情報商材詐欺の返金は可能?請求の方法と相談先|手口も解説

「情報商材詐欺で払ったお金は、もう返金されないのだろうか」と不安を抱えていないでしょうか。宣伝と中身がまるで違うのに、販売者に問い合わせても返金を断られると、諦めるしかないように思えるかもしれません。

しかし、情報商材詐欺で支払ったお金は、勧誘や販売のやり方に法律上の問題があれば、販売者の規約で「返金不可」とされていても、返金を請求できる可能性があります。

一方で、時間がたつほど業者は資金を移したり連絡手段を絶ったりするため、取り戻せる見込みは小さくなっていきます。

この記事では、詐欺被害の返金に強い弁護士が、次の点について解説します。

  • 「返金不可」と言われても請求できる法的根拠
  • 支払方法ごとに最初に取るべき手段
  • 受けた勧誘が詐欺の手口にあたるかの見分け方
  • 相談先と、それぞれの窓口でできること

お読みいただくことで、自分の支払方法で最初にどこへ連絡すべきか、そして今日から何をすべきかを判断できます。

なお、返金についてお悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。地域を問わずご相談を承っています。

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情報商材詐欺とはどのような被害か

情報商材詐欺とは、「簡単に稼げる」「誰でも成果が出る」といった誇大な宣伝で、中身の乏しいノウハウ(PDF・動画・オンラインサポートなど)を高額で売りつける被害をいいます。扱われるテーマは投資・FX・仮想通貨(暗号資産)から、せどりや転売、副業向けのノウハウまで幅広く、無料のセミナーや動画を入口に、高額な講座やコンサル契約へ誘導されることもあります。いずれも、購入者が事前に中身を確かめられないという共通点があります。

国民生活センターには、情報商材に関する相談が毎年数千件規模で寄せられています。2025年度には2,623件の相談が登録されています(2026年5月31日現在。消費生活センター等からの経由相談は含みません)。

情報商材|国民生活センター

もっとも、情報商材という売り方そのものが違法なわけではなく、価値のあるノウハウを提供している商材もあります。ただし、宣伝と実際の中身がかけ離れている商材や、「必ず稼げる」と言い切って売るなど勧誘のやり方に問題がある場合は、話が別です。そうした事情があれば、次に説明する法律を根拠に、返金を求める道があります。

返金は可能?請求の根拠になる3つの法律

販売者の利用規約に「返金不可」とあっても、返金を請求できる場合があります。「返金不可」の定めは、無条件に効力を持つわけではありません。法律の規定よりも消費者の権利を狭めたり義務を重くしたりする条項のうち、信義則(民法1条2項)に反して消費者に一方的な不利益を与えるものは、消費者契約法10条により無効とされるからです。消費者の取消権や解除権まで封じる目的の定めは、この規定により効力が否定される余地があります。

また、契約を取り消すと、その契約は初めから無効だったものとみなされます(民法121条)。規約に返金しない旨の定めがあっても、取消しが認められれば、支払った代金の返還を求める根拠になります。返金請求の根拠になる主な法律は、消費者契約法・民法・特定商取引法の3つです。

消費者契約法で契約を取り消すための要件

情報商材詐欺の返金請求で中心になるのが、消費者契約法4条による取消しです。事業者が勧誘の際に次のような行為をし、消費者がそれによって誤認して契約した場合には、契約を取り消せる可能性があります。

  • 不実告知(4条1項1号):重要事項について、事実と異なることを告げた場合。例:実績のない販売者が「受講生の9割が黒字化しています」と説明していた
  • 断定的判断の提供(4条1項2号):将来の収入など不確実なことについて、確実であるかのように言い切った場合。例:「このツールを使えば必ず月30万円稼げます」
  • 不利益事実の不告知(4条2項):利益になることだけを告げ、不利益になる重要な事実を故意または重大な過失によって告げなかった場合。例:追加の高額プランを契約しなければ実践できない仕組みを伝えていなかった

この取消しは民事の手続です。刑事事件として販売者を詐欺罪(刑法246条)に問うには、だます意図があったことなどの立証が必要で、ハードルは高めです。これに対し、消費者契約法の取消しでは、勧誘の内容と、それによって誤認して契約したかどうかが問われます。民事で返金を求める場面では、詐欺罪の成立は前提になりません。

取消権には期限があり、誤認に気づいた時(追認をすることができる時)から1年、または契約の締結から5年を過ぎると、時効によって消滅します(消費者契約法7条1項)。情報商材詐欺の購入から時間がたっていても、この期間内であれば取消しを主張できる余地があります。

民法を根拠にした取消し・解除・損害賠償

消費者契約法の要件に当てはまらない場合や、あわせて主張する場合には、民法の規定も返金請求の根拠になります。

  • 詐欺による取消し(民法96条1項):販売者がだますつもりで事実と違う説明をし、それを信じて契約した場合
  • 錯誤による取消し(民法95条):商材の内容について思い違いをして契約した場合。思い違いが契約の目的などに照らして重要であることなど、条文の要件を満たす必要があります
  • 債務不履行に基づく損害賠償・契約の解除(民法415条・541条):「週1回の個別サポート付き」など、約束されたサービスが提供されなかった場合
  • 不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条):違法な販売行為によって損害を受けた場合。販売者だけでなく、事情を知りながら加担した関係者の責任を問える場合もあります

情報商材詐欺の返金請求では、根拠を1つに絞る必要はなく、事情に応じて複数を組み合わせることができます。どれが使えるかは勧誘の経緯や契約の内容によって変わるため、判断に迷うときは弁護士に確認してください。

特定商取引法でクーリングオフの対象になる取引

クーリングオフとは、法律で定められた書面(法定書面)を受け取ってから一定期間内であれば、原則として理由を問わず申込みの撤回や契約の解除ができる制度です。クーリングオフが認められれば、支払った代金の返金を求められます。

特定商取引法では、訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供(エステや語学教室など長期・高額のサービス契約)・訪問購入は8日間、連鎖販売取引(マルチ商法)・業務提供誘引販売取引(仕事を紹介するといって商品などを買わせる取引)は20日間のクーリングオフ期間が定められています。

ただし、情報商材詐欺でも、広告を見て自分からサイトで申し込むネット販売(通信販売)には、クーリングオフの制度がありません。情報商材の多くは通信販売で売られているため、クーリングオフで解約して返金を求められる場面は限られます。

それでも、次のような場合には、申込みの撤回や契約の解除ができる可能性があります。

  • 販売業者からかかってきた電話で勧誘を受けて申し込んだ場合や、販売目的を告げないメール・SMSなどで電話をかけるよう求められ、かけた電話で勧誘を受けて申し込んだ場合は、「電話勧誘販売」にあたり、8日間のクーリングオフの対象になる可能性があります
  • 「人を紹介すれば報酬が入る」という仕組みがある商材は連鎖販売取引に、「教材を買えば仕事を紹介する」と勧誘された場合は業務提供誘引販売取引にあたる可能性があり、その場合は20日間のクーリングオフの対象になります
  • 販売ページに返品の可否や条件(返品特約)の表示がない場合、商品の引渡しを受けた日から8日以内であれば、契約を解除できることがあります(特定商取引法15条の3)。ただし、この規定の対象は「商品」と「特定権利」の売買で、コンサルティングなどのサービスの契約には適用されません

クーリングオフ期間は、法定書面を受け取った日から数えます。要件を満たす書面が交付されていなければ期間は進まないため、購入から日数がたっていても、クーリングオフできる可能性があります。通知は書面のほか、メールなどの電磁的記録でも行えます。

特定商取引法における電磁的記録によるクーリング・オフに関するQ&A|特定商取引法ガイド

なお、通信販売の販売者には、事業者名・住所・電話番号などの表示義務(特定商取引法11条)があり、著しく事実と異なる誇大広告も禁止されています(同法12条)。これらの違反だけで契約を取り消せるわけではありませんが、勧誘の問題点を示す事情として、取消しや損害賠償請求の主張を支える材料になります。

情報商材詐欺では、副業として勧められた商材でも、勧誘の形によってはクーリングオフができることがあります。詳しくは「副業詐欺でクーリングオフはできる?できないと言われた場合は?」をご確認ください。

情報商材詐欺の返金方法と進め方

返金に向けた行動は、早いほど選べる手段が多く残ります。悪質な業者は代金を受け取ると、口座から資金を移し、販売ページを閉じ、連絡手段を絶って姿を消すことがあるためです。カード会社の手続には期限が設けられている場合があり、消費者契約法の取消権にも1年・5年の期限があります。

最初に連絡する先は、代金をどの方法で支払ったかによって変わります。クレジットカードの分割払いやリボ払い、信販会社のローンで支払った場合は、カード会社や信販会社に支払停止の抗弁(残りの支払いを止めるための申し出)を検討します。翌月一括払いなどの場合は、カード会社に事情を伝えて相談します。銀行振込の場合は、振込先の金融機関と警察に連絡し、口座の凍結を求めます。

情報商材詐欺の支払方法ごとに最初に連絡する先(分割払い・リボ払い・ローン=カード会社・信販会社に支払停止の抗弁/翌月一括払い=カード会社に相談/銀行振込=振込先の金融機関と警察に連絡)

どの支払方法でも、販売者への返金請求は並行して進められます。以下では、まず証拠の保存について説明し、続けて請求先ごとの方法を解説します。

まず証拠を保存する

情報商材詐欺の返金請求では、勧誘や販売のどこに問題があったかを証拠で説明できるかどうかが、結果を大きく左右します。悪質な業者ほど記録を残さないように動くため、被害者の側で意識して記録を保全しておく必要があります。

保存しておきたいものを種類ごとにまとめると、次のとおりです。

  • 支払いの記録:カードの利用明細、振込みの控え、口座の入出金の履歴、ローンの契約書面
  • 販売者とのやり取り:メールやLINEのメッセージ、通話の録音、契約書や申込み後に届いた書面
  • 販売・勧誘の資料:販売ページや利用規約、SNS投稿のスクリーンショット(URLが分かる形で)、セールスレター、ステップメールやメールマガジンの文面、セミナーの資料

「これは証拠になるのか」と迷うものも、判断せずにすべて保存しておくのが安全です。販売ページやLINEのアカウントは、業者側でいつでも消せます。いま見られるものは、返金請求の証拠にするため、早めに画面を保存しておいてください。

販売者に返金保証の履行や代金の返還を請求する

情報商材詐欺の返金を請求する相手の中心は、商材の販売者です。返金保証をうたっていた商材であれば、まず保証の条件に沿って返金を申し出ます。ただし、後から厳しい条件を持ち出したり、条件を満たしていないと言って拒んだりする業者もいて、返金保証があっても実際に返金されるとは限りません。

保証がない場合や申し出に応じない場合は、消費者契約法や民法を根拠に契約の取消しを主張して、代金の返還を求めます。約束されたサービスが提供されていない場合は、債務不履行を理由とする契約の解除も考えられます。電話やメールで問い合わせても返事がないときは、内容証明郵便で、返金を求める法的根拠と支払期日を示して請求することを検討します。

内容証明郵便とは、いつ、誰が誰に宛てて、どんな文面の手紙を出したかを日本郵便が証明する一般書留郵便のサービスです。送っただけで支払いを強制する効力はありませんが、請求した事実と内容を証拠として残せるため、後に訴訟になった場合にも役立ちます。取消しの意思表示をした記録にもなります。

宛先は、販売ページの特定商取引法に基づく表示の欄に書かれた事業者名・住所で特定します。法人名が分かれば、登記情報から本店所在地や代表者を確認でき、訴訟を起こす場合の相手方を特定する手がかりにもなります。表示そのものがない場合は、特定商取引法11条の表示義務に反している可能性があり、交渉で指摘できる点になります。

なお、代金をまだ支払っておらず、販売者から支払いを求められている状況で、裁判所から支払督促(裁判所を通じて支払いを求める手続)や訴状が届いたときは、放置しないでください。期限内に異議や反論をしないと、支払義務が確定してしまうおそれがあります。対応の考え方は「副業詐欺の後払い・支払いは無視でいい?住所を教えた場合は?」で詳しく解説しています。

決済代行会社に返金を求める

情報商材詐欺の代金をカードなどで決済した場合、販売者とカード会社の間に決済代行会社が入っていることがあります。販売者が返金に応じない場合や、販売者と連絡が取れなくなった場合には、決済代行会社に事情を伝えて返金を求める方法もあります。

販売者の違法な販売を知り得たのに決済の代行を続けていたようなケースでは、決済代行会社にも責任を問える可能性があります。もっとも、決済代行会社が被害者に対してどこまで責任を負うかは、取引の仕組みや個別の事情によって判断が分かれます。そのため、決済代行会社への請求は、販売者への請求やカード会社への申し出とあわせて進めます。

振込先の金融機関に口座の凍結を要請する

情報商材詐欺の代金を指定された銀行口座に振り込んだ場合は、振込先の金融機関に連絡し、口座の凍結を求めます。これは、犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(通称:振り込め詐欺救済法)に基づく手続です。

この制度は、預金口座などへの振込みが利用された詐欺などの被害を対象としています。凍結された口座の残高を原資として、被害額に応じた被害回復分配金が支払われる可能性があります。口座に残高が残っていなければ、この制度で戻るお金はありません。また、金融庁は、実際に支払いを受けられるまでには少なくとも半年以上かかるのが一般的だとしています。

被害に気づいたら、振込先の金融機関と警察の両方に連絡します(金融庁も、この2か所への連絡を案内しています)。金融機関の連絡先は、自分が振込みを依頼した銀行ではなく、相手から指定された振込先の銀行です。振込先の銀行であれば、口座の取引を止めてお金が引き出されないようにできるためです。勧誘の経緯、購入した商材、振込先の口座と金額を整理したうえで連絡してください。

振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ|金融庁

分割払い・リボ払い・ローンなら支払停止の抗弁を申し出る

情報商材詐欺の代金を、クレジットカードの分割払いやリボ払い、信販会社のローンで支払っている場合は、割賦販売法の「支払停止の抗弁」を申し出ることで、残っている支払いを止められる可能性があります。販売業者との契約について取消しや解除などの事由があるとき、それをクレジット会社にも主張して、支払いを拒否できる制度です。

もっとも、これから支払う分の請求を止める制度で、すでに支払った分が戻る制度ではありません。既払分の回収は、販売者への返金請求や契約の取消しとあわせて進めることになります。

支払停止の抗弁の対象は、支払いが2か月を超える後払いです。分割払いやリボ払いのほか、ボーナス一括払いのように2か月を超えるものも対象になり得ますが、翌月一括払いのように2か月以内に支払いが終わるものは対象外です(割賦販売法2条3項1号)。また、分割払いの手数料を含めた支払総額が4万円に満たない場合と、リボ払いで現金販売価格(現金で買った場合の価格)が3万8千円に満たない場合は、支払いを停止できません。

クレジットの基礎知識|徳島県消費者情報センター

申し出の際は、勧誘の内容や商材の中身、支払った金額など、抗弁の理由を裏づける証拠をそろえておきましょう。カード会社への連絡の仕方やその後の流れは「副業詐欺のクレジットカード払いを止める方法とその後の対応方法」で解説しています。

一方、消費者金融などから自分で借りたお金で情報商材詐欺の代金を支払った場合、業者への返金請求と借金の返済は別の問題になり、返金が実現するまで返済は続きます。返済が難しい場合は、返金請求とあわせて債務整理(借金の減額や免除を図る手続)の相談も検討してください。

カード会社にチャージバックでの対応を相談する

翌月一括払いなど、支払停止の抗弁を使えない払い方でカード決済をした場合は、カード会社に事情を伝えて相談します。カード会社が、チャージバックと呼ばれる仕組みを使い、加盟店側に売上の取消しを求める場合があるためです。

ただし、チャージバックは消費者が法律や契約に基づいて求められる権利ではありません。経済産業省の資料でも、国際ブランド(カードの決済網を運営する国際的な事業者)が定めるカード会社どうしのルールであって、消費者に法令上も契約上も認められた権利ではないと説明されています。使うかどうかはカード会社が判断するため、申し出たからといって返金されるとは限りません。

カード会社に相談するときは、購入した商材が宣伝と違っていたことや勧誘の内容を、証拠をもとに説明できるようにしておきましょう。カード会社の手続には期限が設けられている場合があり、決済から日数がたつほど対応が難しくなるおそれがあります。情報商材詐欺の疑いを持ったら、早めにカード会社へ連絡してください。

御説明資料(経済産業省・消費者委員会 2015年3月24日 資料3-2-2)

訴訟を起こして返金を請求する

内容証明郵便で請求しても販売者が応じない場合は、訴訟を起こし、裁判で情報商材詐欺の返金や損害賠償を求めることになります。訴状を裁判所に提出し、双方が証拠をもとに主張したうえで、裁判官が請求を認めるかどうかを判断します。

請求額が60万円以下の金銭の支払いを求める場合は、簡易裁判所で「少額訴訟」を利用できます(民事訴訟法368条1項)。原則として1回の期日で審理を終える簡易な手続で、被害額がそれほど大きくない場合に、弁護士費用との兼ね合いで検討する余地があります。

勝訴すれば、判決に基づく強制執行で、相手の財産から回収できます。ただし、相手に財産がない場合や財産の所在が分からない場合は、回収が難しくなります。費用をかけても回収できない費用倒れを防ぐため、相手の財産の見込みも含めて、訴訟に進むかを判断することが大切です。

刑事告訴・告発を検討する

情報商材詐欺の被害者は、警察などに刑事告訴をすることができます。告訴は、被害者など告訴をする権利のある人が犯罪の事実を申告して犯人の処罰を求めるもので、それ以外の人がする場合は告発といいます。被害の事実を届け出るだけの被害届とは、処罰を求める意思を含む点が異なります。

告訴が受理されて捜査が進めば、刑事手続の中で相手から示談の申し出があり、被害の弁償を受けられる可能性もあります。ただし、刑事手続は犯人に刑罰を科すかどうかを決める手続で、返金や賠償が必ず受けられるわけではありません。返金を求めるには、ここまでの民事の手続とあわせて進める必要があります。

情報商材詐欺は、ほかの詐欺に比べて立件・逮捕に至りにくい面があります。その理由と実際の逮捕事例は「情報商材詐欺が逮捕されにくい3つの理由【実際の逮捕事例も解説】」をご覧ください。

情報商材詐欺の手口と見分けるポイント

ここからは、情報商材詐欺でよく使われる手口を紹介します。自分が受けた勧誘や、購入までの流れと照らし合わせてみてください。当てはまる事情は、消費者契約法の取消しや損害賠償を主張するときの材料になることがあります。見分けるポイントは次の7つです。

  • SNS・動画広告からLINEに誘導される
  • 無料オファーの後に高額商材を勧められる
  • 「成功者の声」ばかりが並んでいる
  • 誇大広告で購買意欲をあおっている
  • 情報商材系アフィリエイターが勧めている
  • 返金保証をうたっている
  • 特定商取引法に基づく表示がない

SNS・動画広告からLINEに誘導される

最近の情報商材詐欺は、SNSの投稿や動画サイトの広告を入口にするケースが目立ちます。高級車や旅行の写真で「自由な生活」を演出したアカウントが興味を引き、「詳しいノウハウはこちら」とLINEの友だち登録やメールマガジンへ誘導するのが典型的な流れです。

登録後は、段階的に届くメッセージで信頼関係を築かれたうえで、高額な商材やオンラインセミナーの購入へ誘導されます。LINEのような閉じた連絡手段に持ち込むのは、第三者の目に触れずに勧誘するためと考えられます。

無料オファーの後に高額商材を勧められる

「無料プレゼント」「無料セミナー」で人を集め、その後に数十万円のバックエンド商品を売り込む手法も、情報商材詐欺の常套手段です。

無料や数千円の入口商品はあくまで集客用で、本命は後から提示される高額なコンサル契約や投資の自動売買ツールです。「無料で受け取ったから」という心理的な負い目や、セミナーで高まった気持ちにつけ込んで、冷静に判断させないまま契約へ持ち込みます。無料の段階では実害がなくても、その後の高額な提案こそが本丸だと考えてください。

「成功者の声」ばかりが並んでいる

情報商材の販売ページに「月収100万円を達成しました」といった「成功者の声」や、収益画面のスクリーンショットが大量に載っている場合も注意が必要です。

こうした体験談は自作自演やねつ造が容易で、収益画像も加工できます。体験談の多さは、商材の価値を証明しません。具体的なノウハウの説明がなく、成功体験の演出ばかりが目立つページは、中身の乏しさを隠している可能性があります。情報商材詐欺の返金を求める際には、こうしたページの画面も証拠になります。

誇大広告で購買意欲をあおっている

情報商材詐欺のセールスレターには、「簡単に」「すぐに」「誰でも」「絶対に」「〜するだけ」といった言葉を並べたキャッチコピーが頻繁に見られます。

  • 「1日15分の作業で、簡単に月200万円以上稼ぐ極秘メソッド!」
  • 「誰でも、3日以内に15万円以上の収入確定!」
  • 「いいね!を押すだけで、毎日2万円がもらえます」

「不労所得」「権利収入」「再現性100%」といった言葉や、「期間限定」「先着〇名様」「あと〇時間で購入する権利が失効します」と購入を急がせる表示も定番です。情報商材は本と違って購入前に中身を確かめられないため、こうした誇大広告で購買意欲をあおりやすいといえます。

「誰でも必ず稼げる」と言い切って売っていた場合は、前述の断定的判断の提供(消費者契約法4条1項2号)にあたり、契約を取り消せる可能性があります。広告の画面やセミナーの説明は、返金を求める際の証拠として使えることがあるため、保存しておくと役立ちます。

情報商材系アフィリエイターが勧めている

ブログやSNSで情報商材を紹介しているアフィリエイターの推薦も、うのみにしてはいけません。アフィリエイターは商材が売れるたびに紹介報酬を受け取る立場であり、報酬目当てに、中身を確かめないまま誇大な宣伝文句で商材を広めているケースがあるためです。

原価のかからない詐欺的な商材ほど高額な紹介報酬を設定できるため、かえって拡散されやすいという構造もあります。アフィリエイトそのものを「簡単に稼げる副業」として勧められ、高額な教材やコンサル契約を結ばされた場合の見分け方と返金方法は「アフィリエイト詐欺とは?手口・見分け方と返金方法を解説」をご参照ください。

返金保証をうたっている

「返金保証があるなら買ってみよう」と思わせる返金保証こそ、購入をためらう人の背中を押すための仕掛けになっていることがあります。情報商材はコピーが簡単なデータで渡されるため、成果が出なければ返金するという約束は、本来、商売として成り立ちにくいものです。

情報商材詐欺で実際に返金を申し出ると、「教材どおりに実践していない」と拒んだり、作業の記録など無理な証明を求めたり、「あと数か月続けてから」と引き延ばしたりする業者がいます。引き延ばしている間にサイトを閉じて連絡が取れなくなることもあるため、保証の条件を理由に拒まれたら、早めに別の手段へ切り替えるのが得策です。

特定商取引法に基づく表示がない

情報商材を通信販売で売る業者には、特定商取引法により、販売ページに事業者名・住所・電話番号などを表示する義務があります(11条)。

これらの表示がない販売ページや、事業者名が文字ではなく画像だけで載っている販売ページは、返金を求めようとしても相手を特定できないおそれがあります。サイトを閉じられると追跡はさらに難しくなるため、情報商材詐欺の疑いがあり表示に不安がある場合は、早めに弁護士に相談するのがよいでしょう。

返金の相談先と窓口ごとの役割

情報商材詐欺の被害の相談先には、主に弁護士、消費生活センター、警察があります。窓口によってできることが異なり、返金の交渉や訴訟を代理人として依頼できるのは、弁護士など法律で認められた専門家に限られます。目的に合わせて使い分けてください。

詐欺被害の相談窓口全般については「詐欺被害に遭ったらどこに相談?状況別の相談先と返金の求め方」もあわせてご確認ください。

弁護士への相談

弁護士に依頼すると、ここまで紹介した返金の法的手続を代理人として任せられます。内容証明郵便の作成・送付から、販売者や決済代行会社との交渉、カード会社への申し出の準備、訴訟の提起まで対応でき、どの方法を組み合わせるかも判断してもらえます。複数の業者に支払っている場合も、業者ごとに優先順位を決めて対応できます。

弁護士費用には、相談料・着手金・報酬金(回収できた額などに応じた費用)といった項目があり、金額や支払方法は事務所によって異なります。依頼する前に、費用の内訳と、回収の見込みとの釣り合いを確認しておきましょう。費用の目安や費用倒れを防ぐ考え方は「詐欺被害の弁護士費用はいくら?相場を解説」で紹介しています。

なお、「返金を代行します」「お金を取り戻します」とSNSや広告で持ちかけてくる業者には注意してください。弁護士でない者が報酬を得る目的で返金の交渉を代理することを業とするのは、法律で禁止されています(弁護士法72条。ほかの法律に別段の定めがある場合を除く)。こうした業者に費用を払い、二次被害に遭うおそれもあります。

当事務所でも、情報商材詐欺の返金に関するご相談をお受けしてきました。公開している解決事例では、20を超える業者から合計約150万円分の情報商材を購入したご相談者について、弁護士が業者ごとに優先順位を決めて個別に対応し、130万円以上を回収しました(個人が特定されないよう、ご相談者の承諾を得て内容を編集しています)。

消費生活センターへの相談

公的な窓口に相談したい場合は、消費生活センター(消費者センターとも呼ばれます)を利用できます。全国どこからでも「188」に電話すると消費者ホットラインにつながり、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してもらえます。つながりにくい場合は、国民生活センターのバックアップ相談も利用できます。

消費生活センターでは、専門の相談員が情報商材詐欺などの契約トラブルの相談を受け、解決に向けた助言をしています。実際に、相談員の助言に従って契約の経緯を書面にまとめ、販売者・決済代行会社・カード会社へ提出したところ、相談員から事業者に連絡が入り、支払った代金の返金を受けられたという事例もあります。

もっとも、相談員には業者に返金を強制する権限はありません。業者が話し合いに応じない場合や、被害額が大きく交渉や訴訟が必要な場合は、弁護士への相談を検討してください。

警察への相談

情報商材詐欺の被害を警察に相談したい場合は、警察相談専用電話「#9110」を利用できます。緊急の事件・事故ではない相談を受け付ける番号で、全国どこからでも、その地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。銀行振込で代金を支払った場合は、口座の凍結を求めるために、振込先の金融機関とあわせて警察にも連絡してください。

警察は犯罪の捜査を行う機関で、販売者との返金交渉を代わりに行う立場にはありません。警察に相談しても捜査に動いてもらえない場合の理由と対応は「詐欺被害で警察が動かない4つの理由と動いてもらう方法」で解説しています。

返金の請求は、弁護士への相談とあわせて進めることになります。処罰を求める告訴については、前述の「刑事告訴・告発を検討する」で説明しています。

情報商材詐欺の返金は早めに弁護士へご相談ください

勧誘や販売に問題のある情報商材詐欺では、消費者契約法や民法による取消しなどを根拠に、支払ったお金の返金を求められる場合があります。支払停止の抗弁や口座の凍結の要請など、使える手段は支払方法や購入からの期間によって変わります。

個人から請求しても、応じない業者もいます。弁護士が代理人となれば、法的な根拠を示し、訴訟も視野に入れた交渉ができます。販売者との交渉はもちろん、決済代行会社やカード会社への対応、口座凍結の要請、訴訟の提起といった手続も、まとめてお任せいただけます。

被害に遭った方のなかには、「なぜ信じてしまったのか」とご自身を責めてしまう方もいらっしゃいます。しかし、巧妙に組み立てられた勧誘を見抜くのは簡単ではなく、責められるべきは業者の側です。すでに返金を断られている場合や、業者と連絡が取れなくなっている場合でも、打てる手が残っていることがあります。

当事務所は、情報商材をはじめとする詐欺被害の返金請求に数多く対応してきました。被害から日が浅いほど、資金の行方の調査も交渉も進めやすくなります。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

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