
※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。
1. 事案の概要(相談前の状況)
状況: わいせつ行為の発覚・警察が現場に臨場
Aさんは、出張で東京に来る際、いわゆるスーパー銭湯の仮眠室を宿として利用しておりました。
サウナや大きい浴槽に浸かって疲れを癒すことができるほか、ホテル代よりも安価に利用できることから、重宝していたようです。
事件があった日も、いつも利用しているスーパー銭湯でお風呂に入った後、仮眠室に向かいました。
仮眠室は薄暗い部屋に一人掛けのリクライニングチェアが多数置かれており、空いている場所を好きに選んで睡眠を取るという場所であったようです。
その日の仮眠室は空いていたようですが、Aさんは、とある男性の隣のリクライニングチェアに腰掛けました。
未明、Aさんは、隣の男性が熟睡していたことから、気づかれないと考え、服の上から下半身を触ってしまいました。
隣の男性は異変を感じたのか目を覚まし、Aさんが体を触っていることに気づいて激昂し、すぐに警察に通報しました。
警察が現場に向かっている間、大変なことをしてしまったと考えたAさんは、弊所をネットで探し、相談をしたいと連絡をしてきました。同性間のわいせつ行為であっても不同意わいせつ罪が成立する可能性があり、逮捕や刑事事件化のリスクについては「不同意わいせつ(旧強制わいせつ)の示談金相場や示談の進め方」で詳しく解説しています。
2. 弁護士の対応と解決への流れ
Aさんから弊所にご連絡いただいたのは早朝ではありましたが、警察が現在向かっているという話を伺い、緊急性からすぐに当職も現場に向かうことにしました。
現場に向かう道すがら、電話で事実関係を確認し、簡単ではありましたが、相手方とも話をしました。
相手方は非常に不愉快な目に遭ったと、かなり激昂しており、刑事事件とすることを強く希望しているとのことでした。
ほどなくして当職が現場に着くと、すでにAさん、相手方、警察官の3者が話し始めておりました。
Aさんは警察が臨場したことでパニックになっておりました。
出張中であり、すぐに仕事に戻らなければならないことや刑事事件となることを強く懸念していたことから、警察が来ている以上、事情を説明するために多少時間は取られてしまうことを説明のうえ、今後の対応については当職で引き取ることは可能である旨伝えたところ、全て任せたいとのことでご依頼をお受けすることになりました。
Aさんは事実を認め、警察に細かい事実関係を説明しました。
相手方の事実認識と異なるところは無く、また、相手方も落ち着いてきたのか、面倒は回避したい、きちんと謝罪を受けて誠意を見せてくれるのであれば、これ以上大ごとにするつもりはないという考えに至ったことから、弁護士を介して話し合いで解決するよう警察から話があり、今後は当職と相手方との間で話を進めることになりました。
Aさんには仕事に戻っていただいたうえ、当職が代理人として相手方と話をいたしましたが、相手方は高額な解決金の支払を請求してきました。
性被害に遭った心情を踏まえるのであればやむを得ないところではありますが、金額があまりにも大きかったため、希望は持ち帰ること、依頼者の意向を確認する必要もあるので追って当職から連絡する旨を伝え、その日は解散をすることになりました。
その後、解決金の額の調整は難航しましたが、当初の希望金額からは減額をすることができました。
また、第三者に口外しない(本件を拡散しない)、Aさんを許し、刑事事件は希望しない旨の条項を設けた合意書の取り交わしをすることもできました。示談の具体的なメリットや流れについては「刑事事件で示談するメリットは?示談金相場と流れを徹底解説」をご参照ください。
3. 解決結果と弁護士のコメント
刑事処分: 被害届提出なし(逮捕回避・前科つかず)
職場・家族: 発覚することなく解決
出張中のトラブルについては、仕事に戻らなければならないにもかかわらず、馴染みのない土地であり、すぐに弁護士を探すことができないといった事情から、対応に苦慮される方が多くいらっしゃいます。
事件の相手方には、遠方に住む身元が分からない方を相手にするとなると、このまま連絡が取れなくなってしまうのではないかという懸念があり、身分証明書の提出を求める、家族や職場の連絡先を確認する、事実を認めたり、解決金の支払を約する書面の取り交わしを求めるといった、解決のための担保を出来る限り取ろうとする傾向があります。
そのため、当事者間で直接のやり取りをすると、押し問答になって時間ばかりが経過してしまう可能性もあるところです。
本件では、早朝ではありましたが、都内での事件あったためすぐに現場に向かい、相手方対応の窓口として引き取ることができました。
その結果、代理人である弁護士に連絡できるのであれば逃げられるということは無いだろうという安心感を相手方に与えることができたため、Aさんには仕事に戻ってもらうことができ、相手方にも話し合いに応じてもらうことができました。
その後の交渉は難航しましたが、代理人を通じて、落ち着いて判断をすることが出来るようになったことから、適正な額で和解をすることができました。被害届提出を回避するための示談交渉の重要性については「被害届を取り下げてもらう方法と期間、その後の流れを解説」でも解説しています。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

