
「繰り返し連絡が来るのはストーカー? それとも脅迫にあたるの?」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
ストーカー行為と脅迫罪は、どちらも被害者に恐怖や不安を与える点では共通していますが、成立要件や刑罰、対象となる行為の範囲が異なります。両者の違いを正しく理解しておくことが、警察への相談や弁護士への依頼など、適切な対処への第一歩となります。
この記事では、ストーカー行為の定義や脅迫罪との具体的な違い、実際のケースでどちらに該当するかの判断基準をQ&A形式もまじえて解説します。
なお、ストーカーや脅迫の被害について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。
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ストーカー行為とは
ストーカー行為をすると、ストーカー規制法という法律に違反し、加害者は逮捕されることもあります。
では、「ストーカー行為」とはなにか。
ストーカー行為とは、反復して(繰り返し)「つきまとい等」をすることです。
- ①つきまとい、待ち伏せ、押し掛け、うろつき等の行為
- ②相手の服装や行動を伝えてくるなど、監視していることを告げる行為
- ③面会や交際を強要するなど、相手に義務がないことを要求する行為
- ④怒鳴りつける、大声で叫ぶなど、乱暴な言動をする行為
- ⑤無言電話や、何度も電話やFAX、メールを送りつける行為
- ⑥糞尿、犬猫の死骸など、汚物等を送りつける行為
- ⑦性的画像のネットへの流出や誹謗中傷の投稿など、名誉を傷つける行為
- ⑧わいせつ写真の送付や卑猥な言動の電話など、性的羞恥心を傷つける行為
「不安を覚えさせるような方法」
①~④までのつきまとい行為と、⑤のうち電子メールの送信等に係る行為については、反復性に加え、「身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法」がストーカー行為となる要件となっています。
判例(大阪高裁平成16年8月5日判決)によれば、「不安を覚えさせるような方法」かどうかの判断は、一般人に通常不安を覚えさせるかどうかではなく、相手(被害者)に通常不安を覚えさせるかどうかで判断すべきと述べています。
一般人からすれば不安を覚えないような行為でも、諸々の事情(被害者と行為者の人的関係性や、これまでのつきまとい行為の頻度や回数など)から被害者に不安を覚えさせるような方法と認められれば要件を満たすということです。
なお、相手の不在時に行われたつきまとい行為であっても、もし相手に直接的に向けられたら不安を覚えさせるであろうと認められれば、当該方法に該当します。
例えば、被害者が外出時に家に押しかけたり、自宅周辺をうろついたりした場合でも、もし被害者がその場に居合わせたとすれば不安を覚えて当然ですので、この要件を満たすことになります。
ストーカー行為と脅迫罪の境界線は?
既に触れたように、ストーカー行為とは、つきまとい行為を反復して行うことです。対して、脅迫罪とは、生命・身体・自由・名誉・財産に対して害を加える旨を告知すること(これを「害悪の告知」と言います)です。脅迫罪についてさらに詳しく知りたい方は「脅迫罪になる言葉・ならない言葉は?成立要件と刑罰を解説」をご参照ください。
ストーカー行為となるためには、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的が必要です。一方、脅迫罪は目的の如何を問いません。
ストーカー行為の対象となる人は、特定の者やその配偶者、直系または同居の親族、その他特定の者と社会生活において密接な関係を有する者(交際相手・友人・会社の同僚など)です。これに対し、脅迫罪の対象となる人は、相手または相手の親族で、恋人や友人等は含まれません。
ストーカー行為となるには、つきまとい行為を反復して行う必要があります。対して、脅迫罪は、害悪の告知を1回でも行えば成立し得ます。
ストーカー行為の法定刑は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(禁止命令違反は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金)です。脅迫罪の法定刑は、2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。
※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。
なお、ストーカー行為も脅迫罪も、被害者の刑事告訴がなくても検察が起訴できる「非親告罪」です。
※以前はストーカー規制法の罰則は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金刑で、親告罪でしたが、平成29年に施行された改正ストーカー規制法で上記のように変更されています。
| ストーカー行為と脅迫罪の境界線のまとめ(一覧表) | ||
|---|---|---|
| ストーカー規制法 | 脅迫罪 | |
| 行為の内容 | つきまとい行為の反復 | 害悪の告知 |
| 目的 | 恋愛感情や怨恨の感情等の充足 | 不要 |
| 行為の対象 | 特定の者やその配偶者、直系または同居の親族、恋人・友人等 | 相手や相手の親族 |
| 反復性 | 必要 | 不要 |
| 法定刑(刑罰) | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(禁止命令違反は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金) | 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
| 親告罪か非親告罪か | 非親告罪 | 非親告罪 |
この行為はストーカーや脅迫になる?【Q&A】
しかし、これまで分割返済だったものが、復縁メールを無視し始めてから全額一括返済の要求に変化しています。彼の一連の行動から見て、恋愛感情が満たされないことに対する怨恨の感情から無茶な要求をしていると考えられます。連続したメールの送信はつきまとい行為となりますし、それが反復しているようですから、ストーカー行為になるでしょう。
また、「職場に取り立てに行く」という発言は、職場の人に知られたくない借金の事実を知らせることを示唆しており、名誉に対する害悪の告知として脅迫罪が成立する余地もあります。元交際相手からの脅迫への具体的な対処法は「元カレ・元カノからの脅迫をやめさせる6つの対処法と5つのNG行動」で詳しく解説しています。
ただし、「自殺する」「死ね」という言葉は、相手に対する害悪の告知とはいえないため脅迫罪にはなりません。「奥さんにバラす」という言葉については、不倫の事実を配偶者に知らされること自体が名誉に対する害悪の告知にあたるとして、脅迫罪が成立する可能性があります。
さらに、「会社にバラす」であれば、社内に不倫の事実が広まり社会的評価が低下するおそれがあるため、名誉に対する害悪の告知として脅迫罪に該当する可能性はより高くなります。なお、「自殺する」という発言が脅迫罪になるかどうかについては「「死ぬ」「死んでやる」と脅されたら脅迫罪?自殺されたら責任は?」もあわせてご確認ください。
ストーカーと脅迫のどちらに当たるか判断がつかない場合の相談先や、警察と弁護士の使い分けについては「脅された時の対処法は?恐喝・脅迫被害の相談先も弁護士が解説」で詳しく紹介しています。
ストーカーや脅迫の被害でお悩みの方は弁護士にご相談ください
この記事で解説したとおり、ストーカー行為と脅迫罪は成立要件や刑罰が異なりますが、実際のケースでは両方が同時に成立することも珍しくありません。被害の内容によって取るべき対応も変わるため、法的な判断を早い段階で得ることが大切です。
弁護士に相談すれば、受けている被害がどの法律に該当するかを整理したうえで、警察への被害届の提出や加害者への警告、示談交渉など、状況に応じた最善の対応を進めることができます。
「相手が逆上しないか不安」「元交際相手なので警察に相談しにくい」など、お一人で悩みを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。被害を受け続ける精神的な負担は大きく、対処が遅れるほど状況が深刻化するおそれがあります。
当事務所では、ストーカーや脅迫に関する被害のご相談を数多くお受けしてきた実績がございます。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、少しでも不安を感じている方はお気軽にご連絡ください。
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この記事の監修者
脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

