微罪処分になる7つの要件とは|前科・前歴はつく?弁護士が解説
  • そもそも微罪処分ってなに?
  • 微罪処分になるに要件は?
  • 前科・前歴はつくのだろうか?
  • 微罪処分を得るためにはどうすればいい?

この記事では、こういった疑問を、刑事事件に強い弁護士が解決していきます。

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微罪処分とは

微罪処分とは、警察官が捜査した事件のうち、一定の事件については検察庁(官)へ送致することを必要とせず、警察官から被疑者に対する厳重注意、訓戒等で事件を終了させる手続きのことをいいます。

微罪処分については、警察官に対する捜査規範について規定した犯罪捜査規範198条に規定されています。

犯罪捜査規範198条(微罪処分ができる場合)
捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる。

刑事訴訟法246条によると、本来、警察官が捜査した事件についてはすべて検察庁へ送致しなければならないのが原則です。

刑事訴訟法246条(司法警察員から検察官への事件の送致)
司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。

事件が警察から検察庁へ送致された後は、検察庁でも取調べなどの捜査を受けます。その後、検察官によって起訴、不起訴の判断がなされます。不起訴の場合は手続きが終わりますが、起訴された場合は刑事裁判を受ける必要があります。

そして、刑事裁判で有罪の認定を受けた場合は懲役、罰金などの刑罰を受け、不服申し立て期間(14日間)が経過した後は前科が付きます。一方で、微罪処分となれば、事件が検察庁へ送致されないということですから、上記のような起訴や刑罰、前科を受ける心配をする必要がなくなります。

警察が捜査する事件には軽微な事件から重大な事件まで様々です。そして、犯人に刑罰を与える目的は再犯を防止して社会の秩序を安定させることにあるところ、軽微な事件を犯した犯人に対しては刑罰を与えてまで再犯防止を図る必要性は低いと考えられます。

そこで、「犯罪事実が極めて軽微」な事件であって、「検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定された(検察官が指定した)」事件については、検察庁に送致する必要はないものとされているのです(犯罪捜査規範198条、刑事訴訟法246条参照)。

もっとも、犯罪を疑われる行為をしたことには変わりはなく、再犯防止を図る観点から何らかの処置を取る必要はあります。そこで、犯罪捜査規範200条に、警察官が微罪処分とする際に取るべき処置が規定されています。

犯罪捜査規範200条(微罪処分の際の処置)

第198条(微罪処分ができる場合)の規定により事件を送致しない場合には、次の各号に掲げる処置をとるものとする。

1. 被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒めること。
2. 親権者、雇主その他被疑者を監督する地位にある者又はこれらの者に代わるべき者を呼び出し、将来の監督につき必要な注意を与えて、その請書を徴すること。
3. 被疑者に対し、被害者に対する被害の回復、謝罪その他適当な方法を講ずるよう諭すこと。

微罪処分の要件

前述の犯罪捜査規範や刑事訴訟法によると、微罪処分の要件は、

  • 犯罪事実が極めて軽微であること
  • 検察官から指定された事件であること

となります。

実務では、検察官(各都道府県の検察庁の検事正)から各都道府県本部長の警察官宛てに発せられた文書で微罪処分の対象となる事件が指定されていますが、情報は非公開です。ただ、これまで取り扱った事例から、微罪処分の要件や微罪処分の対象となる事件をある程度推測することは可能です。

軽微な犯罪であること

まず、比較的罰則が軽く、かつ、類型的に犯しがちな犯罪であることが要件です。

具体的には、

  • 窃盗罪(10年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
  • 占有離脱物横領罪(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金若しくは科料)
  • 横領罪(5年以下の懲役)
  • 暴行罪(2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料)
  • 傷害罪(15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
  • 軽犯罪法違反(拘留又は科料)

などの犯罪をあげることができます。

実務上は、窃盗罪(万引き、置引きなど)や暴行罪が微罪処分の対象とされることが多いです。

一方で、

  • 強盗罪(5年以上の有期懲役)
  • 殺人罪(死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)
  • 現住建造物等放火罪(死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)

などのいわゆる重大犯罪は微罪処分の対象ではありません。

被害(結果)が軽微であること

窃盗罪、占有離脱物横領罪、横領罪などの財産犯の場合は、被害額が低額(おおむね「2万円以下」が目安)であることが要件です。傷害罪の場合は加療期間がおおむね「1週間~2週間以下」であることが要件です。加療期間が上記以上となる場合や後遺症が残る場合は微罪処分の対象外です。

犯行態様が悪質ではないこと

偶発的な犯行、単独犯による犯行、武器を使用していないこと、暴行の回数が少ないこと、などが要件です。一方で、計画的な犯行、共犯による犯行、武器を使用した犯行、暴行の回数が多い犯行は微罪処分の対象外です。

被害者が被疑者の処罰を望んでいないこと

被害が軽微であったり、犯行態様が悪質ではない場合でも、被害者が被疑者の処罰を望んでいる場合は微罪処分の対象外です。

被害弁償していること、示談が成立していること

警察が事件を検察庁に送致する前に被害弁償や示談できていれば被害者の処罰感情も緩和され、微罪処分の対象事件となりやすいです。もっとも、被害弁償や示談しなければ微罪処分の対象事件とならないかといえば、そうとも限りません。その意味で、被害弁償や示談は微罪処分の絶対要件ではありません。

前科・前歴がないこと

前科・前歴を有している場合よりも初犯の場合の方が微罪処分となりやすいです。ただ、前科・前歴を有していても、その内容や数によっては微罪処分となる場合もあります。

身柄を拘束されていないこと

微罪処分を受けるには身柄を拘束(逮捕・勾留)されていないことが大前提です。身柄を拘束されていると、たとえ、これまであげた要件にあてはまっていたとしても微罪処分を受けることはできません。

微罪処分のメリット

微罪処分を受けるメリットは以下のとおりです。

逮捕されない

微罪処分を受ける可能性がある場合、あるいは実際に受けた場合は逮捕されることはありません。

警察での取調べが簡単に終わる

微罪処分は犯人に刑罰を科すことを前提としていませんから、厳しい取調べは行わらず、簡単に終わることが通常です。

検察庁から出頭要請を受けない

微罪処分となると事件が警察から検察庁へ送致されません。検察庁へ事件が送致されないということは、検察庁から取調べ等のために出頭要請を受けることもありません。

起訴されない

事件を起訴するか不起訴とするかは検察官が決めますが、検察庁へ事件が送致されないとその判断をすることもできません。すなわち、微罪処分となれば起訴されることはありません。

刑事裁判を受けずに済む

起訴されると刑事裁判を受ける必要がありますが、微罪処分となれば起訴されませんから刑事裁判を受ける必要がありません。

刑罰を受けない

懲役、罰金などの刑罰は、刑事裁判を経てはじめて科されます。そのため、刑事裁判を受ける必要がないということは懲役、罰金などの刑罰を受けないということを意味します。

前科がつかない

前科は刑事裁判で有罪の認定を受け、判決等で懲役などの刑罰を科され、かつ、不服申し立て期間を経過してその定してはじめてつきます。微罪処分となれば刑事裁判を受ける必要がありませんから、前科はつきません。

なお、前歴()はつきます。
捜査機関に検挙された履歴。警察が情報を管理しており、一般人が知ることはできません。前歴がついたからといって、日常生活にはほとんど影響はありません。

≫前科と前歴の違い|5つのデメリットと前科をつけないためにすること

微罪処分を獲得するためにやるべきこと

微罪処分を獲得するためには、

  • 被害弁償と示談
  • 私選弁護人に依頼する

を行いましょう。

被害弁償と示談

前述のとおり、被害弁償や示談は微罪処分を獲得する上での絶対条件ではありません。しかし、被害弁償や示談をしておくことで、微罪処分を獲得できる可能性が各段に上がります。

検察に送致されてしまっては微罪処分を獲得できません。被害弁償、示談するなら送致される前に済ませることが必要です。

私選弁護人を探す、依頼する

被害弁償、示談はご自分で行うことも可能です。しかし、被害者の多くは加害者であるあなたと直接やり取りすることを嫌います。そのため、仮に、被害者の連絡先を把握していて被害者とやり取りできる状態でも、実際は被害弁償や示談することが困難なケースが多いです。

また、事件によっては被害者と面識がなく、被害者の連絡先すら知らないというケースもあります。その場合に被害弁償や示談するには、警察から被害者の連絡先等を教えてもらう必要があります。ただ、警察が加害者に被害者の連絡先を教えることはありません。そのため、被害者と面識がない事件では被害弁償や示談ができません。

そこで、被害弁償や示談を望む場合は、弁護士に依頼するのも一つの方法です。弁護士であれば、被害者と面識がない事件でも、被害者の意向しだいでは警察から被害者の連絡先等を教えてもらえる可能性があります。また、実際に被害弁償や示談となった場合でも、ご自分で交渉する負担が減りますし、円滑に話をまとめてくれる可能性が大きいです。

弁護士の力を必要とする場合、在宅事件が警察にある段階では国選弁護人を選ぶことはできませんから、私選弁護人を探す必要があります。

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