不同意性交罪は証拠がなくても逮捕される?同意の証明と対処法

「不同意性交等罪で逮捕されるのか、同意を示す証拠は何も残っていないのに」。そう不安に感じている方は少なくありません。結論から申し上げると、証拠が手元になくても相手の申告から捜査は進み、逮捕や起訴に至ることがあります。

もっとも、相手が「あのときは同意していなかった」と述べただけで有罪が決まるわけではありません。立証を担うのは検察官の側であり、疑われた本人に「同意はあった」と証明する義務はありません。

相手の代理人から通知書が届く。警察から「話を聞かせてほしい」と電話がかかってくる。合意のうえだったはずなのに、何をすればいいのか分からないまま日が過ぎていく方も少なくありません。

分かれ目になるのは、同意があったことをうかがわせる材料をどれだけ示せるかと、最初の数日に何をして何をしないかです。まず、相手やその関係者への連絡は、弁護士を通す形に切り替えてください(理由は本文で解説します)。

この記事では、性犯罪の弁護に精通した弁護士が、次の点について解説します。

  • 証拠がなくても逮捕・起訴されるのか
  • 同意があったと証明できる証拠
  • 訴えられたときにとるべき行動
  • 逮捕回避・不起訴につながった解決事例

お読みいただくことで、手元にある材料のうち何が使えるのか、そして今日から何をすべきかを整理できます。

なお、不同意性交等罪について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。早期対応が結果を左右します。

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同意の証拠がなくても逮捕・起訴されるのか

不同意性交等罪(刑法177条)は、法定刑が5年以上の有期拘禁刑(懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰)と定められた、性犯罪のなかでも特に重い罪です。

では、同意を示すものが何も残っていない場合、そのまま有罪が確定してしまうのでしょうか。捜査と裁判で実際に何が見られるのかを確認します。

立証責任は検察官にあり「言ったもん勝ち」にはならない

「後から不同意だったと言われたら、それだけで性犯罪者にされてしまうのではないか」。

そう不安に感じる方は少なくありません。しかし、犯罪の成否は、被害を訴える側の話だけで決まるものではありません。

日本の刑事裁判では、被告人は有罪判決が確定するまで無罪として扱われます(無罪推定の原則)。

犯罪事実を証明する責任を負うのは検察官であり、疑いをかけられた人が「同意があった」と証明する義務はありません。

犯罪の証明がないときは無罪を言い渡さなければなりません(刑事訴訟法336条)。

検察官が合理的な疑いを残さない程度まで「同意がなかったこと」を示せなければ、有罪の判断はできません。

相手の説明に食い違いがあり、裏づける客観的な材料も乏しい場合には、不起訴(検察官が裁判にかけない判断)や無罪に至ることもあります。

もっとも、立証責任が検察官にあるからといって、様子を見ていてよいわけではありません。捜査機関が相手の話を「信用できる」と受け止めれば、そのまま起訴へ進むおそれがあります。

だからこそ、捜査の早い段階から、同意があったことをうかがわせる材料を示していく防御活動が欠かせません。

被害者の証言の信用性はどう判断されるのか

客観的な証拠が乏しい事件では、相手の説明そのものが証拠として扱われます。問われるのは、その説明をどこまで信用できるかという点です。

証拠にどれだけの力を認めるかは裁判官の判断に委ねられていますが(刑事訴訟法318条。自由心証主義といいます)、思うままに決めてよいという意味ではありません。実際の見極めでは、次のような点が手がかりになります。

  • 説明の内容が時期によって入れ替わっていないか
  • その場にいた人でなければ語れない細部があるか
  • 診断書、通話やメッセージの記録、移動の履歴など裏づけ資料があるか
  • 被害を訴え出るまでの経過や申告に至った事情に不自然な点はないか

これらに疑問が残るときは、検察官が起訴を見送ることがあります。その理由に使われるのが、嫌疑不十分(起訴して有罪を立証できるだけの証拠がそろわなかったという判断)です。

逆に、説明が終始変わらず裏づけもそろっていれば、決定的な物証がなくても手続きは進みます。当日の流れを別の角度から説明できる材料をそろえておく意味は、そこにあります。

同意の証拠がなくても後日逮捕されることがある

その場で現行犯逮捕されず警察が来なかったからといって、事件にならないと決まったわけではありません。

性犯罪では、被害の申告が行為から時間をおいて行われることが珍しくありません。

相手が相談機関や弁護士に相談し、被害届や告訴(処罰を求める意思表示)が出されるまでに数か月から数年が空くこともあります。

申告を受けた警察は、メッセージの記録や防犯カメラの映像、関係者からの聴き取りで裏づけを集めます。

あなたの手元に同意を示す材料があるかどうかにかかわらず、相手の供述と周辺の裏づけがそろえば逮捕状が請求されることがあります。

何も手を打たないうちに、ある朝、警察官が自宅を訪ねてくることもあります。逮捕に至らず、在宅のまま捜査が続く在宅事件となるケースもあります。

逮捕された場合、警察は留置の必要があると判断すれば、身体を拘束した時から48時間以内に事件を検察官へ送ります。

検察官は受け取った時から24時間以内に、勾留(判決前の身柄拘束)を請求するかどうかを決めます(刑事訴訟法203条1項・205条1項)。

勾留はまず10日間、延長されるとさらに10日間続きます(同法208条)。逮捕からの日数と合わせると、最長23日間、日常生活から切り離されます。

なお、公訴時効(起訴できる期間の制限)は15年で、けがを負わせた場合は20年です(被害者が18歳未満だったときは、18歳になるまでの年数が加算されます。刑事訴訟法250条3項・4項)。詳しくは「不同意性交等罪(旧強制性交等罪・旧強姦罪)の時効は15年です」をご覧ください。

どんな場合に起訴され、どんな場合に不起訴になるのか

検察官は、集まった証拠と事情をふまえて起訴するかどうかを決めます。犯罪の疑いがあっても、事情によっては起訴しないことができるとされています(刑事訴訟法248条)。

起訴が見送られやすいのは、同意の存在を示す資料が残っていて、相手の説明の裏づけが弱い場合です。前に触れた嫌疑不十分による不起訴が、これにあたります。

一方で、相手の供述に食い違いが見当たらず、こちらに有利な材料も示せないままだと、起訴へ進む可能性が高まります。

もう一つ大きいのが相手との示談(当事者どうしが話し合い、解決金の支払いなどで折り合いをつける合意)です。

示談が成立して処罰を望まない意思が示されれば、起訴猶予(疑いはあるが事情を考慮して起訴しない処分)となる可能性が出てきます。

示談金は50万円から300万円ほどが一つの目安ですが、犯行の悪質さや被害の程度、相手の処罰感情によって大きく動き、この幅を超えることもあります。

示談の進め方は「不同意性交(強制性交・強姦)の示談金相場と流れ・メリットを解説」で解説しています。

同意があったと証明できる証拠5つ

ここからは、同意があったことを示す材料として何が使えるのかを見ていきます。大切なのは、いま手元に残っているものを取りこぼさないことです。なお、後半で紹介する性交同意書と性交同意アプリは、今後に向けた備えとして使う手段です。

以下のいずれも、単独で「同意があった」と決めつけられるものではありません。複数を組み合わせ、当日の流れを無理なく説明できる形に整えることに意味があります。

  • LINEやメッセージアプリの履歴
  • 行為前後の録音・録画
  • 第三者の証言と防犯カメラの映像
  • 性交同意書
  • 性交同意アプリ(キロク)

LINEやメッセージアプリの履歴

性行為の前後にやりとりしたメッセージは、当時の関係性や気持ちの動きを推し量る材料になります。

「性行為に同意します」という言葉がなくても、待ち合わせの相談や別れた後の何気ないやりとりが残っていれば意味を持ちます。

  • 事前の例:「早く会いたい」、「ホテル予約したよ、楽しみだね」
  • 事後の例:「今日はありがとう」、「無事に家着いた?今後いつ会える?」

こうしたやりとりがあれば、「嫌がっていた」、「怖くて逃げられなかった」という説明と実際の行動がかみ合うのかを検討できます。

ただし、マッチングアプリで知り合った直後など関係が浅い段階では、事後のやりとりだけで説明しきれないこともあります。店やホテルの予約履歴、移動の記録も併せて残しておいてください。

トーク履歴は決して削除せず、スクリーンショットや履歴の書き出し機能で保存してください。トークルームを削除すると、バックアップがない限り元に戻せません。

行為前後の録音・録画

同意を証明しようとして、相手の裸や下着姿、性行為の様子を無断で撮影することは絶対にやめてください。2023年に新設された性的姿態等撮影罪(撮影罪)や、迷惑防止条例違反に問われるおそれがあります。行為の前後であっても、相手に知られないように性的な姿態を撮影すれば同じです。

撮影罪の詳細は「性的姿態等撮影罪(撮影罪)とは?盗撮罪との違いと刑罰を解説」で解説しています。同意を示すつもりの行動が、それ自体を理由に別の罪へ発展しては本末転倒です。

一方、性行為の「前」や「後」の会話の録音・録画は、有効な材料になり得ます。すでにそうした記録が残っている場合は、上書きや自動削除で消えないよう保存し、加工せずそのまま残してください。

たとえば、ホテルへ向かう道中の弾んだ会話や、行為の後にくつろいで過ごしている様子は、「抵抗できる状態ではなかった」という説明に対する反論の材料になります。

ただし、どの類型が争点かによって意味の大きさは変わります。不意打ちだった、立場を利用されたと主張されている場合、和やかなやりとりが残っていることだけでは決め手になりません。

なお、行為中の録音や、無断での録音・録画は、後に信頼関係の破綻やプライバシー侵害として民事のトラブルにつながるおそれがある点にも注意してください。

第三者の証言と防犯カメラの映像

当事者間の証拠が乏しくても、周囲の人が見聞きした事実や当日の状況を示す間接証拠(状況証拠ともいい、事実を間接的に推認させる証拠)を積み重ねて、同意があったことを示せる場合があります。

  • 防犯カメラ映像:ホテルやマンションの入口から、手をつないだり寄り添ったりして自分の足で入っていく様子
  • 従業員の供述:飲食店の店員やホテルのフロント係が見ていた二人の様子や退出時のやりとり
  • 第三者の証言:直前まで同席していた友人や知人による「二人は親しげだった」という話
  • その他の状況:行為後に食事をともにした、翌朝まで一緒に過ごしたといった事実やSNSの投稿

防犯カメラの映像は保存期間が短く、数日から数週間で上書きされることも珍しくありません。

急ぐべきは、開示を求めることよりも上書きを止めてもらうことです。ホテルや店舗といった施設への依頼であれば、相手方や知人に事情を明かすことにはなりません。応じるかどうかは施設側の判断ですが、消えてしまえば取り返しがつきません。

映像の開示は、弁護士会照会(弁護士会を通じて企業などに情報の開示を求める手続き)などを通じて求めます。照会を受けた側には正当な理由がない限り報告する義務がありますが、拒まれても強制はできません。

なお、共通の知人や同僚に証言を頼みたくなるかもしれません。ただし、その人が被害を訴えている側とも親しい場合、話した内容がそのまま伝わり、証拠隠滅を疑われたり、相手の主張を補強する機会を与えたりするおそれがあります。噂が広まって社会的なダメージを受ける可能性も否定できません。

周囲の人に何をどこまで話すかは、必ず弁護士と打ち合わせてから決めてください。

性交同意書

性交同意書とは、特定の性行為について双方が自由な意思で同意している旨を記した書面です。合意の内容を形にしておけば、後から「無理やりだった」と主張された際の反証になります。

ただし、書面があっても万全ではありません。「強引に署名させられた」「署名した後に気持ちが変わって断った」と反論される余地は残ります。

日常のなかでそのつど取り交わすのは現実的でないという課題もあります。

性交同意アプリ(キロク)

「キロク」は、弁護士監修のもとで開発された性的同意の記録サービスです。スマートフォンのブラウザから使え、基本の利用は無料とされています。

同意後48時間以内であれば同意を取り消せる機能があり、取り消されないまま記録が残っていれば、真意に基づく同意を裏づける事情の一つになります。

もっとも、記録だけで直ちに同意が認定されるわけではなく、同意の存在を推認させる間接証拠(状況証拠)の一つにとどまります。

参考:性的同意記録サービス キロク | 唯一無二の性的同意の取り方

同意の証拠がないまま訴えられたときの対処法

では、相手がすでに「同意はなかった」と言い出しているのに、それを覆せる決定的な材料が手元にないと感じている場合、どう動けばよいのでしょうか。

材料が乏しくても、最初の数日の動き方しだいで結果は変えられます。逆に、焦って動いた結果、かえって自分の立場を悪くしてしまう例が少なくありません。

不同意性交等罪の疑いをかけられたときに、まずとるべき行動を3つに整理して解説します。

  • 冷静に事実を整理し証拠を保全する
  • 相手や関係者に自分から連絡しない
  • 早期に弁護士に相談する

冷静に事実を整理し証拠を保全する

「同意がなかった」と突然告げられ、不同意性交等罪の疑いをかけられると、誰しも頭が真っ白になるものです。しかし、まず必要なのは、事実関係を落ち着いて整理することです。

いつ、どこで、どのような経緯で会い、どんな流れで性行為に至ったのか。

立ち寄った店の名前やその場にいた第三者まで含めて、記憶が鮮明なうちに時系列のメモを残しておくことが、その後の防御活動を大きく助けます。

また、LINEなどのやりとりが残っているなら、前の章で説明したとおり、感情的になってトークルームや履歴を削除するのは絶対に避けてください。

たとえ自分に不利に見える内容が含まれていても、全体像を把握するためには必要です。

相手や関係者に自分から連絡しない

「誤解を解きたい」「謝って穏便に済ませたい」という思いから、相手に電話やメッセージを送ろうとする方は多いのですが、これは極めて危険な行動です。

直接の連絡は、内容次第で証拠隠滅の働きかけや口止めの圧力とみなされるおそれがあります。

良かれと思って送った「申し訳なかった」「誰にも言わないでほしい」といった言葉が、罪を認めたものとして扱われ、不利に働くこともあります。

控えるべきなのは相手本人への連絡だけではありません。相手の家族や共通の知人を通じて働きかければ、圧力をかけたと受け取られかねません。

一度「同意はなかった」と述べている相手と、当事者だけで冷静に話し合うのは困難です。さらなる状況悪化を防ぐためにも、連絡はすべて弁護士を通じて行うのが鉄則です。

すでに警察から呼び出しを受けている場合も同じです。集めた資料を自分で持ち込んで説明する前に、まず弁護士に相談してください。供述調書への署名・押印は、内容に納得しているかどうかにかかわらず断ることができます(刑事訴訟法198条5項)。

早期に弁護士に相談する

不同意性交等罪の疑いで逮捕・勾留された場合、最大で23日間もの身柄拘束を受けるリスクがあります。長期の拘束を受ければ、会社の解雇や学校の退学処分を招くおそれが強く、家族にも大きな影響が及びます。起訴されて有罪となれば前科が残ります。

こうした事態を避けるには、事件が深刻化する前に弁護士へ相談することが何より重要です。依頼を受けた弁護士は、次のような形で動きます。

  • 同意を裏づける資料の収集・提出:相手の説明だけに頼った捜査が行われないよう、客観的な資料を集めて整理し、捜査機関へ提出します。
  • 相手方の矛盾供述を指摘:専門的な知見から相手の言い分の不自然な点や食い違いを突き、信用性を争う防御活動を展開します。
  • 示談交渉の代行:相手が感情的になっている場合でも、弁護士が間に入ることで冷静な示談交渉が可能になります。適切な示談が成立すれば、長期の身柄拘束や起訴を避けられる可能性が高まります。
  • 取り調べのアドバイス:警察の取り調べで不利な供述調書が作られないよう、黙秘権(答えたくないことに答えなくてよい権利)の使い方を含めて、受け答えの方針を助言します。

動き出しが早いほど選べる手は多くなります。被害届が出される前であれば、弁護士を通じた話し合いで解決できる余地も残されています。

不同意性交等罪とはどんな罪か

この章では、前提となる知識として、どのような行為がこの罪にあたるのかを確認します。

2023年の刑法改正で新設された不同意性交等罪

2023年7月の刑法改正により、従来の強制性交等罪などは不同意性交等罪へと改められました。

条文は、性交のほか、肛門性交、口腔性交、膣・肛門への身体の一部(陰茎を除く)や物の挿入のうちわいせつなものを「性交等」と呼んでおり、これらはすべて処罰の対象です。

この罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑という非常に重い刑罰です(刑法177条)。

※拘禁刑とは、2025年6月1日施行の改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰です。

罰金刑の規定はなく、起訴されれば正式な裁判が開かれます。法定刑の下限が5年と重いため、有罪となった場合、刑を減軽する事情がない限り執行猶予は付かず、実刑(刑務所への収監)となります。

情状による減軽(酌量減軽)の判断では、示談の成立や被害弁償、反省の状況などが考慮されます。起訴された後であっても、示談を目指す意味は残ります。

詳しくは「不同意性交等罪(強姦)は懲役実刑確定?執行猶予はつく?」をご参照ください。

改正の要点は、成立要件が「暴行・脅迫があったか」から「相手が同意しない意思を示しにくい状態だったか」へ移った点です。

あからさまな暴行がなくても、拒めない状況にあったと判断されれば罪に問われます。

この罪は婚姻関係の有無にかかわらず成立します。夫婦間の性行為については「夫婦間でも同意のない性行為は不同意性交等罪が成立する?」をご覧ください。

不同意性交等罪が成立する8つの類型

不同意性交等罪は、次の8つの行為・事由やこれらに類する行為・事由により、相手が「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」に置かれているときに成立します(刑法177条1項・176条1項各号)。

条文は「加害者がその状態を作り出した場合」と「相手がすでにその状態にあることに乗じた場合」の双方を対象としており、どちらでも成立します。

  • 1.暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと(例:腕を強く掴む、刃物を見せて「叫んだら殺す」と脅す)
  • 2.心身の障害を生じさせること又はそれがあること(例:知的障害や精神障害により、行為の意味を正しく理解できない状態)
  • 3.アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること(例:大量に飲酒させ泥酔させる、睡眠薬を飲ませて抵抗不能にする)
  • 4.睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること(例:寝ている間や、意識がもうろうとしている隙に行う)
  • 5.同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと(例:エレベーター内などで突発的に行われる不意打ち行為)
  • 6.予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること(例:ショックで体がすくんで動けなくなるフリーズ状態)
  • 7.虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること(例:長年の虐待支配により、抵抗しても無駄だと諦めてしまっている状態)
  • 8.経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること(例:上司と部下、教師と生徒の関係で「拒否すれば不利益を被る」と不安にさせる)

出典:e-Gov法令検索

相手がこうした状態にあるのを利用して性交等に至ったのであれば、その場ではっきり拒まれなかったとしても、同意があったとは認められません。

各号が想定する場面は「不同意性交等罪とは?旧強制性交・強姦罪との違いや構成要件」で整理しています。

性交同意年齢(16歳)にも注意が必要です。相手が13歳未満なら同意の有無を問わず犯罪が成立し、13歳以上16歳未満なら、行為者が5歳以上年上であれば、合意があったと主張しても処罰の対象となります。

性交等に至らないキスや身体に触れる行為でも、わいせつな行為と評価されるものが8つの類型にあたる状況で行われれば、不同意わいせつ罪(6か月以上10年以下の拘禁刑)が成立します。

詳しくは「不同意わいせつ罪とは?旧強制わいせつ罪との違いをわかりやすく解説」で具体的な内容を紹介しています。

不同意性交等罪に関する当事務所の解決事例

不同意性交等罪の疑いをかけられた際、実際にどのような弁護活動を経て解決に至るのかイメージを持っていただくため、当事務所の事例をご紹介します。なお、プライバシー保護の観点から、事例の核心を損なわない範囲で内容を一部改変しています。

事例①:早期の示談成立により逮捕回避できた事例

【事案の概要】

Aさんは、知人女性との飲み会の帰りに合意の上でホテルへ向かい性交渉を行いました。

しかし、約1年が経過した頃、相手方が弁護士を通じて「当時は泥酔しており、拒否できない状態だった。被害届を提出する準備がある」との通知を送ってきました。Aさんは「合意はあったはずだ」と動揺し、警察が自宅に来るのではないかという強い恐怖を感じて当事務所へ相談されました。

【弁護活動と結果】

当事務所の弁護士が代理人として介入し、直ちに相手方弁護士との協議を開始しました。

行為から1年という長い月日が経過した後の被害申告である点や、当時の二人の良好な関係性を示すLINEのやり取りや交際状況などを整理し、粘り強く交渉を行いました。

その結果、被害届や告訴状を提出しないことを条件に、解決金を支払う形での示談が成立しました。警察による捜査が本格化する前に弁護士が介入し示談が成立したことで、刑事事件化そのものを阻止し、逮捕や前科がつくリスクを完全に回避することができました。

事例②:身柄拘束後に弁護活動で不起訴を獲得できた事例

【事案の概要】

SNSを通じて知り合った女性を自宅に招いたBさんは、後日、「無理やり性的な行為をされた」と被害を届け出られ、警察からの呼び出しに応じて取り調べを受けることになりました。

取り調べでは警察官から威圧的な対応を受け、Bさんは恐怖から「事実とは異なる内容(相手の同意なく性行為を行ったという内容)」の供述調書にサインをしてしまい、Bさんはそのまま逮捕されてしまいました。

【弁護活動と結果】

事件の依頼を受けた当事務所の弁護士は、直ちに警察署へ出向き、Bさんと接見しました。

経緯をヒアリングした弁護士は、Bさんが署名した調書は事実と異なるものであると反論すると同時に、Bさんの認識通りの事実関係をまとめた書面を提出しました。本件では、事件の前後を通じて被害女性から親密な内容の連絡が複数あったことから、冤罪の可能性も懸念される事案でした。

再度の取り調べの際も弁護士が署内で待機し、不当な圧力がかからないよう捜査機関に十分な配慮を要求しました。

このような弁護活動の結果、捜査機関も本件を嫌疑不十分として、勾留期間の満了によりBさんを釈放しました。

Bさんは不同意性交等罪の疑いで逮捕・勾留されましたが、最終的に検察官の不起訴処分を獲得することができ、前科が残ることも回避できました。

不同意性交等罪の疑いをかけられた方・被害届を出すと言われた方へ

同意の証拠が手元にないことは、そのまま逮捕や有罪を意味するものではありません。

証明する責任は検察官にあり、メッセージの履歴、行為前後の録音、周囲の人の話や防犯カメラの映像など、同意の裏づけとなる資料は後からでも集められる場合があります。

とはいえ、一人で行うのは容易ではありません。映像は短い期間で消え、関係者の記憶も薄れていきます。

弁護士に依頼すれば、資料の収集と整理、示談交渉、取り調べに向けた助言まで一貫して任せられます。

逆に、弁護士をつけないまま対応すれば、意図しない内容の供述調書が作られ、集められたはずの材料が失われるおそれがあります。

相手から「被害届を出す」「訴える」と告げられている方、すでに警察から連絡が来ている方、ご家族が突然逮捕された方は、一人で抱え込まないでください。

早期に弁護士へ依頼することで、逮捕の回避や勾留の阻止、不起訴処分の獲得に向けた弁護活動を始めることができます。

当事務所は刑事弁護を専門分野とし、性犯罪の事件を数多く取り扱ってきました。

逮捕回避、示談成立、不起訴処分の獲得について豊富な実績があります。ご家族や職場に影響が及ばないよう配慮しながら、弁護士が迅速に動きます。

全国どこからでも無料でご相談いただけますので、不同意性交等罪の疑いでお困りの方は、当事務所までご連絡ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

逮捕回避・早期釈放 不起訴獲得 示談交渉 痴漢・盗撮 性犯罪 暴行・傷害
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