企業が円滑に社会内で営業を継続していくためには、自社の商品やサービスに対するクレーム対応が重要です。
クレームの中には企業に責任のあるものと謂われのない悪質クレームがあるので、まずはこれらを振り分ける作業が必要となります。そして悪質クレームに対しては断固たる対応が必要です。
今回は、企業の商品やサービスに対する悪質クレームへの対処方法について、解説します。
1.悪質クレームと企業に責任のあるクレームの選別
企業が自社の商品やサービス内容についてクレームを受けるとき、企業が責任を問われてもやむを得ないものもありますが、ただの悪質クレームであるケースも多いです。
たとえば「あなたの会社の商品によってやけどをしたから慰謝料を払え」「エステを受けたら後に皮膚に異常が発生してきたから慰謝料を払って欲しい」などとクレームを受けることがありますが、このような場合、相手の言っていることが事実かどうか、把握しなければなりません。
相手の主張に法的根拠があれば、きちんと謝罪をして対応する必要があります。そうしないと企業の社会的責任を問われ、社会内での評判が低下して営業も継続し難くなってしまうでしょう。
これに対し、悪質クレームであれば相手をブロックする方法を検討すべきです。
2.悪質クレームへの対処方法
企業の商品やサービスに対する悪質クレームが来たときには、電話対応、文書による対応、面談するときの対応それぞれにおいて、慎重さが要求されます。適切に対応するためには、あらかじめ対応マニュアルなどを整備しておいて担当者に周知させ、対応グループを作って複数人で臨む必要があります。
自社のみでは手に余る場合には、弁護士を利用するとメリットが大きくなります。弁護士が企業の代理人となれば、相手が企業に直接連絡してきても「弁護士に任せている」とだけ答えてそれ以上の対応を一切とる必要がなくなるからです。相手が「不誠実だ」などといってしつこく企業に対する直接連絡をしてくる場合、業務妨害罪で刑事告訴することなども可能です。
たいていの悪質クレーマーは、弁護士が対応を開始して受任通知をした時点で退いていきます。
企業の商品やサービスに対する悪質なクレーマーが現れたら、風評被害が発生する前に適切な対応が必要です。お困りの場合には、お早めにご相談下さい。