
家族間であっても脅迫罪は成立します。ただし、警察に相談しても「家族間のことだから」と積極的に動いてもらえないケースが少なくないのが現実です。
「家族だから穏便に済ませたい、でもこのまま脅迫を受け続けるのは限界がある」と板挟みで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、脅迫問題に詳しい弁護士が、家族間で脅迫罪が成立する条件や親族相盗例との関係、警察の対応の実情、そして脅迫を止めさせるための具体的な方法をわかりやすく解説します。
なお、家族からの脅迫について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。
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そもそも脅迫罪とは?
脅迫罪とは、被害者本人やその親族の生命、身体、自由、名誉、財産に対する害悪の告知を行う犯罪で、2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金刑となっています(刑法222条)。
※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。
具体的には、①「殺すぞ」(生命)②「殴るぞ」(身体)③「監禁してやる」(自由)④「不倫していることを会社にばらしてやる」(名誉)⑤「家に火をつけてやる」(財産)といった言葉などがあれば脅迫罪が成立します。対面での発言だけでなく、電話やメール、SNSでの発言も脅迫罪の対象となります。メールやLINEでの脅迫への対処法については「LINEやメールで脅されたら脅迫罪?成立条件と5つの対処法」で詳しく解説しています。
家族間でも脅迫罪は成立する?
刑法には、家族間だからという理由で成立しない犯罪はありません。
親子・兄弟・祖父母・叔父伯母・従姉妹・孫といった家族や親族間であっても脅迫罪は成立します。
家族間だと成立しない犯罪があると聞いたことがありますが?
繰り返しとなりますが、家族という関係性を理由として成立しない犯罪はありません。
ただし、成立した犯罪の刑罰が免除される「親族相盗例」という特別の規定が刑法には設けられていますので確認してみましょう。
親族相盗例とは
親族相盗例とは、家族・親族の間で起きた一部の犯罪の刑罰を免除したり、親告罪(告訴しないと起訴できない犯罪)とする刑法の規定(刑法244条)です。
親族相盗例が適用されると、犯罪は成立するが刑罰が課されない(お咎めなし)、または、被害家族が刑事告訴をしないと刑事裁判にならないということです。
もともと、親族相盗例という規定は、家族間での争いごと(とくに、お金や物の被害といった軽微な犯罪)には法律は関与しないという、刑法立法者の考えに基づいています。
脅迫罪には適用されない
ただし、この親族相盗例が適用される犯罪は、窃盗罪・詐欺罪・横領罪・恐喝罪やこれらの未遂罪で、脅迫罪には適用されません。
父母が子供を、子供が父母を、兄が弟を、弟が妹を、祖父母が孫を…脅迫すれば、通常通り、脅迫罪が成立し、有罪になれば刑罰が課されます。
恐喝罪には適用される
恐喝罪とは、暴力や脅迫を手段として、お金や物を脅し取る犯罪です。
例えば、息子が母親に対して「金をくれないなら家に火をつける」、夫が妻に対して「殴られたくなければ財布の中身を全部よこせ」といった言動をすれば恐喝罪が成立します。
しかし、恐喝罪には親族相盗例が適用されます。配偶者・直系血族(親子・祖父母と孫など)・同居の親族との間であれば刑が免除されるため、起訴(刑事裁判にかける手続き)されることもなく釈放されるのが一般的です。それ以外の親族(別居している兄弟姉妹など)の場合は親告罪となり、被害者が告訴すれば処罰される可能性があります。
このように、家族による脅迫が金品を要求するための手段であった場合には、親族関係によっては刑事罰を科すことが難しくなりますので注意が必要です。
家族間での脅迫で警察は動いてくれる?
家族間でも脅迫罪が成立するとはいえ、警察が動いてくれなければ目的達成とはいえないでしょう。
実際に相談サイトに寄せられた家族間での脅迫被害についての相談内容を見てみましょう。
これらの相談内容ですべてを語ることができないにせよ、実際のところ、家族間での脅迫では警察は及び腰です。被害届を出しても事件化してくれる期待はあまり高くないと考えた方が良いかもしれません。被害届の出し方やメリットについては「恐喝・脅迫の被害届を出す3つのメリットと出し方をわかりやすく解説をわかりやすく解説」をご覧ください。
とはいえ、家族間といえども、暴力が伴った場合には、暴行罪や傷害罪で逮捕される事例もあります。過去には、警察署の交番相談員が口論になった娘を殴ったとして、暴行の疑いで現行犯逮捕されたケースも報道されています。
また、配偶者(事実婚や生活の本拠を共にする交際相手も含む)からの身体的暴力や脅迫を受けている場合は、DV防止法による保護命令(被害者に近づいてはいけない・同居している家から退去しなさいという命令)を裁判所に出してもらえます。2024年4月に施行された法改正により、生命・身体だけでなく自由・名誉・財産に対する脅迫を受けた方も保護命令を申し立てられるようになりました。保護命令に加害者が違反すると、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金が科されます。
家族間の脅迫では警察が動きにくいケースもあるため、脅迫への対処法や警察と弁護士それぞれの役割を知っておくことが重要です。脅された場合にまず何をすべきかについては「脅された時の対処法は?恐喝・脅迫被害の相談先も弁護士が解説」で具体的な方法を紹介しています。
家族からの脅迫でお悩みの方は弁護士にご相談ください
家族間であっても脅迫罪は成立しますが、警察が積極的に動いてくれるとは限らないのが実情です。だからこそ、家族からの脅迫を止めさせるには、弁護士による対応が現実的な選択肢となります。
弁護士が代理人として間に入ることで、ご本人が相手と直接向き合う必要がなくなり、精神的な負担を大きく軽減できます。交渉で解決しない場合でも、損害賠償請求や刑事告訴といった法的手段へスムーズに移行できる点も弁護士に依頼する大きなメリットです。
「怖い思いをしているけれど、家族だからどう対処すればいいかわからない」「警察に相談したが対応してもらえなかった」という方も、諦める必要はありません。法律の専門家に相談することで、状況に合った解決の道筋が見えてきます。
当事務所は脅迫・恐喝問題を数多く取り扱っており、全国どこからでも無料相談をお受けしています。お一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。




