逮捕されたら会社に連絡はいく?【原則として連絡はされない】

逮捕されたとき、「警察から会社に連絡が行ってしまうのではないか」「会社にバレたら解雇されるのではないか」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

逮捕されても、警察が会社に連絡することは原則としてありません。ただし、会社に関連する事件や公務員の逮捕など、例外的に連絡されるケースも存在します。また、仮に会社に知られたとしても、逮捕されただけで直ちに解雇が認められるわけではありません。

この記事では、刑事事件に強い弁護士が以下の点について解説します。

  • 逮捕で警察から会社に連絡が行く5つのケース
  • 逮捕を理由とした解雇は認められるのか
  • 逮捕を会社に知られないためにすべき3つの対応

なお、逮捕による会社への影響を最小限に抑えたいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。

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逮捕されても原則として会社に連絡はされない

まず、警察に逮捕されたからといって、必ず警察が会社に連絡するわけではありません。

どんな罪を犯し、どんな罪で逮捕されたのかなどの情報は極めて秘匿性が高い情報です。逮捕されたとはいえ、プライバシーを保護される権利は被疑者にも保障されているわけですから、仮に警察が必要性も合理性もなく会社に連絡し、秘匿性が高い情報を会社に漏らしたとなれば、プライバシー権を侵害されたとして警察が被疑者から訴えられかねません。

警察がそうしたリスクを承知の上で、むやみやたらに会社に連絡することは考えられません。なお、逮捕されずに書類送検された場合の会社バレのリスクについては「書類送検は会社にバレる可能性は低い!万一バレたらクビ?弁護士が解説」で解説しています。

警察が会社に連絡するケースは?

もっとも、次のようなケースでは、例外的に、警察が会社に連絡することがあります。

会社関連の事件を起こした場合

まず、会社関連の事件を起こした場合です。

会社関連の事件とは、たとえば、

  • 会社のお金を横領した
  • 会社の物品を勝手に持ち帰った
  • 会社内で窃盗、暴行、盗撮などの事件を起こした

など、会社が被害者となる事件や会社内が犯行場所となるような事件のことです。

こうした事件では、事件の被害者・目撃者である経営者・社長、上司、同僚に対する事情聴取、会社内での実況見分などを行わざるを得ず、その前提として警察が会社に連絡することは避けられません。なお、警察が会社の捜索を行う場合は連絡せずにいきなり実行されるでしょう。

被疑者が突然いなくなると周囲が困る人の場合

被疑者が突然いなくなると周囲が困る立場の人についても、警察が会社に連絡することがあります。

たとえば、

  • 会社の経営者、社長
  • 会社の取締役
  • 医師
  • 学校の教員

などです。

こうした人を逮捕する場合は、警察があらかじめ関係者に逮捕の情報を伝えることがあります。なぜなら、突然、逮捕すると会社等の経営に大きな損害が生じ、事件に関係ない人にまで悪影響を及ぼしてしまう可能性があるからです。

もちろん、逮捕前に情報が外部に漏れると大変なことになりますから、警察は逮捕の秘密を守ってくれる相手だけを選び、内密に行動するよう誓約をとりつけた上で、逮捕の情報を伝えるようにしています。

被疑者の責任能力が疑われる場合

被疑者の責任能力に疑いがあるケースでも、警察が会社に連絡する場合があります。

事件の内容、犯行動機、被疑者の言動などから、捜査機関(警察・検察)が被疑者の責任能力があることに疑いを抱く場合は、捜査機関から会社に連絡がいくことが多いです。関係者から事情聴取するなどして被疑者の普段の勤務態度等を捜査し、特段問題がなければ責任能力があり、罪に問えるとの判断につなげることができるからです。なお、不起訴や無罪獲得、刑の軽減のために弁護士から会社に連絡をすることもあります。

重大事件で逮捕された場合

被疑者が、

  • 殺人
  • 放火
  • 強盗殺人

などの重大事件で逮捕された場合です。

重大事件では、被疑者の責任能力の有無が疑われることが比較的多く、捜査機関が被疑者の普段の勤務態度等を捜査するため、会社に連絡することがあります。

被疑者が公務員の場合

最後に、被疑者が公務員の場合です。

必ず連絡されるわけではありませんが、逮捕された場合、再犯の場合、重大事件を起こした場合などは職場に連絡されます。

微罪処分で会社に連絡されることはある?

微罪処分とは、ある一定の罪のうち特に軽微な在宅の事件について、警察官が検察官に事件を送致せずに、警察官の厳重注意や訓戒等で事件を終わらせてしまう処分のことです。

微罪処分となれば検察官に事件が送致されませんから、まず起訴されることはありません。起訴されなければ刑事裁判や拘禁刑、罰金などの刑罰を受けることもありません。

警察官が微罪処分とする際に、被疑者の生活を監督する身元引受人を立てるよう求められることがあります。通常、親や子供などの身内を立てることが多いですが、本人が希望する場合は会社の上司にお願いすることも可能です。ただ、警察から会社の上司にお願いすることはありません。本人が希望する場合も、本人が会社の上司に連絡してお願いするしかありません。

微罪処分の対象となる事件や具体的な基準については「微罪処分とは?要件・対象事件・デメリットと前歴がつくか解説」で詳しく解説しています。

逮捕されたら会社を解雇される?

会社員の方が逮捕された場合、気になることが「会社に解雇されてしまうのではないか?」ということではないでしょうか?では、逮捕されただけで会社に解雇されてしまうのでしょうか?

解雇するには就業規則に定めが必要

まず、そもそも会社員を解雇するには、会社の就業規則に「~の場合は解雇する」というように、解雇の条件と解雇する旨がはっきりと定められていなければなりません。

解雇されると収入を失い、生活に困る人が出てきます。そのような重大な処分である解雇について何の定めも設けなかったとすれば、会社経営者の都合で自由に会社員を解雇できることになってしまいます。しかし、これでは会社員は安心してその会社で働くことができません。そのため、解雇の定めは会社員が誰でも見ることができる就業規則にきちんと設けておかなければならないとされているのです。

解雇の条件

また、就業規則に解雇の条件と解雇する旨の定めが設けられているからといって、必ず解雇されるわけでもありません。

会社と会社員との間の労働契約について定める労働契約法の第16条には、解雇の理由に合理性がなく、解雇が社会通念上相当と認められない場合は、解雇は無効である旨の定めが設けられています。

つまり、会社が会社員を解雇するには、解雇が客観的にみて合理的な理由に基づくものであることと社会通念に照らして相当と認められることが必要というわけです。

逮捕を理由とした解雇は無効

では、逮捕を理由とした解雇は有効でしょうか?

この点、逮捕の段階では、その罪の犯人である「疑い」が生じただけで犯人であることが確定したわけではありません。つまり、逮捕後の捜査の結果、もしかしたら犯人ではないことが判明するかもしれないのです。

それにもかかわらず、逮捕されたことをもって会社員を解雇することはあまりにも合理性を欠く無効な解雇と言わざるをえません。

仮に、就業規則に「逮捕されたら解雇できる」旨の定めが設けられており、会社がその定めを根拠に解雇したとしても、そもそもその定め自体が無効であることから会社の解雇も無効ということになります。

なお、通常、会社は就業規則に「拘禁刑(あるいは罰金)以上の刑に処せられたとき(に解雇することができる)」などの定めを設けていることが多いですが、仮に拘禁刑以上の刑に処せられた場合でも、その解雇が社会通念に照らして相当といえなければ解雇は無効です。

※2025年6月1日施行の刑法改正により、従来の「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。

解雇が社会通念に照らして相当か否かは、犯罪事実の内容、情状、会社の種類・規模、会社員の前科・前歴、会社内での処分歴、会社内での地位・役割、影響力、職種などの諸要素を総合的に勘案して判断されることになります。逮捕後に早期の身柄解放を目指すための具体的な方法については「保釈と釈放の違いは?早期釈放のためにすべきこと」もあわせてご確認ください。

逮捕されたことを会社に知られないためには?

逮捕されたことを会社に知られないようにするためには、次の対応をとることが考えられます。

逮捕前に示談する

まず、被害者と示談できる事件であれば、逮捕される前に被害者と示談することです。

会社に事件のことがバレてしまう可能性が高いのは、逮捕されたときでしょう。報道はもちろん、会社を突然休むことによってものちのちバレてしまうことがあります。そのため、今の段階で逮捕されていないのであれば、逮捕される前に手を打っておくことが大切で、そのための手段の一つが被害者との示談交渉です。

被害者との示談交渉では、被害者に捜査機関へ被害届や告訴状を提出しないことに合意してもらうことが可能です。被害者と示談できれば、被害者が捜査機関に被害申告や告訴をせず、捜査機関に事件が発覚することを防ぐことができます。捜査機関に事件が発覚しなければ捜査機関に逮捕されず、よって、会社にバレることを防ぐことができます。示談の具体的なメリットや流れについては「刑事事件で示談するメリットは?示談金相場と流れを徹底解説」で詳しく紹介しています。

出頭する

逮捕前にとれるもう一つの対応として、捜査機関に出頭する方法があります。

逮捕されるのは罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあると判断されるからですが、出頭することで罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがないと判断され、逮捕の回避につなげることができます。

出頭と自首の違いについては「出頭と自首の違いとは」をご参照ください。

弁護士に相談する

そして、早い段階で弁護士に相談しておくことも欠かせません。

逮捕前に示談交渉、出頭するといっても個人の力ではやれることに限界があります。

事件の内容によっては、そもそも被害者が示談交渉に応じてくれない可能性もあります。仮に応じてくれたとしてもなかなか話がまとまらず、交渉は破談となることも考えられます。

また、出頭するといっても単に捜査機関に出向くだけでは不十分です。準備不足のまま出向くと反対に逮捕されてしまうことも考えられます。出頭前に十分な準備が必要です。

個人の力をカバーするには弁護士の力が必要不可欠です。弁護士であれば交渉に応じてもいいという被害者も多くいます。また、個人で交渉を行うよりも示談できる可能性ははるかに大きいです。出頭するにしても、弁護士のアドバイスを受けながら準備を進めることが効果的です。

逮捕はいつかわかりませんから、相談は早めに行いましょう。

逮捕が会社にバレることを防ぎたい方は弁護士にご相談ください

逮捕されても警察から会社に連絡されることは原則としてありませんが、会社関連の事件や公務員の逮捕など例外的に連絡されるケースがあります。また、仮に会社に知られたとしても、逮捕のみを理由とした解雇は法的に無効です。

会社に知られる前に事件を解決するためには、逮捕前の段階で被害者との示談交渉や捜査機関への出頭といった対応をとることが重要ですが、これらを個人で進めるのは容易ではありません。弁護士が介入することで示談がまとまる可能性は大きく高まり、出頭の際も適切な準備を整えた上で臨むことができます。

突然の逮捕によって仕事や生活が一変してしまうのではないかという不安は、精神的にも大きな負担となるものです。すでに警察から連絡が来ている方や、事件化する前に対処しておきたいとお考えの方は、一日でも早くご相談いただくことが重要です。

当事務所では、逮捕回避に向けた示談交渉や出頭への付き添いなど、会社バレを防ぐための弁護活動に注力しております。全国対応・無料相談を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

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メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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