弁護士からの内容証明による慰謝料請求は脅迫・恐喝になる?
「ある日、突然、代理人を名乗る弁護士から内容証明郵便による通知書が届きました。慰謝料を請求する内容でしたが、”法的措置をとる”、”訴える”といった文言が書かれており大変恐怖を感じました。これは脅迫にならないのでしょうか?」

慰謝料請求に限らず、弁護士から「法的手段に出ます」といった文言が書かれた文書を受け取ると、脅し文句に見えてしまう方もいるでしょうし、弁護士に脅された気持ちになるもわかります。

そこでこの記事では、脅迫・恐喝被害に強い弁護士が、

  • 弁護士の内容証明は脅迫になるのか
  • 弁護士から内容証明が送られてきた時の対処法

などについて弁護士が詳しく解説してまいります。

なお、内容証明を受け取ってどう対応すればいいのかお困りの方で、この記事を最後まで読んでも問題が解決しない場合には弁護士までお気軽にご相談ください

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弁護士の内容証明は脅迫になる?

結論を先に言いますと、弁護士の内容証明が脅迫になることはまずありません。以下、解説していきます。

内容証明(郵便)とは?

内容証明(郵便)とは、いつ、どんな内容の文書が、誰から誰宛に差し出されたのかということを、郵便局が証明してくれる郵便サービスのことです

内容証明の文書の欄外には「この郵便物は、〇〇年〇月〇日、第〇〇号書留内容証明郵便物として差し出したことを証明します 日本郵便株式会社」という文言が添えられ、郵便認証司の印などが押されます。

相手の差出人や郵便局も、あなたに送達する文書と同じ内容の文書(謄本)を保管しています。

差出人は差出日から5年以内は郵便局に保管されている謄本の閲覧を請求できるほか、差出人が保管している謄本を再提出することで再度証明を受けることができます。

内容証明は通常、「書留配達」と「配達証明」とがセットで利用されるため、内容証明を受け取るとあなたに内容証明が送達されたことも相手に分かってしまいます。

内容証明と聞くと、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家が利用するもの、とお考えかもしれませんが、もちろん、専門家以外の一般の方でも利用することは可能です。

弁護士の内容証明と脅迫・恐喝

内容証明を受け取ると、気持ちの動揺や相手に対する怒りの感情から、「脅迫・恐喝を受けた」と感じるお気持ちになることも分かります。

もっとも、弁護士の内容証明が脅迫、恐喝になるかどうかは、文書の内容によりけりといえます。

まず、弁護士から送られてきた文書が、あなた又はあなたの親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加えるかのような内容であれば脅迫罪(刑法第222条)にあたる可能性があります。

たとえば、以下のような内容です。

脅迫にあたる文章内容の具体例
生命~しなければ殺す、〇〇の命はない
身体~しなければ痛い目に遭う
自由外を自由に歩けると思うな、お前の行動を逐一見張っている
名誉〇〇をネットに掲載する、会社にバラしてやる、SNSで拡散する
財産あなたの自宅や車)に火をつける、住む場所に困らせてやる など

しかし、弁護士から送られてくる内容証明にこのような脅し文句が書かれていることはまずありませし、脅迫罪になる言葉・ならない言葉に書かれていますが、弁護士の内容証明によく書かれている「訴える」「法的手段をとる」「告訴する」といった文言も基本的には脅迫にはあたりません。

また、恐喝罪刑法第249条)とは、脅迫または暴行を用いて相手を畏怖させて財産を交付させる犯罪ですが、上記の通り、弁護士の内容証明が脅迫にあたらない以上、「お金(慰謝料」を支払ってください」といった文章が送られてきてもそれは恐喝にはあたらないのです。

脅迫、恐喝の内容を含む文書の作成は、特に、文書の作成方法に熟知していない一般の方がやりがちな失敗例です。したがって、文書の名義や差出人が一般の方である場合は、脅迫、恐喝の内容を含む文書になっていないかどうか十分検証する価値はあるといえます。

他方で、文書の名義や差出人が弁護士などの専門家の場合には、脅迫、恐喝を内容とする文書である可能性は低いといえます。弁護士などの専門家は、どのような内容とすると脅迫、恐喝となるか熟知しており、その点に気を付けて文書を作成することができるからです。

弁護士から内容証明を送られた際の疑問

次に、弁護士から内容証明が送られた際に、多くの方が抱かれるであろう疑問についてお答えしてまいります。

内容証明を受け取ったら裁判になる?

弁護士から内容証明を受け取ったからといって、直ちに裁判になるわけではありません

内容証明は、相手からあなたへの「話し合いをしましょう。」、「一度、連絡を取ってください。」という内容となっていることがほとんどです。

そもそも、相手と裁判になった場合に受け取る書類は内容証明ではなく訴状です。

また、訴状の差出人は相手(又は代理人)ではなく裁判所ですから、内容証明を受け取っただけで「裁判」と考える必要はありません。

もっとも、内容証明には「~(期限)までに~しなければ法的手続きを取る。」などとも記載されています。

この「法的措置」の意味の中には、相手が裁判を起こすことも当然含まれており、文書に書かれた期限までに、書かれた内容のことを行わないと裁判になる可能性があるといえます

後でも述べますが、内容証明を受け取ったら放置せず、まずは内容を確認し対応を検討することが大切です。

内容証明に記載された金額を支払わなければならない?

弁護士の内容証明に記載された金額どおりに支払う必要はありません

確かに、相手が弁護士を介してあなたに対して内容証明を送って慰謝料請求してきたということは、慰謝料請求を根拠づける事実(不倫相手とラブホテルに入ったなど)に関する証拠をそれなりにつかんでいる可能性もあり、その場合、あなたは金銭の支払い自体には応じざるを得ないといえます。

しかし、相手が証拠をつかんでいない、あるいは証拠が不十分な状態のまま内容証明を送って慰謝料請求してきた場合は、そもそもあなたが相手に対して金銭の支払い義務を負うということを直ちに確定させることはできません。

いずれにせよ、内容証明を受け取った段階では、相手がどこまで証拠をつかんでいるかはわかりません(文書の内容がきちんとした裏付けのある内容とは限りません)から、内容証明を受け取った段階では、内容証明に記載された金額を支払う必要はないといえます。

また、相手は慰謝料の金額を自由に設定することができます。

通常、始めの請求段階で、相手が相場より低い金額を設定することは少なく、むしろ、あなたからの減額の要求があることを見越して、あらかじめ相場よりも高めに設定することの方が多いです。

つまり、内容証明に記載された金額は、「この通りの額を獲得できる見込みは少ないけど、そうなればいいな~」という程度の相手の希望額にすぎません

内容証明を受け取った後、話し合いで減額させる余地は十分残されていますから、内容証明に記載された金額を額面通り受け取って支払う必要はありません

弁護士から内容証明が送られてきた際の対処法

最後に、弁護士から内容証明が送られてきた際の対処法について解説します。

必ず受け取り、内容を確認する

「内容証明とは?」のところでも触れたように、内容証明は通常、書留配達と配達証明サービスを使って送達されてきます。

書留配達と配達証明サービスで送達されると、配達員が内容証明をポストに投函するのではなく、あなたに直接、手渡す形で送達されます。

あなたが在宅中に、配達員から「内容証明です」と手渡される際、あなたは受け取りを拒否することは可能です。

しかし、ここであなたは、少なくとも内容証明を受け取れる状態にはあったわけですから、内容証明の受け取りを拒否したとしても、内容証明を受け取ったとして話を進められてしまいます

次に、あなたが不在中に配達された際は、ポストに不在票が投函されています。

不在票を放置し、不在期間(7日)が経過した場合は、内容証明は差出人である弁護士に返還され、あなたは内容証明を受け取ったことにはなりません。

しかし、次に、弁護士から再度、内容証明と内容証明と同じ文書を同封した文書を特定記録郵便で送達される可能性があります。

この手段を取られると、文書があなた宛てに差し出されたこと及びポストに投函され、あなたが文書の内容を了知可能な状態となったことが証明され、結局は、内容証明を受け取ったものとして話を進められてしまう可能性があります

以上、あなたが内容証明の受け取りを拒否した場合も、不在票を放置した場合も、結局は話を前に進められてしまう、つまり、法的手段(裁判)を取られてしまう可能性があるということになります

そうなると、立場がいよいよ不利になり、慰謝料の減額も望めなくなる場合もあります。

したがって、まずは内容証明を必ず受け取り、内容をよく確認しましょう

弁護士に相談する

内容を確認しても、対応に困る方は多いと思います。

ここで、十分な検討なしに相手とコンタクトを取り、文書に記載された内容に対して曖昧な回答をしてしまうと、それを口実にあなたが不利な立場に立たされてしまう可能性があります。

ここはまず、相手とコンタクトを取る前に弁護士に相談し、そもそも相手とコンタクトを取るべきか、取るべきとしていかに回答すべきか検討してもらいましょう。

ここでの対応が、今後の結果を左右するといっても過言ではありません

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