
「児童買春をしてしまった。逮捕されるのだろうか」「捕まったら、その後どうなるのか」と不安を抱えていませんか。
2025年の検察統計では、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で逮捕された人の割合(逮捕率)は約16%です(児童ポルノの事件を含む値で、母数は検察庁が処理を終えた被疑者)。ただし、逮捕されなくても在宅のまま起訴されることがあり、捕まれば起訴・不起訴が決まるまでに最長23日間、身柄を拘束される可能性があります。もっとも、示談や自首など早めに対応すれば、逮捕を避けて不起訴を目指せる場合があります。
この記事では、児童買春・淫行事件に強い弁護士が、次の点について解説します。
- 罪が成立する場合と罰則
- 児童買春で逮捕される条件と逮捕率
- 捕まった後の流れと身柄拘束の期間
- 逮捕を回避し不起訴を目指す方法
お読みいただくことで、ご自身のケースで身柄拘束や起訴のおそれがどの程度あるのか、いま何をすべきかを整理できます。
なお、お困りの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。早期対応が結果を左右します。ご相談は地域を問わず承っています。
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児童買春とは?成立要件と罰則
児童買春とは、お金や品物などの見返りを渡す、または渡す約束をしたうえで18歳未満の子どもと性交等をする犯罪です。
処罰の根拠は「児童買春・児童ポルノ禁止法」という法律です。以下では、成立要件と罰則、相手の年齢によって成立する別の罪を確認します。
児童買春の成立要件
児童買春・児童ポルノ禁止法2条によると、児童買春は次の2つがそろったときに成立します。
- 18歳未満の児童本人、その児童との性交等を周旋(仲介)した者、児童の保護者などに対し、対償を供与し、またはその供与の約束をすること
- その児童と性交等をすること
「児童」は18歳に満たない者をいい、性別は問いません。
1つ目の要件にある「対償」とは、性交等の対価、つまり見返りとして渡す利益のことです。現金に限らず、品物やギフト券、携帯電話の料金の立て替え、遊戯施設の入場料の支払いなども対償になり得ます。
実際には渡していなくても、渡す約束をして性交等をすれば児童買春に当たります。
2つ目の「性交等」には、性交や性交類似行為のほか、性的好奇心を満たす目的で児童の性器・肛門・乳首を触る行為や、自分の性器などを児童に触らせる行為も含まれます。
児童買春は故意犯(わざと行った場合に限って処罰される犯罪)です。そのため、相手が18歳未満だと本当に知らなかったと認められれば、児童買春は成立しません。
ただし、「18歳未満かもしれないが、それでも構わない」と考えていた場合は、未必の故意があるとして処罰の対象になります。
相手の見た目や服装、SNSや出会い系サイトでの会話から、18歳未満と認識していた(少なくとも未必の故意があった)と推認される状況なら、「知らなかった」と主張しても逮捕されることがあります。年齢を知らなかった場合の扱いは「18歳未満とは知らなかった場合でも児童買春や淫行になる?」で詳しく解説しています。
また、児童買春には未遂を処罰する規定がありません。性交等に至らず、お金を払う約束をしただけで終わった場合、児童買春の罪には問われません。
ただし、相手が16歳未満であれば、わいせつ目的で金銭などを約束して会うよう求めただけで、面会要求等罪(刑法182条)に当たる可能性があります(相手が13歳以上の場合は、行為者が相手より5年以上前に生まれているときに限ります)。
なお、見返りを渡していなくても、18歳未満の未成年とみだらな性交等をすれば、多くの都道府県の青少年保護育成条例(いわゆる淫行条例)に違反するおそれがあります。罰則は自治体ごとに異なり、東京都の条例では2年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金です。淫行については「淫行とは?逮捕された場合の刑罰と未成年との性行為がバレる経緯」もご覧ください。
児童買春の罰則
児童買春の罰則として法律が定める刑(法定刑)は、5年以下の拘禁刑、または300万円以下の罰金です(児童買春・児童ポルノ禁止法4条)。
この範囲の中で、実際にどの刑罰がどの程度科されるかは、相手の年齢や行為の回数、示談(被害者側との話し合いによる解決)の有無などの事情によって決まります。
※2025年6月1日施行の改正刑法により、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。
逮捕・起訴された場合でも、事情によっては正式な裁判を開かず、略式命令で罰金を科されることがあります。
児童買春の公訴時効(犯罪が終わってから一定期間が過ぎると起訴できなくなる制度)は5年です。時効の数え方や、時効完成を待つリスクについては「児童買春の時効は何年?時効完成を待たずにすべき2つのこと」で解説しています。
相手が16歳未満だと、児童買春より重い不同意性交等罪などになる場合がある
相手が13歳未満の場合、または13歳以上16歳未満で行為者が相手より5年以上前に生まれている場合は、同意があっても不同意性交等罪・不同意わいせつ罪に問われる可能性があります(刑法177条3項・176条3項)。
これらの罪は2023年7月13日施行の改正刑法で設けられたもので、児童買春より重い刑が定められています。
不同意性交等罪は5年以上の有期拘禁刑、不同意わいせつ罪は6月以上10年以下の拘禁刑です。
公訴時効も、不同意性交等罪は15年、不同意わいせつ罪は12年と長くなります。さらに、被害者が18歳未満だった場合は、18歳になるまでの期間が加算されます。
児童買春を含め、相手の年齢によって問われる罪と法定刑を比べると、次のとおりです。
| 罪名 | 相手の年齢 | 法定刑 |
| 児童買春罪 | 18歳未満(対償の供与・約束あり) | 拘禁刑5年以下、または罰金300万円以下 |
|---|---|---|
| 淫行条例違反(東京都) | 18歳未満 | 拘禁刑2年以下、または罰金100万円以下 |
| 面会要求等罪 | 16歳未満(13歳以上なら行為者が5年以上年長) | 拘禁刑1年以下、または罰金50万円以下(面会した場合は拘禁刑2年以下、または罰金100万円以下) |
| 不同意わいせつ罪 | 13歳未満/13歳以上16歳未満(行為者が5年以上年長) | 拘禁刑6月以上10年以下 |
| 不同意性交等罪 | 13歳未満/13歳以上16歳未満(行為者が5年以上年長) | 有期拘禁刑5年以上 |
児童買春で逮捕される可能性は?条件・割合・きっかけ
児童買春をすれば必ず逮捕されるのでしょうか。実際には、法律上の条件や事件が発覚した経緯によって変わります。ここでは、逮捕される条件・割合・発覚のきっかけを順に確認します。
逮捕される条件
逮捕状は、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があるときに出されます。ただし、裁判官が「明らかに逮捕の必要がない」と認めるときは出されません(刑事訴訟法199条)。
逮捕の必要があるかどうかは、実務上、逃亡するおそれや証拠を隠すおそれがあるかで判断されます。
児童買春では、相手の児童や保護者に連絡して口裏合わせを頼む、スマホのやり取りを消すといったおそれがあると見られると、逮捕の必要があると判断されかねません。
反対に、住まいや仕事が定まり、罪を認めて捜査に協力している場合は、在宅事件(身柄拘束をしないまま捜査を進める事件)として扱われるケースもあります。
逮捕されなくても捜査は続き、在宅のまま起訴されることもあります。
逮捕率と勾留される割合
検察統計調査(2025年)によると、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で検察庁が処理を終えた被疑者2,137人のうち、逮捕されたのは338人でした。逮捕率(逮捕された人の割合)は約16%です。
この数字は「既済となった事件の被疑者」、つまり検察庁で処理を終えた被疑者を母数にした値です。罪名は法律ごとに集計されており、児童買春と児童ポルノの事件を区別していません。
逮捕後の措置が決まった326人(検察官に逮捕された人と、警察から身柄ごと送られた人の合計)のうち、勾留(逮捕に続いて身柄拘束を続ける手続き)が認められたのは291人で、約89%にあたります。
逮捕される確率だけを見ると低く感じるかもしれませんが、逮捕された人の大半が勾留まで進んでいることが分かります。勾留されると、さらに最大20日間身柄拘束が続きます。
発覚・逮捕のきっかけ
未成年との児童買春がなぜバレるのか、主なきっかけは次のとおりです。
- 児童が補導され、スマホのやり取りから相手が分かる
- 警察のサイバーパトロールで書き込みや画像が見つかる
- 子どもの様子を不審に思った保護者が警察に相談する
- ホテル周辺などで職務質問を受ける
- 違法な業者が摘発され、顧客の記録が押収される
- 別の事件で押収されたスマホに形跡が残っている
補導には、街頭での補導のほか、SNSで援助交際や売春の相手を募る児童に警察官が接触する「サイバー補導」もあります。補導された児童のLINEなどにやり取りが残っていれば、そこから相手が特定されかねません。
保護者の相談がきっかけになる場合も、被害児童のスマホに残った連絡先や送金の記録が手がかりになります。業者を介した児童売春では、業者の摘発で押収された顧客の記録から、利用客が次々に特定されたケースもあります。
児童買春は当事者だけの密室で行われやすいため、その場で通報されて現行犯逮捕されることは通常考えにくく、行為からしばらくたって発覚し、後日逮捕される形をとりがちです。
発覚するのは数日後のこともあれば、数年後のこともあり、いつ警察が来るかは予測できません。
発覚してから逮捕されるまでの具体的な経緯は、「児童買春が警察に発覚して逮捕されるまでのリアルな流れを再現」で再現しています。
逮捕後はどうなる?勾留・起訴までの流れ
児童買春で逮捕された後の流れは、警察での取調べ、送致(事件と身柄を検察官に送ること)、勾留、起訴・不起訴の判断という順に進みます。担当する機関と期限は次の図のとおりです。
48時間以内に検察官へ送致される
逮捕された人は、警察署の留置場に入れられたうえで、警察官から逮捕された事実についての言い分を聴かれます(弁解録取)。
警察が身柄拘束を続ける必要があると判断すれば、逮捕から48時間以内に、事件と身柄が検察官へ送られます。
身柄拘束の必要がないと判断されれば釈放され、在宅事件として捜査が続きます。
勾留されると最大20日間拘束される
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ってから24時間以内に、裁判官へ勾留を請求するか、釈放するかを決めます。逮捕から勾留請求までは最長72時間です。
裁判官が勾留を認めると、身柄拘束は原則10日間続き、やむを得ない事由があれば最大10日間延長されます。
逮捕からの72時間と合わせると、処分が決まるまで最長23日間、外に出られない可能性があります。
身柄拘束が長引くと、生活への影響も避けられません。勤務先に事情を説明できないまま欠勤が続けば、逮捕の事実が職場に伝わり、懲戒処分や解雇につながるおそれがあります。
公務員や大企業の社員などの場合、児童買春事件が報道されたり、勤務先が逮捕の事実を公表したりすることもあります。事件の内容によっては、実名報道もあり得ます。
家族にとっても、突然本人と連絡が取れなくなる負担は大きいものです。勾留中は、裁判官の判断で、弁護士以外の人との面会が禁止されること(接見禁止)もあります。家族が面会できない場合でも、弁護士は本人と面会(接見)できます。
検察官が起訴・不起訴を判断する
勾留中の捜査を踏まえて、検察官が起訴するか不起訴にするかを決めます。在宅事件の場合も、捜査が終われば同じように処分が判断されます。
不起訴処分になれば裁判にかけられず、前科もつきません。起訴されて有罪となれば、罰金刑であっても前科がつきます。
2025年の検察統計では、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で起訴か不起訴かが決まった1,342人のうち、起訴は約68%、不起訴は約32%でした。同じ統計で、刑法犯全体の起訴率は25.0%なので、起訴される割合が高い犯罪といえます。
起訴された913人の内訳は、公判請求(公開の法廷での裁判を求める起訴)が約38%、略式命令請求(書面だけの手続きで、100万円以下の罰金または科料を科すよう求める起訴)が約62%です。
相手の年齢が低い、回数が多い、示談ができていない、児童ポルノなど別の罪にも問われている、といった事情があると、公判請求されて執行猶予のつかない実刑となる事案もあります。
反対に、初犯で被害児童の保護者との示談がまとまっていれば、略式命令による罰金で済む可能性があります。公判請求された事案で裁判所がどう判断したかは「児童買春の判例を弁護士が解説」で紹介しています。
逮捕を回避し不起訴を目指す方法と弁護活動
児童買春で逮捕されるのを避け、不起訴を目指すには、示談、自首、弁護士による働きかけの3つが主な対応になります。
被害児童の保護者と示談する
児童買春の示談の相手は、未成年である児童本人ではなく、その保護者です。
捜査機関に発覚する前に示談がまとまれば、事件化そのものを防げる可能性があります。
すでに捜査が始まっている場合でも、示談の成立は、検察官が起訴・不起訴を決める際や、裁判で刑の重さを決める際に考慮されます。
ただし、児童買春・児童ポルノ禁止法は、児童一般を守ることも目的としています。示談が成立したからといって、必ず不起訴になるわけではありません。
本人が直接連絡を取ろうとすると、保護者に断られるだけでなく、証拠隠滅を図ったと疑われ、逮捕につながるおそれもあります。
保護者の連絡先は、本人が捜査機関に尋ねても教えてもらえないのが通常ですが、弁護士であれば保護者の了解を得て伝えてもらえる場合があります。弁護士を通じて保護者と示談交渉を進める場合の流れや金額の目安は「未成年と淫行した場合の示談金相場と流れ、示談による解決事例」で解説しています。
示談に応じてもらえない場合は、贖罪寄付(反省の気持ちを示すために弁護士会などへ寄付すること)や、専門機関でのカウンセリングなど再犯防止の取り組みを検察官に示す方法もあります。
弁護士の同行で自首する
自首とは、捜査機関に犯人と特定される前に、自分から罪を申告することです。
刑法42条1項は、発覚前に自首したときは「その刑を減軽することができる」と定めています。減軽するかどうかは裁判所の判断に委ねられ、必ず軽くなるわけではありません。
もっとも、自ら出頭して事実を話せば、逃亡や証拠隠滅のおそれは小さいと評価されやすく、逮捕されずに在宅で捜査が進むこともあります。一方で、自首しても逮捕される可能性は残ります。
弁護士が同行すれば、事前に話す内容を整理できるうえ、警察に在宅での捜査を求める意見を伝えることもできます。自首を検討する際の判断材料や実際の手順は「児童買春で自首するメリット・デメリット|その後の流れと示談」で紹介しています。
弁護士に意見書の提出や早期釈放を求めてもらう
弁護士に依頼すると、取調べでどう供述すべきか、黙秘権(言いたくないことを言わなくてよい権利)をどう使うかについて助言を受けられます。
逮捕された場合、弁護士は検察官や裁判官に意見書を出し、逃亡したり証拠を隠したりするおそれがないことを示して、勾留しないよう求めます。
勾留が決まった後でも、準抗告(勾留の決定に対する不服申立て)によって釈放を求めることができます。身柄の解放が早ければ、仕事や家族への影響を抑えやすくなります。
相手が18歳未満だと知らなかったことに合理的な理由がある場合は、その事情を示す意見書を検察官に提出し、不起訴を求めることもあります。
こうした意見書の提出や釈放の働きかけを任せる弁護士の探し方や費用の目安は「児童買春に強い弁護士の選び方と費用、依頼のメリットを解説」をご覧ください。
児童買春で逮捕されるかもしれないとお悩みの方へ
児童買春・児童ポルノの事件で逮捕される人は2割に届きませんが、起訴される割合は約68%と高く、逮捕から処分が決まるまでの身柄拘束が最長23日間に及ぶこともあります。発覚の前後を問わず、早めの対応がその後を左右します。
弁護士に依頼すれば、保護者との示談交渉を任せられるほか、自首するかどうかや取調べでの受け答えも相談できます。身柄を拘束された場合も、弁護士が早期釈放に向けて検察官や裁判官に働きかけます。
「いつ警察が来るのか」と落ち着かない日々を過ごしている方や、すでに警察から連絡を受けている方、ご家族が逮捕されてしまった方もいるでしょう。一人で抱え込まず、早い段階で弁護士にご相談ください。
当事務所は刑事事件に力を入れており、児童買春事件での逮捕回避・不起訴処分の獲得について豊富な実績があります。家族や職場への影響ができるだけ小さくなるよう配慮しながら、依頼者の不利益を最小限に抑えるため弁護士が迅速に動き、全力を尽くして守ります。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

