
「脅迫電話がかかってきたが、どう対応すればいいのかわからない」「非通知で犯人が誰かもわからず怖い」。そのようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。
脅迫電話への対応で最も重要なのは、通話を録音して証拠を残すことです。証拠があれば、警察への被害申告や弁護士を通じた解決など、状況に応じた対処の選択肢が広がります。
この記事では、脅迫電話への具体的な対応方法から、録音の証拠能力に関する法的なポイント、弁護士に依頼すべきケースまで、弁護士がわかりやすく解説します。
なお、脅迫電話の被害について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。
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脅迫電話への対応方法
脅迫電話を受けた場合、状況に応じて以下のような対応方法があります。
- ①通話を録音することを事前に伝える
- ②非通知電話へは拒否機能を使う
- ③会社宛ての脅迫電話は被害届で対応する
- ④携帯番号から身元を特定されるリスクに備える
- ⑤警察に被害申告をする
- ⑥内密に解決したい場合は弁護士に相談
①通話を録音することを事前に伝える
脅迫電話を未然に防ぐ最も効果的な対策は、通話を録音することを事前に伝えることです。
電話は意識して録音しない限りメールやLINEのように記録が残らないことから、気が大きくなって威圧的な脅迫文言を口にしてくる者もいます。
通話録音することを事前に相手に伝えることで、証拠を残すことを恐れて脅迫的な言動を控えるようになります。
事前に伝える方法として最も簡単なのは、自動応答録音アダプターを電話機に取り付けることです。
企業のコールセンターに電話した時に、「この通話を録音させていただいております」といった自動音声メッセージを聞いたことがあるはずです。
アダプターを取り付けることでまさにこのメッセージを流すことができるようになります。
人気の商品としては東芝のTY-REC2となります。ただし、ビジネスフォン非対応のため会社に導入する場合は録音前事前ガイダンス機能付き通話録音装置の導入などを検討する必要があります。
自動録音応答装置をつけられない場合
携帯電話のように装置を取り付けることができない場合や、会社の電話機に勝手につけられない場合にも、やはり通話録音することを相手に伝えることが一番の抑止力となります。
「建設的な話にするためにも、後で言った言わないといったトラブルを避けたいので録音します」と言い切ってください。
もちろんそれを言ったことで必ず相手が脅迫してこないとは限りませんので、証拠を残すためにも録音は必要です。
固定電話・携帯の両方で使える録音装置としては、ICレコーダーと組み合わせて使う電話録音用テレホンピックアップ TP8が値段も安くておすすめです。
また、スマートフォンの場合には、通話録音アプリが無料で出回っていますのでそれを活用しても良いでしょう。
②非通知電話へは拒否機能を使う
携帯に非通知での脅迫電話がきている場合は、各携帯会社のサービスで非通知拒否設定を行えます。
固定電話に対してかかってきている場合には、
- ①ナンバーディスプレイ対応・非通知拒否機能付きの電話機で
- ②NTTのナンバーディスプレイサービスに申込んでいること
この2つを満たせば固定電話への脅迫電話もブロックできます。
非通知拒否機能のついていない電話機の場合には、NTTのナンバーリクエスト(有料)に申し込めば非通知拒否が可能です。
③会社宛ての脅迫電話は被害届で対応する
プライベートのトラブルだが、会社にまで脅迫電話がかかってくる。
このように、会社宛てに電話がかかってくる場合、会社での業務を妨害しているため、威力業務妨害罪にあたることもあります。
職場へのこういった電話に対しては、まずは「仕事に差し支えるので二度とかけてこないでほしい」と伝えておくべきです。
その旨を伝えたのにしつこく電話してくれば、"業務を妨害することを分かっていながら電話をしてきている"という前提ができるので警察が威力業務妨害罪で被害届を受理してくれる可能性が高まります。
ですので、個人携帯であろうと会社宛てであろうと必ず通話は録音し、いつでも警察に被害届を出せるよう証拠を揃えておく必要があります。
④携帯番号から身元を特定されるリスクに備える
脅迫電話の加害者に携帯番号しか知られていない場合、単に着信拒否をするか携帯を解約すれば大丈夫と思い込んでいる人も少なくありません。
しかし、携帯番号(解約番号を含む)から名前や住所を調べることはできます。さらに調べれば実家の住所や勤務先まで判明してしまいます。
ネットで知り合った素性も良くわからない相手に携帯番号を教えてしまい、自宅を調べて押しかけると脅されるケースもよくあります。
携帯番号から身元を特定されることがご不安な方は、早めに弁護士に相談して今後の対応策についてアドバイスを受けることをおすすめします。状況に応じた適切な防衛策を提案してもらえます。
⑤警察に被害申告をする
警察が被害届を受理して捜査に乗り出してくれれば、非通知や公衆電話からの脅迫電話であっても犯人を突き止めることは可能です。
ただし、脅迫電話の頻度・回数、証拠の有無、被害の程度などを総合的に勘案して、かなり悪質であると認めてもらえなければ、被害届を受理してもらえないこともあります。
証拠の確保の際は、通話内容の録音だけでなく、着信の頻度がわかるもの、具体的には、着信日時を書き留めておいたメモや電話会社から発行される通話履歴の書面も残しておくのが望ましいです。
また、近年ストーカーによる凶悪犯罪が頻発していることから、ストーカーからの脅迫には警察も積極的に対応してくれます。
仮に脅迫電話を録音していなかった場合でも、ストーカー規制法に基づく警告等で対応してくれることもありますのでまずは警察に相談してみましょう。非通知や公衆電話からの脅迫で犯人がわからない方は脅迫電話の犯人は特定できるか|非通知や公衆電話の場合は?で詳しく解説しています。
⑥内密に解決したい場合は弁護士に相談
脅迫電話の被害者の中には、自分も法律に違反するような弱みを握られていたり、犯人からの報復行為が懸念されるため警察沙汰にしたくない人もいるでしょう。
実際、脅迫電話のケースでは、現場検証のために自宅や会社に警察が来ることがあります。
事件化した場合には、刑事裁判に証人として出廷を求められることもあります。
そこで、家族や職場に知られずに内密に解決することを考えた場合は、交渉に長けた弁護士に対応を依頼するのがよいでしょう。
弁護士は刑事告訴や民事訴訟の代理権限がある資格ですので、逮捕や損害賠償請求をされるのではないかという抑止力が加害者に対して働きます。脅迫被害への対処法全般や弁護士に相談・依頼するメリットについては脅された時の対処法は?恐喝・脅迫被害の相談先も弁護士が解説で詳しく解説しています。
また、すぐに警察に突き出すのではなく、ワンクッション置くことで報復感情が生じにくい状況を作り出すこともできます。不倫トラブルで脅迫を受けている方は、不倫で脅迫されたときの対処法|会社や家族に知られず解決もあわせてご確認ください。
脅迫電話の録音に関する重要ポイント
無断録音に証拠能力はあるか
基本的には、脅迫されている場合、相手には知らせずに通話を録音することが一般的です。相手の了承を得て録音することなど不可能でしょう。では、相手に無断で録音した会話は裁判で証拠として使えるのでしょうか?
裁判で証拠調べの対象となる資格のことを証拠能力といいますが、民事事件では原則として無断録音(秘密録音ともいいます)した音声データも証拠となります。
なぜなら、民事訴訟法では、証拠能力を制限する規定を設けていないからです。
ですので、脅迫電話の加害者に対して慰謝料請求訴訟をするなどの民事的な対応をする場合、相手に無断で録音した脅迫音声は証拠として使えます。慰謝料請求を検討している方は脅迫の慰謝料相場はいくら?示談交渉による慰謝料額の事例も紹介をご参照ください。
ただし、無断録音の証拠能力が争われた事案で、「著しく反社会的な手段を用いて人の精神的肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によつて採集された証拠は、証拠能力を否定されてもやむを得ない」との判例の見解もありますので、民事裁判であればどのような手法によって得られたものでも証拠になるというわけではない点に注意が必要です。
しかし、脅迫電話を相手の了解を得ないで録音することが著しく反社会的な手段とはいえませんので、裁判で証拠能力を否定されることはないでしょう。
一方、脅迫罪で加害者が逮捕・起訴された場合が問題です。刑事裁判という手続きに入ると、証拠調べの対象となる証拠はかなり制限されます。
録音の状況がかなり違法性が高いなど、ケースによっては、刑事裁判で証拠調べの対象から外されることがあるかもしれないのです。
この点について不安がある場合には、法のプロである弁護士に相談して判断を仰ぐのも一つの方法です。
脅迫になる言葉が録音されていなくても警察は対応してくれるのか
「殺すぞ」「会社にバラすぞ」などの典型的な脅迫文言を相手が言った場合は別ですが、「わかってるよね?」など、害を与えることを遠まわしにほのめかしている場合にも、電話での会話内容を録音した音声を持っていけば警察は対応してくれるのでしょうか?
警察は、「明らかに脅迫を受けている」という状況が客観的に判断できない限り、具体的な対応はしてくれません。
そういったケースにまで対応していると、人手が足りなくなるばかりか、逮捕しなくていい人まで逮捕することになりかねないからです。
もしも脅迫罪になる言葉が入っていないのなら、複数にわたる通話を極力多く録音し、電話の音声以外にも脅迫の事実を証明できるものをできる限り揃えておくことが重要です。客観的に脅迫被害を受けていると警察が判断できる状態にしておきましょう。
脅迫電話でお悩みの方は弁護士にご相談ください
脅迫電話への対応は、通話録音による証拠の確保が出発点となります。証拠を揃えたうえで、警察への被害申告や弁護士への相談といった次のステップに進むことが大切です。
特に、事情があって警察に相談しにくい場合や、家族・職場に知られずに解決したい場合には、弁護士の介入が有効です。弁護士が代理人として交渉にあたることで、加害者に対する法的な抑止力が働き、穏便な解決につながるケースも少なくありません。
「いつまた電話がかかってくるかわからない」「エスカレートして身の危険を感じている」など、脅迫電話の被害は精神的にも大きな負担となります。すでに録音などの証拠がある方はもちろん、どう対応すればよいかわからないという段階の方も、まずは専門家に状況を相談することが解決への第一歩です。
当事務所では、脅迫・恐喝被害に関するご相談を全国から24時間無料で受け付けております。家族や職場に知られることなく解決したい方も、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

