
「下半身を露出してしまった…現行犯では捕まらなかったが、後日逮捕されるのだろうか」「防犯カメラに映っていたかもしれない」
このような不安を抱えている方もいるでしょう。下半身の露出で問われる罪は、公然わいせつ罪・迷惑行為防止条例違反・軽犯罪法違反の3つです。どの罪になるかは、露出した部位と、それが誰にどう見られる状態だったかで決まります。
警察庁の犯罪統計(令和7年確定値)では、公然わいせつの検挙率は74.7%でした。その多くは現行犯ですが、防犯カメラの映像から約1か月後に特定された例もあり、時効の3年間は後日逮捕の可能性が残ります。起訴されて有罪となれば前科がつきます。避けるには早い段階で被害者との示談を成立させることが重要です。ただし、ご自身だけで示談交渉を進めることは困難なため、弁護士のサポートが欠かせません。
この記事では、公然わいせつ事件の解決実績が豊富な弁護士が、次の点について解説します。
- 下半身露出で問われる3つの罪と、その分かれ目
- 後日逮捕される可能性と、検挙率・起訴率の最新データ
- 逮捕を回避・不起訴を獲得する方法
- 逮捕された後の流れと受けるリスク
お困りの方は、全国対応の無料相談へお早めにご連絡ください。早期対応が結果を左右します。
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下半身露出で問われる3つの罪と刑罰
下半身露出で問われる罪は「どの部位を」「誰が見られる状態で」露出したかで3つに分かれます。順に見ていきます。
- 性器を、不特定または多数の人が認識しうる状態で露出した→公然わいせつ罪
- 性器は隠していたが、公共の場所・乗物で下着姿になるなど「卑わいな言動」にあたる露出をした→迷惑行為防止条例違反
- 尻・ももなど性器以外の一部を、公衆に嫌悪の情を抱かせる方法で露出した→軽犯罪法違反
公然わいせつ罪
下半身露出で最も多く問われるのが刑法174条の公然わいせつ罪です。
(公然わいせつ)
第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。出典:e-Gov法令検索
「公然と」とは不特定又は多数の者が認識しうる状態をいい、実際に見られていなくても、見られる可能性があれば公然性は満たされます。
「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を興奮または刺激させ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反する行為で、典型は性器の露出です。
- 路上や公園、駅構内などで性器を露出する行為
- 不特定多数が視聴できるライブ配信で下半身を露出する行為(特定の1人とのビデオ通話は「公然」にあたらないのが原則)
罰則は「6か月以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。初犯なら略式手続(法廷を開かず書面審理で罰金を決める手続き)となるケースが多く、罰金は上限の30万円以下です。常習犯や悪質なケースでは拘禁刑もあり得ます。
※拘禁刑とは、2025年6月1日施行の改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰です。
迷惑行為防止条例違反
下半身露出が公然わいせつ罪にあたらない場合は、各都道府県の迷惑行為防止条例が適用されます。
「公共の場所又は公共の乗物」とは、道路・公園・駅構内・電車・バスなど、不特定又は多数の者が利用する場所や乗物です。「卑わいな言動」は、見た人を著しく羞恥させたり不安を覚えさせたりする程度のものをいいます。
「わいせつな行為」とまではいえない露出でも検挙されることがあります。罰則は都道府県によって異なり、東京都は「6か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」です。
軽犯罪法違反(身体露出の罪)
より軽度な下半身露出には、軽犯罪法の次の規定が働きます。
公然わいせつ罪でも条例違反でも処罰できない軽度な露出は、軽犯罪法違反で検挙される可能性があります。上半身の扱いは女性の上半身露出は公然わいせつ罪に?下着姿の場合は?をご覧ください。罰則は「拘留又は科料」と軽いため、逮捕状による通常逮捕は、住居不定の場合か、正当な理由なく出頭の求めに応じない場合に限られます(刑事訴訟法199条1項ただし書)。ただし現行犯逮捕は、住居・氏名が明らかでない場合や逃亡のおそれがある場合には可能です(同法217条)。
下半身露出で逮捕される可能性はあるのか
下半身露出が発覚すると、その場で現行犯逮捕されることも、後日逮捕されることもあります。
現行犯逮捕されることが多い
下半身露出で逮捕されるとしたら、現行犯逮捕されるケースが多いとされています。
露出は「第三者に見られる→通報される→現場付近で逮捕される」という流れで発覚することがほとんどで、現行犯なら目撃者の証言で事実を証明しやすいという捜査機関側の事情もあるからです。
後日逮捕されることは?
とはいえ、下半身露出で後日に捕まる可能性がまったくないわけではありません。
決め手となりやすいのが防犯カメラです。犯行時の映像が残っていれば、警察が解析して犯人を特定し、逮捕状を請求します。「背格好」「服装」「逃走方向」といった目撃者の証言や、被害が繰り返されている場合の張り込み捜査も特定につながります。
どのような場合に後日逮捕へ踏み切られるのかは、公然わいせつ罪は現行犯ではなく後日逮捕されることはある?で詳しく解説しています。
下半身露出で逮捕された事例
ただし、下半身露出で後日逮捕された例もあります。次の2件がそれです。
下校中の児童に露出し後日逮捕
2024年10月、新潟県上越市で66歳の男が公然わいせつの疑いで逮捕されました。路上で下校中の小学生に陰部を露出したもので、児童から相談を受けた母親の110番通報で発覚し、犯行から2日後の逮捕でした。
参考:下校中の児童に対し陰部露出 公然わいせつの疑い 上越市66歳男を逮捕|上越妙高タウン情報
路上で露出し防犯カメラから特定、約1か月後に逮捕
2026年9月、札幌市の54歳の会社員の男が公然わいせつの疑いで逮捕されました。同年8月8日の早朝、札幌市中央区の路上で下半身を露出した疑いです。目撃者の110番通報を受けた警察が防犯カメラから男を特定し、犯行から約1か月後に逮捕しました。
参考:『帰宅途中に下半身を露出してきた男がいる』公然わいせつの疑いで54歳男を逮捕|FNNプライムオンライン(北海道文化放送)
公然わいせつ罪の検挙率と起訴率は?
下半身露出の実際を公的統計で見てみましょう。
警察庁の犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)では、令和7年の公然わいせつは認知2,258件・検挙1,687件でした。検挙率は74.7%で、発覚した事件の4件に3件で犯人が特定されています。
検察統計調査(令和7年)では、下半身露出を含む公然わいせつの起訴814人・不起訴693人で、起訴と不起訴を分母にした起訴率は54.0%です(家裁送致などを含む既済2,185人に対する割合なら約37%)。起訴のうち639人(78.5%)は略式命令請求、つまり書面審理で罰金が科される手続きでした。
なお、ネット上の「公然わいせつの逮捕率は約27%」は「わいせつ・わいせつ文書頒布等」をまとめた区分の値です。検察統計は逮捕を大分類でしか集計しておらず、公然わいせつだけの逮捕率は公表されていません。
なお先ほどの起訴率は、逮捕された人だけの数字ではなく、在宅で捜査が進んだ人も含みます(→在宅事件の流れと期間|起訴率・不起訴率と身柄事件との違い)。
また、公然わいせつ罪の時効期間は3年、軽犯罪法違反は1年です(条例違反の時効は法定刑によって決まるため、東京都のように6か月以下の拘禁刑を定める条例なら3年です)。時効期間内は逮捕・起訴の可能性が残りますが、完成を待つことにはリスクが伴います(→公然わいせつ罪の時効は3年?時効待ちのリスクと今すべき対応)。
下半身露出で逮捕された後の流れと受けるリスク
下半身露出で逮捕されると、時間制限のなかで手続きが進み、同時に職場や家族への影響も広がります。
逮捕から起訴・不起訴が決まるまでの流れ
下半身露出で逮捕された後は、以下の流れで進みます。
- 警察官から言い分を聞かれる(弁解録取)
- 逮捕から48時間以内に検察官へ事件と身柄が送致される(送検)
- 送致から24時間以内に検察官が勾留を請求する(却下されれば釈放)
- 勾留が決まると10日間拘束される(最大10日間延長される)
- 原則、勾留期間内に起訴・不起訴が決まる
逮捕から最大3日間は弁護士以外の者と連絡をとれず、会社や学校への連絡も弁護士を介して家族から入れてもらうことになります。
逮捕から勾留満期までの最大23日間に、不起訴へ向けた対応をどこまで進められるかが結果を左右します。起訴される場合も、初犯なら略式命令請求による罰金刑で終わるケースが多いものの、有罪であることに変わりはなく前科はつきます。手続きの詳細は略式起訴とは?前科・罰金相場・手続きの流れをわかりやすく解説と公然わいせつで逮捕されたらどうなる?流れや逮捕されるケースで解説しています。
職場や学校にバレる・有罪となれば懲戒解雇や退学処分もあり得る
逮捕されると、下半身露出で捕まったことが職場や学校に知られてしまう可能性があります。事件が周囲に知られるきっかけの多くは報道であり、その報道が集中するのが逮捕のときだからです。
逮捕されただけでは有罪が確定したわけではないため、それ自体を懲戒解雇や退学処分の理由とすることは通常認められません。ただし職場や学校に居づらくなり、退職や退学を勧められることはありますし、有罪判決を懲戒解雇事由とする就業規則があれば、強制的に退職させられる可能性もあります。
なお、20歳未満の事件は捜査後に全件が家庭裁判所へ送られます。保護観察や少年院送致などの保護処分は刑罰ではないため前科になりません(検察官送致され罰金や拘禁刑が確定した場合は前科となります)。令和7年は公然わいせつの既済2,185人のうち559人が家裁送致でした。
社会的信用を失い、前科が残る
下半身露出が報道されれば、社会的信用を失うおそれもあります。職場や取引先から見放されて退職に追い込まれたり、地域のつながりが強い場所では住み続けにくくなったりします。一家の大黒柱なら、収入の減少が家族の生活を直撃します。
前科がつくと、次の影響も生じます。
- 医師・看護師などの資格が欠格事由にあたり、免許の取消しや業務停止などの処分を受けることがある
- 資格を必要とする職種に就けなくなることがある
- 旅券法の要件にあたるときは、パスポートの発給が制限されたり返納を命じられたりすることがある
前科は、刑罰を科す判決(命令)が確定した後につきます。逮捕されただけで前科がつくことはありません。
下半身露出で逮捕を回避するためにすべきことは?
下半身露出で逮捕される可能性を下げるには、次の対策が要ります。いずれもご自身だけで進めることは難しく、弁護士のサポートが欠かせません。
被害者と示談を成立させる
下半身露出での後日逮捕には「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」が必要で(刑事訴訟法199条1項)、逃亡や罪証隠滅のおそれがなければ逮捕の必要はないと判断されます。示談が成立すれば被害者へ働きかける余地が消えるため罪証隠滅のおそれは小さいと評価され、出頭にも応じていれば逃亡のおそれも否定されやすくなります。処分の場面でも、起訴猶予(証拠はあるが反省や示談を考慮して起訴しない処分)となる可能性が高まります。
ただし公然わいせつ罪は社会の性的秩序を守る犯罪とされており、示談すれば必ず不起訴になるわけではありません。示談金の相場や流れは公然わいせつの示談金相場は?示談の流れとできない場合の対処法にまとめました。
自首・出頭をする
下半身露出を自ら申告する自首・出頭は、捜査機関に「逃げも隠れもしない」と示す行為です。逃亡のおそれはないと判断されやすくなり、自首が成立すれば刑を軽くする事情としても考慮されます。
もっとも、どんな処分も受け入れる覚悟で包み隠さず話す必要があります。職業や家族構成によっては逮捕されることもあるため、一人で自首・出頭せず、弁護士のサポートを受けたほうが安心です。自首のメリットや流れは公然わいせつで自首すべき?5つのメリットと自首後の流れをご覧ください。
露出行為を繰り返してしまう場合は医療機関へ相談する
下半身露出を繰り返してしまい「やめたいのに衝動を抑えられない」という方は、露出症(露出障害)という精神疾患の可能性があります。精神科や心療内科でそう診断された場合は、継続的な治療を受けて再犯の防止に努めることが大切です。治療を始めている事情は、検察官が処分を判断する場面でも有利な情状として考慮され得ます。
下半身露出で逮捕された場合の対処法
すでに逮捕された場合にやるべきことは2つです。
被害者への謝罪と示談交渉
下半身露出を目撃した被害者がいる場合は、まず謝罪文で真摯に謝り、被害弁償のための示談交渉を始めます。謝罪や示談は検察官が処分を決めるときに重視され、成立の時期によっては早期釈放や不起訴につながります。
なお不起訴は「無罪」の判決ではなく、検察官が起訴しないと判断した処分です。捜査を受けた記録(前歴)は残ります。不起訴を獲得するためのポイントは公然わいせつ罪の不起訴率と不起訴を目指すためにすべきことで詳しく述べています。
被害者と連絡がとれない場合は、慈善団体や弁護士会への寄付(贖罪寄付)で反省の態度を示す方法もあります。
弁護士に依頼する
下半身露出で逮捕されてから最大3日間、唯一面会できるのが弁護士です。早期に接見できれば、取り調べへの対応を助言し、家族との連絡も橋渡しできます。
示談交渉も、加害者本人が進めることは極めて困難です。被害者が直接の交渉に応じることはまずなく、捜査機関が連絡先を加害者本人に教えることもありません。
この点、加害者本人には応じない被害者でも、弁護士が窓口であれば連絡先の開示や交渉に応じることがあります。示談がまとまれば示談書も弁護士が作成します。
弁護士費用の目安は公然わいせつの弁護士費用の相場は?依頼のメリットや選び方を解説をご覧ください。釈放されて在宅事件に切り替わった場合も、示談交渉や通院の重要性は変わりません。
下半身露出でお困りの方はすぐにご相談ください
下半身露出で問われる罪は、露出した部位と見られ方によって3つに分かれます。令和7年の検挙率は74.7%、起訴率は54.0%。時効の3年間は後日逮捕の可能性が残り、「捕まらなかったから終わり」とはいえません。
しかし、露出事件の被害者が加害者と直接やり取りすることは、まずありません。弁護士が間に入れば交渉に応じてもらえる可能性が高まります。ご相談内容が家族や職場に知られることはありません。
当事務所では、公然わいせつ等の露出事件を数多く取り扱ってきた実績があります。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、下半身露出をしてしまった方、すでに逮捕された方やそのご家族は、まずは当事務所までご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

