
出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った相手から、「会社や家族にばらす」「写真をネットに晒す」などと脅されたり、金銭を要求されたりする被害が後を絶ちません。こうした脅迫・恐喝のトラブルは、被害者自身にもやましい事情があるケースが多く、警察に相談しづらいという弱みにつけ込まれやすいのが特徴です。
しかし、状況に応じた適切な対処をとることで被害を食い止めることは可能です。この記事では、出会い系サイトでよくある脅迫・恐喝の手口と、被害状況に応じた4つの対処法、そして被害にあわないための具体的な対策について弁護士がわかりやすく解説します。
なお、出会い系やマッチングアプリでの脅迫・恐喝被害について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。
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出会い系サイトでの脅迫や恐喝の手口
出会い系サイトやマッチングアプリで頻発する脅迫・恐喝には、主に以下のような手口があります。
- ①女性の夫や彼氏を名乗る者が登場
- ②相手女性が18歳未満の未成年であると主張
- ③恥ずかしい写真を送らせる
- ④性行為の動画を撮影する
- ⑤出会い系サイトから賠償請求
①女性の夫や彼氏を名乗る者が登場
出会い系サイトやアプリで知り合った女性と身体の関係をもった後に、女性の夫や彼氏を名乗る男性から金銭を要求されるパターンです。
「人の妻と不倫したんだから慰謝料を支払え」「俺の女に手を出しやがって。どう落とし前つけてくれるんだ。誠意をみせろ」といった恫喝で相手を怖がらせる、いわゆる美人局の手口です。
支払いを拒むと、訴訟を起こして不貞の慰謝料を請求する、配偶者や勤務先に言いつける、ヤクザを使って取り立てるといった台詞で凄んできます。
基本的には性行為の後にホテルを出てくるのを待ち構えているケースが多いのですが、ホテルに入る直前や入った直後に夫や彼氏と称する者が登場することもあります。
中には、「彼氏(や旦那)にバレてものすごく怒っている。キレると何するかわからない。」などとことば巧みに恐怖心を植え付け、解決金名目で女性が直接お金を受け取ることもあります。美人局の詳しい手口や見分け方については「美人局とは?6つの手口と特徴・被害にあった時の対処法」で詳しく解説しています。
②相手女性が18歳未満の未成年であると主張
出会い系サイト内でのメールのやりとりで女の子から18歳以上の年齢と聞いていたので安心して性的関係を結んだところ、後から18歳未満であると主張されることもあります。
たしかに、女の子から年齢も聞いており、また、最近ではメイクや服装が大人びていて18歳未満であると判別がしづらいこともあるでしょう。
しかし後で説明しますが、仮に女性から18歳以上であると聞いていたとしても警察は見逃してくれません。
対価を支払っていた場合は児童買春・児童ポルノ禁止法、そうでなかったとしても各都道府県の淫行条例に該当し、逮捕起訴されて実名報道される可能性が極めて高いのです。
それに乗じて、「警察に行かない代わりに金を払え。犯罪で逮捕されたら会社や奥さんにばれて人生終わるよ」と、口止め料などの名目で多額の金銭を請求される恐喝被害は後を絶ちません。援助交際トラブルで脅迫されている方が警察に相談しにくい理由については「援助交際トラブルで脅迫されたのに警察相談できない明確な理由」をご参照ください。
③恥ずかしい写真を送らせる
出会い系サイトやマッチングアプリで相手から裸の画像など恥ずかしい写真を送るようお願いされることがあります。
相手と性的なトークで盛り上がってしまい気分が高揚している状況でついノリで送信してしまうのです。
そしてこれを手にした相手は、「この裸の画像をネットにアップロードしてばら撒く」「それが嫌なら買い取れ」と要求してきます。
また、中にはその写真で脅迫し、氏名や住所、学校などの個人情報を聞き出し、「学校や親に知られたくなければ俺と性行為しろ」と少女を脅す事件も実際に起きています。
④性行為の動画を撮影する
出会い系サイトで知り合った男性が性行為中の動画を撮影していて、「動画をばら撒かれたくなかったら金を払え」などと恐喝されるケースも数多くあります。
盗撮されているパターンがほとんどですが、中には何度か会って親しくなったからと気を許して撮影させてしまったりする女性もいます。
被害者はほぼ全てが女性で、お金だけでなく、ネットへの拡散を仄めかしたりして身体の関係や交際を強要される被害も多発しています。裸の写真や動画をネタに脅迫された場合の対処法については「裸の写真をばらまくぞと脅迫された人が知っておくべき法律と対処法」もあわせてご確認ください。
⑤出会い系サイトから賠償請求
出会い系サイトで知り合った人からだけではなく、悪質な出会い系サイト運営者(会社)から恐喝被害を受けるケースもあります。
相手女性の要求に応じて性器の画像を送ったところ、出会い系サイトから「公然猥褻になるので刑事告訴します」「性器の写真をサーバーにアップロードしたため、サーバーがダウンしたので損害賠償を請求する」「あなたの書き込み内容は出会い系サイト規制法に違反する犯罪に当たるので、警察に通報する」といったメールが届き、損害賠償や示談金、罰金などの名目でお金を請求してくることもあります。
しかし、相手の要求があって個人間で卑猥な画像を送っても刑事事件になることはないのですが、法律を知らない人は怖くなって支払ってしまうこともあります。
被害にあった時の対処法
出会い系サイトで脅迫・恐喝の被害にあった場合、状況に応じて以下の対処法を使い分けます。
- ①無視する
- ②消費者センターから運営者に電話してもらう
- ③警察に被害届を出す
- ④弁護士に交渉してもらう
①無視する
無視をしていいのは以下の3つの条件をすべて満たしている場合です。
個人情報を全く知られていない
知られてはいけない個人情報とは、氏名・住所・勤務先・学校・携帯番号です。携帯番号については後ほど説明しますが、携帯番号からは個人情報を調べることが可能だからです。
それに対して、メールアドレス・LINEやカカオトークなどのID・SNSアカウントなどからは、警察と弁護士以外は個人情報を割り出すことはできませんので知られていても問題ありません。
もしこれらを知られているのに無視をすれば、出会い系サイトの相手方や運営者から、自宅や職場、学校などに嫌がらせ等の連絡をされる可能性があります。
ネットに拡散されたら困る画像や動画が相手の手元にない
相手が自分の裸の写真や性行為の動画を手にしている場合も無視するとネットにそれらを流出される被害にあうことがあります。
自分が犯罪行為を犯していない
出会い系サイトで知り合って関係をもった相手が18歳未満であった、或いは、サイトの掲示板に隠語を使わずに援助交際を誘うような書込みをしてしまった。
これらは、青少年保護育成条例(淫行条例)や児童買春・児童ポルノ禁止法、出会い系サイト規制法に触れ、犯罪として警察に逮捕されるリスクがあります。
相手の連絡を無視したことで本当に警察に被害届を出されれば刑事事件にまで発展してしまうことがあります。
②消費者センターから運営者に電話してもらう
恐喝とまではいえないものの、「裁判を起こす」「差押をする」といった不安を煽る文言で身に覚えのない高額な利用料を請求してくる出会い系サイトがあります。
こういった悪質出会い系サイトは、そもそも出会い系サイト規制法で義務付けられている事業開始の手続きがなされていなかったり、あるいはサイト上で交わされる契約内容に不備があってユーザーに利用料を請求できないようなケースも多々あります。
そこで、消費者契約について詳しい知識を有している消費者センターの職員から電話をしてもらうことで、サイト運営者が諦めて請求をやめてくれることが期待できます。
ただし、消費者センターはあくまでも契約トラブルの仲裁が仕事ですので、相手との個人的なトラブルや、刑事犯罪が絡んだ内容については介入できません。
③警察に被害届を出す
早急な解決方法としては警察に加害者を逮捕してもらうことです。
被害届が受理されて事件化できれば、警察は職権で出会い系サイト利用者のIPアドレスから身元を割り出すことが可能ですので、ネットで知り合った相手の素性も容易に判明させることができます。
しかし、被害者の方の中には、刑事裁判に出廷したり、現場検証で自宅や職場に来られるのが困る立場の方もいるでしょう。
また、性行為をしてしまった相手が18歳未満であった場合は逆に自身が逮捕されるリスクもあります。脅迫・恐喝被害に対して警察と弁護士のどちらに相談すべきかの判断基準については「脅された時の対処法は?恐喝・脅迫被害の相談先も弁護士が解説」で具体的な使い分けを解説しています。
ただ、「殺すぞ」「家に火をつけてやる」といった、自身や家族の生命を脅かすような脅迫的な言葉が相手の口から出てきた場合であれば、緊急対応してくれる警察に駆け込む必要性があります。被害届の出し方やメリットについては「恐喝・脅迫の被害届を出す3つのメリットと出し方をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
④弁護士に交渉してもらう
被害者側に、警察介入を躊躇ってしまう事情がある場合は、弁護士に相談のうえ隠密に解決を図る方向で解決を依頼するのが良いでしょう。
弁護士は民間人ですので、出会い系サイトで恐喝や脅迫を行った者達を逮捕することはできません。
しかし、もし弁護士の警告に従わずに被害者に対して加害行為を続けた場合には、刑事告訴をしたり逆に相手方に損害賠償請求をするなどの法的手段が行えるのも弁護士です。
弁護士は民事的な交渉のほか、刑事告訴の代理もできる唯一の国家資格ですので、加害者も自分達の不利益になることが分かれば手を引かざるを得なくなるのです。当事務所が実際に出会い系での恐喝被害を解決した事例については「出会い系でヤクザを名乗る男に恐喝されたが0円解決した事例」をご覧ください。
被害にあわないための対策
出会い系サイトで脅迫・恐喝の被害にあわないためには、以下の対策を事前に講じておくことが重要です。
- ①個人情報は絶対に知られないようにする
- ②年齢確認を必ず行う
- ③未婚であることの言質を記録する
- ④性的な画像や動画は送らない
- ⑤怪しい誘いには乗らない
①個人情報は絶対に知られないようにする
個人情報ときくと一般的には氏名や住所、勤務先などを思い浮かべる人が多いでしょう。
もちろんこういった情報が相手に渡れば脅しの材料として利用されることは明白ですので絶対に教えてはいけません。
しかし現実的には、自分の名前や住所や職場を出会い系サイトで知り合った素性の分からない人に教える人は少ないものです。
実際に個人情報が知られてしまうパターンは次の2つです。
身分証などを見られてしまう
ホテルでトイレやお風呂に入っている間に財布の中を覗かれたり、後でトラブルになった時に登場してきた男に脅されて、免許証や保険証などをスマホで撮影されて個人情報が渡ってしまうケースが多々あります。
こうならないためにも、身分証のほか、社員証、会社の名刺など、自分のプライバシーに関わる一切の物はコインロッカーに入れておくなどして持ち歩かないようにしましょう。
携帯電話番号から調べられる
あまり多くの人に知られていませんが、興信所を使えば携帯電話番号から名前と住所を調べることが可能です。
比較的安い金額で個人情報を割り出すことが可能なため、暴力団や半グレ、その他常習的に恐喝行為をしている者がよく利用する手口です。
ですので、出会い系サイトの相手が、「サイト経由だとポイント購入がもったいないから」「直接声を聞いてから会うかどうか決めたい」といったもっともらしい台詞で携帯番号を聞いてきても絶対に応じないようにしましょう。
携帯番号と違い、メールアドレスやLINE、SNSのアカウントからは警察や弁護士を除いて個人情報を調べることは不可能ですので、待ち合わせ場所を決める等のやり取りはこれらで行うようにしてください。
「LINE通話しようよ」「そっちの番号を教えてくれたらこちらから電話するよ。まだ不安だから非通知でいいでしょ?」こう切り返してもしつこく食い下がってくるようであればその相手とは会わないほうが身のためです。携帯番号から個人情報がどこまで特定されるかについては「電話番号から個人特定はできる?住所・氏名を割り出す3つの方法」で具体的に解説しています。
②年齢確認を必ず行う
出会い系サイトの運営者は、出会い系サイト規制法により利用者に対して児童(18歳未満)でないことを確認することが義務付けられており、年齢を確認できる身分証明書の画像を提出させています。
しかし、出会い系サイトで恐喝や脅迫を行っている者は、自分の親や兄弟、あるいは犯行グループの仲間が用意した全くの赤の他人の身分証を使用してこの年齢確認を突破していることがあります。
ですので、出会い系サイトを介して知り合ったので児童ではないだろうと安易な考えで性行為に至ると、実は児童買春や淫行などの犯罪に知らぬ間に手を染めてしまうこともあるのです。
警察に「18歳以上だと思ってた」は通用しない
淫行条例や児童買春・児童ポルノ禁止法で逮捕された人のニュースでよく見かける台詞で、「18歳以上だと思っていた(あるいは、聞いていた)」というものがありますね。
しかし、実際には警察に逮捕されています。
つまりは、「出会い系サイトの年齢確認はいくらでも偽造できるし、また、相手から児童ではないと聞いていたからといってそれが事実かどうかは分からないのだから、ちゃんと年齢確認をしていない以上は、"知らなかったで済まされませんよ"」というのが警察や判例のスタンスです。
身分証を持参させる
これらのことから、女の子と会った時には必ず年齢確認ができるものを出してもらうようにしましょう。
「今日はそういうの持ってきていない」と言い逃れされないためにも、「念のため当日に顔と年齢が確認できるものを持ってきてね」と事前に伝えておきます。
「個人情報を知られたくない」と拒否されたら、「顔写真と生年月日以外の箇所はシールを貼るなり、手で隠すなりして見せなくていいから」と切り返します。
顔写真付き身分証としては以下の物があります。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 写真付学生証(名前が印字のもの)
18歳以上であれば一般的にどれか一つくらいは所有していると思われます。
拒否するなら会わないことが鉄則
そんなに疑ってかかったら女の子が警戒して会ってくれなくなるのでは。そう思う男性も多いことでしょう。
しかし、それだけする価値はあるのです。
もし淫行や児童との援助交際で逮捕されれば実名報道されて家族や仕事を失うほどのダメージを受けます。
また、そうなりたくなければ金を払えと女の子やその仲間である不良少年、半グレ、ヤクザなどに延々と金銭を毟り取られる被害にも繋がりかねません。
③未婚であることの言質を記録する
出会い系で知り合った女性と関係をもったら後から夫を名乗る男性が出現し、不倫の慰謝料の名目で恐喝してくることがあります。
いわゆる典型的な美人局です。
中には、ホテルから出てくるところを撮影し、それを証拠に裁判を起こしてくる悪質な夫婦も存在します。
ですので、出会い系サイトのプロフィール欄に「既婚者」とある女性との接触は避けたほうが良いでしょう。
もし「未婚」とあった場合には、後でトラブルになったときのためにスクリーンショットを残してください。トラブル後に「未婚」を既婚に書き換える手のこんだ手口もこれまでにあったからです。
また、未婚か既婚か分からない場合は会話のやり取りの中で質問してください。文字でのやり取りなら通常は記録に残りますが、音声通話なら必ず録音しておきましょう。
④性的な画像や動画は送らない
説明するまでもありませんが、画像や動画は一度相手の手に渡ってしまうと取り返すことは非常に困難です。
ネットへの流出やそれを示唆した恐喝、肉体関係の強要、その他、出会い系サイト業者から詐欺まがいの損害賠償請求など様々なリスクが待ち受けています。
⑤怪しい誘いには乗らない
サイトで出会いを求めている女性は安易に会うことをしません。
なぜなら女性には男性から多数のオファーが来ており、その中からプロフィールや実際の会話で気に入った男性を選ぶことが可能です。
また、女性は男性に比べて警戒心が強いので、危険な相手かどうかを見極めるために会話を繰り返して相手を吟味します。
にも拘らず、メッセージをやり取りして間もないのに直ぐに会えるような発言をしてきたり、中には自分から会いたいと言ってくる女性もいます。
出会い系で恐喝や脅迫の"カモ"を探している者たちは、手っ取り早くターゲットを捕まえたがっています。
ですので、「直ぐ会える」女性からの誘いには乗ってはいけません。
援助交際・割り切りでも注意が必要
援助交際や割り切りでの話であれば、会うまでがスムーズなのは自然なことです。
しかし、普通であれば女性が知られたくないはずの自宅へ誘ってきたり、あるいは、相場よりもかなり安い金額を提示してくるといった場合には会うのをやめるべきです。
世間でストーカー事件の被害が知れ渡っている中、初めて会う男性に自宅を教える女性はいません。
また、"手っ取り早く"脅しのターゲットを捕まえるために相場金額よりも低く設定して早めに交渉成立を狙ってくる傾向も強くあるからです。
出会い系サイトでの脅迫・恐喝被害にお悩みの方は弁護士にご相談ください
この記事では、出会い系サイトやマッチングアプリで起きる脅迫・恐喝の代表的な手口と、被害状況に応じた対処法、そして被害にあわないための具体的な対策について解説しました。
出会い系での脅迫・恐喝被害は、被害者側にもやましい事情があることが多く、一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、相手の要求に応じ続ければ金銭的な被害は膨らむ一方であり、放置しても状況が改善することはほとんどありません。弁護士が代理人として介入することで、相手に法的措置を示しながら交渉を進め、穏便かつ内密に解決を図ることが可能です。
「相手からの金銭要求がエスカレートしている」「写真や動画をネタに脅されている」「警察に相談すると自分も逮捕されるのではないかと不安」など、誰にも相談できずにお困りの方は、早めに弁護士へご相談ください。当事務所は脅迫・恐喝被害の解決を数多く手がけており、全国どこからでも無料でご相談いただけます。家族や職場に知られることなく解決したい方も、まずはお気軽にご連絡ください。
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この記事の監修者
脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

