
「風俗の面接や入店でお店に教えた個人情報が流出したり悪用されたりしないだろうか…」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。風俗で働くことはもちろん、面接に行った事実すら知られたくないという方にとって、個人情報の取り扱いは大きな不安材料です。
風俗店が女の子の個人情報を外部に流出させることは基本的にありません。入店時に氏名や住所を確認するのは、風営法で義務付けられた従業者名簿の作成や就業資格の確認のためです。ただし、退店を阻止するために「個人情報をバラす」と脅したり、辞めた後も店のサイトに写真を残し続けたりといった悪用が起きるケースはあります。
この記事では、風俗店とのトラブルを数多く扱ってきた弁護士が、次の点について解説します。
- お店が個人情報を確認する理由
- 渡した個人情報はどう管理されるのか
- 個人情報が外部に流出することはあるのか
- 脅しや写真の悪用にあった場合の対処法
なお、お店による個人情報の流出・悪用トラブルに早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご検討ください。
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入店する時に風俗店が女の子の個人情報を確認する理由は?
風俗店が女の子を雇用する際には、必ず、氏名・住所・生年月日・国籍を確認します。これは働く女の子を危険にさらすためではなく、法律上の義務と身バレ防止の配慮によるものです。順に見ていきましょう。
従業者名簿の作成等のため
風営法では、キャバクラなどの風俗営業や、ソープ・デリヘルなどの性風俗特殊営業を営む者に対し、営業所ごと(無店舗型のデリヘルなどでは事務所ごと)に、氏名・住所などを記載した従業者名簿(いわゆる従業員名簿)を備え付けることが義務付けられています(風営法36条)。警察の立ち入り等で違反が発覚すると、100万円以下の罰金に処せられます(同法54条3号)ので、氏名や住所の個人情報を確認するのです。
就業資格があるか確認するため
接客従業者(お客と接する業務に就く人)については、生年月日と国籍の確認、そして記録の作成・保存が風営法で義務付けられています。
18歳未満の女子や、日本で働くことに制限のある在留資格の外国籍の人(永住者・特別永住者・定住者・日本人の配偶者等といった、就労制限のない在留資格を持つ人は除きます)を雇ってお客との接客にあたらせると、ソープやデリヘルなどの性風俗特殊営業では、公安委員会から8か月以内の範囲で営業停止を命じられることがあります。
なお、接客にあたった者が18歳未満の女子であった場合には、オーナーや店長などが風営法や児童福祉法違反として逮捕されることもあります。
こういった事態を避けるために、風俗店では生年月日や国籍といった個人情報の確認も欠かせません。
顔写真付きの身分証を求められる理由は?
面接や入店の際に、パスポート、運転免許証、マイナンバーカードといった顔写真付きの身分証を持参するようにお店から言われます。
住民票や資格確認書(従来の健康保険証に代わる書類)といった顔写真が付いていない身分証明書だけだと入店させてくれない店がほとんどです。その理由を見ていきましょう。
じつは、顔写真付きの身分証で本人確認しなくてはならないという法律はありません。風営法が確認書類として定めているのは、本籍地の都道府県名が記載された住民票記載事項証明書やパスポートなどです(本籍地の記載がない運転免許証やマイナンバーカードは、それだけでは法律上の確認書類になりません)。つまり、顔写真付きの身分証を求めるのは、法律の要求というより、別人へのなりすましを防ぐための店側の自衛策です。
しかし、顔写真なしの身分証での入店を許してしまうと、例えば、17歳の女の子が19歳の姉の名義の書類(顔写真がありません)を借りて、姉を装って入店してくる恐れもあります。
もしその女の子が在籍して接客していることが警察に発覚すれば、「17歳だとは知らなかった。身分証では19歳だった」と反論しても、オーナーや店長が逮捕されることもあります。
風営法、児童福祉法において、年齢を知らないことを理由として処罰を免れることはできない(ただし過失のないときを除く)と規定されているからです。裏を返せば、顔写真付きの身分証できちんと確認していれば、過失がなかったと説明できる余地が生まれます。
こうした理由から、店としては顔写真付きの身分証で本人確認をせざるを得ないわけです。
身バレ対策をとりつつシフトを組むため
女の子が面接や入店をする時に、氏名・住所・生年月日・国籍・携帯番号・メルアド等の連絡先のほかに、実家住まいか一人暮らしか、交際相手はいるか、結婚しているか、子供はいるか、昼の本職はあるか、学校に通っているかなど様々な個人情報も聞かれます。
これは、もし女の子が入店した場合に、身バレしないように配慮しつつ、生活状況に合わせたシフトの組み立てを考える目的があるからです。
例えば、風俗嬢が実家暮らしであれば、深夜の帰宅になるシフトは避けるべきですし、交際相手がいるのであれば土日祝日は空けておいた方が無難でしょう。
また、デリヘルのような派遣型の風俗であれば、昼の職場や実家、彼氏の自宅付近などの近寄りたくないエリアをNGにすることで、女の子の知り合いに偶然出くわすリスクを減らすこともできます。身バレ対策の具体的な方法については「風俗嬢が身バレする理由と身バレ対策30選を弁護士が解説」で紹介しています。
風俗店は個人情報をどう管理しているの?
結論からいうと、不採用なら応募書類は処分されるのが通常で、採用されると法律に基づき退職後3年間まで店で保管されます。状況ごとに見ていきましょう。
面接したが不採用であった場合
面接の際に女の子が個人情報を記載した応募シートや履歴書については、不採用になった場合、通常は後で店側がシュレッド処分します。
ただし、「こちらでシュレッドしておきますね」という言葉だけでは不安な方は目の前で処分するのを確認させてもらうか、返却をお願いしましょう。
「あの店は面接で落としても応募用紙や履歴書の返却をしてくれない」と風俗嬢が情報交換する掲示板等に書き込まれて評判を落としては困るため普通は応じてくれます。
なお、応募シートにしても履歴書にしても、一度店に渡した書類の返却を店に義務付ける法律の規定はありません。つまり、返却やシュレッドをしてくれないからといって、それだけで違法にはなりませんのでその点は注意が必要です。
ただし、目的外の利用や不適正な取得があった場合など一定のときには、お店が持っている自分の個人データについて、利用の停止や消去を請求できると定められています(個人情報保護法35条)。紙そのものを取り戻せなくても、そこに書かれた個人情報の扱いについては別に問題にできる場合があるということです。
採用された場合
風営法という法律で、従業者名簿と、年齢や国籍等の確認を行った際の身分証のコピーという個人情報を保管する義務が店には課せられています。
この保管場所については、営業所ごと(無店舗型では事務所ごと)と定められているため、風俗のチェーン店であったとしても本社で一括管理するのではなく、それぞれの店で保管されています。
従業者名簿や身分証のコピーは、営業所や事務所のパソコンですぐに表示できる状態が整っていれば、紙ではなくデジタルデータで保存することも法律上許されています(風営法施行規則)。
まともな店であれば、紙であれば鍵付きロッカーや書庫等に保管し、スキャン画像等のデジタルデータはパスワードロックのかかったPC等に保存されており、店長やマネージャークラスでないと見られないようにしています。
退店した場合
勤務していた風俗店を辞めた場合、できることなら「風俗で働いていた痕跡」をできるだけ抹消したいと思う女性が多いはずです。
しかし、法律上は、従業者名簿や身分証のコピーについては紙であるかデジタルデータであるかに関わらず、退職日から3年間は営業所や事務所で保管することが義務付けられています(風営法施行規則106条・108条)。
また、従業者名簿や身分証のコピーといった個人情報についても、履歴書や応募シートと同様に返却を義務付ける規定はなく、3年経過したら返却・削除を必ずしてもらえる保証はありません。保管期間が過ぎた後も情報が残っていることが不安な場合は、店に削除を求め、応じてもらえないときは弁護士に相談してみてください。
風俗店が個人情報を流出させることはある?
個人情報の流出というと、個人情報買取業者に売却することを想像すると思いますが、風俗ではまず考えにくいでしょう。
数十人程度の風俗嬢の個人情報を売ったところで、店に入る利益はごくわずかです。
また、個人情報保護法により、店の経営者や従業者(辞めた後の元従業者も含みます)が、業務で取り扱った個人情報のデータベースを、不正な利益を得るために第三者に提供したり盗用したりした場合、データベース提供罪として、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で処罰されます(個人情報保護法179条)。
※2025年6月1日施行の改正刑法により、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。この記事では現行法に基づき「拘禁刑」と表記しています。
しかも、もし個人情報が売られ、現在在籍している、または過去に在籍していた風俗嬢に怪しげな電話等が来るようになれば、SNSや掲示板でその噂はすぐに広まります。
微々たる利益のために逮捕され、悪い評判により今後女の子が応募してこないリスクを冒すことはまずあり得ないでしょう。
風俗嬢の個人情報が悪用されるケースは?
風俗店が風俗嬢の個人情報を悪用するケースは主に2つあります。
脅して店に引き留めておく
ズバリ、風俗嬢がお店を辞めようとしたときに、店の社長や店長、人事担当者が悪用します。
風俗嬢が店から個人情報を悪用されて悩んでいる書き込みが相談サイトに多く寄せられていますので、ここで一例を紹介しましょう。
先日、風俗店(デリヘル)を即日で辞めたいと申し出たら、1か月前に言わなきゃいけないルールがあるから無理だと言われ さらに今辞めるなら各所で私が働いていたことをばらす、と強い口調で脅されました。
もちろんすべての店がこのような卑劣な引き止めをするわけではないにせよ、ネットで出回っている相談事例は「氷山の一角」と考えた方が良いでしょう。
店は風俗嬢の様々な個人情報を握っています。風俗嬢に辞められて売上げが下がるのを阻止するために、事例のような脅しに出ることがあります。
勤め先を知られたくないという弱みにつけ込んで「バラす」と告げ、退店を思いとどまらせようとする言動は、脅迫罪や強要罪にあたる可能性があります。相手が店の社長や店長であっても変わりはありません。
そのため、こうした言葉をかけられても、その場で退店の条件をのむ必要はありません。まずは、言われた内容をメッセージのスクリーンショットや、日時と発言を書き留めたメモとして残しておきましょう。後になって「そんなことは言っていない」と言われたときに、経緯を示す材料になります。
そのうえで、自分だけで話を進めるのが難しいと感じたら、早い段階で弁護士に相談してください。
なお、「1か月前に言わなければ辞められない」といった店の独自ルールがあっても、法律上、辞める自由そのものが奪われるわけではありません。被害にあった時の対処法については「風俗を辞めたいのに辞めさせてくれない!安全に退店する方法と対処法」で詳しく解説しています。
辞めた後も店のサイトに写真が残り続ける
退職したのに店のホームページから写真を消してくれない、あるいは勝手に使われているというトラブルも後を絶ちません。一例を実際に見てみましょう。
退店済みの風俗店がホームページの写真を消してくれません。
退店から四年近くたちます。
昨年一度メールで写真を消すようにお願いしたところ、一度消してくれたのですが、数ヶ月後に源氏名を変えてまた同じ写真が掲載されていました。
写真を完全に消してもらうにはどうしたらいいですか?
個人情報保護法では、写真であっても、本人が特定できるものであれば個人情報にあたるとされています。
しかし、風俗嬢が多く在籍していると見せかけるために、辞めていった女の子の写真をホームページや風俗情報サイトに掲載したままにする店も少なくありません。
なかには、退店した女の子の写真を別の在籍者のものとして載せ続ける店もあります。本人の同意なく写真を使い続ける行為は、肖像権やプライバシーの侵害として損害賠償請求の対象になる可能性があります。
このようなときは、まず掲載されているページのURLと確認した日付をスクリーンショットで記録してください。そのうえで、削除の依頼はメールなど後からやり取りを確認できる方法で行いましょう。電話だけで伝えると、依頼した事実そのものが残らないためです。
それでも応じてもらえない場合や、一度消えた写真が再び掲載された場合は、悪質性が高いといえますので、弁護士の名義で写真の削除と損害賠償を求めることを検討してください。
風俗店での個人情報の悪用でお悩みの方は弁護士にご相談ください
風俗店に渡した個人情報が外部へ流出するリスクは、決して高いものではありません。ただし、辞めさせないための脅しや、退店後も写真が残されたままになるという形での悪用は、現実に起きています。
個人で店と向き合い続けると、やり取りが長引くほど精神的な負担が重くなっていきます。弁護士が代理人として窓口になれば、店側とのやり取りはすべて弁護士が引き受けますので、ご自身で直接応対する必要はなくなります。
店から言われた言葉が頭から離れない、何度お願いしても写真を消してもらえない。そうした状態が続いているなら、個人情報を悪用されたまま我慢を重ねる必要はありません。
当事務所は風俗トラブルの解決に豊富な実績があり、穏便かつ内密な対応を得意としております。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、お困りの方はお気軽にご連絡ください。
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この記事の監修者
風俗トラブルの解決に豊富な実績を持つ。本番行為や盗撮を理由とした高額な罰金請求、風俗店からの脅迫・恐喝被害など、他人に相談しにくいトラブルに数多く対応。「家族や職場に絶対に知られたくない」という依頼者の事情を最優先に、迅速かつ穏便な解決を心がけている。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会 代表理事。

