マッチングアプリを利用したことで詐欺の被害にあってしまう利用者が急増しています。
マッチングアプリなどの出会い系サービスを通じて出会った相手に、実際に直接会うことなくやりとりを続けることで恋愛感情や親近感を抱いてしまい、最終的には金銭等をだまし取られてしまうという被害報告が後を絶ちません。
「警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ」によると、マッチングアプリなどを悪用した詐欺被害の実態として、男性が6割、女性が4割と、男女問わず被害を受けていることがわかります。そして、詐欺師が被害者と接触するためのツールとして最も多いのがマッチングアプリです。InstagramやFacebook、X(旧Twitter)などのSNSアプリよりもマッチングアプリで詐欺師と接触している割合が男女とも最多となっています。
また、消費者庁の「マッチングアプリの動向整理」によると、マッチングアプリの利用者の中には、実際に詐欺の被害に遭った人のみならず、ネットワークビジネスや投資の勧誘、お金を貸してほしいと依頼されたなど、詐欺の被害に巻き込まれそうになったという利用者も相当数にのぼります。
この記事では、マッチングアプリでの詐欺被害に強い弁護士が、
- マッチングアプリの詐欺被害事例
- マッチングアプリ詐欺の種類
- マッチングアプリにいる詐欺師の見分け方と対策
- マッチングアプリ詐欺の被害にあった場合の対処法
につき詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読むことで、今後マッチングアプリで詐欺の被害に遭う可能性が低くなりますし、既に被害に遭われた方も適切な対処法がわかりますので、是非ご一読ください。
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マッチングアプリ詐欺の被害事例
まずはマッチングアプリ詐欺の被害事例を5つ紹介します。今後同様の被害にあわないためにも具体事例を確認しておきましょう。
【被害事例①】結婚資金を貯めようと誘われ多額の振り込みをしてしまった
この事例は、マッチングアプリで知り合った男性から「結婚資金を貯めよう」と誘われ、多額のお金を騙し取られる典型的な結婚詐欺の事例です。被害にあった流れは以下の通りです。
- 結婚したいと思い、マッチングアプリに登録。
- 知り合った男性からマッチングアプリを退会してメッセージアプリで連絡を取るよう提案される。
- 一緒に結婚資金を貯めるために暗号資産の取引所のアプリをダウンロードし、カスタマーセンターに問い合わせるよう指示される。
- 指示通りに取引所へ連絡すると、個人名義の振込口座を知らされる。
- 2カ月間で10回に分けて、家族の貯金やキャッシングで合計3,000万円を振り込む。
- 友人から騙されているのではないかと言われ、調査すると暗号資産の取引所のアプリが偽物だと判明。
- 財産をほとんど使い果たし、キャッシングや他のローンの返済ができない状況に陥る。
参考:練馬区ホームページ
この女性は、マッチングアプリの登録には身分証明書が必要だったので安全だと思い込んでしまい、また、「コロナの感染拡大が収束したら会いに行く」と男性に言われ信じてしまったことからこのような詐欺被害に遭っています。
詐欺師はマッチングアプリの登録時に偽の身分証を使うこともありますので、身分証が必要なアプリであっても必ずしも安全とは限りません。そもそも会ったこともなく信頼関係を築けていないような相手から結婚やお金の話が出た時点で詐欺と疑うようにしましょう。
【被害事例②】勧められたFX取引で儲けが出たため追加振込をしたがその後返信がこなくなった
この事例は、投資経験のない男性が外国人女性の口車に乗せられてFX取引を始め、FX取引のアプリ内で利益が出たため追加投資したのち、その外国人女性に連絡をしても返信が来なくなった投資詐欺の事例です。被害にあった流れは以下の通りです。
- マッチングアプリで中国人女性と知り合う
- 仲良くなり、無料通話アプリで頻繁にやり取りを開始
- 彼女はFX取引で成功し、「叔父がプロの投資家で教えてもらっている」と話す
- 投資経験がなかったが、彼女を信じて外国のFX取引アプリをインストール
- 彼女からアドバイザーを紹介され、無料通話アプリでやり取り
- FX口座開設のために運転免許証の写真を送付し、外国人名義の口座に10万円を振り込む
- 毎晩彼女からの指示を受け売買を行い、アプリ内で利益が出る
- 数日後さらに200万円を振り込む
- さらに投資しようとすると振り込みができなくなる
- もうけ分の出金を依頼したが、返信が来ない
※参考:国民生活センター
マッチングアプリで知り合った人物から投資話を持ち掛けられ、インストールするよう指示されたアプリや、紹介されたアプリは、データ上は利益が出ているかのように見せかける架空のアプリである可能性が高いです。「簡単に利益が出せる」「もっと儲けることができる」と思い込ませ、多額のお金を振り込ませた後に連絡を断つ詐欺師の常套手段です。
うまい儲け話をマッチングアプリで知り合っただけの見ず知らずの人に教えるお人よしはいません。投資には必ずリスクが伴います。「指示した通りにすれば必ず儲けられる」といった甘い言葉に騙されないよう注意してください。
【被害事例③】暗号資産での博打を勧められ利益が出たが出金できない
この事例は、30代女性がマッチングアプリで知り合った外国人に暗号資産での賭博を勧められ、海外の賭博アプリ内で儲けを出したが出金ができないという詐欺被害に遭った事例です。被害にあった流れは以下の通りです。
- マッチングアプリで知り合ったマレーシア人男性に暗号資産での賭博を勧められた。
- 日本の暗号資産取引所に登録し、カーレースの賭博ができる海外のアプリに2万円相当の暗号資産を賭けた。
- その後、10万円、50万円と元金を増やすように言われ投資し、アプリ内で約6,500ドルになった。
- 利益を銀行へ移したいと言うと、ゼロになると言われた。
- ローン会社から250万円借りて賭けるよう指示があった。
- 日本の暗号資産取引所に移そうと試みたが、アプリから応答はなかった。
参考:国民生活センター
被害事例②と同じく、外国人男性から勧められた海外のアプリは、データ上は利益が出ているかのように見せかけ、より多くの賭け金を被害者から引き出すための架空のアプリである可能性が高いでしょう。出金ができない、追加の支払が求められるといった兆候が見られた場合はすぐに相手とのやり取りを中止すべきです。
【被害事例④】デジタル宝くじを勧められ最後に大金を振り込んで出金ができなくなった
この事例は、30代女性がマッチングアプリで知り合った外国人から紹介された海外のデジタル宝くじサイトで数回の振り込みと出金を繰り返したが、最後に200万円を振り込んだ後に出金できず、賭けた金も失った被害事例です。被害にあった流れは以下の通りです。
- マッチングアプリで出会った人物に海外のデジタル宝くじサイトを紹介された。
- 指示に従い、数万円からの振り込みと利益分の出金を数回繰り返した。
- 最後に200万円を振り込んだが、出金できなかった。
- さらに、その人物の指示通りに賭けたら、サイト上の残金がなくなった。
参考:国民生活センター
被害者が振り込みと出金を繰り返していることから、事例②や事例③と同様に、まずは少額のお金で投資(今回のケースでは宝くじですが)を繰り返すよう指示し、架空のサイトで儲かったかのように被害者を思い込ませたうえで、「あなたなら確実に儲けられる」「投資額を増やせばリターンも大きくなる」と勧誘して多額のお金を振り込ませたのを機に出金をできなくする典型的な投資詐欺の手口です。
少額投資をしている間は出金も可能であるため、多額のお金の振り込みを要求された場合も出金可能と信じてしまう方がいますが、これが詐欺師の常套手段です。詐欺被害に遭わないためには慎重な行動が必要です。
【被害事例⑤】デート商法でダイヤモンドを購入させられた
この事例は、この事例は、マッチングアプリで知り合った女性に誘われて訪れた宝石店で、断りにくい雰囲気の中で複数人から勧誘を受け、ダイヤモンドを購入してしまったという事例です。被害にあった流れは次の通りです。
- マッチングアプリで知り合った女性とSNSでやりとりをし、好意を持つようになった。
- その女性と会うことになり、彼女の勤務先の宝石店に案内された。
- アクセサリー購入の勧誘を受け、「後に結婚するときに使える」と言われた。
- 複数人からの勧誘や断りにくい雰囲気の中で、ダイヤモンドを購入した。
参考:マッチングアプリで知り合った女性にダイヤモンドを購入させられた。もしかして、デート商法!?(消費者トラブル解説集)_国民生活センター
被害者の恋愛感情を利用して高額な商品の契約をさせる「デート商法」の典型例です。もちろん女性と宝石店はグルで、複数人で被害者を取り囲むなどして帰りずらい雰囲気にさせ、宝石の購入をしつこく勧誘してきます。マッチングアプリ上の関係でしかないのに、さもあなたに恋愛感情があるかのように振舞う異性とは実際に会わない方が賢明です。
マッチングアプリ詐欺の種類
マッチングアプリで行われる詐欺の種類には主に次のようなものがあります。
- ①投資詐欺
- ②結婚詐欺
- ③国際ロマンス詐欺
- ④デート商法
- ⑤ネットワークビジネス・マルチ商法
- ⑥ぼったくり詐欺
マッチングアプリで詐欺の被害にあわないためにも、具体的にどのような詐欺が行われているのか以下で確認していきましょう。
①投資詐欺
投資詐欺の手口としては、マッチングアプリなどの出会い系サービスで出会った人から、「必ずもうかる投資方法を教える」などとメッセージを送り、SNSに誘導し、投資に関するメッセージのやりとりを重ねて被害者を信用させ、最終的に「投資金」や「手数料」などという名目で、ネットバンキングなどの手段により金銭等を振り込ませるというものです。
サクラアカウントが多数いる投資グループに加入させられると、サイトの画面上では利益が出ている様子を見せられ、著名人のアシスタントを名乗る者とのやり取りを重ねるうちに、相手の言うことをなんでも信用してしまう心理状態になってしまいます。
このような手口で、相手に言われるがまま指定された口座に振り込み、電子マネーカード数百万円分を購入してコード番号を相手に送信してしまい、合計1億円以上を騙し取られたという被害も発生しています。
②結婚詐欺
結婚詐欺とは、結婚するつもりがないにもかかわらず、あたかも結婚するかのように相手を騙してお金や資産を奪い取る詐欺の手口のことをいいます。
マッチングアプリなどの出会い系サービスは、交際相手や結婚相手を探すことを主な目的として利用しているユーザーがほとんどですので、結婚詐欺師にとっては獲物を探すのに最適な場といえます。
結婚詐欺の場合には、交際開始から恋愛関係・結婚の話までが非常にスピーディーに展開していくという特徴があります。少額の金額から貸し借りを繰り返し、「この人はお金を貸しても必ず返してくれる人だ」と信用させてから、高額な金額を交付させて詐欺の被害に遭うというケースも存在しています。
結婚詐欺の詐欺師が被害者からお金を騙し取りための口実としてよくあるものに、以下のようなものがあります。
- 結婚前に借金を完済しておきたい
- 親が急病で入院して治療費が捻出できない
- 交通事故に遭ってしまい急に手術費が必要になった
- 事業を開始するために開業資金が必要
- 結婚後の生活費を賄うために積立投資をしよう など
結婚詐欺の詐欺師は、結婚という動機を口実に、理由をつけて被害者からお金を騙し取ろうとするという特徴があります。
③国際ロマンス詐欺
国際ロマンス詐欺とは、マッチングアプリなどの出会い系サービスを利用して被害者に接触し、恋人や結婚相手になったかのように振舞い、最終的には金銭を騙し取るものです。他の詐欺の手口とは異なる国際ロマンス詐欺の手口として、相手が「外国籍の人物を装っている」場合や「国際的な恋愛(ロマンス)を積極的に利用」して被害者に金銭を交付させるという点が挙げられます。
また、国際ロマンス詐欺の場合には、詐欺師は外国籍の軍人や医師(軍医)、弁護士、個人事業主などのふりをして被害者に接触してくることが多く、相手方のマッチングアプリのプロフィール写真も一見して外国人だとわかる顔写真を設定していることが多いという特徴があります。
④デート商法
デート商法とは、悪徳商法のひとつで、被害者の恋愛感情を悪用して高額商品やサービスの契約を締結させるものです。マッチングアプリで仲良くなった相手と実際に会うと、宝石店や不動産事業者に連れていかれ、「資産価値があるので購入しておくべきだ」「将来の経済不安を軽減できる」などとお店とグルになって購入を勧めてきます。
被害にあったことに気づいた際には、交際相手だと思っていた相手とは連絡もとれなくなり、高額な支払義務だけが残ってしまうということになってしまいます。デート商法では、クレジット契約がとおりやすい数十万〜数百万円の価格帯の商品の購入を勧められることが多く、例えば、宝石・絵画、投資用マンションなどの不動産を購入させる手口が報告されています。
⑤ネットワークビジネス・マルチ商法
自社商品の販売員として被害者を勧誘して、さらにその商品を友人や知人にも売らせようとして、販売員のネットワークを拡大するタイプの詐欺を「ネットワークビジネス」や「マルチ商法・ねずみ講」などと言います。
ネットワークが拡大するほど利益が増えるため、相手方はマッチングアプリを利用して購入者を勧誘している可能性があります。マッチングアプリで知り合った人物に「物品の購入」を勧誘された場合にはネットワークビジネスの可能性を疑うようにしておきましょう。
⑥ぼったくり詐欺
マッチングアプリや出会い系サイトで知り合った男性被害者を、女性がぼったくりバーや飲食店に連れていき法外な代金を支払わせるという手口を「ぼったくり詐欺」といいます。
この詐欺の場合、ぼったくり店舗と女性が裏で繋がっており、被害者を店に誘導するためにマッチングアプリや出会い系でターゲットを探していたことになります。
相手の女性が「前々から行ってみたい店がある」と言って店を指定してくるような場合には、ぼったくり詐欺の可能性がありますので注意が必要です。
女性が頑なに特定の店舗やバーにこだわる場合には、別の店を提案して相手の態度を見てみたり、実際にその店舗を検索・調査してみて事前評判を確認しておくことも重要です。
マッチングアプリにいる詐欺師の見分け方と対策
ここでは、マッチングアプリなどの出会い系サービスで詐欺被害に遭わたないための、詐欺師の見分け方(特徴)や対策について解説します。
写真が美男・美女すぎる
プロフィール写真の人物が美男・美女すぎるという場合には、マッチングアプリ詐欺の疑いがあります。
詐欺師は、マッチングアプリを悪用して騙せそうなユーザーを漁っています。まず最初に被害者と接触するためには、相手の目に留まる必要があります。そこで、容姿端麗な人物の画像をプロフィール写真に設定している可能性があります。
実際は、ネット上から無関係な第三者の顔写真を無断で流用していたり、画像生成アプリによって架空の美男・美女を作り出していたりするおそれがあります。
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メッセージがテンプレすぎる
マッチングアプリで出会った相手からのメッセージがあまりにテンプレすぎる場合には、詐欺師の可能性があります。テンプレとは、定型文・ひな形のことです。
マッチングアプリを悪用する詐欺師は、被害者に送るためのメッセージについてはひな形・定型文を作成しておき、それをコピー&ペーストして多用していることがあります。詐欺師は多くのユーザーに対してメッセージを一斉送信している可能性が高く、また相手からの返信には目を通していないケースもあります。
最初に送ってくるメッセージが、定型文のコピペのように感じる場合には、やり取りを続けるのは危険です。違和感や不安を感じた場合には、その相手とはやり取りしないようにしてください。
すぐに他のSNSでやり取りしようとする
すぐに他のSNSでやり取りしようとする相手も詐欺師である可能性があります。特に、マッチングアプリ詐欺の場合には、被害者をLINEに誘導することが多いと言われています。
マッチングアプリを悪用して被害者と接触する場合、そのままマッチングアプリで連絡を続けていると、詐欺被害に遭った利用者から詐欺アカウントであると運営側に通報されてしまい、アカウント停止・凍結されてしまうおそれがあります。これに対して、LINEは他のSNSアプリとは異なり一対一でのやり取りを基本としたツールであり、アカウントが停止されたり凍結されたりするリスクが小さく、相手のアカウントをブロックしてしまえば連絡を絶つこともできます。
このように、LINEなどのSNSは詐欺師にとって非常に都合の良い連絡ツールであるため、執拗にLINEに誘導してくる場合には、決して応じてはいけません。
「警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ」によると、マッチングアプリやSNS等で詐欺被害に遭われた方の9割以上が、LINEを被害時の連絡ツールとして使用していたことがわかっています。
話に矛盾が多すぎる
プロフィール内の情報ややり取りの間に矛盾が多い場合には、詐欺師である可能性があります。相手の職業・経歴、居住地などについて、発言内容が一貫していないことも詐欺師の特徴です。日本の大企業に勤務しているはずが、いつの間にか海外で事業を行っている実業家になっていたり、発言内容に食い違いや矛盾が目立つ場合には、距離を置く必要があるでしょう。詐欺アカウントの場合には、複数の設定を使いまわしていたり、AIによる自動生成したりしてメッセージを送ってきてるものもあります。
したがって、相手の話に矛盾が多すぎる場合には、それ以上相手とやり取りをしないようにしましょう。
アプローチが積極的すぎる
アプローチが積極的すぎたり、情熱的な言葉を何度もかけてくる相手にも注意が必要です。
詐欺師の中には、明らかに出会いを求めている人を引き付けようと、やり取りが始まって比較的短い期間であっても、甘い言葉や結婚を匂わせる言葉を多用して積極的に口説いてくることがあります。そのため、頻繁に「愛している」「今すぐ会いたい」など熱烈なアプローチをかけてくる相手は詐欺師である可能性があるのです。
マッチングアプリで出会った顔も知らない相手から積極的に恋愛や結婚のアピールをされた場合には、距離を置いて警戒しておきましょう。
すぐに会いたがる/まったく会いたがらない
マッチングアプリで出会ってすぐお互いあまり知らないにもかかわらず、すぐに会いたがる場合には、美人局などの可能性があります。
逆に、いくらやり取りを続けてもまったく会いたがらない場合にも、ロマンス詐欺である可能性があります。テレビ電話などで顔を見せて通話することも頑なに拒否する相手も、素性を偽っている可能性があります。
このように「すぐ会いたがる」または「まったく会いたがらない」という両極端である場合には、詐欺師である可能性があります。
お金に関する話題が多すぎる
マッチングアプリを悪用している詐欺師は、最終的には被害者からお金を騙し取ろうとしています。そのため、お金にまつわる話題が多くなりがちです。
以下のようなお金の話題を頻繁にしていてくる場合には、詐欺師が、被害者がどれくらいお金を持っているのか品定めしている可能性があるのです。
- 年収/月収の金額
- 勤務先の情報
- 預貯金額
- 株式投資への関心の有無
- 副業に対する興味 など
お金の話題については、個人的な情報を相手に与えないように注意しておきましょう。
お金の相談を持ちかけてくる
マッチングアプリで出会った相手から、お金の相談を持ちかけられた場合には、高い確率で詐欺師であると考えられます。詐欺師はありとあらゆる理由をつけて、被害者に金銭を交付させようとします。
基本的には、事故や医療費などお金にまつわるトラブルの相談をし、助けてあげたいという被害者の親切心を悪用しようとしています。国際ロマンス詐欺などの場合には、プレゼントを航空輸送する運賃や、荷物の一時預かりなどを依頼して、その手数料名目で被害者からお金を騙し取るケースもあります。
お金の相談が出た時点で、詐欺師であると考え、それ以上やり取りをとるのはやめましょう。
マッチングアプリ詐欺の被害に遭った場合の対処法
では、マッチングアプリで詐欺被害に遭ってしまい、お金を取り戻したい場合はどのように対処すればよいのでしょうか。以下で解説していきます。
まずは証拠を確保する
マッチングアプリ詐欺の被害に遭った場合には、被害の事実を立証するために証拠を保存しておくことが重要です。
詐欺の証拠として有効なものに、以下のようなものがあります。
- 相手とのやり取りがわかるスクリーンショット
- 会話の内容を録音したデータ
- 相手が金銭の交付を求めたことがわかるやり取り
- 相手に送金した金額・日時・支払方法がわかる記録
- 購入時のレシートや領収書 など
詐欺の被害に遭ったことが分かる証拠は、詐欺師を刑事告発する際や、相手方に対して返金請求する場合にも重要なものとなります。
契約トラブルは国民生活センターに相談
デート商法などで事業者と契約をさせられた場合には、国民生活センターに相談することができます。「国民生活センター」とは、消費者問題に関する情報提供や調査研究を行っている、消費者庁管轄の機関(独立行政法人)のことをいいます。
また全国共通の電話番号で電話相談できる「消費者ホットライン」を設置しており、「188」番をダイヤルすることで住んでいる地域の相談窓口(市区町村の消費生活センターや消費生活相談窓口など)を案内してくれます。
ただし、国民生活センターと消費生活センターは、消費生活に関する相談窓口ですので個人と事業者間のトラブルに関する相談が基本になっていることは理解しておく必要があります。
また、騙し取られたお金を取り返すための具体的な手続きを代行してくれるわけではありませんので、その際には弁護士への相談が必要でしょう。
警察に被害申告をして事件化する
マッチングアプリを通じて詐欺師にお金を騙し取られた場合には、警察に相談しましょう。
被害届や告訴状を作成して提出することで、事件として捜査され犯人が逮捕される可能性もあります。
しかし犯人がどこのだれか全く手掛かりがない場合や、犯人が外国に住んでいる場合には、日本の警察では対応できない可能性があります。また、証拠関係や事実関係から、事件性があるとは言えない場合も警察は介入してくれないおそれがあります。
なお、警察が動いてくれた場合であっても、お金を取り戻してくれるわけではありませんが、相手方から示談の申入れがなされた結果、被害金が回収できるという可能性はあります。
アプリの運営元に通報
マッチングアプリで詐欺の被害に遭った場合は、すぐにアプリの運営元に通報してください。
運営に通報・報告する場合には、あなたが受けた被害の内容や具体的なやり取り、詐欺師の疑いがある相手のアカウント情報や相手の行動などを詳細に報告しましょう。
アプリの利用規約に違反している場合や、詐欺などの不正行為が発覚した場合には、運営が問題のユーザーのアカウントを停止・抹消してくれる可能性があります。
ただし、運営元もお金を取り戻すために動いてくれるわけではありません。お金を取り戻したい場合には弁護士への相談が必要です。
また、強制退会やアカウント抹消によりこれまでのやり取りのデータが消去されて見れなくなるおそれもあるため、通報前にやり取りをスクショで保存しておくことが重要です。
お金を取り戻したいなら弁護士に相談
詐欺の被害にあって現金などを騙し取られた場合には、弁護士に相談するようにしてください。
実際に詐欺師からお金を取り戻すためには、不法行為に基づく損害賠償請求や不当利得返還請求をしていくことで実現する必要があります。そのため法律のプロである弁護士に依頼しておくことがおすすめです。
相手方に関する情報がない場合であっても、弁護士に事件を依頼すれば、弁護士会照会などを活用することで、相手方の個人情報を特定できる場合があります。また、特定した相手との交渉事項が発生した場合でも、代理人弁護士に依頼しておけば、和解交渉や示談書の作成などを一任しておくことができます。
さらに、相手方が返金に応じない場合には、裁判所に民事訴訟を提起して裁判所に被害者の請求の可否を判断してもらう必要ができてきます。そのような場合であっても弁護士に訴訟代理人となってもらうことで出廷対応や書面・証拠の作成・提出についてはすべて任せておくことができます。
当事務所では、マッチングアプリ詐欺の返金交渉などの対応を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者の大切なお金を取り戻すために全力を尽くしますので、マッチングアプリ詐欺の被害に遭われた方はまずは当事務所の弁護士にご相談ください。
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