
「目撃者に通報されたかもしれない」「防犯カメラに映っていたらどうしよう」。人前でわいせつな行為をしてしまい、警察に捕まるのではと不安を抱えていないでしょうか。
公然わいせつを含む事件で逮捕に至るのは約3割です。早めに自首や示談などの対応を取れば、逮捕を避けられる可能性も十分にあります。
本記事では、この種の事件の弁護経験が豊富な弁護士が、次の点を解説します。
- 逮捕される確率とパターン
- 逮捕された後の流れ
- 解雇や実名報道・前科といったリスク
- 逮捕を回避するための対処法
お困りの方は、早期の対応が結果を左右しますので、当事務所の無料相談(全国対応)へお早めにご連絡ください。
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公然わいせつで逮捕されるケースと確率
まずは、逮捕される確率と主なパターンを確認しましょう。
公然わいせつで逮捕される確率
2025年の検察統計年報によると、公然わいせつを含む「わいせつ・わいせつ文書頒布等」で検察庁が処理を終えた(既済の)1,825人のうち、逮捕されたのは592人(約32%)です。なお、同じ区分の事件の約9割は公然わいせつです。
約3人に1人は逮捕されており、「自分は大丈夫」と楽観はできません。逮捕された人の約6割(342人)は、そのまま勾留されています。
初犯で余罪がなければ在宅事件(身柄を拘束せずに捜査を進める事件)となることも多い一方、住所や仕事が定まっていない、余罪が複数ある、同種の前科があるといった場合は、逮捕されやすくなります。
現行犯逮捕されるケース
典型的なのは、下半身を露出しているところを目撃者に通報され、駆けつけた警察官にその場で逮捕されるケースです。
現行犯逮捕は逮捕状が不要で一般人も行えるため、目撃者に取り押さえられることもあります(刑事訴訟法212条・213条)。
後日逮捕(通常逮捕)されるケース
その場で逮捕されなくても安心はできません。捜査で身元が特定されれば、裁判官が発付した逮捕状によって後日逮捕されることがあります(刑事訴訟法199条)。
防犯カメラの映像や車のナンバーなどから、身元が特定されるのが典型です。
ただし、逃亡や証拠隠滅のおそれがないなど、明らかに逮捕の必要がないときは、逮捕状は発付されません(刑事訴訟規則143条の3)。自首や弁護士への依頼が逮捕の回避につながるのは、このためです。
後日逮捕の可能性については、「公然わいせつは現行犯以外でも後日逮捕がある|捕まる前の対処法」で詳しく解説しています。
公然わいせつ罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。時効が完成するまでの3年間は、後日逮捕の可能性が残ります。
時効については、公然わいせつ罪の時効は3年?時効待ちのリスクと今すべき対応をご参照ください。
逮捕されず在宅事件になるケース
逃亡や証拠隠滅のおそれがなく逮捕の必要がないと判断されると、身柄を拘束されない「在宅事件」として捜査が進み、書類だけが検察官に送られます(いわゆる書類送検)。
普段どおり生活できますが、手続きは続いており、在宅事件でも起訴されて有罪となれば前科がつきます。
公然わいせつ罪とは
刑法174条が定める公然わいせつ罪は、不特定または多数の人の目に触れ得る状況で、わいせつな行為をした場合に処罰される罪です。
(公然わいせつ)
第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
※拘禁刑は、2025年6月1日施行の改正刑法で、懲役と禁錮を一本化して導入された刑罰です。
公然わいせつ罪の成立要件
成立には、「公然性」と「わいせつ性」に加え、わざと行ったこと(故意)が必要です。
まず公然性とは、不特定または多数の人が認識し得る状態のことです。路上、公園、電車内、店舗内などが典型的な場所ですが、現実に誰かに目撃されている必要はなく、見られる可能性のある状態であれば公然にあたると解されています(東京高裁判決 昭和32年10月1日)。
「不特定」か「多数」のどちらかを満たせば足りるため、公然性が否定されるのは、決まった少人数だけで行う「特定かつ少数」の場合に限られます。
次に、「わいせつ」の意味について、判例は次のように定義しており、公然わいせつ罪でも同様に解されています。
徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの
最高裁判所大法廷判決 昭和32年3月13日
典型的なのは、次のような行為です。
- 路上や公園、駅構内など公共の場で性器を露出する行為
- 停車中の車内や店舗の個室など外部から見える場所での性行為・自慰行為
- SNS等で不特定多数を募って行う乱交パーティ
- 性行為をインターネットでライブ配信する行為
車内での性行為(いわゆるカーセックス)については、カーセックスは犯罪?公然わいせつで逮捕される?わかりやすく解説で詳しく取り上げています。
なお、性器ではなく臀部や太ももを露出した場合は、軽犯罪法1条20号の「身体露出の罪」が問題となり得ます。
公然わいせつ罪の刑罰
公然わいせつの刑罰は、6ヶ月以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、拘留(1日以上30日未満の収容)、科料(1000円以上1万円未満を納める刑)のいずれかです。
初犯で1件のみであれば、不起訴か罰金刑で終わることが多く、罰金額は10万円~20万円程度が多いでしょう。
公然わいせつで逮捕された後の流れ
逮捕後は、以下の流れで手続きが進みます。
- 逮捕から48時間以内の取調べ~送検
- 送検から24時間以内の勾留請求
- 勾留決定~最長20日間の勾留
- 起訴・不起訴
- 刑事裁判
①逮捕から48時間以内の取調べ~送検
逮捕後は警察の取調べを受け、48時間以内に検察官へ送致(送検)されるか、釈放されます。弁護士とはすぐに接見(面会)できます。
②送検から24時間以内の勾留請求
検察官は送検から24時間以内(逮捕から72時間以内)に、勾留を請求するか、釈放するかを判断します。
同じ区分の2025年の統計では、逮捕された592人のうち、警察の段階で74人、送検後に検察官の判断で85人が釈放され、裁判官に勾留請求を却下された人も76人います。逮捕されても、勾留されずに釈放される人は少なくありません。
③勾留決定~最長20日間の勾留
勾留が認められると原則10日間、延長されればさらに最長10日間、警察署の留置施設などで拘束されます。
逮捕から数えると、最長23日間身柄を拘束される可能性があります。
④起訴・不起訴
検察官は勾留期間中に、起訴するか不起訴にするかを決めます。不起訴になれば手続きは終わり、前科もつきません。
犯罪の疑いが明らかでも、事情を考慮して起訴を見送る「起訴猶予」という不起訴もあり、勾留期間中に被害者(露出を目撃させられた人など)との示談が成立すれば、起訴猶予となる可能性が高まります。
不起訴を目指す方法は、公然わいせつ罪の不起訴率と不起訴を目指すためにすべきことで詳しく解説しています。
⑤刑事裁判
起訴されると刑事裁判に移り、争いのない事件なら1回目の期日で審理を終え(結審)、次の期日に判決が言い渡されることが多いでしょう。刑の重さや前科の有無によっては、執行猶予がつく場合もあります。
もっとも、公然わいせつでは、公開の裁判を開かずに書面審理で罰金または科料を命じる略式手続(検察官による略式起訴)が中心で、2025年に起訴された814人のうち639人(約8割)が略式起訴でした。
ただし、略式起訴による罰金で済んでも有罪であり、前科がつきます。
逮捕で生じる社会生活上のリスク
逮捕をきっかけに、刑罰とは別に、社会生活でも次のようなリスクが生じるおそれがあります。
- 身柄の拘束が長引き、勤務先や学校に知られて懲戒解雇・退学につながる
- 実名で報道され、知人にも事件を知られる
- 釈放時に身元引受人として家族へ警察から連絡が入り、事件を知られる
- 有罪になれば前科がつく
罰金刑や執行猶予つきの判決でも前科になり、再び罪を犯したときに処分が重くなりやすいほか、刑の種類によっては、一定期間、特定の資格や職業に就けなくなることもあります。
公然わいせつで逮捕を回避するための対処法
行為に及んだ後でも、早く対応するほど、逮捕・起訴のリスクを下げる余地は大きくなります。
- ①自首する
- ②示談交渉する
- ③弁護士に相談する
①自首する
犯罪が捜査機関に発覚する前、または発覚していても犯人が特定される前に自ら申告すれば自首が成立し、裁判所の判断で刑が減軽されることがあります(刑法42条1項)。
自首して事実を正直に話せば、逃亡や証拠隠滅のおそれが小さいと評価され、逮捕のリスクを下げられます。自首には弁護士が同行することもできます。
自首をするかどうか迷われた方は、公然わいせつで自首する5つのメリット|自首後の流れと注意点もあわせてご確認ください。
②示談交渉する
特定の被害者がいない事件もありますが、露出を見せつけられた人がいる場合は示談交渉が重要です。示談が成立すれば、逮捕や起訴を避けられる可能性が高まります。
ただし、捜査機関が被疑者本人に被害者の連絡先を教えることは通常なく、示談を進めるには弁護士への依頼が欠かせません。
示談の進め方や示談金の相場を知りたい方は、「公然わいせつの示談金相場は?示談で不起訴になるかを弁護士が解説」をご覧ください。
③弁護士に相談する
刑事事件に詳しい弁護士に依頼すれば、次のようなサポートを受けられます。
- 自首への同行と捜査機関への対応サポート
- 被害者との示談交渉の代理
- 検察官や裁判官に対する意見書の作成・提出(逮捕・勾留の必要がないことや再犯防止策を主張)
- 取調べへの対応に関するアドバイス
弁護士に依頼する費用の目安は、「公然わいせつは強い弁護士に相談|費用の相場と弁護活動の内容」をご参照ください。
公然わいせつ事件でお悩みの方・ご家族の方は弁護士にご相談ください
公然わいせつを含む事件の約3割は逮捕に至り、逮捕されれば最長23日間の身柄拘束や、実名報道・解雇・前科といった影響が生じ得ます。弁護士が早く動けば、自首への同行や示談交渉を通じて、逮捕や起訴を避けられる可能性が高まります。
「いつ警察が来るか不安」「すでに警察から連絡が来ている」という方や、ご家族が逮捕された方は、すぐにご相談ください。
当事務所は公然わいせつ事件を数多く取り扱ってきました。弁護士が迅速に動き、全力であなたを守ります。無料相談は全国対応ですので、お気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

