強制性交等罪(旧強姦罪)の時効は?時効成立を待つリスクと待たずにすべきこと
強制性交等罪(旧強姦罪)の時効は何年だろう…

結論からお伝えすると、強制性交等罪の時効は10年です

加害者の中には、この10年間を逃げ通そうと考えている方もいるかもしれませんがやめておくべきでしょう。

この記事では、

  • 強制性交等罪の時効の成立を待つリスク
  • 強制性交等罪の時効の成立を待たずにすべきこと

について、性犯罪に強い弁護士が解説していきます。

相手をレイプしたことに身に覚えのある方で、この記事を読んでも問題解決しない場合は、お気軽に弁護士までご相談ください。

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強制性交等罪とは?刑罰は?

強制性交等罪(刑法第177条)は相手と性交等(性交、肛門性交及び口腔性交)をした場合に問われる罪です。相手が13歳以上の男女の場合は暴行又は脅迫を手段とする必要がありますが、相手が13歳未満の男女の場合は暴行又は脅迫は不要で、性交等をしただけで強制性交等罪に問われてしまいます。刑罰は5年以上20年以下の懲役です。

また、強制性交等罪の既遂罪、あるいは未遂罪を犯した際に、相手を負傷させた場合は強制性交等致傷罪、死亡させた場合は強制性交等致死罪に問われる場合があります。強制性交等致死傷罪の刑罰は6年以上20年以下の懲役又は無期懲役です。

なお、強制性交等罪と同様、性交等が罪の成立要件となっている罪として準強制性交罪監護者性交等罪があります。準強制性交等罪は、人の心神喪失もしくは抗拒不能の状態を利用し、あるいは自ら心神喪失もしくは抗拒不能状態にさせて性交等をした場合、監護者性交等罪は18歳未満の者に対し、監護者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした場合に問われる罪で、刑罰は強制性交等罪と同じです。

強制性交等(旧強姦)事件の刑事事件の時効は?

刑事事件の時効のことを公訴時効といいます。公訴時効とは、ある一定期間が経過すると検察官が公訴の提起(起訴)が出来なくなる制度のことです。

そして、強制性交等罪の公訴時効は10年です。同じく、準強制性交等罪・監護者わいせつ罪の公訴時効は10年です。また、強制性交等致傷罪の公訴時効は15年強制性交等致死罪の公訴時効は30年です。

公訴時効の期間について

公訴時効の期間は犯した罪の刑罰の重さによって決まります。

強制性交等罪・準強制性交等罪・監護者性交等罪、強制性交等致傷罪・強制性交等致死罪の刑罰は以下となります。

  • 強制性交等罪・準強制性交等罪・監護者性交等罪:5年以上20年以下の懲役
  • 強制性交等致傷罪・強制性交等致死罪:無期懲役または6年以上20年以下の懲役

そして、公訴時効の期間について規定されている刑事訴訟法250条と各犯罪の刑罰を照らし合わせると、上記でお伝えした公訴時効の期間となります。

第二百五十条 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については三十年
二 長期二十年の懲役又は禁錮に当たる罪については二十年
三 前二号に掲げる罪以外の罪については十年
② 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年

犯罪名刑罰公訴時効
強制性交等罪・準強制性交等罪・監護者性交等罪5年以上20年以下の懲役10年
強制性交等致傷罪無期懲役または6年以上20年以下の懲役15年
強制性交等致死罪無期懲役または6年以上20年以下の懲役30年

強制性交等罪の民事事件の時効は?

強制性交等を犯した場合、民事上の時効(損害賠償の時効)にも注意が必要です。強制性交等は民事上の不法行為にあたり、被害者は加害者に対して慰謝料等の損害賠償を請求する権利を有します。この権利がある時点から一定期間経過することにより消滅する制度が民事上の時効です。

民事上の時効期間は①被害者が損害及び加害者を知ったときから3年、あるいは②不法行為のときから20年です。もっとも、被害者を死亡させるか、被害者を負傷させた場合(つまり、強制性交等致死罪、もしくは強制性交等致傷罪に問われた場合)は①の3年が5年となります。

強姦罪から強制性交等罪への法改正で時効も改正された?

強制性等性交等罪は平成29年の刑法改正で設けられた罪で、かつては強姦罪と呼ばれていました。以下、どのような点が改正されたのかみていきましょう。

そもそも何が改正された?

改正点は次の4つです。

保護の対象が拡大された

強姦罪では女子のみ保護の対象とされていましたが、強制性交等罪では男女ともに保護の対象とされています。

処罰対象の行為が拡大された

強姦罪では姦淫(陰茎を膣内に挿入する行為)のみが処罰の対象とされていましたが、強制性交等罪では性交(姦淫と同義)のほか、肛門性交、口腔性交も処罰の対象とされています。

刑罰が重たくなった

強姦罪の刑罰は3年以上20年以下の懲役でしたが、強制性交等罪の刑罰は5年以上20年以下の懲役と下限が3年から5年に引き上げられました。これにより、強制性交等罪で執行猶予を獲得することは限りなく難しくなりました。

親告罪ではなくなった

強姦罪は検察官が起訴するにあたり被害者の告訴を必要とする親告罪でしたが、強制性交等罪では被害者の告訴を不要とする非親告罪となりました

強姦罪の時効についても改正された?

強姦罪の公訴時効期間は10年だったところ、前述のとおり、改正後の強制性交等罪も10年と変わりありません。なお、準強姦罪は準強制性交等罪に、強姦致死傷罪は強制性交等致死傷罪と改正されましたが、準強制性交等罪の時効期間は10年。強制性交等致傷罪は15年、強制性交等致死罪は30年と変更はありません。

強制性交等罪の時効の成立を待つリスク

強制性交等は、万引きなどと異なり、その場で発覚することはまずありません。一方で、発覚すれば逮捕や厳罰につながる可能性が高いのが強制性交等罪です。そのため、罪を犯した認識があったとしてもそのまま放置し、時効が完成するまで何とか逃げ延びようという気持ちでいる方も中にはおられると思います。

しかし、前述のとおり、強制性交等罪の時効期間は10年です。この間は、少なくとも警察から呼び出しや家宅捜索を受けたり、逮捕される可能性があります。そのため、10年という長い期間、いつ警察から呼び出しや家宅捜索を受けるのか、逮捕されるのかという不安と闘いながら日々を過ごさなければなりません。

なお、強制性交等致傷罪が成立する場合は、時効期間は15年です。レイプの際に膣内に損傷が生じたり、加害者が気付いていないだけで被害者が抵抗した際に何らかの傷害を負った可能性もあります。また、傷害は外傷に限らず、PTSDやパニック障害などの精神障害も含まれます。加害者が知らないだけで、その裏では強制性交等致傷罪が成立していることもあるのです。つまり、10年経てば安心できるとは限らないのです。

警察に発覚するタイミングは読めません。早くて数週間後、数か月後、場合によっては数年後に警察に発覚することもあります。警察に発覚し、逮捕されれば、それまでの生活を送ることができなくなってしまいます。だからこそ、上記のような不安を抱えたままだと、仕事やプライベートで思い切ったことにチェレンジできなくなります。

万が一発覚し、裁判で有罪の認定を受けると刑務所に服役しなければなりません。そのため、それまで仕事やプライベートで積み上げてきたものが一気に崩れ落ち、一から人生をやり直さなければならくなることも考えておく必要があります。

強制性交等罪の時効の完成を待たずにすべきこと

そこで、強制性交等罪を犯したかも?と思ったらそのまま事態を放置するのではなく、自分からアクションを起こすことが大切です。以下では、強制性交等罪を犯したかも?と思った場合にあなたがとるべき行動について解説します。

自首すべきか検討する

まず、自首すべきかどうか検討します。

自首することで、これまで心の内にため込んでいたモヤモヤを一気に解消できます。また、警察には「逃亡のおそれなし」と判断され、逮捕を回避できる可能性があります。のちのち法的な自首と判断されれば起訴か不起訴かの刑事処分の判断の際に有利に働く可能性がありますし、裁判官の量刑判断では減軽され執行猶予を獲得できる可能性があがります。

一方、自首するということは、それまで警察に発覚していなかった罪を自ら申告することになります。被害者がすでに被害申告している場合やのちのち申告した場合は刑事事件として立件され、ゆくゆくは刑事裁判において刑を科される可能性もあります。また、必ず自首が成立するとは限りませんし、自首したからといって逮捕を回避できる補償もありません。

このように、自首にはメリットがある反面、デメリットもありますから、自首する前にそもそも自首すべきなのか、するとして事前にとっておくべき対策はないのかしっかり検討しておく必要があります。弁護士に依頼すれば、自首すべきかどうかきちんと検討し、仮に自首するとした場合には事前の対策をしっかり講じた上で、当日、自首に同行してくれます。一人で自首するより、精神的な負担を大きく軽減することができます。

被害者と示談する

次に、被害者と示談交渉し示談を成立させることです。

示談交渉の中では、被害者がまだ警察に被害届を提出していない場合は警察に被害届を提出しないことを、すでに提出している場合は被害届を取り下げることを求めていきます。そして、示談を成立させることができれば、前者の場合は警察に事件のことが発覚することを防止することができますし、後者の場合は逮捕などの刑事手続きが進んでいくことを防止することができます。

もっとも、示談交渉は弁護士に任せましょう。性犯罪の加害者との直接の示談交渉に応じる被害者はいません。また、被害者側が代理人弁護士をつけてくることも考えられますが、直接交渉しようとすると不利な条件で話をまとめられてしまう可能性もあります。さらに、被害者と面識がなく、被害者の連絡先等の個人情報を知らない場合は警察から取得する必要がありますが、警察が刑事事件の加害者に被害者の個人情報を教えることはありません。この点、弁護士であれば連絡先を教えてもいい、示談交渉に応じてもいいという被害者も多いです

弊所では、強制性交等罪の被害者との示談交渉、早期釈放、不起訴処分の獲得を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守ります。強制性交等罪にあたる行為をしてしまい後日逮捕されるのではと不安な方、逮捕された方のご家族の方は、まずはお気軽にご相談下さい。相談する勇気が解決への第一歩です。

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