
結婚を考えている相手や就職先の候補者に前科・犯罪歴があるかどうか気になるものの,「そもそも一般人が他人の犯罪歴を調べることはできるのだろうか」と疑問に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論として,検察庁や市区町村が管理する前科情報に一般の方がアクセスすることはできません。しかし,報道記事やネット検索など公的機関を経由しない方法であれば,前科・前歴(犯罪歴)が明らかになる可能性はあります。
この記事では,一般の方が他人の前科・犯罪歴を調べる4つの方法と,犯罪歴を調べられたら困る場面について弁護士が解説します。
なお,前科・犯罪歴に関する問題で早急に対応したいとお考えの方は,この記事をお読みいただいた後,全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
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前科・前歴・犯罪歴とは
まず前科・前歴・犯罪歴とはどのような意味でしょうか。
前科とは
「前科」とは,刑事裁判で有罪になり刑事罰が確定した経歴のことをさします。
刑事罰の種類は刑法に規定があり,「拘禁刑」や「拘留」などの身体に対する刑のほか,「罰金」や「科料」などの財産刑も含まれます。(刑法第9条)
※2025年6月1日施行の改正刑法により,従来の「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。
したがってこれらを科された場合には前科になります。前科の「科」は刑罰を指す「科(とが)」ですので刑事罰を科された人が当てはまると覚えておきましょう。
前歴とは
これに対して「前歴」とは逮捕歴とも表現されますが,警察や検察などの捜査機関によって捜査の対象となった経歴を指します。
事件について捜査の対象となったからといって必ずしも逮捕による身体拘束を受けるわけではありません(逃亡や罪証隠滅の恐れがない場合などには逮捕の要件を欠きます)ので「前歴」は「逮捕歴」を含むより広い概念であると考えることができます。
例えば,ある人が特定の犯罪事実に関して被疑者として逮捕され捜査の対象となったものの,何らかの理由(嫌疑なし・嫌疑不十分・起訴猶予など)で起訴されなかったような場合には「前歴」は残りますが「前科」はないという取り扱いになります。
そして「犯罪歴」とは犯罪に関係する経歴として広く前科・前歴を含む一般用語として使われることもありますし,厳密には前科のみが犯罪として裁判所に認定されたものですので前科を指す用語として使用される場合もあります。
前科・犯罪歴を調べられたら困る場面は?
過去の前科・前歴(犯罪歴)は極めて高度なプライバシーにあたる情報です。そのような情報を第三者に調べられて明らかになることで不都合が生じうる場面はさまざま考えられます。
パートナーと結婚する際・結婚後
前科・前歴(犯罪歴)がパートナーやその親族に明らかになると、別れを告げられたり結婚に反対されたりする場合があります。そのため、相手方に秘匿して結婚する人も多いのではないでしょうか。
また、前科・前歴(犯罪歴)があることが必ずしも離婚事由に該当するわけではありませんが、殺人等の重大犯罪の前科持ちであることを伏せて結婚し、その後に配偶者にその事実が発覚した場合には、離婚事由の一つである「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(民法770条)」に該当する可能性はあります。
就職する際
就職・転職活動に際して前科・前歴(犯罪歴)が就職先会社に明らかになった場合には不採用とされる可能性があります。企業から求められない限り自己申告は不要ですが、「賞罰欄」のある履歴書の提出を求められた場合や、面接時に口頭で確認された場合には、正直に回答する必要があります。就職後に虚偽の回答であったことが発覚した場合には、経歴詐称として解雇されることもあります。
また、公務員や一定の職業においては資格制限として刑に処せられたことがないことを要件にしていることがありますので一定の職業に就けなかったり,資格を失ったりする可能性もあります。前科が就職に与える影響について詳しくは「前科があると就職できない?様々な疑問に弁護士が解説」をご参照ください。
近所付き合いに際して
過去の前科・前歴(犯罪歴)が近所の人に知られてしまうと,自分のみならず一緒に住む家族を含めて周りから無視されたり,犯罪者呼ばわりされてつらい目に遭ったりするという場合があります。
そのような風評が広がればあることないことが流布され子どもが学校でいじめられるという不都合も考えられます。
前科・犯罪歴を公的機関から調べる方法はない
一般の方が公的機関経由で前科・前歴(犯罪歴)を調べることはできません。
前科を管理しているのは基本的には検察庁です。しかし、検察庁が一般人からの前科照会に回答することはなく、警察や市区町村など特定の機関からの照会にのみ対応しています。
一方、検察庁は市区町村に前科(道路交通法違反、自動車の保管場所の確保等に関する法律違反などでの罰金以下の刑に関する前科を除く)の情報を提供しています。これは市区町村の犯罪人名簿(前科者リスト)の作成のためです。犯罪人名簿は、住民の選挙権・被選挙権の有無を確認したり、団体からの欠格事由の有無に関して照会があった場合にこれに回答するために作成されます。そのため、市区町村がそうした団体以外の機関からの照会を受け付けることはありません。
本人やそのご家族からの前科照会であっても同様です。市区町村の犯罪人名簿に関する事務規定では「警察、検察庁、裁判所、あるいは法律により特定の者の資格調査等のため関係行政庁から照会があった場合」にのみ回答するとされており、個人からの問い合わせには一切対応していません。
前歴については、警察庁や各都道府県警察本部の犯歴照会センターでも管理されていますが、こちらもあくまで捜査機関同士のやり取りに限られており、一般人が照会できる仕組みにはなっていません。
以上から、前科・前歴(犯罪歴)を管理しているのは検察庁、市区町村、警察となりますが、これら公的機関が一般の方からの照会に応じることはないことから、一般の方が公的機関から前科・前歴(犯罪歴)を調べることはできないといえます。なお,前科が一定期間の経過により消滅する条件については「前科は消える?調べることはできる?弁護士が解説します」で詳しく解説しています。
前科・犯罪歴を調べる4つの方法
それでは一般の方が他人の前科・前歴(犯罪歴)を調べる方法はどのようなものがあるのでしょうか。
①報道機関の報道情報
当該犯罪について逮捕時や訴追された当時にされた報道機関による報道内容から,前科・前歴(犯罪歴)の存在が判明することがあります。
テレビで放映されたニュース番組で報道された内容は録画が公開されていない限り事後的に調べて見直すことは困難でしょうからニュース番組から明らかになることは少ないかもしれません。
他方で新聞記事などは過去のものについては図書館に所蔵されている可能性が高いですので、新聞記事に掲載された場合は一般人であっても前科・前歴(犯罪歴)を調べることができます。国立国会図書館の新聞資料室では、過去の全国紙、地方紙、スポーツ紙なども保管されています。
②ネット検索
もっとも簡単・迅速に前科・前歴(犯罪歴)を調べることができるのがネット検索です。新聞社が運営するサイトなどではネット上で掲載した記事を閲覧することができます。
そのような記事も掲載期限があるものが多く数か月から数年経過することで削除されますが、情報元である記事が削除されたとしてもその記事を引用・転載したネット掲示板や個人が運営するブログには情報が残り続けます。そのような派生した情報源から個人の前科・前歴(犯罪歴)が明らかになる場合もあります。
また、有料とはなりますが、「新聞アーカイブ」とネット検索すると、数十年以上前から現在に至るまでに発行された過去の新聞のデータベースを検索できる各新聞社のサービスも見つかりますので、そこから調べられることもあります。
③関係者への聞き込み
調査対象者の関係者への聞き込みにより調べる方法もあります。犯罪事実を見聞きした人による風評の流布などにより,前科・前歴(犯罪歴)の情報が周囲に広まっている場合があるからです。
しかし、親族が身内の情報を外部に漏らすことは考えにくく、また、今現在関りのある周囲の人間には犯罪歴は伏せていることが多いでしょう。そのため、過去に交友関係のあった者、地元の同級生、過去の職場の同僚、過去の住所地の近隣住民への聞き込みの方が判明しやすいといえるでしょう。
④探偵事務所などが調査する場合
第三者からの依頼を受けて探偵事務所や興信所が前科・前歴(犯罪歴)を調査する場合には、ネット記事・新聞記事や関係者の断片的な情報をもとに犯罪歴が特定されることがあります。
そのような調査依頼は結婚など重要な身分関係にかかわる場合に多く,就職活動などの場合に会社がそこまでのコストをかけることはまず考えられません。
前科・犯罪歴の調査でお困りの方へ
一般の方が公的機関から他人の前科・犯罪歴を調べることはできませんが,報道やネット検索,関係者への聞き込み,探偵事務所への依頼といった方法で明らかになる可能性はあります。
自分の前科・犯罪歴が第三者に知られるのではないかという不安は,結婚や就職といった人生の大きな場面で特に強くなるものです。実名報道やネット上に残った情報は自力での対処が難しく,精神的な負担も大きいのではないでしょうか。「過去の報道記事がネット上に残っている」「就職先に犯罪歴を知られたくない」といった状況でお悩みであれば,早めに弁護士へ相談されることをおすすめします。
弁護士に依頼することで,ネット上の記事や投稿に対する削除請求や,今後刑事事件の被疑者となった場合の不起訴獲得に向けた弁護活動など,前科・犯罪歴に関する問題に対して具体的な対応が可能になります。当事務所では刑事事件に関するご相談を全国どこからでも無料でお受けしております。まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

