
「慰謝料は自分が払う」「代わりに払ってもらえないか」。不倫の慰謝料の肩代わりをめぐって、こうした言葉が出てくる場面は珍しくありません。
結論からお伝えすると、不倫をした2人の間で決めた肩代わりは法的に有効です。立場が違えば見え方は正反対ですが、法律上の扱いは共通しており、請求する側がこれを禁じることもできません。
ただし、有効だからといってそのまま進めてよいわけではありません。念書や合意書の書き方と、求償権(払いすぎた分を後から相手に請求できる権利)の扱いを誤ると、支払いが終わった後にもう一度もめます。
支払いを済ませた後で「あなたの負担分まで私が払った」と請求が届く例は、実務でしばしば見られます。
この記事では、男女トラブルに強い弁護士が、肩代わりに関わる3つの立場(してもらう側、代わりに払う側、相手本人に払わせたい側)のいずれにも必要な次の点を解説します。
- 肩代わりが起きる場面と背景
- 肩代わりは法的に有効か、止められるのか
- 念書・合意書にどこまで効力があるのか
- 支払いの後に問題になる求償権と放棄
お読みいただくことで、書面を交わす前に決めておくべきことと、後から蒸し返されない条件の組み立て方を整理できます。
なお、支払う前に何を決めておくべきか迷っている方は、一人で抱え込まず、この記事をお読みいただいた後、地域を問わずご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。
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そもそも慰謝料の肩代わりとは?起きる場面と背景
慰謝料の肩代わりとは、不倫の慰謝料を、支払う義務を負う本人ではなく別の人が代わりに払うことをいいます。立て替えと呼ばれることもあります。
まずは、どんな場面で肩代わりが起きるのかを整理しておきます。
肩代わりが起きる3つの場面
肩代わりが起きる場面は、大きく3つに分かれます。
- 不倫をした配偶者が、不倫相手に請求された慰謝料の分までまとめて払う
- 不倫相手が、請求された全額をひとりで払う
- 不倫相手の親など、当事者ではない第三者が払う
1つ目は、離婚しない場合に同じ家計からお金が出ていく肩代わりです。請求する側から見れば不倫相手に責任を取らせたことになりにくく、払う側から見れば家庭を守るための選択になります。
2つ目は、支払いの後に求償の問題が表面化しやすい肩代わりです。慰謝料の全額を払った側から、もう一方へ請求が向かいます。
3つ目は、書面の書き方を誤ると親子の間でもめる肩代わりです。以下では、この3つを行き来しながら整理していきます。
親など当事者以外の人が払う場合
不倫の当事者以外の人、たとえば不倫相手の親が払う場合はどうでしょうか。成人した子どもが負った慰謝料の債務について、親に法律上の支払義務はありません。それでも、本人に資力がない場面では、親が申し出て一括で払う例があります。
債務の弁済は第三者もできると定められているため(第三者弁済)、親が払うこと自体は可能です。
第四百七十四条 債務の弁済は、第三者もすることができる。
2 弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない。
3 前項に規定する第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、その第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない。
4 前三項の規定は、その債務の性質が第三者の弁済を許さないとき、又は当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは制限する旨の意思表示をしたときは、適用しない。
出典:e-Gov法令検索(民法474条)
条文が「できる」と言い切っているのは1項までで、2項以下には条件が付いています。弁済について正当な利益を持たない第三者は、本人の意思に反しては原則として弁済できません。受け取る側の意思に反する弁済も同様です。
ここでいう正当な利益とは、その慰謝料の債務について法律上の利害を持っていることを指します。親子であるという情義上のつながりは、これに当たらないと解されています。親は原則としてこの制限を受ける側だと考えて進めてください。
さらに4項により、受け取る側と本人との間で第三者の弁済を禁じる取り決めがあれば、そもそも1項から3項は適用されません。親が慰謝料を肩代わりする場面では、本人が納得していること、受け取る側も承知していること、そうした禁止の取り決めがないことを、支払いの前に書面で確かめておく必要があります。
なお、肩代わりしてもらった金額に贈与税がかかるかどうかは税務の問題で、当事者の関係や金額によって結論が変わります。判断が必要な場合は税務署または税理士にご確認ください。
なぜ肩代わりが起きるのか
肩代わりを申し出る理由は、おおむね次の3つに整理できます。
- 本人に慰謝料を支払う資力がない
- 職場や家族に知られる前に、早く終わらせたい
- 自分から誘ったのだから、自分が責任を取りたい
いずれも当事者にとっては筋の通った動機です。もっとも、動機に納得できるかどうかと、後で法的なトラブルにならないかどうかは、別の問題です。
肩代わりの話が具体的に出ているのであれば、お金を動かす前に弁護士の無料相談で段取りを確認しておくと安全です。
肩代わりは法的に有効?請求する側は止められるのか
結論は、不倫の当事者どうしで決めた肩代わりは有効であり、請求する側がそれを禁じることはできない、というものです。理由は、不倫の慰謝料が2人の共同の責任である点にあります。
不倫の慰謝料は2人が連帯して負う
不貞行為の慰謝料は、故意または過失で他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者が負う損害賠償責任です(民法709条)。ここでいう不貞行為とは、配偶者以外の相手と肉体関係を持つことを指し、その精神的苦痛に対する賠償が慰謝料です。
そして、2人以上が加担して他人に損害を与えたときは、関わった全員が責任を負います。これを共同不法行為といい、不倫をした配偶者とその相手は、各自が連帯して損害を賠償する責任を負います(不真正連帯債務)。
第七百十九条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
出典:e-Gov法令検索(民法719条1項)
もっとも、不倫相手が責任を負うのは、既婚者だと知りながら、あるいは注意すれば気づけたのに関係を持った場合に限られます。独身だと信じ込まされ、疑う手がかりもなかったといえるときは、責任を問えないことがあります。
このように自分に責任があるのかどうか判断がつかないときは、「浮気相手から慰謝料請求された!支払義務と認められる例外」も参考になります。
連帯して責任を負うということは、請求する側から見れば、どちらに全額を求めてもよく、2人に分けて求めてもよいという意味です。
ただし、認められた金額を超えて二重に受け取ることはできません。損害額の全額が支払われれば、もう片方の支払義務も消えます。ここで消えるのは請求する側に対する義務であって、2人の内部での清算は別に残ります(後述)。
負担の割合は当事者どうしで決められる
いま述べた連帯責任は、請求する側との関係での話です。これとは別に、2人の間で最終的にいくらずつ負担するのかという内部の問題があります。
この内部の割合は、原則として当事者どうしで決められます。ただし、公序良俗に反する内容は無効になります(後述)。
したがって、一方が相手の分まで慰謝料を肩代わりすると取り決めることも、法的に有効な合意です。一方の負担割合を100パーセント、もう一方を0パーセントとする取り決めも、当事者が合意していれば妨げられません。
請求する側は当事者間の肩代わりを禁じられない
請求する側から見ると、本人に払ってほしいのに配偶者がまとめて支払ってしまう、という不満が残ります。
ただし、負担の割合はいま述べたとおり当事者の内部の取り決めであり、請求する側がそこへ介入する法的な手段はありません。不倫をした配偶者は自身も債務を負っている以上、その人が払えば債務は消えます。
これに対して、親など当事者以外の人が慰謝料を払う場面は別です。先に見たとおり、受け取る側は正当な利益を持たない第三者からの弁済を拒める場合があり、示談書に第三者の弁済を禁じる条項を置く方法もあります。
当事者どうしの肩代わりについて打てる手があるとすれば、請求の段階での交渉です。慰謝料の請求は、いきなり訴訟から始めるものではありません。まずは話し合いや内容証明郵便での請求から入るのが通常で、その段階なら条件を詰める余地が残っています。
たとえば、相手本人が一定額を直接支払うことを条件に、それ以上は追及しないと提案する方法があります。あるいは、後で説明する求償権の放棄を条件として持ち出す方法もあります。
いずれも相手にとって何らかの利点がなければ応じてもらえません。金額を抑える、訴訟を避けると約束するなど、交換材料を用意しておく必要があります。こうした組み立ては、金額に合意してしまう前でなければ動かせません。
名目だけ本人が払い、裏で補填されることもある
相手本人が慰謝料の全額を払ったとしても、その後に配偶者が同じ額を渡していれば、実質は肩代わりと変わりません。名目上は本人が払っていても、負担は本人に移っていません。
これも当事者どうしの金銭のやり取りです。示談書で補填を禁じる条項を置くことはできますが、実際に守られたかどうかを外から確かめる手立ては限られます。
現金でのやり取りは記録に残らず、補填の有無を確実に見極めることはできません。
実効性があるのは、金銭の流れを追うことより、示談の段階で条件を設計しておくことです。
どの条件を交換材料にできるかはケースごとに違います。弁護士と一度組み立てを詰めてから動き出すほうが、結果的に近道になります。
肩代わりの合意書・念書で押さえておきたいこと
慰謝料の肩代わりをめぐるトラブルの多くは、書面の不備から起きます。誰が誰の債務として払ったのかが残っていないと、後になって言い分が食い違います。
書面を交わしていた場合の効力
不倫をした配偶者と不倫相手との間で、慰謝料を配偶者が肩代わりする旨の念書や合意書を交わしていた場合、その書面は原則として有効です。
後から一方が「やはり払わない」と言い出しても、もう一方はその書面を根拠に負担を求めることができます。
ただし例外があります。公の秩序または善良の風俗に反する法律行為は無効とされており(民法90条)、不倫関係を続けることを条件とした取り決めは、これにあたって無効と判断される可能性があります。
また、脅されるなどして自由な判断ができない状態で署名させられたときは、意思表示の効力そのものが争われます。
なお、書面の有効・無効とは別に、そもそもの慰謝料請求権が時間の経過で消えていることもあります。不法行為による損害賠償の請求権は、被害者が損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効により消滅します(民法724条)。起算点をいつと見るかは争いになりやすい点です。
書面に必ず入れておきたい3つの項目
慰謝料の肩代わりが絡む示談書・合意書(契約書)では、次の3項目を落とさないようにします。
- 誰が、誰のどの債務の弁済として払ったのか
- この件についてこれ以上請求しないこと(清算条項)
- 求償権をどう扱うのか
1つ目は、親など第三者が払う場面でとくに重要です。ここが書かれていないと、後から「立て替えただけだ」「もらったものだ」と主張が分かれ、親子の間で争いになります。
2つ目は、支払いによって問題を終わらせるための条項です。第三者が払う場合は、その第三者との間にも債権債務が残っていないことまで確認しておきます。請求する側を甲、支払義務を負う本人を乙、肩代わりする第三者を丙とすると、文例は次のような形になります。
甲と乙および甲と丙との間には、本件に関し、本書に定めるほかに一切の債権債務がないことを確認する。ただし、乙丙間の権利義務についてはこの限りでない。
この主文が清算の対象にしているのは、甲と乙、甲と丙という2つの関係だけです。乙丙間、つまり親子の間の貸し借りは入っていません。ただし書は、その点を念のため確認するためのものです。
親が立て替えたつもりで払うのなら、この形にしておきます。主文を「甲乙丙が相互に」と広げてしまうと、丙が乙へ立替分を返してもらう権利まで清算されてしまいます。
逆に、親が贈与のつもりで払うのなら、主文を「甲乙丙が相互に」としたうえで、ただし書を置かない形にします。立替として扱うか贈与として扱うかで、書き方は反対になります。
いずれの場合も、払った第三者が誰との間で清算を済ませたことになるのかを、書面の当事者の範囲まで確認しておいてください。署名していない相手との関係は、この書面では終わりません。
3つ目の求償権については、次のセクションで詳しく取り上げます。
口約束で済ませたときに起きること
口約束で済ませてしまうと、どうなるのでしょうか。「自分が払う」と口で言っただけの状態は、後から簡単に覆されます。言った・言わないの争いになったとき、証明する手立てがありません。
書面がなければ、渡した金銭が慰謝料の肩代わりだったのか貸したものだったのかも決まりません。親が払った場合は、この点があいまいなまま親子間の貸し借りに発展することがあります。
支払いの前に、必ず書面を交わしてください。強制執行認諾文言を付けた公正証書にしておけば、支払いが滞ったときに改めて裁判を起こさずに差押えへ進めます。
もっとも、これは受け取る側にとっては回収の保険になる一方、払う側にとってはすぐに差押えを受ける立場に身を置くことでもあります。公正証書にするかどうかは、どちらの立場かで判断が変わります。
ひな形をそのまま使うと、慰謝料の肩代わりに必要な条項が抜けることがあります。署名する前に、弁護士に文面を確認してもらうのが確実です。
肩代わりの後に問題になる求償権の知識
慰謝料の肩代わりで最も見落とされやすいのが、支払いを終えた後に表面化する求償の問題です。片方が全額を払うと、支払った側からもう片方へ、その人が負担すべきだった分を求める余地が生まれます。
求償権とは何か
求償権とは、2人で負う責任について一方が支払いを済ませたときに、もう一方へ、その人が負担すべきだった分を請求できる権利です。連帯して債務を負う場合について、民法442条1項が次のように定めています。
第四百四十二条 連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
出典:e-Gov法令検索(民法442条1項)
不貞行為の慰謝料は不真正連帯債務と整理されるため、この条文がそのまま当てはまるわけではありません。もっとも実務では、自分の負担部分を超えて支払った場合に、その超える部分について求償が認められる考え方が定着しています。
不倫の場面に置き換えると、こうなります。不倫相手が慰謝料の全額を払った場合、その中には配偶者が本来負担すべきだった分が含まれています。つまり、配偶者の分まで肩代わりした形になります。そこで不倫相手の側から、配偶者へその分の支払いを請求できることになります。
請求する側から見れば、相手本人に全額を払わせたつもりが、後から配偶者の財布を経由して戻っていくことになります。離婚しない場合は、実質的に値引きしたのと変わりません。
支払いを終えた後にこうした追加の請求へ発展することもあるため、具体的な対処法は「慰謝料を払ったら終わり?終わらないケースと追加請求回避の方法」で解説しています。
負担の割合はどう決まるのか
負担の割合について、法律に定めはありません。当事者間に取り決めがなければ、不貞に至った経緯から判断されます。材料になるのは、次のような事情です。
- どちらが積極的に関係を働きかけたか
- 既婚であることをどこまで知っていたか
- 関係がどれくらいの期間続いたか
- 職場の上下関係など、断りにくい事情があったか
必ず半々になるわけではありません。自分から誘った側が全額を肩代わりしても、その人の負担割合が7割と評価されれば、相手に求められるのは3割分にとどまります。
仮に慰謝料が200万円で、配偶者と不倫相手の負担割合を7対3と考える場合、不倫相手が全額を払ったのであれば、140万円分を配偶者へ求められる計算になります。逆に配偶者が全額を払ったのであれば、不倫相手へ求められるのは60万円分です。
なお、肩代わりして払う側の負担割合を100パーセントと決めておけば、その人が全額を払っても求償の問題は生じません。慰謝料の額そのものの相場や減額の考え方は「不貞行為の慰謝料500万円は高すぎ?相場・減額事例と対処法」で解説しています。
求償権を放棄する合意と示談書の条項
肩代わりによって生じた求償の問題を防ぐ最も直接的な方法は、示談の段階で、求償権を行使しないという合意を取り付けておくことです。
ただし、求償できる立場の側にとっては損になる話ですから、そのまま頼んでも応じてもらえません。慰謝料の額を抑える、分割払いを認める、訴訟を起こさないと約束するなど、条件と引き換えにするのが実務的な進め方です。
逆に、請求された側から見れば、求償権を手放すことは減額を求めるための材料になります。どちらの立場でも、交渉の順番を誤ると使えなくなるカードです。
合意できたら、口約束で終わらせず、示談書に条項として書き込みます。請求する側を甲、支払義務を負う本人を乙とするのは先ほどと同じです。不倫のもう一方の当事者は、肩代わりする第三者の丙とは別人なので、丁とします。
乙は、本件不貞行為に関し、丁に対する求償権を行使しないことを約束する。
ここで注意したいのが、丁がこの慰謝料の示談書の当事者ではないという点です。乙が約束を破って丁へ求償したとき、丁がこの条項を直接持ち出せるとは限りません。求償される側の立場であれば、丁も署名する当事者に加えておくのが確実です。
肩代わりしてもらう側から見ると、ここが最大の分かれ目になります。誰かに払ってもらった後で自分が求償を請求される側に回らないためには、払ってくれる相手との間でも、求償しない旨を書面にしておく必要があります。
ただし、この場合は上の文例と向きが逆になります。払ってくれる相手が自分に対して求償権を行使しない、と定めなければ意味がありません。文例をそのまま写すと、自分の側が権利を手放す書面になってしまいます。
この一文があるかどうかで、支払いを終えた後の展開が変わります。書面を交わした後で変えるには相手の同意が要るため、金額の交渉と同じ場で決めておいてください。
求償権を手放してもらう交渉は、相手にとっての利点を用意できるかで決まります。無料相談の段階から弁護士に組み立てを任せることもできます。
慰謝料の肩代わりを弁護士に相談するメリット
慰謝料の肩代わりの問題では、法律の話と感情の話が同時に絡みます。当事者だけで進めると、条件の組み立てを誤ったまま書面に署名してしまいがちです。
弁護士に相談する意味は、主に次の3点にあります。
- ①自分の立場で何が有利かを見立ててもらえる
- ②相手方とのやり取りを任せられる
- ③求償権の放棄を含む書面を作成できる
①自分の立場で何が有利かを見立ててもらえる
同じ慰謝料の肩代わりでも、有利になる条件は立場によって正反対です。
請求された側なら、求償権を手放す代わりに金額を下げる交渉が考えられます。肩代わりして払う側なら、後で本人に請求できる余地を残すかどうかが分かれ目になります。請求する側なら、相手本人に負担を残す条件をどう設計するかが焦点です。
弁護士に相談すれば、自分の立場から見てどの条件を取り、どこを譲るのが得かを整理できます。何を交換材料にできるかは、書面を交わした後だと相手の同意が要るため、交わす前のほうが動かせる幅が大きくなります。
②相手方とのやり取りを任せられる
不倫の当事者どうし、あるいは慰謝料の肩代わりを申し出た相手の親と直接やり取りするのは、精神的な負担が大きい作業です。感情が収まらないうちに交渉の席につけば、冷静な判断は難しくなります。
代理人を立てれば、慰謝料に関する連絡はすべて弁護士が受けます。相手と顔を合わせる必要も、電話やメッセージを受ける必要もありません。
加えて、代理人が立つと相手方も法的な責任の重さを意識しやすくなり、話し合いの見通しが立てやすくなります。
③求償権の放棄を含む書面を作成できる
求償権の放棄も清算条項も、条項の書き方ひとつで効力が変わります。ひな形をそのまま使うと、慰謝料の肩代わりの事実や第三者の関与が抜け落ち、後で蒸し返される原因になります。
弁護士に依頼すれば、交渉の条件を詰めるところから書面の作成まで一貫して任せられます。話し合いがまとまらず調停や訴訟へ移った場合も、経緯を把握した弁護士がそのまま手続きを引き継げます。
慰謝料の肩代わりでお悩みの方は当事務所にご相談ください
慰謝料の肩代わりは、不倫の当事者どうしの取り決めである限り法的に有効で、これを禁じる手段はありません。それでも、書面を交わす前に条件を組み立てておけば、支払いを終えた後に蒸し返されない形で決着させられます。
問題は、その組み立てを当事者だけで進めるのが難しいことです。求償権を放棄してもらうには相手にとっての利点が要りますし、取り決めを書面に残さなければ後から覆されます。弁護士が代理人として入れば、条件の交渉から示談書の作成まで一貫して任せられます。
肩代わりの話が出ている状況は、金銭の問題であると同時に、人間関係の問題でもあります。相手や家族と向き合い続けることは、精神的にも重い負担になります。
すでに念書を交わした後や、支払いの後に求償の連絡が届いた後でも、負担割合を争う、書面の文言の意味を詰めるといった手が残っていることは少なくありません。
当事務所は不倫慰謝料の問題を数多く扱い、請求する側・請求された側の双方の立場で解決を重ねてきました。相手方とのやり取りは弁護士が引き受け、あなたが直接顔を合わせずに済むよう進めます。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
男女問題・男女トラブルに強い法律事務所の代表弁護士。事務所全体で年間1,500件以上の男女トラブル相談を受けており、不倫慰謝料、妊娠トラブル、婚約破棄、パパ活トラブル、ストーカー被害など、他人に相談しづらい問題を穏便かつ内密に解決することを得意とする。相手の暴力的・脅迫的な言動にも弁護士が毅然と対応し、依頼者の平穏な生活を取り戻すために全力を尽くしている。

