不法侵入者を殴るのは正当防衛?逃走阻止のために殴った場合は?

自宅に不法侵入者が入ってきたとき、身を守るためにとっさに殴ってしまったという方もいるのではないでしょうか。「正当防衛が認められるのか、それとも暴行罪や傷害罪に問われてしまうのか」と不安を感じるのは当然のことです。

不法侵入者に対する防衛行為は、侵害の急迫性や反撃の相当性といった要件を満たせば正当防衛として認められる可能性があります。一方で、行き過ぎた反撃は過剰防衛となり、すでに逃走を始めた犯人を殴った場合には正当防衛自体が成立しないおそれもあります。

この記事では、不法侵入者を殴った場合に正当防衛が認められるケースと認められないケースについて、刑事事件に強い弁護士がわかりやすく解説します。

なお、不法侵入者を殴ってしまい罪に問われるおそれがある方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。

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不法侵入者を殴るのは正当防衛になる?

正当防衛とは、急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するためにやむを得ずにした防衛行為のことで、仮に正当防衛にあたると評価される場合には、その防衛行為は違法ではなくなり、犯罪は成立しません。

では、不法侵入者を殴る行為は正当防衛にあたると評価され、暴行罪(あるいは不法侵入者に怪我をさせたときは傷害罪)が成立しないのかですが、まず、不法侵入者があなたに向かって何か危害を加えようとしてきたときは、あなたは自分の生命、身体を守るために不法侵入者を殴るという行為に出たわけですから正当防衛にあたると評価される可能性はあります。あなたの家に立ち入ってきた不法侵入者を殴って追い払う行為についても、住居権を守るための行為として同様に正当防衛の成立が認められ得ます。

また、正当防衛は他人の権利を防衛するために防衛行為を行った場合にも成立しますから、たとえば、不法侵入者が他人の家の庭に柵を乗り越えて立ち入ろうとしているところ、それを見かけた通行人が不法侵入者を殴って立ち入りを阻止する行為にも、正当防衛が成立する余地があります。

ただし、防衛行為が正当防衛にあたると評価される場合であっても、その防衛行為が「やむを得ずにした」行為であったかどうかが検討されなければいけません。この要件を満たすと評価される場合には正当防衛が成立し、満たさないと評価される場合には過剰防衛が成立します。正当防衛が成立する場合には犯罪自体が成立しませんが、過剰防衛が成立する場合には犯罪自体は成立した上で、刑が減軽されたり、免除されることがあります(減軽・免除されないこともあります)。

やむを得ずにした防衛行為とは、侵害の程度に照らして行為が相当であった場合をいいます。したがって、不法侵入者の住居等への立ち入りに対して、執拗に殴り続けて反撃した場合(いわゆる「ボコボコに殴った」場合)はやむを得ずにした行為とはいえないとして過剰防衛が成立する可能性があります。

正当防衛について詳しくは、正当防衛はどこからどこまで?成立要件と過剰防衛との違いを解説をご覧になってください。

不法侵入者が逃げるのを阻止するために殴った場合は?

例えば、窃盗目的で他人の住居に立ち入った犯人が逃走を図ったため、取り押さえるために家人が犯人を殴った場合に正当防衛は成立するのでしょうか。

前述の通り、正当防衛とは、急迫不正の侵害に対して自己又は他人の権利を防衛するためにやむを得ずにした防衛行為のことをいいます。急迫不正の侵害とは、他人の違法な行為により、今まさに守られるべき法益が侵害されているか、その状況が目前に差し迫っている状態を指します。

今回のケースで、住居侵入行為が一旦終了している中で、単に犯人が逃走しようとするのを阻止するために殴ったのであれば、急迫性の要件を欠くとして正当防衛の成立が否定される可能性はあるでしょう。

もっとも、犯人が逃走するために積極的に攻撃してきた場合には急迫性が認められる可能性もあります。その場合も、殴る行為が防衛手段として相当であったか(必要最小限であったか)を検討する必要があります。

なお、刑事訴訟法第213条では私人(一般人)による現行犯逮捕(私人逮捕)が認められており、その状況からみて社会通念上逮捕に必要かつ相当と認められる限度内であれば、逮捕のための実力行使も正当行為として違法性が阻却されることになります(刑法第35条)。

このように不法侵入者を現行犯逮捕するために殴る行為が「必要かつ相当」かどうかは、犯人の抵抗の程度、体格差、周りの状況など様々な要素を総合的に考慮した上で判断されます。私人逮捕が認められる具体的な要件については「私人逮捕とは?逮捕できる要件と事例、取り押さえはどこまで許されるか解説」で詳しく解説しています。

不法侵入者を殴ってしまいお困りの方は弁護士にご相談ください

不法侵入者を殴る行為が正当防衛として認められるかどうかは、侵害の急迫性や防衛行為の相当性など、その場の具体的な状況によって判断が分かれます。逃走中の犯人を取り押さえるために殴った場合には、正当防衛ではなく私人逮捕の適法性として検討されることもあり、法的な判断は一層複雑になります。

こうした判断を適切に行い、暴行罪や傷害罪の成立を回避するためには、刑事事件の経験が豊富な弁護士のサポートが重要です。弁護士に早い段階で相談することで、取調べへの対応や被害者との示談交渉など、事件の早期解決に向けた対策を講じることができます。

不法侵入者を殴ってしまい、警察から連絡が来ている方や、すでに暴行・傷害の罪で取調べを受けている方は、おひとりで悩まず弁護士に相談されることをおすすめします。

当事務所は刑事弁護に注力しており、正当防衛が問題となる事案についても解決実績がございます。全国どこからでもご利用いただける無料相談を実施しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

逮捕回避・早期釈放 不起訴獲得 示談交渉 痴漢・盗撮 性犯罪 暴行・傷害
メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
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