
「別れたいのに、脅されて別れられない」「彼氏が怖くて関係を断ち切れない」とお悩みではないでしょうか。
「別れるなら死ぬ」「秘密をバラす」「慰謝料を払え」といった脅し文句で交際の継続を迫る行為は、脅迫罪や強要罪、ストーカー規制法違反に該当する可能性があります。たとえ脅されていても、あなたが関係を続ける義務はありません。
この記事では、脅迫被害に強い弁護士が、彼氏の脅し行為がどのような犯罪にあたるのか、そして脅されて別れられないときに取るべき6つの対処法を解説します。
なお、彼氏からの脅迫について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。
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彼の脅迫言動はどんな犯罪に該当する?
脅迫罪に該当するケース
生命・身体・自由・名誉・財産に対し「害を加える旨を告知して人を脅迫した」場合には脅迫罪が成立します(刑法第222条第1項参照)。
「別れたら死ぬ」などと言われているだけではあなたの生命や身体に対して害悪を告知して意思決定の自由を侵害しているわけではありません。したがって「自分が死んでやる」という発言だけでは脅迫が成立する可能性は小さいでしょう。
しかし、「オレが死んだら皆あなたが殺したと思う」「オレが死んだらもうこの地域(や会社)にいることはできない」「付き合っていたことをお前の旦那にばらすぞ」などと言う場合には、意思決定の自由や名誉を侵害する可能性があるため脅迫罪に該当する可能性があります。脅迫罪の成立要件について詳しくは「脅迫罪になる言葉・ならない言葉は?成立要件と刑罰を解説」で解説しています。
強要罪に該当するケース
生命・身体・自由・名誉・財産に対して「害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ」たり「権利の行使を妨害」した場合には強要罪が成立します(刑法第223条第1項)。
「別れたら何をするかわからない」など身体に対する害悪の告知と受け取れる言動をして「だからこのままの関係を続けよう」と交際の継続を要求するような場合には強要罪にあたることも考えられます。
ストーカー規制法に該当するケース
ストーカー規制法において犯罪となる「ストーカー行為」とは、同一の者に対し身体の安全・住居等の平穏や名誉が害され、行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法で「つきまとい等」を行ったり、位置情報無承諾取得等を反復したりすることをいいます(同法第2条第4項)。
彼氏や浮気相手の行動が「つきまとい等」に該当するのは以下のような場合です。
- つきまとい、待ち伏せ、住居・勤務先などの付近で見張り、押し掛け、うろつく場合
- あなたの行動を監視しているようなことを告げる場合
- 面会や交際その他の義務のないことを行うように要求する場合
- 著しく粗野・乱暴な言動をする場合
- 無言電話、拒否したにもかかわらず連続して電話やメールをしてくる場合
「別れるなら死んでやる」と何度も電話やメールを送りつけてくる行為は、ストーカー規制法上「つきまとい等」に該当する可能性が高い行為です。メールやLINEでの脅迫行為への具体的な対処法については「LINEやメールで脅されたら脅迫罪?成立条件と5つの対処法」で詳しく解説しています。
自殺関与罪に該当するケース
自分が自殺することは何の犯罪にも該当しません。しかし他人をそそのかしたり手助けしたりして自殺させた場合には話が違います。
「「死ね」と言われたら脅迫罪などの犯罪になる?」にも書かれているように、もし彼氏が、「俺と別れるなら死ね」「死んで詫びろ」と繰り返し迫ってきた場合には脅迫罪が成立する可能性があります。また、「死ね」と繰り返し言われた彼女が実際に自殺に着手して死亡した場合は自殺教唆罪、自殺未遂に終われば未遂罪が成立する可能性もあります。
また、彼氏が彼女に対して「死ね」と繰り返し告げることで彼女を精神的に完全に支配し自殺に追いやったようなケースでは、被害者自身を利用して殺人を完成させたと考えられるため、「殺人罪」が成立する可能性があります。
彼氏に脅迫されて別れられない時の対処法
①脅されて怖くてもズルズルと関係を続けない
「別れるなら死んでやる」「付き合っていたことを旦那にばらすぞ」と彼氏や不倫相手に脅されたとしてもズルズルと関係を継続するべきではありません。
「本当に死んだらどうしよう」、「浮気をバラされたら今の家庭を失うことになって困る」と考えていつまでも今の交際関係を続けてしまう人もいるかもしれません。
しかし、今の関係を続けていったとしてもあなたに幸せが訪れない可能性が高いでしょう。
たとえ「自殺する」と脅されようが、いつかは関係を終わらせ断ち切る必要があります。「仮に彼氏が自殺したら自分は責任を負うのだろうか…」とご心配の方は、「「死ぬ」「死んでやる」と脅されたら脅迫罪?自殺されたら責任は?」に目を通してみましょう。
また、彼との関係が不倫の場合には、脅されてズルズルと関係を続ければいずれは夫や第三者に発覚することで終焉を迎えることになるでしょう。その場合には家庭に壊滅的なダメージを与えることがほとんどです。話し合いで別れられる可能性が少しでもあるなら、粘り強く関係解消に努めてください。
別れ話をする際に彼氏が感情的になってしまうリスクがある場合には、できるだけ第三者が多く出入りするような場所を選びましょう。具体的には、利用客の多いファミレスやカフェなどが有効な選択肢となります。
関連記事:不倫相手から自殺や危害を仄めかされた男性を弁護士が救済した事例
②脅されて慰謝料を払ってはいけない
「別れるなら慰謝料を払え」と脅してくる場合もあります。慰謝料とは相手方の故意・過失によって精神的苦痛を被ったことに対してそれを慰謝する目的で支払われる損害賠償金です。
通常、離婚などで別れる際に支払われる慰謝料は「夫婦として日常生活を営む権利・利益」の毀損やそれを侵害したことに対する精神的苦痛について支払われるものです。しかし、浮気相手の場合には婚姻関係にありませんので保護すべき利益が想定できません。したがって、相手方から「慰謝料を払え」と脅されたとしても応じる義務はないのです。
さらに、彼氏が金銭を要求してくる目的はほとんどのケースで「お金」ではありません。慰謝料の他にも時には交際時に彼氏が支払ったデート費用やプレゼント費用を請求してくることがありますが、これは多額の金銭を要求されて困っている彼女の様子を見ることで、別れを告げられた怒りや復讐心を満たすための行動である可能性もあります。
お金を払ったところでこの満たされぬ復讐心が消えることはありませんので、「お金で解決するなら」と安易に支払ってはいけません。
③彼を絶対に刺激しない
別れ話になるとあなたを脅すような彼氏ですので、できるだけ相手を刺激するような行動・発言は避けるべきです。
彼を刺激する発言としては、彼の行動が上記で説明したような犯罪行為に該当している場合でも、「そのことを指摘する」ことはNGです。つまり「あなたがしていることは脅迫罪・ストーカー規制法違反だ」などと指摘してはいけません。
すでに彼はあなたとの別れを予感して必死の抵抗を見せている可能性があります。そこで彼の行動が犯罪行為だと指摘することで、ますます彼氏を追い詰める結果となるかもしれません。追い詰められた彼氏がさらなる問題行為に出ないようにするためにも上記のような指摘は控えましょう。
また、関係を清算させるために共通の友人や知人を介入させるのも避けてください。
なぜなら「死んでやる」などあなたを脅迫している事実が周囲に発覚することで彼氏を激昂させてしまうリスクがあるからです。また共通の知人・友人は以下で紹介する「警察や弁護士」のように一定の権限や法的な知識があるプロとは異なります。話し合いがこじれた場合やさらなるトラブルに発展した場合に実行力を持って制圧したり法的に対処したりすることもできません。
したがって、脅されて別れられないケースで警察・弁護士以外の私人をトラブルに介入させるべきではないと言えます。元交際相手からの脅迫への対処法について詳しくは「元カレ・元カノからの脅迫をやめさせる6つの対処法と5つのNG行動」をご参照ください。
④少しでも危険を感じたら身の安全を確保する
少しでも身の危険を感じた場合には、身の安全を確保することを最優先してください。彼氏・浮気相手がしていることは脅迫・強要などの犯罪行為にあたる可能性が高いですが、さらに行き過ぎると暴力など物理的な脅威へと変貌を遂げる可能性もあります。
そのため、しばらくは会わないようにしたり連絡を控えたりして物理的に距離を置くことも検討してください。
また、相手に実家の所在を知られている場合には、親御さんにも現状を伝えて警戒してもらう必要があるかもしれません。実家が知られているようであれば家族の身の安全を守るためにも厳重な警戒をすべきでしょう。
⑤警察に相談して逮捕してもらう
身の危険を感じた際にはすぐに警察に相談してください。彼氏・浮気相手が行っている行動が犯罪行為に該当する場合には、警察が捜査に動き、彼氏を逮捕してくれることも期待できます。また、彼氏の行為がストーカー行為に該当する場合には警告が発せられることもあります。事案に応じて、あなたの住所の近辺の見回りを強化したり定期的に様子を確認したりといった対応が取られるケースもあります。
ただし警察に相談に行ったことが彼に知られるとかえって彼が逆上してつきまとい行為がエスカレートしてしまう可能性もあります。そのため身の危険が及ぶ段階にまで至っていないケースであれば以下で説明するようにまずは弁護士に相談して穏便に解決を図る方法を検討してみてください。なお、被害届の出し方やメリットについては「恐喝・脅迫の被害届を出す3つのメリットと出し方をわかりやすく解説をわかりやすく解説」をご参照ください。
⑥弁護士に相談して穏便に解決してもらう
警察に相談した際には刑事事件として立件され、彼氏が逮捕されあなたも被害者として事情聴取を受けなければならない可能性もあります。そのように事を荒立てずできるだけ穏便に解決する方法を探りたいという方は、ひとまず弁護士への相談を検討しましょう。
弁護士は法律のプロであるため仕事として当事者間に介入しています。そのためいきなり公権力である警察組織に突き出されたと彼氏が感じて、無用に刺激するリスクも低いと考えられます。
また弁護士に事件を依頼すれば、あなたの代理人として行動してくれます。そのため彼氏との話し合いや交渉についてはすべて弁護士が代わりに行ってくれますので、あなたが矢面に立って彼氏と口論したり脅迫めいた言動を受け止めたりする必要がなくなります。具体的な解決についても弁護士が立案してくれますし、あなたは弁護士からの報告を受けるだけで済みますので、精神的な負担はかなり軽減されるでしょう。脅迫されたときの対処法や、どこに相談すべきかについては「恐喝・脅迫された時の対処法|脅されたらどこに相談すべき?」もあわせてご確認ください。
彼氏に脅されて別れられずお悩みの方へ
この記事で解説したとおり、彼氏の脅し行為は脅迫罪や強要罪、ストーカー規制法違反といった犯罪に該当する可能性があり、脅されているからといって交際を続けたり慰謝料を支払ったりする義務はありません。
弁護士に依頼すれば、あなたに代わって彼氏との交渉をすべて引き受けてもらえます。直接やり取りをする必要がなくなるため精神的な負担が大きく軽減されますし、警察への相談と比べて彼氏を無用に刺激するリスクも抑えながら穏便な解決を目指すことができます。
「怖くて誰にも相談できない」「このまま我慢し続けるしかないのだろうか」と一人で抱え込んでいる方、すでに身の危険を感じている方も、専門家の介入によって状況を変えることは十分に可能です。
弊所は脅迫被害のご相談を数多くお受けしており、彼氏からの脅迫トラブルを穏便かつ迅速に解決してきた実績があります。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

