
「刑事裁判は弁護士なしでも受けられる?」「費用をかけてまでつけるべき?」と迷っていませんか。
起訴されるまでは、弁護士をつけるかどうかは本人の自由です。起訴後の裁判も、弁護人が必須の事件(窃盗なども含みます)でなければ弁護士なしで受けられます。
ただし、実際には被告人のほぼ全員に弁護人がつき、つけないと不利になるおそれがあります。
この記事では、刑事弁護に精通した弁護士が、次の点を解説します。
- 刑事事件で弁護士をつけないことは可能か
- お金がなくても弁護士をつけられるか
- 逮捕から裁判まで弁護士をつけないとどうなるか
お読みいただくと、弁護士をつけるべきかをご自身で判断できます。
なお、お急ぎの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。
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刑事事件で弁護士をつけないことは可能?
答えは、捜査段階か起訴後の刑事裁判か、どのような事件かで変わります。実態と費用の面もあわせて確認します。
起訴されるまでは弁護士をつけるかどうかは自由
罪の重さにかかわらず、起訴されるまでの捜査段階では、弁護士をつけるかどうかを本人が選べます。
勾留(逮捕に続く、より長い身体拘束)を請求された後は国選弁護人(国が選んでつける弁護人)も請求できますが、自分から依頼も請求もしなければ、弁護士なしのまま取調べが進むこともあります。
刑事裁判では、必要的弁護事件なら弁護士なしで開廷できない
起訴後の刑事裁判も、必要的弁護事件でなければ弁護士なしで受けられます。必要的弁護事件とは、弁護人がいなければ裁判を開けない事件で、主に次の2つです。
- 死刑・無期の刑や、上限が3年を超える拘禁刑(懲役・禁錮を一本化した刑)が定められた罪の事件(刑事訴訟法289条1項)
- 公判前整理手続(裁判前に争点を絞る手続)などに付された事件
たとえば、窃盗罪(上限は拘禁刑10年)はこれにあたり、暴行罪(同2年)はあたりません。必要的弁護事件で弁護人がいなければ、裁判長が本人の請求を待たずに国選弁護人をつけます。
国選弁護人の仕組みは「国選弁護人とは?費用は無料?私選弁護人との違いやメリット」をご覧ください。
実際にはほぼすべての刑事裁判で弁護人がついている
制度上は可能でも、弁護人なしで刑事裁判を受ける人はごくわずかです。令和7年の司法統計年報(刑事編)によると、通常の刑事裁判の第一審を終えた被告人のうち、弁護人がついていたのは地方裁判所で約99.2%、簡易裁判所で約97.9%で、その多くは国選弁護人でした。国選弁護人は、必要的弁護事件以外でも裁判所がつけることがあります。
弁護士費用が払えなくても国選弁護人をつけられる
費用が払えないからといって、弁護士なしで済ませる必要はありません。国選弁護人は、勾留請求後か起訴後に、現金・預金などが50万円未満なら請求でき、50万円以上でも弁護士会へ私選弁護人(自分で依頼する弁護士)の選任を申し出て、引き受け手がいなければ請求できます。
国選弁護人の報酬は国が支払いますが、刑の言い渡しを受けた人は、原則として訴訟費用として負担を命じられます(刑事訴訟法181条1項)。貧困で納められないことが明らかなら命じられず、命じられても、貧困で完納できなければ判決の確定から20日以内に執行の免除を申し立てられます(同法500条)。
国選弁護人を請求できない逮捕直後でも、弁護士会の当番弁護士を呼べば初回の面会は無料です。その後の弁護士費用は、日本弁護士連合会が法テラスに委託する刑事被疑者弁護援助で賄える場合があります。当番弁護士は「当番弁護士とは?呼び方・費用・国選弁護人との違いを解説」をご覧ください。
私選弁護人でも、分割払いに応じる事務所があります。
費用の制度は「刑事事件の弁護士費用が払えない場合に利用できる3つの制度を解説」で詳しく解説しています。
弁護士なしだとどうなる?逮捕から刑事裁判までの5つのリスク
逮捕から刑事裁判まで弁護士をつけずにいると、次のような不利益が生じるおそれがあります。
①身体拘束が長引き、家族とも自由に会えない
弁護士なしでいると、身体拘束から早く解放されるための働きかけが難しくなります。逮捕から72時間以内に勾留が請求されることがあり、裁判官が認めると原則10日、延長されれば最長20日間、身体拘束が続きます。
弁護士なら、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを示して、早い釈放を求められます。
勾留が決まるまでは家族も面会できないのが通常で、接見禁止がつけば勾留後も弁護士以外とは会えません。弁護士は接見禁止中でも立会人なしで面会(接見)できます。
②取調べで不利な供述調書をとられやすい
弁護士なしで取調べを受けると、自分に不利な内容の供述調書(話した内容を捜査官がまとめた書面)をとられやすくなります。調書は、署名・押印すると裁判の証拠になり得るため、後から覆すのは簡単ではありません。
取調べでは意思に反して話す必要はなく、調書への署名・押印も拒めます。ただ、連日の取調べで一人でこれらの権利を使い続けるのは容易ではありません。
とくに、身に覚えがない、事実の一部が違うなど容疑を否認している場合、捜査のペースで認める内容の調書がとられると、刑事裁判で無罪や事実の違いを争うのが難しくなります。否認事件ほど、早い段階で弁護士の助言を受け、何を話し、どこで黙秘するかを決めておくことが大切です。
③被害者との示談が進まない
被害者がいる事件では、示談(謝罪と賠償をして当事者間で解決する合意)の成否が、起訴するかどうかや刑の重さに大きく影響します。しかし、警察や検察は本人に被害者の連絡先をほとんど教えません。被害者が了承すれば弁護士に伝えることがあるため、弁護士がいなければ示談の交渉を始めることさえ難しいのが実情です。
弁護士をつけずに示談を進める危険は「弁護士なしで示談をする6つのリスクを知っていますか?」で解説しています。
④起訴するかどうかの判断で有利な事情が伝わらない
起訴するかどうかは検察官が決めます。専門知識のない本人だけでは、処分を軽くする方向の事情が検察官に十分伝わらないおそれがあります。
罪を認めている事件では、弁護士は反省や示談、家族による監督の約束などの事情を検察官に示し、不起訴や軽い処分を求めます。起訴されなければ刑事裁判は開かれず、前科もつきません。
身体拘束中は勾留の期間内に起訴か釈放かが決まるため、検察官への働きかけは時間との勝負です。
⑤刑事裁判の手続きや反論を自分で行うことになる
必要的弁護事件でない刑事裁判では、保釈(保証金を納めて身体拘束を解いてもらう制度)の請求、証拠の検討、法廷での反論や有利な事情の立証を、弁護士をつけなければ自分で行うことになります。準備が不十分なまま審理が進めば、刑が重くなるおそれもあります。
刑事事件で逮捕された方・刑事裁判を控えた方へ
弁護士をつけずに刑事裁判に臨むことは、事件によっては制度上可能です。しかし、逮捕から法廷までの各段階で、弁護士がいないことで不利になる場面は少なくありません。
ご家族の逮捕や警察からの呼び出しは、精神的な負担も大きいものです。一人で抱え込まないでください。
当事務所は刑事弁護を専門分野とし、逮捕回避や不起訴・執行猶予の獲得に豊富な実績があります。弁護士が迅速に動き、全力を尽くしてお守りします。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

