
「メンズエステでセラピストを妊娠させてしまったかもしれない」「中絶費用や慰謝料を請求されそうで怖い」「家族や職場に知られたらどうしよう…」――――
メンズエステを利用した後にこのような不安を抱え、誰にも相談できずに一人で悩んでしまう方は少なくありません。特に、妊娠が事実かどうかも分からない段階で冷静な判断を求められる状況は、精神的にも大きな負担となります。
この記事では、当事務所に実際に寄せられた妊娠トラブルの相談事例をもとに、妊娠が発覚した場合の法的リスクや適切な対応方法などを詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読むことで、妊娠トラブルに対して冷静に対応できる力が身につき、不当な請求や深刻な事態を避けるための知識を得ることができます。
ご自身で対応するのが難しいと感じたら、全国どこからでも無料でご相談いただけますので、まずは一度ご相談ください。
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目次
【相談内容】メンズエステでセラピストを妊娠させてしまいました
私は、30代既婚者の会社員です。先日、都内にあるマンション型メンズエステを利用しました。今回のセラピストとは以前からLINEを交換しており、何度か施術を受けたこともありました。
その日の施術中、お互いの同意のもと避妊具を付けずに本番行為に及びました。
数週間後、その女性からLINEで妊娠したとの連絡を受け、大変困惑しています。現時点では、中絶費用や慰謝料などの金銭的な請求は一切ありません。
しかし、今後どのような展開になるのか、不安でたまりません。
その女性とはLINEでしかつながっていませんが、今後、私の身元が特定されてしまう可能性があるのでしょうか。
もし特定された場合、中絶費用や慰謝料の支払い義務が発生するのでしょうか。家族や夫婦関係に影響が出ることも心配です。
私は一体どのように対応すべきなのでしょうか。
【弁護士の回答】身元が特定され法的な責任を負う可能性があります
メンズエステで妊娠トラブルが起きた場合、相手とのやり取りを通じて身元が判明し、金銭的責任や法的リスクを負う可能性があります。以下に詳しく解説します。
身元の特定について
ご相談のケースでは、セラピストの女性とLINEを交換しているとのことですので、そのLINE IDからあなたの身元が特定される可能性は否定できません。
弁護士会照会という手続きを利用すれば、LINE株式会社に対して登録されている携帯電話番号の開示を求めることができます。そして、その携帯電話番号が判明すれば、その通信キャリアに対して契約者の氏名や住所などの情報を照会することが可能になります。
また、メンズエステに電話で予約した際の電話番号も、身元特定の手がかりとなる可能性があります。
店舗側が予約記録を保管していれば、そこからあなたの電話番号が判明し、同様に通信キャリアへの照会を通じて個人情報が特定されることも考えられます。
参考:携帯番号から個人特定する3つの方法と携帯番号からわかることの全て
中絶費用や慰謝料について
セラピストの方が中絶を選択した場合、原則としてその費用は男女双方が公平に負担すべきと考えられています。妊娠は基本的に男女の合意による行為であり、中絶による経済的負担も同様に折半するのが妥当とされています。
また、慰謝料については、妊娠させたという事実のみで当然に請求が認められるわけではありません。本件はセラピストとの合意のもとで性行為に及んでいるため、男性が女性の貞操権や人格権などの権利・利益を侵害したとは言えないからです。
しかしながら、あなたが妊娠の事実を知りながら誠意ある対応をせず、責任を回避しようとするような不誠実な態度を取った場合には、精神的な苦痛を与えたとして慰謝料請求が認められる可能性があるため、注意が必要です。
参考:中絶で慰謝料が認められる4つのケースと相場・請求方法を解説
認知と養育費について
中絶期間が過ぎた場合や、セラピストの方が子どもを出産すると決断した場合には、男性側は法的な父親としての責任を負うことになります。
たとえ男性側が認知を拒否したとしても、最終的には家庭裁判所の手続きを経て強制的に認知される可能性があり、その場合、子の父親として養育費を支払う義務が生じます。
養育費の金額は、あなたや相手女性の収入や社会的地位などを参考に、養育費算定表に基づいて決定されます。
また、認知された子どもは、将来的にはあなたの相続人となる権利も有します。これは法律で定められた権利であり、あなたの意思によって否定することはできません。
【弁護士からのアドバイス】メンズエステで妊娠させてしまった場合の対応
メンズエステで妊娠させてしまった場合には、事実確認と冷静な対応、そして弁護士の介入が極めて重要です。以下のような対処を検討してください。
まず妊娠が本当かの確認が必要
まず最初に行うべきは、相手の女性が本当に妊娠しているのかどうかを確認することです。
口頭での報告だけでなく、客観的な証拠を確認する必要があります。可能であれば、病院の妊娠検査に同行するか、相手女性から病院の診断書を提出してもらうように求めましょう。
悪質な相手の場合には、妊娠を装って金銭を要求する、いわゆる妊娠詐欺のケースも存在します。冷静な対応を心がけ、まずは事実確認を徹底することが重要です。
参考:妊娠詐欺の手口と4つの対処法|無視してもいい?警察に相談すべき?
妊娠が事実である場合のリスク回避と適切な行動
妊娠が事実である場合、まず考慮すべきは、今後子どもが生まれた場合に発生する法的・経済的なリスクです。前述の通り、たとえ男性側が認知を拒否したとしても、家庭裁判所の手続きを通じて強制的に認知される可能性があり、その場合、養育費の支払い義務や相続権の発生といった長期的な責任が伴います。
また、妊娠のタイミングによっては中絶が選択肢として取り得る段階にあることもあります。仮に相手女性が中絶を希望している場合、男性側としてはその中絶費用や通院費用などを全額負担することを検討すべきでしょう。これは感情的な誠意というよりも、将来的なリスクを避けるための現実的な対応として重要です。
特に配偶者がいる場合には、出産によって夫婦関係の破綻や家庭崩壊といった重大な影響が及ぶ可能性もあるため、早期の判断と行動が求められます。
妊娠が事実であると確認できた段階で、可能な限り冷静に対応方針を立て、必要に応じて弁護士に相談のうえ、相手女性との間で妥当な費用負担や合意内容を文書化することが望ましいでしょう。
セラピストとの交渉は弁護士に依頼
相手の女性が弱みにつけ込み、法外な慰謝料を請求してきたり、「同意はなかった。性行為を強要された」などと主張して、不同意性交等罪での被害届を提出すると脅してくる可能性もあります。
メンズエステトラブルの対処法は?警察から電話があったら?弁護士が解説
このような事態を避けるためにも、メンズエステでの妊娠トラブルでは、早い段階で弁護士に交渉を依頼することをおすすめします。
弁護士に依頼することで、あなたは直接相手とやり取りをする必要がなくなり、精神的な負担を大きく軽減できます。
また、弁護士は過去の事例や法的知識に基づいて、適正な解決策を提案し、妥当な金額で示談を成立させてくれます。
さらに、法的に不備のない示談書を作成してくれるため、後日、不当な要求をされる心配もなくなり、安心して今後の生活を送ることができます。
メンズエステでの妊娠トラブル事例
以下は、メンズエステで妊娠に関するトラブルが発生した実際のケースです。冷静な対応によって解決に至ったケースと、妊娠詐欺のケースをご紹介します。
金銭目的の妊娠詐欺だったケース
30代の会社員Aさんは、最近、マンション型メンズエステを頻繁に利用していました。その施術中、Aさんは何度か避妊をせずにセラピストの女性と本番行為に及びました。
後日、その女性からLINEで、Aさんの子どもを妊娠したと連絡がありました。Aさんは既婚者であり、このことが妻に知られることを非常に恐れていました。
セラピストの女性は、解決金として多額の金銭を要求し、支払わなければAさんの家族や職場に全てを暴露すると脅迫しました。Aさんはパニックになり、当事務所に相談に来られました。
相談を受けた弁護士は、妊娠を裏付ける具体的な証拠はなく、金銭の要求が先行している点が不自然であったため、相手の女性に対し、妊娠の事実を確認できる医師の診断書の提出を求めました。
しかし、女性はこれを拒否し、口頭での主張を繰り返すばかりでした。
弁護士は、この状況から妊娠詐欺の可能性が高いと判断し、Aさんと協議の上、女性の要求には一切応じず、もし虚偽の申告であるならば、法的措置も辞さない旨を明確に伝えました。
弁護士からの警告後、女性の態度は一変し、女性から妊娠に関する連絡は一切なく、金銭的な請求もなくなりました。おそらくメンズエステでの妊娠詐欺だったと考えられます。
誠意ある対応で早期解決に至ったケース
40代の会社員Bさんは、出張先のマンション型メンズエステで知り合ったセラピストの女性と、同意の上で避妊具を付けずに性行為を行いました。
数週間後、女性から妊娠したとの連絡を受け、Bさんは責任を感じ、真摯に対応したいと考えましたが、どのように行動すべきか分からず、当事務所に相談しました。Bさんは既婚者であり、家族への影響も懸念していました。
弁護士はまず、Bさんの意向を確認し、女性と直接会談の場を設け、弁護士も同席したうえで、対応を協議しました。
女性は中絶を希望していたため、Bさんは、中絶費用だけでなく、その後の通院費や精神的なケアのための費用も全面的に負担することを申し出ました。
弁護士は、中絶に関する合意書を作成することを提案し、合意書には、Bさんが費用を全額負担すること、女性が慰謝料等の追加請求をしないこと、お互いのプライバシーを守ることなどが明記されました。
その結果、両者は円満に合意に至り、Bさんは合意書に基づき速やかに費用を支払いました。その後、女性からBさんへの連絡はなく、トラブルを早期に解決することができました。
妊娠トラブルは当事務所までご相談ください
メンズエステでセラピストを妊娠させてしまった――そんな状況に直面し、どうすればよいのか分からず、一人で抱え込んでしまっていませんか。
「中絶費用や慰謝料は本当に支払う必要があるのか」「身元が特定されてしまうのではないか」「家族や職場に知られてしまうのではないか」──そんな不安ばかりが募り、行動を起こせずに事態を放置してしまう方も少なくありません。
しかし放置すれば、将来的に認知や養育費の支払い義務、相続の問題といった重大な法的責任が発生する可能性もあります。大切なのは、早い段階で冷静に対処することです。
当事務所では、メンズエステに関する妊娠トラブルに多数の対応実績があります。相手方とのやり取り、金銭の交渉、中絶費用や慰謝料への対応、示談書の作成、そして将来発生し得る法的責任まで、弁護士があなたに代わって冷静かつ的確に対応いたします。
とりわけ重視しているのは、「家族や勤務先に知られずに解決すること」です。あなたの社会的立場を守りつつ、最も穏便で現実的な着地点を目指します。
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