
闇金の脅迫的な取り立ては犯罪ですが、警察に相談しても迅速な対応を期待しにくいのが実情です。一方、弁護士に依頼すれば、ほとんどのケースで脅迫的な取り立てを止めることができます。
「職場や親族に電話すると脅されている」「既に勤務先に嫌がらせの電話が何度もかかってきている」といった状況の中、一刻も早く闇金の脅迫から解放されたいとお考えではないでしょうか。
この記事では、恐喝・脅迫被害の解決経験が豊富な弁護士が、以下の点について解説します。
- 闇金の取り立てが違法とされる根拠
- 警察に相談しても迅速に解決しにくい理由
- 弁護士に依頼すると取り立てが止まる具体的な仕組み
- 闇金からの借金に債務整理が必要かどうか
- 「弁護士に相談したら危害を加える」という脅しへの対応
- 脅迫を受けたときの絶対NG行動
なお、闇金被害について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。
| 誰でも気軽に弁護士に相談できます |
|
そもそも闇金の脅迫はなぜ違法なのか
そもそも闇金(ヤミ金、高利貸しとも呼ばれます)とは、貸金業の登録をせずに営業する無登録業者や、出資法で定める上限金利(年20%)を上回る高金利で金銭を貸し付ける業者の総称です。出資法に違反すると、5年以下の拘禁刑(※)または1,000万円以下の罰金が科される可能性があります(出資法第5条第2項)。
闇金には、携帯電話番号だけで営業する「090金融」、一見ソフトな対応を装う「ソフト闇金」、勝手に口座へ振り込んで高利を請求する「押し貸し」、SNSやLINEで勧誘する「SNS闇金・LINE闇金」など、複数の形態・手口があります。いずれも貸金業の登録を受けずに違法な高金利(10日で1割の「トイチ」や、それを超える金利を取るケースもあります)で営業する点で共通しており、本記事で解説する対処法はすべての形態に共通します。
闇金からの脅迫的な取り立ては、貸付け自体が違法なだけでなく、取り立て行為そのものが複数の刑法犯罪と貸金業法違反に該当します。
- 脅迫罪:生命や家族への害悪を告げる行為
- 恐喝罪:害悪を告げて金銭の支払いを要求する行為
- 住居侵入罪:自宅に勝手に押し入る行為
- 暴行罪・傷害罪:暴力を振るう行為やケガを負わせる行為
- 器物損壊罪:玄関のドアや家財を壊す行為
- 貸金業法違反:勤務先や親族など第三者への弁済要求、深夜・早朝の取立電話など(貸金業法第21条)
このうち、勤務先や親族への嫌がらせ電話、第三者への弁済要求の禁止は、平成15年に成立したヤミ金融対策法(貸金業規制法及び出資法の一部改正法)で規制が強化され、現在は貸金業法第21条に取り立て行為の規制として整備されています。違法な取り立ての具体例については「ヤクザの取り立て3類型の違法性の分析と2つの効果的な対処法を紹介」もあわせてご確認ください。
このように闇金の取り立てが犯罪行為であることは明らかですが、現実には警察に相談しても迅速に止まらないケースが少なくありません。以下では、その理由と弁護士に依頼した場合の効果を順に解説します。
闇金の脅迫を警察に相談すれば迅速に解決できる?
ネットの記事、とくに法律事務所関連のサイトでは、
- 「闇金被害を受けても民事不介入で警察は動かない」
- 「被疑者不詳だと警察は被害届を受理してくれない」
- 「暴力を振るわれるなど具体的な被害がないと警察は対応してくれない」
などなど、"警察に相談してもムダ!"といった趣旨の記載が多く見受けられます。
もちろん、「警察は役に立たないから弁護士(あるいは司法書士)へ!」といったポジショントークが含まれていることも否定はできませんが、実際に警察が対応してくれないことは多々あります。
ここでは、警察が動いてくれない、あるいは、動いてくれても解決まで日数がかかってしまう問題点について解説していきます。
警察に相談しても動いてくれないケースが多い
闇金被害者が助けを求めて警察に行ったところ、
- 「お金の貸し借りは民事不介入で警察は動けません」
- 「被疑者の身元がわからないと動きようがありません」
と耳を疑いたくなるような理由をつけて、被害届や告訴状を受理してくれないというお話を弁護士はよく耳にします。むしろ相談だけで追い返されるケースの方が多いといっても過言ではありません。
闇金の脅迫的な取り立ては、本来、民事不介入の原則が当てはまる事案ではありません。生命や財産への害悪の告知は脅迫罪、それに基づいて返済を迫る行為は恐喝罪に該当します。
被疑者の身元を捜査で割り出すのも警察の役割ですから、「身元がわからないと動けない」というのも本来は通らない理由です。
結局のところ、警察は業務多忙と人的リソース不足を理由に、重大事件でない限り扱いを後回しにする傾向があります。そのため、闇金被害の相談に行ってもぞんざいな扱いを受ける可能性が高いのが実情です。
なお、警察に被害届を受理してもらう手順とそのメリットについては「恐喝・脅迫の被害届を出す3つのメリットと出し方をわかりやすく解説をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
相談から解決までに時間がかかる
闇金被害の被害届や告訴状が警察に全く受理されないかと言えばそれは違います。
過去に東京と福岡で闇金業者が逮捕されたニュースも報道されています。
しかし、闇金の逮捕事例の多くは、被害者の人数が多く、被害総額が大きいといった傾向があります。
つまり、同一の闇金業者による被害申告が警察に集まるまで、警察が立件してくれない可能性があるということです。
また、闇金業者のほとんどが店舗を構えずに"飛ばし携帯"という身元がバレない携帯電話で営業を行っています。銀行口座も他人名義ですので身元が判明しません。
「脅迫電話の犯人は特定できるか|非通知や公衆電話の場合は?」にも書かれていますが、警察が捜査に本腰を入れれば、飛ばし携帯でも犯人の居場所を特定することが可能です。
しかしそれは、張り込みや尾行といった警察の地道な捜査により特定できるものですので、解決までに相当の日数を要します。
それでも警察に動いてもらいたい場合は証拠を揃える
解決まで日数がかかることは覚悟しているという方は、すぐにでも証拠収集を始めてください。
警察は確実に有罪に持ち込める事案でないとなかなか被害届や告訴状を受理してくれませんので、闇金の行為が犯罪に当たることを証明できる証拠が必要となります。
証拠となるものとしては、闇金の脅迫的な言動を録音・録画したデータ、契約書、取引履歴のわかる銀行通帳、送られてきたダイレクトメール、広告のチラシやビラなどがあります。
自宅等に押しかけられて暴力を振るわれたり家屋を傷つけられた場合には、医師の診断書や家屋への被害を撮影した写真も証拠として使えます。
できるだけ証拠を集めてから警察署に向かうようにしましょう。証拠の集め方については「脅迫罪の証拠となる5つのもの!証拠がない場合はどうすればいい?」で詳しく解説しています。
なお、警察への相談窓口は緊急性に応じて使い分けます。
- 緊急時(自宅に押しかけられているなど):110番
- 緊急性が低い相談:#9110(警察相談専用電話)または近隣の警察署の生活安全課窓口
闇金の脅迫を弁護士に相談すれば迅速に解決できる?
仮に警察が動いてくれたとしても、闇金業者の身元割り出しのための捜査には日数がかかります。今すぐに脅迫や嫌がらせをやめさせたい人にとっては深刻な問題です。
闇金は殺人や誘拐まではしないものの、勤務先や親族、子供の学校に何度も電話をしてきたり、大量の出前を債務者の家に送り付けるなどの嫌がらせ攻勢は当たり前のように行われます。
職場に居辛くなり、親族や家族にまで迷惑をかけ、闇金が逮捕されるまで針のむしろに座るような日々に耐えがたい苦痛を感じることでしょう。
そのような事態を回避し、できるだけ早く闇金からの脅迫や嫌がらせを止めたいのであれば、弁護士に相談するのが最も効果的な選択肢です。
受任通知の送付で取り立てが止まる仕組み
依頼を受けた弁護士はまず、代理人として介入した旨を闇金業者に通知します。これを「受任通知」といいます。
受任通知が届くと、闇金業者は債務者本人への直接の連絡や取立てが法律で禁止されます。違反すれば貸金業法違反として行政処分や刑事罰の対象となるため、大半の闇金業者は弁護士介入の時点で取り立てをやめます。
実際の実務でも、受任通知を送付したその日から取立電話が止むケースが少なくありません。違法業者であっても、刑事告発や口座凍結のリスクを天秤にかければ、本人への取立てを続けることは割に合わないからです。
口座凍結・仮処分・刑事告訴で闇金を追い詰める
受任通知後も取り立てをやめない悪質な業者には、弁護士はさらに強い手段で対応します。
- 口座凍結:振込先の銀行口座を犯罪利用口座として凍結させ、闇金の資金回収を遮断する
- 仮処分:裁判所に取立禁止・面会強要禁止・架電禁止の仮処分を申し立て、命令を出してもらう
- 刑事告訴・告発:脅迫罪・恐喝罪などで警察に告訴・告発し、刑事事件化を進める
仮処分の命令を無視して取り立てを続ければ、闇金は脅迫罪や強要罪などの犯罪として警察に逮捕されるリスクが高まるため、引き下がらざるを得なくなります。本人や親族等への取立てが続けば、すぐさま弁護士から繰り返し警告を与え、刑事告訴や口座凍結の手続きで闇金を徹底的に追い詰めていきます。
闇金からの借金に債務整理は必要?
「脅迫が止まった後、借りた金はどうなるのか」と心配される方も多いでしょう。結論として、闇金からの借入は、多くのケースで法的な返済義務がないと判断されます。
最高裁判決(平成20年6月10日)でも、ヤミ金融業者からの著しく高利での貸付けは民法708条の「不法原因給付」に該当し、業者から借主への元本の返還請求は認められないと判断されています。
そのため、闇金からの借金については、任意整理・個人再生・自己破産といった通常の債務整理手続きは原則として不要です。弁護士が受任通知で取立てを止めた後、闇金業者との関係はそのまま完結することがほとんどです。
ただし、闇金以外に正規の貸金業者からの借入がある場合は、債務整理を併用することもあります。状況に応じて、弁護士が最適な手続きを提案します。脅迫被害への対処法の全体像や、弁護士に相談した場合の費用・解決までの流れについては「脅された時の対処法は?恐喝・脅迫被害の相談先も弁護士が解説」で詳しく解説しています。
弁護士に相談したら危害を加えると脅されたけど大丈夫?
「弁護士や警察に相談したら殺す・子供をさらう・家族に危害を加える」などと闇金が脅してくることはよくありますが、実際にそのような被害が発生した事例はほとんどありません。
闇金に関するマンガやドラマでは、債務者を拉致監禁したり殺害したりするシーンが描かれていますが、あくまでも閲覧者を楽しませるための脚色が施された作品に過ぎません。
闇金業者は日々逮捕に怯えながら暮らしており、たかが数万円〜数十万円のために殺人や誘拐という重大犯罪に手を染める度胸はありません。重大犯罪を犯せば組織が壊滅し、自分自身も長期の刑罰を受けるリスクを負うからです。
現に、当事務所では闇金の脅迫被害の解決依頼を数多く受けていますが、連れ去りや殺害をされて連絡が取れなくなった依頼者は一人もいません。子供や妻(または夫)、親、親族に暴力等の危害を加えられたという依頼者の話も聞いたことがありません。
"彼らは臆病な卑怯者です"。大抵の場合、姿を見せずに電話やメール、FAXで嫌がらせや脅迫をするのが関の山です。闇金からの脅迫電話への具体的な対応方法については「脅迫電話への効果的な6つの対応方法と録音に関する重要ポイントとは」で詳しく解説しています。
闇金の脅迫を受けたときの絶対NG行動
闇金の脅迫的な取り立てに対しては、対処法そのものと同じくらい「やってはいけないこと」を知っておくことが重要です。誤った対応は被害を悪化させる結果を招きます。
- 一度でも返済してしまう:「払えば収まる相手」として認識され、その後も取立ての対象として情報が回ります
- 闇金業者を挑発・刺激する:報復として嫌がらせがエスカレートし、職場や家族にも被害が及びかねません
- 取立電話を放置する:着信を無視し続けると、勤務先や親族への嫌がらせ電話に切り替わるケースが多くあります
- 別の闇金から借りて返済に充てる:いわゆる「自転車操業」で借入先が増え、被害額が雪だるま式に膨らみます
- 自分一人で交渉しようとする:相手は法律を無視する違法業者です。個人での交渉では話が通じず、要求が一方的にエスカレートします
特に注意したいのは「一度でも返済する」と「別の闇金から借りる」の2点です。どちらも一見すると目の前の取立てから逃れる手段に見えますが、結果的に闇金側に弱みを握られ、長期的に金銭を搾り取られ続ける入り口になります。脅迫を受けている段階で迷ったら、まず弁護士に相談してください。
※拘禁刑は、2025年6月1日施行の改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑を一本化した刑種です。
闇金の脅迫被害でお困りの方へ
闇金からの脅迫的な取り立てを最短で止めるなら、弁護士への相談が最も効果的です。受任通知の送付だけで取り立てが止むケースも多く、悪質な業者には口座凍結や仮処分、刑事告訴で対応できます。
「弁護士に相談したら報復されるのでは」という不安を抱える方もいらっしゃいますが、当事務所の経験上、弁護士介入後に依頼者やご家族に危害が加えられた事例はありません。闇金業者にとっても、弁護士を相手に重大犯罪を犯すリスクは負えないからです。
職場への嫌がらせの電話が続いている方、親族にまで取り立てが及んでいる方、これ以上被害が広がる前に、一人で抱え込まずにご相談ください。当事務所は恐喝・脅迫被害の解決を多く手掛けてきた弁護士事務所であり、闇金対応にも豊富な経験があります。全国どこからでも無料でご相談いただけます。
| 誰でも気軽に弁護士に相談できます |
|
この記事の監修者
脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

