
迷惑防止条例が禁止する「卑猥な言動」は、痴漢や盗撮に該当しない行為であっても刑事罰の対象となります。有罪判決を受ければ、たとえ罰金刑であっても前科がつき、職業制限や実名報道といった深刻な不利益を被るおそれがあります。
「悪ふざけのつもりだったが犯罪になるのか」「被害届を出すと言われてしまった」「警察から連絡が来たがどうすればいいか分からない」。こうした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、迷惑防止条例違反の弁護実績が豊富な弁護士が、次の点についてわかりやすく解説します。
- 卑猥な言動に該当する行為と罰則
- 実際に逮捕された事例と裁判所の判断基準
- 逮捕・前科がもたらすリスク
- 弁護士への早期相談で得られる結果
なお、卑猥な言動についてお悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。早期対応が結果を左右します。
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迷惑防止条例違反の「卑猥な言動」とは?
迷惑防止条例は各都道府県が独自に制定しており、痴漢や盗撮といった典型的な性犯罪だけでなく、「卑猥な言動」も処罰の対象としています。ここでは、迷惑防止条例の概要と、卑猥な言動に該当する具体的な行為について解説します。
迷惑防止条例違反とは
迷惑防止条例違反とは、各都道府県が市民の安全で平穏な生活を守るために独自に制定している「迷惑防止条例」に抵触する行為を指します。正式名称は自治体ごとに異なりますが、多くは「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」といった名称で運用されています。
この条例の目的は、刑法などの法律だけではカバーしきれない、現代社会における多様な迷惑行為を規制することにあります。代表的な取り締まり対象には、痴漢や盗撮、つきまとい(ストーカー類似行為)、強引な客引き、ダフ屋行為などが含まれます。
条例はあくまで各自治体が定めるルールであるため、禁止される具体的な行為や罰則の内容は地域によって若干の差異があります。しかし、公共の場において他人に羞恥心や不安を抱かせる行為を禁ずるという基本的な枠組みは、全国共通の考え方となっています。
これらの規定に違反し、悪質であると判断された場合には、警察に逮捕されたり、刑事罰を科されたりするリスクがあるため、決して軽視できるものではありません。刑事事件として捜査が開始されれば、日常生活に多大な影響が及びます。
卑猥な言動(卑わいな言動)とは?具体例を紹介
「卑猥な言動」とは、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言葉や動作のことを指します。法令上は「卑わいな言動」と表記されますが、意味は同じです。
迷惑防止条例では、典型的な「痴漢(身体への接触)」や「盗撮(下着等の撮影)」には至らないものの、被害者に著しい羞恥心を与えたり、精神的な不安を覚えさせたりする性的な嫌がらせを、この「卑猥な言動」として処罰の対象にしています。
たとえば東京都の迷惑防止条例では、「卑猥な言動」の禁止を以下のように定めています。
第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
二 (略)通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し(略)すること。
三 前二号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。
出典:東京都例規集データベース
1号が「痴漢(身体への接触)」、2号が「盗撮(下着等の撮影)」を規制しており、3号がそれ以外の「卑猥な言動」を包括的に処罰する規定です。ポイントとなるのは、行為が行われた場所が「公共の場所」や「公共の乗物」であることです。道端や駅構内、電車内、さらには不特定多数が出入りする店舗などで、正当な理由なく、相手の意思に反して性的な不快感を与える行為は、「卑猥な言動」に該当する可能性があります。
近年では、直接身体に触れない「触らない痴漢」(至近距離でのにおい嗅ぎ、執拗な凝視など)も3号の「卑わいな言動」として摘発されるケースが増えています。このように痴漢と卑猥な言動の区別は曖昧になりやすいため、両者の違いについては「痴漢は不同意わいせつ?迷惑防止条例違反?両罪の違いを解説」もあわせてご確認ください。
具体的には、以下のような行為が「卑猥な言動」として迷惑防止条例違反となる可能性があります。
- 道行く女性に対して「パンツを売ってほしい」と執拗に声をかける
- 駅のホームなどで「下着の写真を見せて」と要求をする
- 公共の場で自分の股間を触りながら、卑わいな言葉を投げかける
- スマートフォンなどの画像共有機能(AirDropなど)を使い、見知らぬ他人に卑わいな画像を送りつける(いわゆるエアドロップ痴漢)
- 他人のスカートをめくる、または衣服を引っ張るなどのいたずらをする
- 満員電車内などで被害者のすぐ近くに寄り添い、執拗に体のにおいを嗅ぐ
- お店の店員や窓口係などに無理やり性的な内容の発言を復唱させるよう強要する
- スリーサイズや着用している下着の色など、プライバシーに踏み込む性的な質問を繰り返す
- 卑わいな内容を記した手紙やメモ書きを、公共の場で相手のポケットやカバンに差し入れる
- 「衣服の上から」の盗撮(撮影罪の対象外となる、全身や背後からの執拗な撮影など)
- 卑わいな動画や画像を、相手に強制的に見せつける など
なお、衣服の上からの撮影は撮影罪(性的姿態撮影等処罰法)の対象外となることが多いですが、下着や身体を撮影した場合は撮影罪が成立します。撮影罪と迷惑防止条例違反の違いについては「撮影罪とは?該当する行為や条例違反との違いをわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
迷惑防止条例違反「卑猥な言動」の罰則
迷惑防止条例違反の「卑猥な言動」に対して科される罰則は、各都道府県の条例によって異なります。行為が行われた場所(自治体)ごとに法定刑の上限が違うため、注意が必要です。
※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。
一般的には、初犯(初めての違反)であれば「6ヶ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」程度とされている自治体が多いですが、より厳しい罰則を設けている地域もあります。
例えば、東京都や埼玉県では「6ヶ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」とされていますが、神奈川県では「1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」と、上限がより高く設定されています。
さらに、過去に同様の行為を繰り返している「常習」と判断された場合は刑が加重されます。東京都の条例では「1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」、神奈川県の条例では「2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」にまで上がります。
卑猥な言動は、あくまで「条例」による規制ではありますが、科されるのは行政罰ではなく「刑事罰」です。
そのため、有罪判決が確定すれば、たとえ罰金刑であっても前科がつくことになります。実務上、初犯で悪質性が低い場合は略式起訴により罰金刑で処理されることもありますが、略式起訴であっても有罪判決であることに変わりはなく、前科として記録されます。略式起訴の手続きや罰金相場については「略式起訴とは?手続きの流れ・罰金相場・前科がつくかを解説」で詳しく解説しています。さらに、相手が18歳未満の児童であったり、行為の内容がより悪質であったりする場合には、青少年健全育成条例違反や、より重い刑法上の罪に問われる可能性も排除できません。
卑猥な言動の逮捕事例
「卑猥な言動」として実際に逮捕されるのは、どのようなケースなのでしょうか。卑猥な言動による逮捕は、行為の現場で取り押さえられる現行犯逮捕だけでなく、防犯カメラ映像や被害届をもとに後日逮捕されるケースも少なくありません。ここでは、報道された実際の逮捕事例を紹介します。直接的な身体接触がなくても逮捕に至るケースがあることを理解しておきましょう。
女児に「パンツ撮らせて」と要求し下半身を露出した事例
広島市内の駐車場等で、10歳未満の女児3名に対し「パンツを撮らせて」と声をかけ、自身の下半身を露出した男が、県迷惑防止条例違反(卑わいな言動)と公然わいせつの容疑で逮捕されたケースです。
男は女児らにタブレット端末でわいせつな動画を見せるなどの卑猥な言動も行っていました。女児の親が届け出たことで事件が発覚しましたが、この男は以前にも別の児童に対するわいせつ容疑で逮捕歴がありました。
この事案は、子供を標的にした悪質な性的嫌がらせとして厳しく対処されたケースです(2024年12月 RCC中国放送等の報道による)。
路上に卑わいなアニメキャラの抱き枕カバーを設置した事例
広島県福山市では、路上に卑わいな格好をしたアニメキャラクターがプリントされた抱き枕カバーなどを複数回にわたり設置した男が逮捕されています。
直接的な言葉による勧誘や身体接触がないケースでも、公共の場所に性的な羞恥心を煽る物品を放置する行為は、一般人の立場から見て「卑猥な言動(動作)」に該当し得ます。
防犯カメラの映像などから犯人が特定されており、地域の平穏を乱す行為として処罰の対象となりました。
参考:路上に卑わいな格好のアニメキャラ抱き枕カバー 県迷惑防止条例違反疑いで男を逮捕 広島県警福山西署など | 中国新聞デジタル
女子高校生に対し「性欲処理したい」と執拗に声をかけた事例
路上で女子高校生に対し、約500メートルにわたってつきまとい「ハグさせて」、「性欲処理したい」などと卑わいな言葉を投げかけた相模原市職員の男が逮捕された事例もあります。
被害者は数日前にも同じ男から声をかけられており、警察へ相談していたことで逮捕に至りました。相手が拒絶しているにもかかわらず、公共の場で性的な欲求を露骨にぶつける発言は、卑猥な言動に該当します。
参考:卑猥な言動で相模原市職員逮捕 相模原署 | 社会 | カナロコ by 神奈川新聞
卑猥な言動の判例
「卑猥な言動」に該当するかどうかは、最終的には裁判所の判断に委ねられます。以下では、迷惑防止条例違反の「卑猥な言動」が争点となった代表的な裁判例と、裁判所が示した判断基準を確認します。
エスカレーターで女性の大腿部を執拗に動画撮影した事例
これは、被告人が地下鉄駅構内において、先行する女性の背後から、ショートパンツの裾から露出していた大腿部(膝裏付近)をスマートフォンで動画撮影した事案です。
被害者はショートパンツを着用しており、撮影されたのは衣服の外に露出している部分でした。弁護側は「露出している部位を撮影しただけであり卑猥な言動には当たらない」と主張しました。
しかし、東京高等裁判所は、ショートパンツから露出している部位の動画撮影であっても、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな動作であり、被害者と同様の立場に置かれた人を著しく羞恥させ、かつ不安を覚えさせるような行為であると判示し、東京都迷惑防止条例違反の成立を認めました(東京高等裁判所令和5年7月11日判決)。
店舗内で女性のスカートに向けカメラを構えた事例
これは、被告人が、開店中の店舗において膝上丈のスカートを着用した女性客Aに背後から至近距離まで近づき、前かがみになった女性の下半身に向けて小型カメラを構えるなどした事案です。
弁護側は、盗撮を目的としてカメラを向ける行為を規制する条例規定の「差し向け」にまで至らない予備的な行為を、別の規定である「卑猥な言動」として処罰することは許されないと主張しました。
しかし最高裁判所は、「このような被告人の行為は、Aの立場にある人を著しく羞恥させ、かつ、その人に不安を覚えさせるような行為であって、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな動作といえるから、・・・「人を著しく羞恥させ、人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たるというべきである」と判断しました。
撮影に至る前段階であっても、その動作自体が「卑猥な言動」に該当すると認め、第二審(東京高裁)の有罪判決を支持して上告を棄却しました(最高裁判所令和4年12月5日決定)。
ショッピングセンターでズボン越しに女性の臀部を撮影した事例
旭川市内のショッピングセンターで、被告人が細身のズボンを着用した女性客の後方を約5分間・約40メートルにわたって追尾し、携帯電話のカメラで臀部付近を約11回にわたり撮影した事案です(最高裁判所平成20年11月10日決定)。
撮影は衣服の上からであり、下着が映り込んでいたわけではありません。弁護側は「被害者がこの撮影に気づいていないため、羞恥心や不安を覚えさせたとはいえない」と主張しました。
最高裁判所は、被害者が撮影に気づいていなかったとしても、このような行為は客観的に見て性的道義観念に反する下品でみだらな動作であり、「これを知ったときに被害者を著しくしゅう恥させ、不安を覚えさせるものといえる」として、「卑わいな言動」に該当すると判断しました。この判決は、「卑わいな言動」の定義を最高裁として初めて明確に示した重要な先例です。
迷惑防止条例違反の卑猥な言動で逮捕・前科がつくリスク
もし卑猥な言動で逮捕されれば、身柄拘束や前科にとどまらず、仕事や家庭にまで影響が波及します。想定される主なリスクは次のとおりです。
- ①警察署の留置場に身柄を拘束される
- ②勤務先からの解雇や学校を退学になる恐れ
- ③実名報道により私生活が破綻するリスク
- ④起訴されて有罪になれば前科がつく
- ⑤離婚や親権争いで不利になる可能性
①警察署の留置場に身柄を拘束される
逮捕されると、警察署内の留置場に身柄を拘束されます。逮捕から勾留決定までの最大72時間は、弁護士以外との面会は認められておらず、たとえ家族であっても会うことはできません。
外界から隔離された過酷な環境での生活は、心身に多大なストレスを与えます。厳しい取り調べが連日続く中で孤独感や不安が強まり、自分に不利な供述をしてしまいやすくなるという深刻なリスクも伴います。
②勤務先からの解雇や学校を退学になる恐れ
逮捕に引き続き勾留が決定すれば、最大で23日間もの身体拘束を受けるおそれがあります。
これほどの期間、無断欠勤や欠席が続けば、勤務先や学校に事件の存在を隠し通すことは難しくなります。
多くの企業の就業規則には、有罪判決や会社の名誉毀損・信用毀損を理由とした懲戒解雇を定めています。学生の場合も学則に基づく退学処分を受ける可能性が高く、これまでのキャリアや学業が一瞬にして途絶えてしまうことになりかねません。
③実名報道により私生活が破綻するリスク
卑猥な言動の内容が悪質な場合や公共性が高い場合、また被疑者の社会的地位が高い場合には、新聞やテレビ、インターネット上で実名報道されるリスクも否定できません。
一度インターネットに名前が掲載されると、いわゆる「デジタル・タトゥー」として半永久的に残り続けます。知人や近隣住民に事件を知られるだけでなく、家族も厳しい好奇の目にさらされることになります。
平穏な生活を維持できなくなり、引越しや転校を余儀なくされるケースも少なくありません。
④起訴されて有罪になれば前科がつく
刑事事件として起訴され、たとえ罰金刑であっても、裁判で有罪判決が確定すると「前科」が残ることになります。前科がつくことによるデメリットは極めて多岐にわたります。
まず、職業上の制限です。弁護士や司法書士などの士業、公務員、医師、警備員といった特定の職業には資格制限が設けられており、前科によって免許の取り消しや就職資格の喪失を招きます。
パスポートの申請や海外渡航の際のビザ取得に制限がかかる場合もあり、仕事やプライベートでの活動範囲が著しく狭まってしまいます。
将来もし別のトラブルを起こしてしまった際、前科があることで「再犯」とみなされ、より重い刑事処分を受けることにもなりかねません。
このように、一度の前科は社会的な信用を失墜させ、その後の人生設計を根本から狂わせる大きな足かせとなるのです。
⑤離婚や親権争いで不利になる可能性
逮捕や前科の事実は、家族関係に決定的な亀裂を生じさせます。
離婚を求められた際、配偶者が卑猥な言動で逮捕・有罪となった事実は、「婚姻を継続し難い重大な事由」として法定離婚事由に該当するとみなされる可能性があります。法定離婚事由が認められると裁判上の離婚が成立するため、たとえ本人が拒否したとしても離婚が成立してしまいます。
また、子供がいる場合は親権争いにおいても、前科・前歴があることが「教育環境にふさわしくない」と判断される材料になり、親権を失うリスクが高まります。
迷惑防止条例違反の卑猥な言動をした場合に弁護士に相談するメリット
卑猥な言動をしてしまったら、できるだけ早く弁護士に相談すべきです。早い段階での対応が、逮捕の回避や不起訴処分の獲得につながります。弁護士に相談・依頼する主なメリットは以下のとおりです。
- ①早期釈放を目指して弁護してくれる
- ②解雇や退学を回避できる可能性がある
- ③示談交渉によって起訴を回避できる可能性がある
- ④冤罪の場合には不起訴・無罪を獲得できる可能性がある
- ⑤逮捕前の段階でも今後の対応についてアドバイスを受けられる
①早期釈放を目指して弁護してくれる
逮捕に引き続き勾留が決定されると、最長で23日間にわたって身柄を拘束される可能性があります。
この間は外部との連絡が制限されますが、弁護士であれば逮捕直後から回数制限なく接見(面会)が可能です。弁護士は、本人が深く反省していることや証拠隠滅の恐れがないことを検察官や裁判官に強く主張し、勾留を阻止するための活動を行います。
逮捕から勾留決定までの「最初の72時間」に迅速に介入することで、早期釈放の可能性を最大限に高めることができます。精神的な負担や周囲に事件を知られるリスクを最小限に抑えることが期待できます。
②解雇や退学を回避できる可能性がある
長期間の身柄拘束は、職場での無断欠勤や学校の欠席に直結し、結果として解雇や退学処分を招く最大の要因となります。
弁護士が介入して早期の身柄解放を実現できれば、周囲に知られることなく社会復帰できる可能性が残ります。また、身体拘束が継続する場合にも、休業や有給取得、休学など適切な対処を行うことで、迅速な社会復帰が可能になる場合があります。
弁護士との接見を通じて家族に連絡を取ってもらい、雇用の継続や通学の権利を守るための手続きを進められることは大きなメリットといえます。
③示談交渉によって起訴を回避できる可能性がある
性犯罪に関連する「卑猥な言動」において、不起訴処分(前科をつけない解決)を得るために非常に重要となるのが被害者との示談成立です。
しかし、犯罪の加害者が被害者に直接連絡を取ることはできません。特に、性犯罪の場合には、PTSDなどの二次被害の危険性にも十分配慮する必要があります。
弁護士であれば、捜査機関を通じて適切な方法で被害者に連絡を取り、誠実な謝罪と賠償の意向を伝えられます。専門家が代理人として中立な立場で交渉することで、被害者も冷静に対話に応じやすくなり、示談ができる可能性が高まります。適切な謝罪と賠償により、示談の条件として刑事処罰を求めないという「宥恕(ゆうじょ)」を得られることも期待できます。
④冤罪の場合には不起訴・無罪を獲得できる可能性がある
卑猥な言動や痴漢の容疑は、密室や混雑した場所で発生しやすいため、目撃証言の誤解や被害者の思い込みによる冤罪が生じることがあります。
一度疑いをかけられると個人で無実を証明するのは極めて困難です。弁護士に相談していれば、取調べに同行し、不利な供述を避けるためのアドバイスを受けられます。また、防犯カメラ映像の解析や現場の状況確認、被害者供述の矛盾点の指摘など、客観的な証拠を収集して無実を立証するための防御活動を展開します。
捜査機関の行き過ぎた取り調べに対しても毅然と抗議し、不当な処罰を回避するために尽力します。
⑤逮捕前の段階でも今後の対応についてアドバイスを受けられる
まだ逮捕されていない段階であっても、弁護士に早期に相談しておくことで、今後の展開を見据えた具体的な対応策を立てられます。
たとえば、警察から任意の事情聴取を求められた場合にどのように受け答えすべきか、供述の方針を事前に固めておくことは非常に重要です。取調べで曖昧な回答や不用意な発言をしてしまうと、意図しない形で不利な証拠として記録されてしまうリスクがあります。弁護士が早期に介入することで、逮捕を回避して在宅事件として処理されるケースもあります。
自首すべきかどうかの判断も、事件の状況によって大きく異なります。自首が成立すれば刑の減軽事由となり得ますが、タイミングや方法を誤れば逆効果になることもあるため、弁護士の助言を受けた上で判断することが賢明です。
迷惑防止条例違反の卑猥な言動に関するよくある質問
時効は何年?
迷惑防止条例違反の「卑猥な言動」の公訴時効は3年です。公訴時効とは、犯罪行為が終わった時点から一定期間が経過すると検察官が起訴できなくなる制度で、迷惑防止条例違反は「長期5年未満の拘禁刑に当たる罪」に該当するため、刑事訴訟法第250条第2項第6号により3年と定められています。
ただし、行為態様が悪質と判断された場合、不同意わいせつ罪(公訴時効12年)など、より重い罪で立件される可能性もあります。「3年経ったから安心」とは限らないため、心当たりがある場合は早めに弁護士へ相談し、状況を正確に把握しておくことが大切です。
被害届を取り下げてもらえば起訴されない?
迷惑防止条例違反は「非親告罪」です。親告罪であれば被害者の告訴がなければ起訴できませんが、非親告罪である迷惑防止条例違反の場合、被害届が取り下げられたとしても、検察官の判断で起訴される可能性が残ります。
とはいえ、被害者との示談が成立し、被害届の取り下げや宥恕(加害者を許すという意思表示)を得られれば、検察官が起訴・不起訴を判断する際に有利な材料となります。実務上は、示談の成立が不起訴処分につながるケースも少なくありません。被害者対応を適切に進めるためにも、弁護士への早期相談が重要です。非親告罪における示談の効果については「痴漢は親告罪ではない!非親告罪でも示談で不起訴を目指すには?」でも詳しく解説しています。
罰金はいくら?
法定刑の上限は自治体によって異なりますが、多くの場合は「50万円以下の罰金」です。実務上、初犯で被害者との示談が成立しているケースでは、罰金20万円〜30万円程度で処理される傾向にあります。ただし、常習性や行為の悪質性が認められた場合は罰金額が上がるだけでなく、拘禁刑が科される可能性もあるため、金額だけで軽く考えるのは危険です。
後日逮捕されることはある?
あります。現行犯でなくても、捜査の結果として後日逮捕(通常逮捕)に至るケースは珍しくありません。特に、同じ場所で繰り返し同様の行為を行っている場合や、被害者が複数いる場合は、後日逮捕のリスクが高まります。公訴時効は3年なので、行為から時間が経っていても安心はできません。
迷惑防止条例違反の卑猥な言動でお困りの方はすぐにご相談ください
「卑猥な言動」は、痴漢や盗撮と比べて軽く考えられがちですが、逮捕・起訴されれば前科がつき、職場や家庭に取り返しのつかない影響を及ぼします。
被害者との示談交渉を通じて不起訴処分を目指すにしても、冤罪を主張するにしても、対応が早いほど選択肢は広がります。「被害届を出すと言われた」「警察から呼び出しを受けた」など、すでに状況が動き始めている方にとっては、今この瞬間の判断が今後の結果を大きく左右します。
当事務所では、迷惑防止条例違反を含む刑事事件を数多く取り扱っており、依頼者の不利益を最小限に抑えるため弁護士が迅速に動きます。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、まずはお気軽にご連絡ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

