
情報商材を購入したものの、宣伝されていた内容とはまるで違っていた。返金を求めたいのに、「規約に返金不可と明記されている」「自分の意思で購入手続きを終えてしまった」という引っかかりから、請求を諦めかけていないでしょうか。
しかし、そうした記載があっても、それだけで請求ができなくなるわけではありません。勧誘や販売の過程に法律上の問題があれば、消費者契約法や民法を根拠に、支払った代金の返還を求められる余地があります。詐欺だと断定できないケースでも同様です。
重要なのは、被害を自覚してから動き出すまでの時間をどれだけ縮められるかです。時間が経つほど業者は資金を移動させ、回収は難しくなります。
この記事では、詐欺被害の返金請求に強い弁護士が、以下の内容をわかりやすく解説します。
- 「返金不可」でも請求できる理由
- クーリングオフが使える場合・使えない場合
- 決済手段別に検討すべき返金方法
- 返金を成功させるために押さえる3点
なお、情報商材詐欺の返金についてお悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。
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情報商材詐欺で支払ったお金は返金される?請求できる法的根拠
情報商材詐欺とは、「簡単に稼げる」などと誇大な宣伝で価値のないノウハウ(PDF・動画・オンラインサポート等)を高額で売りつける詐欺です。扱われるテーマは投資・FX・仮想通貨から、せどりや転売、副業向けのノウハウまで幅広く、購入前に中身を確かめられないという共通点があります。国民生活センターにも情報商材に関する相談が毎年数千件規模で寄せられており、2024年度には4,118件の相談が登録されています(2025年5月31日現在)。
結論からいえば、情報商材詐欺で支払ったお金は、勧誘や販売の過程に法律違反があれば取り戻せる余地があります。規約に「返金不可」と書かれていても、それだけで請求を諦める必要はありません。
その法律上の根拠を順番に確認していきましょう。
「返金不可」の条項があっても絶対ではない
利用規約や契約書に「いかなる理由でも返金には応じません」と書かれていることがありますが、この記載が常に有効とは限りません。
消費者契約法10条は、法律の原則よりも消費者に不利な内容で、かつ信義則に照らして消費者に一方的な不利益を与える条項を無効としています。消費者側の解除権や取消権を封じる目的の「返金不可」条項は、この規定により効力が否定される余地があります。
また、後述する取消しが認められれば契約そのものが最初からなかったことになるため、規約の記載を問わず、支払った代金の返還を求めることができます。「返金できない」という業者の一方的な返答だけで、泣き寝入りを強いられる理由はありません。
詐欺だと断定できなくても返金請求はできる
「騙す意図があったと証明できないから無理だ」と考えて諦めてしまう方がいますが、これは誤解です。
刑事上の詐欺罪(刑法246条)の成立には販売者の故意の立証が必要で、ハードルは高めです。しかし、民事で返金を求める場面では詐欺罪の成立は前提になりません。問われるのは「勧誘や販売のやり方に法律上の問題があったか」であり、以下で説明する消費者契約法や民法の要件を満たせば、詐欺と言い切れないケースでも請求は成り立ちます。
消費者契約法に基づく契約の取消し
情報商材詐欺の返金請求で中心となる根拠が、消費者契約法4条による取消しです。事業者の勧誘に次のような問題があった場合、契約を取り消して代金の返還を請求できます。
- 不実告知(4条1項1号):契約の重要事項について、事実と違う説明をした場合。例:実績のない販売者が「受講生の9割が黒字化しています」と説明していた
- 断定的判断の提供(4条1項2号):将来の不確実な利益を確実であるかのように断言した場合。例:「このツールを使えば必ず月30万円稼げます」
- 不利益事実の不告知(4条2項):利益になることだけを告げ、不利益になる重要な事実をわざと伝えなかった場合。例:追加の高額プランを契約しなければ実践できない仕組みを隠していた
取消権には期限があり、誤認に気づいた時(追認できる時)から1年、契約の締結から5年を経過すると行使できなくなります(消費者契約法7条1項)。「時間が経ってしまった」という方も、この期間内であれば請求の余地は残っています。
民法に基づく取消し・損害賠償請求
消費者契約法とあわせて、民法の規定も返金請求の根拠になります。
- 詐欺による取消し(民法96条1項):販売者が騙す意図をもって虚偽の説明をし、それを信じて契約した場合
- 錯誤による取消し(民法95条):商材の内容について重大な誤解をして契約した場合
- 債務不履行に基づく損害賠償・契約解除(民法415条・541条):「週1回の個別サポート付き」など約束されたサービスが提供されなかった場合
- 不法行為に基づく損害賠償(民法709条):違法な販売行為によって損害を受けた場合。販売者本人だけでなく、事情を知りながら加担した関係者に責任を追及できることもあります
複数の根拠を並行して主張することで、請求の説得力を高めることができます。どの根拠が使えるかはケースによって異なるため、判断に迷うときは弁護士に確認するとよいでしょう。
特定商取引法・景品表示法に違反する勧誘
情報商材のネット販売は特定商取引法上の「通信販売」にあたり、販売者には事業者名・住所・電話番号などの表示義務(同法11条)が課されるほか、著しく事実と異なる誇大広告は禁止されています(同法12条)。また、実際よりも著しく優良であると誤認させる表示は景品表示法5条の優良誤認表示に該当します。
これらの違反がただちに契約の取消しに直結するわけではありませんが、勧誘の違法性を裏づける事情として、取消しや損害賠償の主張を補強し、交渉を有利に進める材料になります。悪質な違反は行政処分や公表の対象にもなるため、販売者にとって無視できない指摘です。
クーリングオフが使える場合・使えない場合
クーリングオフとは、法律で定められた書面(法定書面)を受け取ってから一定期間内であれば、無条件で申込みの撤回や契約の解除ができる制度です。
特定商取引法上、「訪問販売」「電話勧誘販売」「特定継続的役務提供」(エステや語学教室など長期・高額のサービス契約)「訪問購入」は8日間、「連鎖販売取引(マルチ商法)」「業務提供誘引販売取引(内職商法)」は20日間のクーリングオフ期間が設けられています。
一方、自らサイトにアクセスして購入するネット販売(通信販売)には、原則としてクーリングオフの適用がありません。情報商材の多くは通信販売にあたるため、「クーリングオフで解約できるケースは限られる」のが実情です。
ただし、次の場合には解除や撤回の余地があります。
- 販売ページに返品特約(返品の可否・条件)の表示がない場合、商品の引渡しを受けた日から8日以内であれば契約を解除できることがあります(特定商取引法15条の3)。ただし、この法定返品権は「商品」の販売について定められたもので、コンサルティングなどの役務契約には適用されません
- ネット広告を入口としていても、電話で勧誘を受けて契約した実態があれば「電話勧誘販売」にあたるとして、8日以内であればクーリングオフできる可能性があります。該当するかは勧誘の経緯によるため、購入までの流れを整理して専門家に確認してください
- 「紹介すれば報酬が入る」という仕組みを伴う商材は連鎖販売取引にあたる可能性があり、その場合は20日間のクーリングオフが可能です
なお、クーリングオフ期間は法定書面を受け取った日から進行します。要件を満たす書面が交付されていなければ期間は進行しないため、購入から日数が経っていても諦める必要はありません。通知は内容証明郵便のほか、メールやFAXなどの電磁的記録でも行えます。
特定商取引法における電磁的記録によるクーリング・オフに関するQ&A|特定商取引法ガイド
そして、クーリングオフの対象外だったとしても、先に説明した消費者契約法・民法による取消しという武器が残ります。「通販だから解約できない」という販売者の説明を、返金を諦める理由にしないでください。
情報商材詐欺の返金方法
【決済手段別】どの返金方法から検討すべきか
情報商材詐欺の返金は、代金をどの方法で支払ったかによって、最初に取るべき手段が変わります。カード決済か銀行振込かによって、使える制度も、申請できる期限の有無も変わります。まずは下の表で自分のケースを確認してください。
| 支払方法 | 最初に検討する返金方法 |
| クレジットカード(一括払い) | チャージバックの申請 |
| クレジットカード(分割・リボ払い) | 支払停止の抗弁 |
| 銀行振込 | 振込先口座の凍結要請 |
| 決済代行会社を経由した支払い | 決済代行会社への返金請求 |
| 現金・電子マネー等 | 販売者への内容証明による返金請求 |
いずれの場合も、販売者本人への返金請求(返金保証の履行請求・内容証明郵便)は並行して進められます。以下で各方法を順に解説します。
販売者に返金保証を請求する方法
具体的な情報商材によっては、返金保証を約束しているものも存在しています。そのため情報商材の広告などに返金保証と思われる文言が書かれている場合には、販売業者に対してその返金保証制度に基づく代金の返金を請求しましょう。
相手方の業者が詐欺業者ではないケースであれば、情報商材の内容どおりに行動したのに効果がなかったことを申告すれば支払ったお金が返ってくる可能性も高いです。
ただし返金保証を約束する業者の中には、保証を受けるのに厳しい条件を課したり、返金保証には応じられないと拒否したりして、実際には何も対応してくれない業者も存在しています。そのため、返金保証制度があることで必ずしもお金が返ってくるとは限らない点には注意が必要です。
しかし返金を受けるためには、まずはそのような約定の返金保証制度が利用できるか否かを試してみることが第一歩となります。
販売者に代金の返金を請求する方法
次に、情報商材の販売業者に対して直接、代金の返金を請求する方法があります。
電話や電子メールなどで返金を問い合わせても、すぐに応じてくれなかったりいつまでも返事が返ってこないということはよくあります。そのような場合には内容証明郵便を利用して、返金されるべき法的な理由・根拠を示し期日を指定したうえで、返金を請求していくことになります。
支払請求については、口頭・手紙・メールでも行うことができますが、騙し取られたお金を返金してもらうにはこの内容証明郵便を利用して請求していくことがおすすめです。
この「内容証明郵便」とは、「いつ・誰から・誰に宛てて・どのような内容」の書面が送付されたのかを、日本郵便株式会社が証明してくれる一般書留郵便のことを指します。
内容証明郵便自体は現金の支払いを要請するだけの通知に過ぎませんので、これを送ったからと言って、なんらかの強制力が生じるというものではありません。しかしこの方法で相手方に金銭支払いの請求をすることで、のちのち請求「した・しない」という水掛け論を回避することができますし、事後的に訴訟を提起した場合でも請求時期・内容に関する強力な証拠として提出することができます。そのため、今後は法的措置も辞さない構えであるというあなたの強い意思を伝える効果があります。
決済代行会社に返金を求める方法
販売業者ではなく、決済を仲介した決済代行会社に返金を求めるという道もあります。
この方法は、情報商材の販売業者に請求しても返金に応じてもらえなかったり、すでに相手方業者と連絡が取れなくなってしまったりしている場合に有効です。
販売業者の違法性を認識できたはずなのに決済の代行を続けていたようなケースでは、決済代行会社も加盟店の審査・管理を怠ったとして責任を問われる可能性があります。情報商材の販売で使われる決済代行会社には、インフォトップ、テレコムクレジット、ペイパルなどがあります。
決済代行会社は、加盟店となる販売業者を審査したうえで決済を引き受け、その代金の一部を手数料として受け取っています。こうした立場にあるため、被害者から損害賠償を求められれば、会社として対応を迫られることがあります。
決済代行会社に賠償を求める場合は、内容証明郵便で、詐欺を理由に契約を解除したうえでの代金返還請求であることを明記するのが一般的です。
金融機関に口座の凍結を要請する方法
代金を指定された銀行口座へ振り込んでしまった場合には、その振込先の金融機関に口座の凍結を要請する方法もあります。
これは、いわゆる「振り込め詐欺救済法」に基づく被害者救済制度のひとつです。この救済制度は、詐欺師が振り込め詐欺等の振り込み先として指定してきた金融機関の口座を凍結して、その口座内に残された現金を被害者に分配するという制度です。口座に残高が残っていれば、被害額に応じた被害回復分配金の支払いを受けられる可能性があります。
手続きを進めるには、振込先の金融機関へ連絡するとともに、警察にも被害を届け出る必要があります。全国銀行協会も、銀行への連絡と警察への被害申告の両方を行うよう求めています。各銀行のホームページには、相談窓口の連絡先や詐欺被害者専用のホットラインが用意されている場合がありますので確認してください。
連絡をする際に注意が必要な点は、振り込みを依頼した銀行ではなく、相手から指定された振り込み先の銀行に連絡することです。なぜなら、口座を利用した取引をストップして引き出されないようにしなければならないのは振り込み先の銀行だからです。
この方法で返金を受けようとする場合には、勧誘の経緯、購入した商材の内容、振込先の口座と金額を整理したうえで、振り込み先の金融機関に伝える必要があります。
振り込め詐欺救済法とは | 金融犯罪の手口 | 一般社団法人 全国銀行協会
クレジットカードの支払停止をする方法
カード決済をしたあとで情報商材詐欺だと判明した場合、カード会社に支払いのストップを求められることがあります。
詐欺商材の代金を分割払い・割賦払い・リボ払いなどで支払っている場合、割賦販売法に定められた「支払停止の抗弁」を申し出ることで、残っている支払いを止められる可能性があります。
もっとも、これは販売業者とのトラブルが解決するまで請求を止める制度であり、すでに支払った分が自動的に戻ってくるわけではありません。既払分の回収は、販売業者への返金請求や契約の取消しの主張とあわせて進めることになります。
また、カード会社に支払いのストップを認めてもらうには、それを裏づける事情が必要です。勧誘の手口や商材の中身、支払った金額など、詐欺であることを示す証拠を手元にそろえておきましょう。
カード会社への具体的な連絡の仕方やその後の対応の流れは「副業詐欺のクレジットカード払いを止める方法とその後の対応方法」で解説しています。
なお、この抗弁が使えるのは分割払いに設定している場合に限られ、一括払いで代金を支払っているときには利用できません。一括払いの場合は、次に説明するチャージバックによる返金を検討することになります。
チャージバックを受ける方法
一括払いで詐欺商材を購入してしまった場合に検討するのが、チャージバックの申請です。
これは、購入者が不正利用や取引内容への不服を理由に支払いを承認しないときに、カード会社が加盟店への支払いを取り消し、代金を返す仕組みを指します。
クレジットカード会社がチャージバックを認めた場合には、支払い義務は無くなり、すでに支払ったお金についても返金されることになります。
しかし、チャージバックを利用するためにはクレジットカード会社が定める条件に該当している必要があります。当然購入した情報商材が詐欺商材であったことを証拠に基づいて説明することが必要となります。
また、申請にはカード会社や国際ブランドごとに期限が定められており、決済から日数が経つほど利用できなくなるおそれがあります。詐欺の疑いを持ったら、早めにカード会社へ連絡してください。
チャージバックとは【図解付き】|決済代行のソニーペイメントサービス
販売者に対して訴訟を提起して各種支払いを請求する方法
内容証明で返金や損害賠償を求めても販売業者が応じない場合には、訴訟を提起し、民事裁判で決着をつけるという選択肢もあります。
民事裁判は訴状を裁判所に提出することで開始し、双方が証拠によって事実を主張することで最終的には裁判官が請求の可否を判断することになります。
なお、請求額が60万円以下であれば、原則1回の期日で審理を終える「少額訴訟」という簡易な手続きを利用できます。被害額がそれほど大きくない場合に、弁護士に依頼する費用との兼ね合いで検討する余地があります。
その費用がどの程度かかり、費用倒れをどう防ぐかについては「詐欺被害の弁護士費用と相場|費用倒れを防ぐ方法も解説」で具体的に紹介しています。
民事裁判で相手方に勝訴した場合には、認められた請求権に基づき相手方の財産から強制的に支払いを受けられます。したがって相手方に財産がない場合や財産が特定できない場合には徒労に終わってしまう可能性もあります。
消費生活センターに相談して助言を得る方法
情報商材のトラブルについて、まず公的機関に相談したいという方も多いはずです。消費生活センターは全国に858か所設置されています(2024年4月1日現在。「消費者センター」と呼ばれることもありますが、同じ窓口です)。全国どこからでも「188」をダイヤルすると消費者ホットラインにつながり、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してもらうことができます(消費生活センターが通話中で電話が繋がらない場合には「国民生活センター バックアップ相談」も利用しましょう)。
消費生活センターなどでは、消費生活に関する様々な相談や苦情を専門の相談員が受け付けているため、トラブル解決のためのアドバイスをしてもらえる場合があります。
実際に、相談員の助言に従って契約の経緯を書面にまとめ、販売会社・決済代行会社・カード会社へ提出したところ、相談員から事業者に連絡が入り、支払った代金の返金を受けられたという事例もあります。
もっとも、消費生活センターの相談員に強制的な回収の権限はなく、被害の内容によって適した相談先は変わります。どの窓口に相談すべきか迷う場合は「詐欺被害はどこに相談する?相談窓口と注意点を解説」もあわせてご確認ください。
「簡単にもうかる」という情報商材を購入し、有料のサポートプランを契約したが、解約したい|国民生活センター
詐欺で刑事告訴・刑事告発する方法
情報商材詐欺の被害者の方は、警察に対して刑事告訴・刑事告発をすることができます。
「刑事告訴」は、被害者がする犯罪事実の申告を指します。これに対して「刑事告発」は被害者以外がする犯罪事実の申告のことを指します。被害の事実を届け出るだけの「被害届」と違い、告訴は犯人の処罰を求める意思表示を含む点が異なります。
告訴・告発が受理された場合には、事件として捜査が開始され、ケースによっては詐欺師が逮捕される可能性もあります。そして犯人の処遇を決める刑事手続きの中で相手方から示談の要望があり被害弁償を受けられるという可能性も考えられます。
ただし、刑事手続きはあくまで犯人に刑事罰を科すべきか否かを判断するための手続きですので、民事上の責任である被害者への返金・賠償が必ずされるわけではないという点には注意しておく必要があります。
そもそも情報商材詐欺は、他の詐欺と比べて立件・逮捕に至りにくい実情があります。その理由と実際に逮捕された事例は「情報商材詐欺が逮捕されにくい3つの理由【実際の逮捕事例も解説】」で解説しています。
情報商材詐欺の手口と見分けるポイント
情報商材詐欺で騙されたお金を弁護士に取り戻してもらうにしてもやはり費用は掛かってしまいます。やはり詐欺の被害にあわないのに越したことはありません。
しかも、インターネット上で販売されている情報商材の中には確かなノウハウが書かれているモノも存在しており、確かなノウハウが書かれた情報商材を購入するためにも価値のない情報商材と価値のある情報商材とを見分ける必要があります。
「なんだか怪しい」と感じた時点で立ち止まれるよう、典型的な手口を知っておくことが最大の防御になります。情報商材詐欺かどうかを見分けるポイントは次の7つです。
- SNS・動画広告からLINEに誘導される
- 無料オファーの後に高額商材を勧められる
- 「成功者の声」ばかりが並んでいる
- 誇大広告で購買意欲をあおっている
- 情報商材系アフィリエイターが勧めている
- 返金保証を謳っている
- 特定商取引法に基づく表示がない
以下では、悪徳な情報商材詐欺の手口を交えて、その見極め方につき解説していきます。
SNS・動画広告からLINEに誘導される
最近の情報商材詐欺は、SNSの投稿や動画サイトの広告を入口にするケースが目立ちます。InstagramやX(旧Twitter)の投稿、YouTubeの広告など入口はさまざまですが、行き着く先はLINEの個別トークであるケースが多くみられます。高級車や旅行の写真で「自由な生活」を演出したアカウントが興味を引き、「詳しいノウハウはこちら」とLINEの友だち登録やメールマガジンへ誘導するのが典型的な流れです。
登録後は、段階的に配信されるメッセージで信頼関係を作りながら、最終的に高額な商材やオンラインセミナーの購入へ誘導されます。閉じた連絡手段に持ち込むのは、第三者の目に触れずに勧誘するためであり、それ自体が警戒すべきサインです。
無料オファーの後に高額商材を勧められる
「無料プレゼント」「無料セミナー」で人を集め、その後に数十万円のバックエンド商品を売り込む手法も、情報商材詐欺の常套手段です。
無料や数千円の入口商品はあくまで集客用で、本命は後から提示される高額なコンサル契約や自動売買ツールです。「無料で受け取ったから」という心理的な負い目や、セミナーで醸成された高揚感につけ込んで、冷静な判断をさせないまま契約へ持ち込みます。無料の段階では実害がなくても、その後の高額な提案こそが本丸だと考えてください。
「成功者の声」ばかりが並んでいる
情報商材の販売ページに「月収100万円を達成しました」といった体験談や、収益画面のスクリーンショットが大量に掲載されている場合も注意が必要です。
こうした「利用者の声」は自作自演やねつ造が容易で、収益画像も加工できます。実在しない人物の顔写真付きレビューが使われていた例もあります。体験談の多さは商材の価値を証明しません。むしろ、具体的なノウハウの説明がなく成功体験の演出ばかりが目立つページは、中身の乏しさを隠している可能性を疑うべきです。
誇大広告で購買意欲をあおっている
情報商材詐欺のセールスレターには、「簡単に」「すぐに」「今しか」「誰でも」「絶対に」「~するだけ」というキーワードが入ったキャッチコピーが頻繁に見受けられます。
- 「1日15分の作業で、簡単に月200万円以上稼ぐ極秘メソッド!」
- 「どんな女でもすぐに落とせる、魔術のようなメールテクニック」
- 「誰でも、3日以内に15万円以上の収入確定!」
- 「当たらなければ返金!絶対に当たるロト6予想ツール」
- 「いいね!を押すだけで、毎日2万円がもらえます」
なんとも怪しげな謳い文句ですが、インターネット上では、このような情報商材の誇大広告が横行しています。
情報商材は本と違って立ち読みして中身を確認してから購入することができないため、詐欺師は、嘘・大げさ・誇大広告であっても購買意欲を湧かせるキャッチコピーをこれでもかと使います。
「不労所得」「権利収入」「再現性100%」といった耳あたりのよい言葉も定番です。そのほか、「最先端のAIが導き出した」「最新のツールを使った独自の方法」といった最新性・独自性を謳ったものや、「期間限定で先着〇名様に特別販売」といった、焦らせて購入を急かすタイプもあります。中には、「あと〇時間で購入する権利が失効します」といったカウントダウンを表示させるものもあります。
よく考えてみてください。「誰でも簡単に〇〇するだけで絶対にすぐに楽に稼げる」のであれば人に教えずに販売者が自分で稼げばいいだけです。
「痩せる・モテる」系の情報であれば、本当にそんなに簡単に成功するなら書籍化すればいいだけです。マスコミで散々取り上げられ、世界中で本が売れてミリオンセラーとなるでしょう。胡散臭い情報商材の形にして高値で人に売りつける必要はまったくないはずです。
情報商材系アフィリエイターが勧めている
ブログやSNSで情報商材を紹介しているアフィリエイターの推薦も、鵜呑みにしてはいけません。アフィリエイターは商材が売れるたびに紹介報酬を受け取る立場であり、その報酬目当てに、中身を確かめないまま誇大な宣伝文句で商材を広めているケースがあるためです。
原価のかからない詐欺的な商材ほど高額な紹介報酬を設定できるため、かえって拡散されやすいという構造もあります。「本当に稼げるノウハウなら、なぜ本人が紹介料で稼ごうとしているのか」という視点を持つと、冷静に判断できます。こうしたアフィリエイターの紹介をきっかけに購入してしまった場合の見分け方と返金方法は「アフィリエイト詐欺とは?手口・見分け方と返金方法を解説」をご参照ください。
返金保証を謳っている
「少し値段が高いけど返金保証もあるし購入してみようかな」
この「返金保証」こそが、購入をためらう人の背中を押すために用意された仕掛けです。
情報商材はノウハウという無形のものを、PDFや動画・音声ファイルというコピーが容易な形で販売している性質上、一度購入者の手元に届けば返品されても販売者としては意味をなしません。
しかし情報商材の中には、「自信があるので〇ヶ月で成果がでなければ返金を保証!」といったキャッチフレーズをでかでかとPRしているものもあります。
数百円・数千円であればまだしも、数万円~数十万円の商材であれば、購入後に商材ファイルをローカルにコピーしたうえで「成果がでなかったので返金してください」と申し出る人が続出することでしょう。ビジネスモデルとして成り立たないはずです。
しかしこれは購入させるための罠です。悪質な業者は「あなたが教材に書かれたことを正確に再現していないことが原因」などと返金を拒否してきます。中には、「教材通りに作業したのかが確認できるものを提示してください」と無理難題を求めてくることすらあります。
さらに、「今回はあなたのやり方が間違っていたために返金に応じられませんが、あと〇ヶ月、もう一度教材をくまなく読んで実施したうえでそれでも効果がなければもう一度ご連絡下さい」と時間引き延ばし作戦に出てくる販売者もいます。
数か月もの間、役に立たない教材に書かれた内容を実施しなくてはならないと考えただけで心が折れて返金請求を諦める人もいますが、まさに悪徳販売者の思う壺です。
また、一部返金に応じることで全額損せずに済んだと錯覚させたり、返金を引き延ばして散々荒稼ぎした後にサイトを閉鎖して姿を消す手法もよくあります。
情報の売買で返金保証を謳っている時点で詐欺の可能性が高いので、甘い言葉に惑わされないよう注意が必要です。
ネット上には、購入した情報商材をレビューしているブログやSNSの投稿も多くあります。ただし、前述のとおり紹介報酬目当ての提灯記事も混ざっているため、高評価をそのまま信じるのではなく、被害報告が出ていないかという視点で確認してください。
購入しようとする情報商材を検索する際には、以下のキーワードもあわせて検索エンジンで検索してみてください。
- 情報商材名 + 詐欺
- 情報商材名 + 代表者名
- 情報商材名 + 会社名
購入しようと思っている情報商材と上記のキーワードを組み合わせて検索することで、すでに詐欺の被害にあっている人からの報告を確認することが可能です。
仮に販売されたばかりの情報商材であっても、誰かしらレビューを書いているものなので、情報商材を購入する前に、検索エンジンで商品名だけでも検索してみてください。
特定商取引法に基づく表示がない
情報商材を販売する業者は、特定商取引法により、販売ページ(ランディングページ)へ次の項目を表示する義務を負います。
- 販売会社名
- 販売会社の代表名
- 販売会社の住所
- 販売会社の電話番号
- 販売会社のメールアドレス
もしも、情報商材を購入しようとしたサイトで、これらの表記がない場合は詐欺の可能性が極めて高いので、絶対に情報商材を購入しないようにしてください。
また、これらの情報が記載してあった場合でも販売会社名がテキストデータではなく、画像データで記載してあった場合(右クリックをして画像で保存と表示された場合)も詐欺の可能性が極めて高いため、購入は控えてください。
情報商材詐欺の返金を成功させる3つのポイント
返金に成功できるかどうかは、どの方法を選ぶかだけでなく、その前提となる3つのポイントを押さえられているかで大きく変わります。行動を起こす前に確認しておきましょう。
証拠をできる限り保存する
返金請求では、証拠によって勧誘や販売の問題点を説明・立証できるかどうかが結果を大きく左右します。悪質な業者ほど、足がつかないよう証拠を残さない形で動いていることが多く、被害者の側で意識的に記録を確保しておく必要があります。
手元に残しておくべき証拠の代表例は次のとおりです。
- 情報商材についてのECサイトのURLやサイトのスクリーンショット
- 情報商材の勧誘レターやDMの文面
- ステップメールやメールマガジンの文面
- 情報商材の業者から送られてきたメールやLINEのやり取り
- 情報商材の業者がしていたSNSの投稿のスクリーンショット
- 業者と交わした会話の録音やメールでのやり取り
- 情報商材の代金を振り込んだ際の銀行口座の明細・取引履歴
- 代金の支払いに使ったクレジットカードの明細 など
「これは証拠になるのだろうか」と迷うものも、判断せずにすべて保存しておくのが正解です。販売ページやLINEアカウントは業者側でいつでも消せます。今この時点で残っているものは、早めに画面を保存しておいてください。
できるだけ早く行動する
返金を実現できる余地は、日がたつほど確実に小さくなります。悪質な業者は代金を受け取ると、口座から資金を移し、販売ページを閉鎖し、連絡手段を絶って逃げる準備を進めるからです。
チャージバックにはカード会社ごとの申請期限があり、消費者契約法の取消権にも、誤認に気づいてから1年・契約から5年という期限が定められています。「もう少し様子を見よう」という先延ばしが、使えたはずの手段を一つずつ失わせます。詐欺の疑いを持った時点で、証拠の保存と相談の準備を始めてください。
特定商取引法に基づく表記から業者を特定する
返金請求の相手方を確定するために、販売ページの「特定商取引法に基づく表記」に記載された事業者名・住所・電話番号を控えておきましょう。法人名がわかれば、登記情報から本店所在地や代表者を調べることができ、内容証明の送付先や訴訟の相手方を特定する手がかりになります。
事業者名で検索して他の被害報告が見つかれば、勧誘の手口の悪質性を示す材料にもなります。表記自体がない場合はそのこと自体が特定商取引法11条違反であり、交渉で指摘できるポイントです。
情報商材詐欺の返金についてよくいただく質問
最後に、情報商材詐欺の返金について相談の多い疑問にお答えします。
情報商材はすべて詐欺なのですか?
いいえ。情報商材という販売形態自体は違法ではなく、中には価値のあるノウハウを提供しているものもあります。
問題になるのは、誇大な宣伝と実際の中身がかけ離れている商材です。「必ず稼げる」と断言して価値のない情報を売る行為は、本記事で解説したとおり消費者契約法上の問題を含むことが多く、返金請求の根拠になり得ます。
後払いの請求を無視してもいいですか?
支払いを拒否すること自体は被害拡大の防止として正しい判断ですが、請求を放置するのはおすすめしません。情報商材の販売業者から支払督促(裁判所を通じて支払いを求める簡易な手続き)や訴訟を起こされた場合、期限内に異議や反論をしないままだと、こちらの言い分が審理されないまま支払義務が確定してしまうおそれがあるためです。
「支払いたくない」という段階であれば、消費者契約法に基づく取消しの通知など、法的に支払義務を争う手続きを取っておくのが安全です。対応に迷う場合は、請求書やメッセージを保存したうえで弁護士に相談してください。
無視を続けた場合に何が起こるのか、業者に住所を伝えてしまった場合はどうすべきかは「副業詐欺の後払い・支払いは無視でいい?住所を教えた場合は?」で詳しく解説しています。
借金やローンで支払った分はどうなりますか?
ローンや分割払いで購入した場合は、割賦販売法の「支払停止の抗弁」を使える可能性があります。販売業者に向けて主張できるはずの取消しや解除の理由を、そのまま信販会社にも対抗できる制度で、以後の請求を止められる場合があります。
一方、消費者金融などから自分で借り入れて支払った場合、業者への返金請求と借金の返済義務は法律上別の問題です。返金が実現するまで返済は続くため、返済が困難な場合は返金請求とあわせて、債務整理(借金の減額や免除を図る手続き)の相談も検討してください。
契約を解約したい場合はどうすればいいですか?
まず、その情報商材を購入するまでの経緯を整理してください。電話勧誘や連鎖販売取引に該当すればクーリングオフが、勧誘に不実告知や断定的判断の提供があれば消費者契約法に基づく取消しが使えます。
解約・取消しの意思表示は、証拠が残る内容証明郵便で行うのが確実です。「解約には違約金が必要」などと業者に言われても、その条項自体が無効である可能性があるため、支払う前に消費生活センターや弁護士に確認しましょう。
情報商材詐欺の返金は諦める前に弁護士にご相談ください
情報商材詐欺で支払ったお金は、契約書や規約に「返金不可」と書かれていても取り戻せる可能性があります。消費者契約法や民法に基づく取消し、クーリングオフ、チャージバックや口座凍結など、使える手段は決済方法や購入からの経過期間によって変わります。
もっとも、個人からの請求に業者が素直に応じることはまれです。弁護士が代理人として通知を送れば、法的根拠を明示したうえで訴訟も視野に入れた交渉ができるため、それまで無視を続けていた業者が態度を変えることは少なくありません。業者との返金交渉はもちろん、決済代行会社やカード会社への対応、口座凍結の要請、訴訟の提起といった手続きも、まとめてお任せいただけます。
被害に遭った方のなかには、「なぜ信じてしまったのか」とご自身を責めてしまう方もいらっしゃいます。しかし、巧妙に組み立てられた勧誘は誰であっても見抜けるものではなく、責められるべきは業者の側です。すでに返金を拒否されている場合や、業者と連絡が取れなくなっている場合でも、打てる手が残っていることは珍しくありません。
当事務所は、情報商材をはじめとする詐欺被害の返金請求に数多く対応してきました。被害から日が浅いほど、資金の追跡も交渉も有利に運びます。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
詐欺被害に強い弁護士に無料相談
この記事の監修者
詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

