうなど、警察に援助を求めることもできます(7条)。警告や通知をきっかけにストーカーが反発することもあるため、その後の身の守り方もあわせて相談しておくと安心です。警察に相談したときの対応は「ストーカーを警察に相談したらどうなる?相談後の流れを解説」もあわせてご確認ください。
なお、恋人や友人といった第三者に代わりに言い返してもらうのは避けましょう。ストーカーが「邪魔者が入った」と受け止め、その人が攻撃の対象になるおそれがあります。相手への対応は、警察や弁護士に任せてください。
ストーカー対策としてやってはいけない3つの行動
ここまで、いきなり無視するのは危険であることと、無視するときの正しい手順をお伝えしてきました。被害に遭った際にとるべき対策の全体像は「ストーカー被害に遭ったらすぐすべき8つの対処法と対策」もあわせてご覧ください。
じつは、いきなり無視する以外にも、ストーカーを刺激して被害を広げてしまう、やってはいけない行動があります。代表的なものは次の3つです。
- ①いきなりブロックや連絡先の変更で連絡手段を断つ
- ②感情的に対応する
- ③SNSで被害を公表する
①いきなりブロックや連絡先の変更で連絡手段を断つ
先ほど「拒否を一度伝えたら、あとは反応せず無視し続ける」とお伝えしましたが、無視する=ストーカーの連絡手段を完全に遮断する、という意味ではありません。
ストーカーの中には、相手を監視したりしつこく連絡したりすること自体で、かろうじて気持ちを落ち着かせている者もいます。
そのため、電話番号やメールアドレスを変えたり、LINEやSNSのアカウントをブロック・削除したりして連絡手段を一度にすべて断つと、行き場を失ったストーカーが冷静さをなくし、パニックに陥るおそれがあります。
そうなると、これまで電話やネットを介してだけ接触していた者が、自宅や職場に押しかけたり、周囲をうろついたりといった直接の行動に出ることもあります。事態がさらに悪化すれば、傷害や殺人といった重大な事件に発展する危険もあります。
もっとも、着信拒否や電話番号の変更は、警察も被害を防ぐための方法として挙げています。ブロックを含め、実行する時期は、証拠を確保し、身の安全の見通しを立てたうえで、警察や弁護士と相談して判断するようにしましょう。
②感情的に対応する
ストーカーに感情的に対応し、怖がったり怒って罵ったりすることは避けましょう。
あなたが恐怖や怒りの感情を表に出すと、ストーカーは誤解を解こうとして、かえってあなたに近づこうとすることがあります。
また、ストーカーは、自分が相手に無償の愛を注いでいると思い込んでいることがあります。そのため、「こんなに愛情を示しているのに、なぜ分かってくれないのか」と不満を募らせ、逆ギレして危害を加えてくるおそれもあります。
わざと冷たくしたり、「気持ち悪い」「二度と顔も見たくない」と全否定したりして嫌われようとするのも逆効果です。相手を憤慨させるうえ、「愛情の裏返しに違いない」と歪んだ受け止め方をされることもあります。
怖いと感じるのは自然な反応ですが、まずは気持ちを落ち着かせ、冷静な対応を心がけましょう。
③SNSで被害を公表する
X(旧Twitter)やFacebook、Instagramといった各種SNSは、ストーカーにとって、あなたの行動パターンや趣味嗜好を知るための格好の手段です。ストーカーが情報収集のために、あなたのSNSを日々チェックしていることも考えられます。
そのため、SNSでストーカー被害に遭っていると公表すると、ストーカーとしてはそれを否定したり反論したりしたい衝動に駆られることでしょう。
しかし、ストーカーがDM(ダイレクトメッセージ)で言い返せば、情報収集用のアカウントがあなたに知られ、ブロックされて情報源を失いかねません。そのため何も言えないまま、鬱憤が募ったストーカーが、突発的に直接の加害行為に及ぶこともあり得ます。
被害の公表に限らず、居場所や行動予定が分かる投稿も控えましょう。SNS経由の被害への対処法は「ネットストーカー被害の対策は?5つの対処法と被害を防ぐ方法」もあわせてお読みください。
ストーカーの無視・対策でお悩みの方は弁護士にご相談ください
ストーカーをいきなり無視すると、逆上を招くおそれがあります。まずは関わらないでほしいと一度だけ明確に伝え、証拠と身の安全を確保しながら無視に移ることが大切です。
とはいえ、ストーカーに自分で拒否を伝えるのは大きな恐怖を伴います。弁護士があなたに代わって相手へ通知すれば、あなたが直接ストーカーと向き合う必要はなく、行為を続ければ警察への相談や法的手続きに進むことを相手にはっきり示せます。相手を刺激しないよう、状況によっては警察への相談を先にするなど、進め方も一緒に考えます。
「無視しているのにストーカー行為がやまない」「直接拒否するのが怖くて動けない」「警察に相談しても十分に対応してもらえなかった」。そのような状況でも、一人で抱え込む必要はありません。弁護士が窓口になることで、相手と直接やり取りする場面を減らしながら、状況に応じた法的手段を検討します。
当事務所はストーカー被害の解決に注力しており、被害者の安全を最優先に迅速な対応を行っています。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
| 気軽に弁護士に相談しましょう |
|
この記事の監修者
ストーカー被害の解決に豊富な実績を持つ。元交際相手からのつきまとい、ネットストーカー、職場でのストーカー被害など、警察に相談しても動いてもらえないケースにも弁護士として毅然と対応。「報復が怖い」「大事にしたくない」という被害者の心情に寄り添い、穏便かつ確実にストーカー行為を止めさせることに全力を注いでいる。

